この素晴らしい世界にオリジナルライダーを   作:にゃはっふー

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彼から見たこのすば世界、そして戦う。


前編・王都周辺の暴走

 魔物の軍勢は焦っていた。王都進軍の援護として編成された我々だが、いまは未知の敵と遭遇して、敗北しようとしていた。

 

『カブトギア・ファイズギア・ドライブギア・スピードアップ』

 

 目にもとまらぬ早さ、魔法だろうかと思うが、そんな魔法聞いたことはない。

 いつの間にか見たこともない剣を構え、切り伏せていた。

 

「あとはお前だけだ」

「くっ」

 

 すでに部下は全滅した。戻ったところ、合流したところで意味はない。意味があるとすればこいつをここで倒すべきだ。

 

「正直王都の進軍に対して興味はないが、お前達が命を脅かすというのなら、俺はお前達の戦いに乱入する」

「くそっ。いくら力を付けようとっ、我々は必ず、進軍をやめぬぞッ」

 

 こいつは戦う前にこう叫んだ「もう人類への進行を止めろ」と。

 なぜそれをやめねばならないのかわからないが、そうかと呟く。

 

「ならばせめて、本気で貴様を討とう」

「・・・それは光栄ッ」

 

『カブト・ザビー・サソード・ドレイクパワー・オールゼクター・コンバイン』

 

 手に持つ剣が巨大な光が宿る、あれはまずいと思うが、私一人にそれは光栄だ。やはり私はここで死ぬようだ。

 ならばせめて名乗ろう。

 

「魔王軍が一人、部隊長ワーウルフっ、名を聞こう」

「ただの乱入者、仮面ライダーツルギ」

 

 そう言って大剣は私を切り裂いた。ツルギ、その名は向こうで部下達に話しておこう。あれはおそらく、歴戦の覇者だ。

 

 

 

「・・・はあ」

 

 剣は変身を解き、王都へとやってきた。のんきなのかは知らないが平和であった。

 いやさっきまで進行軍への援軍が来ていたのだが、謎の襲撃があり全滅したと言う報告があったために、彼らは浮かれている。

 だが剣は正直、感情が沈んでいた。

 喜ぶべきことだが、人類がすでに勝ったかのような騒ぎ、守る騎士団らしきもの達も酒を飲むが、本隊がまだいるのだから、気を引き締めるべき状態だろう。

 なにより、その襲撃した人物は謎なのだ。自分達の敵じゃないとなぜ考えない。

 楽観視は言い過ぎかもしれないが、それでもぬぐえないなにかを彼らから感じながら、町を歩く。

 

「剣、そんなに気にするなよ」

「・・・わかってる」

 

 王都で神器の気配はする。いくつかは知らないが、明らかなものだ。

 しばらく周りを見て回り、王族貴族が持っていることは分かった。ならばあとは攻めるだけだと思う。

 と、路地裏である子を見つけた。

 

「エリス・・・いや、クリスか」

「えっ」

 

 盗賊クリスが、路地裏で姿を隠していた。

 そして嫌な予感がしたが、彼女は少し考えて、にやりと微笑む。

 だが結果、彼女は半泣きになるのだった。

 

 

 

 しばらく盗賊クリスと共に、義賊することになった。

 クリスはと言えば、時折涙目になるが、その理由は、

 

「頭、なぜいつも涙目?」

「それはね兄貴くん、君が私のことを頭って平然と言うからだよ。まあ助かってるけどね・・・」

 

 ここしばらく、王都で不正を働く貴族のもとで、神器探し。クリスからすれば彼らが先に発見して破壊されるよりも、交渉することも考えて側に置いておきたいこともあり、こうして協力している。

 奏は槍、ガングニールになって協力している。ガングニールピースとして奏も同行する中で、奏の方は、

 

「とりあえず鍵開けたぞ、あとめぼしいものは・・・」

「お前の方が盗賊本業じゃないのか!!」

「ああ私も思った。っていうより、いつもお金とか色々、足付かずに配る方法教えてよ、なにをどうすれば綺麗なお金用意できるの!?」

 

