自分に振り分けられた部屋を見渡す。
最低限の家具しかない、殺風景な部屋だ。
慧音さんに、とりあえずの暮らし方も教えて貰ってあるので、
料理の仕方が分からなかったりはしないが、
やはり少し不安だ。
「どうしようかな…」
今ある情報をまとめ、指標を立てる事にする。
まず此処は「東方project」の幻想郷だと思われる。
おそらく、異世界漂流。
俺にはまだ喜ぶべきか、悲しむべきかは、判断出来なかった。
次に、何故か寝てる間に来てしまったと言うこと。
思い出せない夢が関わっているような気がするが、思い出す事は出来なかった。
これが今の自分の置かれている状況。
では自分の最終目標を決めようと思う。
情報はまだまだ足りないが、現時点では、解決の目処が立っていないからだ。
では帰りたいか?
そうでもない、向かうに居る意味もないからだ。
ではこのまま此処で生きるか?
だがそれもしっくりこない。
分からない事が多すぎて、このままでいいのか不安だからだ。
ではその謎を追い求めるか?
それがいいだろう。
辛い目にあうかもしれないぞ?
仕方ないだろう、それしかない。
目標は決まった、では手段は?
やはり「八雲 紫」彼女に会うのが確実だろう。
八雲 紫、幻想郷の管理者。
境界を操ると言う、強大な力を持つ大妖怪であり、
神隠しを行うこともあると言う。
犯人でなくとも、何かしらの情報は持っているだろう。
姿は金髪に道士服をドレスに改造したような服を着ている。
しかし彼女は神出鬼没であり、
会う事は非常に難しいであろう事は想像に難くない。
ではどうする?
必ず現れる場所に行けばいい。
幸い紅魔郷開始前のようなので、時間はたっぷりある。
まずは、強くならなければならない。
すこし、興奮してきた。
まず、東方と言えば程度の能力だ。
偶に先天的、稀に後天的に得られるという能力で、
大体のキャラは持っている物である。
非常に様々な物があるらしく、魔法を扱えるというものから、時を操る、密と疎を操る何て、一目じゃ分からない物もある。
また、程度と言うだけあって解釈の幅が大きく、
熟練すればする程、特殊な使い方が出来るとか。
まだ有ると分かっている訳じゃないが、
やはりどきどきするものだ。
とわいえどんな能力が有るのかは、少し心当たりが有るとはいえ、殆ど分からない為時間が掛かりそうだ。
来てしまってから直ぐからあった感覚、
人の動きを真似出来そうな感覚、
不自然な万能感、
押し殺していたその感覚に従い体を動かす。
「せいっ、はあっ!」
我ながら中二臭い、これで勘違いだったら恥ずかしかったが、
どうやらそれは免れた用で、
見たことの有る動きから、聴いただけの動き。
果ては想像しただけの動きも出来た。
だがうまい話だけな訳がなく…
「ぜえーっ、はぁーっ」
凄い勢いで体力を消耗した。
更に理解が浅ければ浅いほど消耗は激しくなるようで、
全然息が整わない。
……………死にそう。
何とか息を整え、他にも試してみる。
そして他に分かったのが、
魔法は使えない。
(と言うより、元になる力が無いように感じた。)
身体能力の上昇。
そして技術面の向上の加速。
(これがかなり強く。少し拳を振っているだけで、
能力を使わなくてもそこそこ戦えるようになった。)
と言うもの。
これはかなりチートなのではないだろうか。
流石に、時を止められたりしたら別だが、
弱い相手なら今でも善戦出来るのではないだろうか。
更に、これは積み重ね式のチートのようで、
恐らく、頑張り続ければ幻想郷一の剣士になれるのではないだろうか。
この事実にテンションが上がり、夜余り眠れなかったりした。
こうして俺は戦いの道を歩み始めた…
そして、
赤い霧が、
幻想郷を覆った。