 足付かないように色々しているだけだ、企業秘密である。

 騎士団などは二人組どころか、正体すらつかめていないのは、剣の働きが強い。クリスは本業なのにと涙目で剣を見る。

 人を欺くのに長けている剣は、まず貴族の不正やら、世に出ては困るものをわざと目に付くように置く。

 族が入られた貴族がそれをもみ消すのに時間がかかり、操作の時間がかかる。

 それも考慮して、操作が入れば別の場所からそれが発覚して、自分達よりもそれをもみ消した貴族の対処に手をおわれ、自分達を追えない。

 というサークルを作り、その間に盗品を足がつかないようにお金に換えたり、それを元手に骨董品を買い、それを売る。

 また、学校などの施設を作り、色々と裏で・・・

 

「お前はこの世界で別のことしてないか!?」

「手慣れているって話じゃないよ!!」

「げせぬ」

 

 そんな義賊が王都で暴れていると共に、魔王軍の侵攻もまた、裏で倒している。

 クリスからすれば、助かるのだが、疑問に思う。

 いまもまた、本隊への支援物資を止めたりしている。

 

『ブレイドギア・サンダー』

 

 雷をシンセイバーに集め放ち、大群の魔物が向かってくるが、構える。

 

『クウガギア・アギトギア・ダブルギア・ファイターアップ』

 

 格闘術があがり、それを一撃で粉砕する。一騎当千、天下無双。まさにそんな戦士他だった。

 

『フォーゼギア・キバギア・ウィザードギア・トリックアップ』

 

 今度はトリッキーな動きをして、いつの間にか武器を取りだし、それで敵を切り伏せたりしている。またダイヤルを使う。

 

『ガイムギア・大橙丸』『ゴーストギア・ムサシ魂』『ブレイドギア・ファイヤー・スラッシュ』

 

 ガンガンセイバーと大橙丸での攻撃、そしてトドメを刺して終わる。

 圧倒的すぎる。クリスは奏から彼の存在を聞けば聞くほど、異世界の勇者、英雄としか思えない。

 本人はそう言った人の代理品だと言われたが、

 

(そんなことはない・・・)

 

 その力を十分に振るう彼は、十分に資格と素質がある。

 代理品ではなく、本物の戦士だと、クリスは直感した。

 

 

 

「お疲れさん、大丈夫か」

「あ~~~」

 

 汗を滝のように流し、離れた位置座り込む剣。だいぶライダーズやシンフォギアを使いすぎた。

 飲み物が入った袋をクリスが渡す。それを飲ませる奏。

 

「いくらなんでも連続使用はまずいだろ、三個同時のアップも、まだ仕組みが分かってないし、他のライダーさん達の武器や技、使い切れてないだろ」

「そうなんですか?」

「ああ、まだ全部の力を使い切れてない。だってのに、ああぽんぽん使って」

 

 頭をかく奏の説教に、剣は力無く笑う。

 シンフォギアフォームの際、三つ同時使用、アップはそのライダー達の特徴が組み合うことで発動する。

 トリッキーな動き、能力の封印、格闘術などの特徴を全部同時に使うのがアップだ。

 だが、別に別々で合わせて使うことも出来る。ブレイドのラウズカードや、カブトのクロックアップに、鎧武の武器がそれである。だがそれでアップが発動しない。

 そのうえ、ライダーズとシンフォギアは別々にしか使用できない。アップだけは同時使用できるが、それだけではないとわかる。

 まだ未熟な自分。クリスは首を振る。

 

「そんなことないよっ、君がいればもしかしたら魔王だって」

「倒さないぞ俺は」

「!!?」

 

 驚くクリスだが、それはこの世界で決めていることだ。

 

「クリス、俺はこの世界で起きる、俺の世界の災厄を壊すためだけに来ている。他はついでだ、間違えるな」

「け、けど、君が魔王を倒してくれれば」

「世界は平和? か・・・」

 

 クリスの顔を見る。君が魔王を倒して欲しいと懇願しているが、剣は水袋を掴む。

 

「・・・悪いが魔王は倒さない、俺の目的は別だ」

「剣くん・・・」

「・・・」

 

 奏はなぜ、剣がそういうのはわかっている。魔王を倒す必要を感じていないのが現状だった。

 正直、王都側、人類側の対処があれだった。

 真剣味が感じないと言うより、言葉に出来ない何かがある。

 

(だけどクリスは違う、本気で願ってる・・・そんな奴に言葉に出来ないもん、言ってもな)

 

 そんなことを思いながら、また貴族の家に忍び込む。

 今度はなぜか現状だが、穴はありすぎたので助かる。

 剣の服装は、ガングニールピースを持ち、ウィザードのドレスアップで、黒いコート姿で、素顔を布で隠して、黒い瞳以外隠している。

 全身黒であり、コートを翻す。

 

 

 

 そして、クリスと別行動で貴族の不正だけ仕入れて、あとはばらまくだけである。宝感知と言うスキルを持つクリスのもとにいくと、

 

「確保ぉぉぉぉ」

 

 クリスを捕まえる男がいたので、すっとガングニールピースを首もとに置く。

 男はひぃと悲鳴を上げる。気配は消していたため、ガングニールピースの殺気には気づくとは、なかなか見所があるな。

 

「悪いな、君にはここで犠牲になるかボコボコになるかの二つを選べ」

「どっちにしてもケガ決定かっ!?」

「すまないな、頭は女性で、君が女性の身体を触りまくろうとしていたから、その二択だけだ」

 

 そう話していると、あれとクリスは叫ぶ。

 

「待って兄貴くんっ、もしかしてカズマくんっ!?」

「ん? 兄貴って聞くと筋肉ムキムキしか思い出せないが、その声は」

「私だよ、ダクネスの友人で、君に盗賊スキルを教えたっ」

「・・・・・知り合いか」

 

 

 

 しばらく話し合って分かったのは、彼はカズマと言う冒険者で、貴族達の前で賊を捕まえる話をしたらしい。

 それでまさかの仲間の知り合い、というよりダクネスと言う人が貴族らしい。

 

「クリス、お前・・・」

「いっや~色々あるんだよ色々」

 

 女神エリスと知っているため、色々と聞きたいことがあるんだがと言う顔。素顔はカズマには見せておく。今後のために。

 

「とりあえず、えっと剣さん? なんか日本名だな、剣って名前も珍しいけど」

「しっかし、女の子相手にだきつこうとはどうなんだい? クリスに変なことしてたらそのまま切り伏せてたよ」

「いやいやいやいやっ、だって俺、それ以外に捕まえるのないももないっすよっ」

「私が今度、バインド教えてあげるよ」

 

 そう世間話をしているが、少し気になることがある。

 

「ん? クリスとカズマくんの話を聞く限り、カズマくんってクリスの友達の、ダクネス? さんとパーティー組んでるんだよね?」

「えぇぇぇぇぇぇぇぇ、ダクネスここにいるの!? ま、まずいよっ、本気で怒られちゃうっ」

「そんなこと言われてもな、まあ謝ればきっと命まで取られないと思うよ、だから」

「いやいやいや、君ね、力関係分かってないけど、俺的には君を亡き者にして逃げる気だよ」

「それはダメだよ剣くんっ」

 

 涙目のクリスに、距離を瞬時に取るカズマ。彼はなかなかの、そういった関係の手練れだなと感心する。

 

「おっほん、仕方ない。カズマくんにはなぜ私達がこんなことしているか説明するから、協力」

「嫌だぁぁぁぁぁ」

「な、なんで!?」

 

 彼の言い分は分かる。確実に込み入った事情であることから、首を突っ込みたくないのだろう。我々に逃げろとまで言ってくる始末だ。

 だが彼は貴族達の前で、賊を捕まえる宣言している。これはまずいだろう。

 

「仕方ない、話はいまここでするのも、協力関係になるのも後回しだ。クリスいまは離れるぞ、人の気配も近づいてきている」

「マジかよっ、クリス、急いでそのバイ」

 

 何かを言う前に、彼を切り伏せた。

 

「えっ・・・」

「・・・・・はい・・・・」

 

 鮮血が舞い上がり、ガングニールピースから取り出した大橙丸での斬撃だった。

 意識が消えかけているカズマくんに、

 

「君は善戦した、ということにしておけ。大丈夫、たぶん死なない」

「たぶんってなに!? わ、わたし、これ知られればダクネスになにされるかわからないよっ、怒られるよっ」

「大丈夫」

 

 そう言って、

 

『アドベント』

 

 炎で部屋を吹き飛ばした。

 逃げ追えた後は、泣いているクリスを慰めることになり、奏には正座させられた。

 仕方ないだろう、彼には善戦したことにしなければ立場というものがある。死なないよ、たぶん。

 

 

 

 賊は結局逃げられたが、盗みは防げたと言う話であり、カズマと言う男は結果的に逃がしたが、二人組であり、かなりの使い手だと説明する。

 しかも名誉の負傷までした冒険者として、まあ名誉は多少守られたようでよかった。

 

「じゃ、私、彼のいる部屋入ってくるから、来ないでね」

「頭、セクハラされるビジョンが見えます。むしろしますね、切られたうえ、爆破されましたから、頭の体中触ってきますよあの男」

「ううっ・・・」

 

 結局入って、カズマくん起こすクリス。クリスと分かっていながら曲者と叫び、セクハラを働こうとしたので、またガングニールピースで首もとに当てる。

 剣はガングニールピースで生き物を斬らないと言う誓いがあるため、けしてしない。だからわざわざ大橙丸を取り出したのだが、それを知らないものには意味がない。

 そしてクリスから色々と話をする。なぜ義賊しているかをだ。

 

「とりあえず謝れ」

「すまんのう」

「簡単ですねっ」

 

 武器をちらつかせておこう。カズマは黙り込む。

 そしてクリスから色々説明する。

 本来はどこぞの女神が考え無しにばらまいた神器が悪用されないように回収する女神だがそれ辺りは隠しての説明。

 ちなみに義賊っぽいことは、してみたかったらしい。まさかノリでやっていたとは知らなかった。

 

「けど、後ろの剣くんが一番凄いよ・・・義賊として尊敬するよ」

「頭、話が逸れてます」

「ああそうか」

「そういう関係ですかあんたら」

 

 そして、あの屋敷にも気配があったのだが、それは違うものらしいのでがっくりしているが、剣は首を傾げた。

 それなりに不正な証拠があったから広げて置いたが、いまのところなにもない。もみ消しはうまいのだろうかと思う。念のために言っておいた。

 そしてお城の方で神器の気配があるらしい。それは初めて知った。

 クリスがカズマに協力を頼むが断られている。当たり前だろう。

 ついにはダクネスと言う貴族の友人にも頼もうとするが、それはさすがにまずいので二人で止めた。

 結果的に、我々二人でやるしかないようだ。

 

「んじゃ、お二人で楽しい夜をたのしんでくださいねっ」

「き、君はなに言ってるのさッ」

「クリスなに紅くなる? とにかく行くぞ」

 

 

 

 涙目で落ち込むクリス。いや、ここはあえて、

 

「エリス、他人にばかり頼るな。彼は転生者か?」

「う、うん。そうだけど」

「彼の神器はなんだ? それっぽい気配はないが」

「そ、それは少しね・・・彼は特別な物は持ち込んでないよ」

 

 なぜか目をそらすエリス。そういうのならそうだろう。

 

「だけどなエリス、転生者だっていまを生きてるんだ。国の城なんかに行く通りはないだろ?」

「そうだけど・・・彼なら協力してくれると思うから」

「・・・なぜだ」

「えっ」

 

 エリスは驚く。どうしてそう他人に任せなのかと聞きたい。

 いや違うかと思うが、奏はすでに人の姿に戻っていた。

 

「・・・まあいい、とりあ」

 

 そしていま、魔王軍の警報が鳴り響く。どうやら本隊が動き出したらしい。

 ここで潰しておけば、しばらく王都は無事だろう。

 女神エリスはエリスとしての仕事があるかもしれないので、そちらに戻り、剣は、

 

 見ているだけだった。

 

 

 

 正直、この世界の人達がどういった意味で戦っているか知りたかった

 

 そして幻滅した。

 

 ただの英雄の話を沿ったような戦い方と指揮だった。

 

 命と命のやりとりなど感じない指揮、魔王軍の方が必死であり、彼らの方がまじめに戦っている。

 

 それでも押されているのは、変に防御力が高い人と対アンデット魔法が協力な二人組がいることと、剣による援護や支援が絶たれたことが原因だろう。

 

 なんか魔剣を振るう奴もいるが、あれはダメだ。ただ魔剣が強いだけだ。

 

 そんなもの達がいるから勝てると言う考え方をする騎士団に、内心戦いに参戦する気は起きない。

 

「・・・ああそうか」

「どうした?」

 

 ザクロギアになっている奏が独り言を聞き返す。それに剣は、

 

「この世界の人達は、命のやりとりが甘いんだ」

「・・・かもな」

 

 防御の人が防御力は凄いと認めよう。だがそれだけだ、攻撃に転じない。むしろ攻撃を受けていることを喜んでいる。歓声を受けているからか、なんか「この程度で私は満足できないぞっ」とかいう。

 

 神聖魔法の使い手も、相手を見下し、弱っている様をあざ笑う。しゃくに障る。

 

 魔剣が強いだけで、己が弱いことを一切合切分からない剣士が強気で攻めていた。

 

 そんなもの達に疑問を覚えず、勝ちどきを上げている人達を見て、彼は知る。

 

 彼らは自分が嫌いな弱者どもだ。

 

 一人は薬を大量に使い、前戦に無理矢理に立ち、戦おうとした戦士。

 

 一人は命と命、譲れない、思いと思いの激突を見て、感じて、そして背負った。

 

 彼らから見れば、彼らの戦いは、侮辱だった。

 

 譲れない思いを背負っているのは、誰一人もいない戦場を見て、祈るエリスを思い出す。

 

 彼女はいち早く平和な世を願っている。願っている。

 

 なのに・・・

 

「剣」

「・・・わかって・・・あっ」

 

 調子に乗っていたカズマさん、コボルトを追って我忘れてケガおったよ。なにしてるんだお前さんも。

 

「あの人はどちらかといえば、悪巧みする方だろうに、前戦出るなよ」

 

 こうしてはっきりわかった。

 

 この世界の命運は、この世界の人達に任せよう。他人が出るほど、この世界のためにはならない。

 

 唯一エリスの顔が浮かぶ。

 

 最後の強力な魔法が放たれ、魔王軍は壊滅した。それに勝利宣言するが、その魔術師は倒れているぞ、まだ陣形崩すのは早い。

 

 ああこれ以上見ていると、不愉快極まりない。

 

 だから剣はその場を去った。

 

 

 

 魔王軍を倒したパーティーでカズマさん達は持ち上げられていたが、カズマさんの扱いがひどい。

 だが話を聞けば聞くほど、欠点だらけでよく回ったなと思う。

 カズマは確かに先の戦いで無様を通り越していたが、こいつらはどうだろう?

 自分が見た限り、空気を読んで、相手にあわせたりするのはうまい方だろうが、上辺の面ははがれるのも早いほうだろう。

 姫になつかれているのも、うまく立ち回っているからだと言うが、まあその通りだろうが、少なくても下劣なものではない、最初はともかく。

 酒場で飲み食いしてても嫌になる。弱者達の酒の種は、コボルトで無様な死を迎え、上級者におんぶされているカズマの罵倒だった。

 だが、その上級者は聞けば聞くほど、なぜ役に立っている? どこに尊敬する価値があるかわからない。

 そして魔剣の方も、名前すら覚える気は出来ない。ただ魔剣が強いだけの剣士。

 苛々する。

 

「剣、少し顔色怖いぞ」

「・・・酔った」

「ミルクしか飲んでないだろ」

 

 ザクロギアでツッコム奏に対して、剣はさっさと食堂を出る。

 騎士団の動きも悪い、効率が悪い。見栄えが良いが、そんなの戦場で何になる。

 それで誰かが死んだらどうする? 誰かが、と、響達、装者の顔や、それを支える人達を思い出す。

 オペレーターの方々や、それだけでなく、まだいる自分達を支える人達の顔を。

 

「・・・ざけるな」

 

 装者に世界の命運を任せるしかないという苦渋を背負い、戦う彼らすら侮辱されているように思う。

 この世界は弱者にあふれているとしか思えない。

 苛々して、まともに考えられない。わかっている、これがこの世界なら、部外者である自分は関係ないし、それでいいならいいではないかと納得させる。

 

「・・・はあ」

 

 そしてチンピラが何か騒いでいる。苛々しているからやめて欲しいのだがと思いながらも、割って、

 

「なぜこんな可愛い私に対してかまらないのですかっ、その目は節穴ですか!?」

「なにしてるんだそこの魔術師!!」

 

 訂正、魔術師が自分に絡まないチンピラに絡んでいた。

 チョップを放っておこう。痛みで頭を抑える中、チンピラの人達もおおっと怯む。

 

「悪いがこれで手打ちにしてくれ、俺はいま機嫌は悪い。なにするかわからないぞ」

 

 威圧を放ち、それに柄の悪い人達も「あっはい」とすぐに散る。

 と、そのとき、カズマ?さんがいるではない・・・

 

「あなたは、あのときの」

「・・・カズマ? 違う、気配が違う、中身はどうした!? っていう気配からして少女だなっ、カズマ!! 少しはお前のこと認めていたのに、自分の身体に女の子入れるってなに考えてるんだ」

 

 その様子に二人は驚く。赤い目で黒髪の子は驚いている。

 

「あなた、入れ替わっているのに気づいてるんですか!?」

「そういうのに敏感な方で、カズマとは知り合いだ。っていうか、君は俺の知り合いか?」

「はい、あのとき、助けていただきありがとうございます」

「ごめんカズマの姿じゃ気持ち悪い」

「ええぇ~」

 

 だがすぐに話をすると、どうやらあのときの貴族の娘さんらしい。

 めぐみん?という子があわあわと話を聞きながら、カズマになっている子は手を取る。

 

「できればお礼がしたいので、ぜひ城に来てくれませんか」

「城の貴族か、悪いがいまはそんな気はないんだ。カズマがいるんだからカズマと仲良くしろ、彼奴はずる賢いが微弱だがいい奴だ」

「なかなか的を射ってますが、カズマは明日城から追い出されますよ」

「ああ、コボルトで調子乗ってたからな~・・・調子のらなきゃ、善戦するタイプだろうに・・・」

「それは過剰評価では? 私の爆裂魔法の威力、貴方は見てないようですね? 見ますか」

「・・・あの使えない魔術師は君か」

「使えないッ!? 使えないとはなんなんですか!!」

 

 カズマの評価があがった。こんな意味もなく自信満々な子でいままでやってきたのか・・・苦労してるんだろうな。

 やっぱり調子乗らなきゃいい線いくな彼は、そう思いながらカズマになっている子に言っておく。

 

「悪いが、俺はどうも、カズマをバカにする城の連中とは仲良くなれない。身の程を知らないくせに、相手をバカにするバカとは仲良くなれない。カズマも同じだが、彼奴は自覚しているだけまだマシだ」

「なにを言っているんですか?」

 

 わからない顔をするめぐみんを無視するが、カズマの子はすまなそうな顔をしている。

 そして、気配が変わる。なにか言う前に、

 

「よおカズマ」

「って、あれ、剣さんッ!? 楽園は!? お風呂場は」

「いっぺん死ねアホッ」

 

 数メートル蹴り飛ばしておいた。

 

 

 

「よおクズマ、どうした? 城の連中にお前は必要ないとか言われた顔だな」

「ああそうだよくそっ」

 

 その後カズマと宿屋で話をする。カズマはカズマで苦労している。苦労話を聞いてやると、転生者として特典は女神だったらしいが、その女神が、

 

「つまりお前の側にいる女神がくそ神アクアかッ」

「ああそうだよっ、剣って、やっはり日本人だったんだな。剣もチート能力あるのか?」

「まああるな、だけど、身の丈には合わないから、苦労してる」

「そうか~あんただけは違うよっ。俺の知ってるチート持ちひっでぇ奴ばっかだけど、剣さんとは仲良くなれるよっ」

 

 そんな風に話し合う、やはりカズマは色々気が合う。

 

「しっかし、カズマや、念のため聞くが、城の方の神器は平気か?」

「ん、ああ平気平気だってさ。クリスから聞いてないのか?」

「詳しくは、っていうか、あることもお前の時だから、干し肉食うか?」

「食う食う」

 

 パーティーに呼ばれず、宿屋でパーティーしている二人にこんこんと、窓からクリスが来たので開けて入れた。

 

「ドアから入れよクリス、どうした?」

「どうしたじゃないよ、城の方はいまならいけるから、準備して欲しいんだって、カズマくんはどうしてここに?」

「聞くな、色々あるんだ。城の連中は目が濁っているか、狭いんだよ」

「ぐすっ、剣さん・・・」

 

 そして城の方、話をする。どうもお姫様が神器を所持しているらしい。助けたのはお姫様らしい。これは色々問題あったな。

 カズマの話では、その時仲良くもなかったから、うまくごまかしたから、知り合いで連れて行かれることはないと安心する。

 そして所持しているペンダントは、相手と心を入れ替えるアイテムらしい。

 いまは彼女、お姫様が身に付けている。本来は兄に渡るはずが、いまは代理で彼女が持っていなければいけないらしい。

 

「おいおい、すでにカズマと入れ替わったんだろ。安全策って言葉知らないのか?」

「俺も言った、けど問題ないってさ、身体入れ替えるだけだから」

 

 そう言ったとき、クリスが、爆弾発言した。

 なんでも、片方が死ねば、二度と戻れないらしい。

 こうして我々銀髪盗賊団は爆誕した。




次回、城で無双する。文字数の都合でここで切ります。

カズマの考え方はセクハラ以外は剣と考えに合います。彼は戒斗、勝つためならどんな力も取り込んで勝つ。弱さを憎む故です。

このすばを選んだ理由は、カズマさんの戦い方にいちゃもんをつける人達に対しての不満を、剣くんで代弁してもらうためです。

戒斗さんからすれば、爆裂魔法を一筋は認めよう、だが一発の限界でなにが極めるだと激怒するでしょう。

貴族の誇りと言っているが、貴様はただ自分が満たされたいから盾になっているだけだろう?と、ダクネスを罵るでしょう。

アクア、論外。弱者で目障りなものしか見えません。

そう言う意味ではカズマは認めると思います。それでもまだまだだと切り捨てますが、他の人よりかは認めるでしょうね。その辺の冒険者よりかは見所がある。

次回は城で無双、ガングニールピース+のチートオリ主剣、外道カズマさん。止められる者なぞいない。むしろどんな暴走にするかお楽しみに。それくらいしか楽しくないでしょうから。
それでは、お読みいただきありがとうございます。
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