白い魔法使いとカード   作:白鐘 夕朔

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前回の戦闘の続きからになります。
バゼットがやられたので続いて、クロたちとの戦闘になっていきます


クロたち vs シロ

「これからどうするつもりですの?」

 

「そんなの聞かれなくてもあいつを止めるに決まってるでしょ!」

 

「そんなのは、当たり前に決まってますわ! そんなバカみたいなことは、聞いていませんわ。どうやって倒すかを聞いてるんですわ。この駄メイドは、そんなことも分かりませんの。」

 

「あっ、何言ってるの? この金髪ドリル、余計に一言多いのが分からないの。だから、エレガンスとか意味の分からない上辺の言葉しか出てこないんでしょ。」

 

 凜とルヴィアが喧嘩をしようとしてる所を呆れて見ていたクロが凜とルビアの真ん中に入る。

 

「ちょっと今は、喧嘩してるときじゃないでしょ。早く、シロをどうにかするのが先でしょ。こんな時なんだからいい加減にしてよね。」

 

 自分の命の危機感からかいつものクロとは、思えない真剣な表情をしている。美遊もイリヤの命が関わっているせいかいつも以上にステッキに握る力が強くなっている。

 

「とりあえず、一か八かで戦闘をしてみてどんな攻撃があるのか見ないと対策もとれないわ。だけど、黒化英霊の力を集めたってことはもしかしたら……私たちの手に負えないかもしれないわ。」

 

「だけど、このまま逃がしていいわけがありません。特にイリヤの命がかかっているんですし。」

 

 美遊も力強く凜の言葉を否定してくる。凜もイリヤを見捨てるつもりなんて毛頭ないのか頭が回っていないのか戸惑っているように見える。

 

 凜が足を止めて考え始めるとすぐに背後から大きな爆発が起こった。距離的には、結構離れていたに関わらず爆風で凜の体が体勢を崩す。

 

「待って! 何なのこの魔力反応は……。もしかしてバゼットとシロが既に戦闘を……。とりあえず、急ぐわよ!」

 

 凜たちは、急いで爆発のした方向へと走っていく。クロたちも急いで走っていく。美遊は、空を飛んでいこうとしたが凜たちに止めらてしまった。

 

「美遊あれをよく見なさい。」

 

 ルビアが走りながら指をさしたのは、巨大な魔方陣だった。美遊は、あの魔方陣を見ると美遊の記憶がフラッシュバックしたのか、驚いた表情をしている。

 

「あ、あれはもしかして……」

 

「はい。あれは、クラスカード“キャスター”の魔方陣です。しかもこんなところで……。急いでください。ここでは、爆発に巻き込まれる可能性があります。」

 

 サファイアの予想を聞くとみんなの足がさらに早くなって逃げていく。クロだけ、その場に留まって弓矢を構える。

 

「私は、ここから狙撃をする。魔力砲なら大丈夫だから、心配しないで。ここならはっきりとシロの姿も捉えることが出来てるし。凜たちは、急いでバゼットと合流して!」

 

「分かったわ。皆、急ぐわよ。」

 

 走り始めてすぐに魔力砲が飛んでくる。クロ、瞬間的にロー・アイエスを発動し、自分を爆発と爆風から身を守る。凜たちは、爆風に体勢を崩しながらもシロに向かって走っていく。爆発が収まると同時ぐらいにクロは、矢を警戒心が薄れたシロに向かって飛ばす。だが、ギリギリのところで避けられてしまう。

 

「ちょっと冗談じゃないわよ。あれを躱すっていうの……。やっぱり怪物ね。」

 

 距離を取っているとクロは安心していたのか油断していた。クロの方に向かって矢が飛んできていた。瞬間的に矢の直撃を避けたが、地面に当たった衝撃で爆発した。クロは、その爆発に巻き込まれる。

 

「やっぱり、クロお姉ちゃんの矢だったんだ。私だって同じ弓矢を使えるんだよ。お姉ちゃん、油断は命取りだって学習しなかったのかな……。あの宝具を出しても良いんだけど、あの宝具を使うとあの人が怖いから使うのはやめておこうっと……。あっ、ようやく凜さんたちも私の所に着いたんだね。イリヤお姉ちゃん、魔力を全部奪ってごめんね。」

 

 シロの目の前には、凜たちが揃っていた。凜たちは、バゼットが倒れているのを見て驚いた表情を隠せない。

 

「謝るぐらいなら返して欲しいんだけど……。」

 

 イリヤが嫌味っぽく偽イリヤの言葉に対して返事を返す。だがシロは、申し訳なさそうに「ごめんね。私にだって叶えたい願いがあるの。そのためにこれが必要なの。」と言い返してくる。

 

「イリヤ、話はそこまでよ。美遊、気を付けて。あいつは、バゼットをも倒す怪物よ。」

 

「分かっています。シュート。」

 

 美遊は、ステッキに集めた魔力を魔力砲として一気に開放する。しかし、シロは”アーチャー”の矢を放ち美遊の魔力砲を相殺するどころか押し勝っていく。

 

「サファイア、物理保護お願い!」

 

「ピュラミーデ」

 

 イリヤは、物理保護の上から五角錐の防壁を張り矢を食い止める。防壁が壊れると同時に矢も消滅した。イリヤは、偽イリヤの方を睨みながら、ステッキを構える。だが、その様子に少し後ろにいた美遊たちが驚いている。

 

「イリヤ、魔法使って大丈夫なの?」

 

「う、うん。何となく使えると思ったから……。」

 

「イリヤお姉ちゃんもやっぱり凄いね。普通じゃあんな行動しないよ。」

 

「あんたに褒められても嬉しくも無いんだけど……。」

 

「イリヤ、これ以上無茶なことしないで。あとは、私に任せて。」

 

 そう言うと美遊は、太ももにあるカードに手を伸ばして一枚取り出す。そしてそれを胸の高さまで上げると「インストール」と言う。すると美遊の持っていたカードから青い魔法陣が現れる。魔法陣が美遊を中心に風を起こしながら回転していく。

 

 風が収まると美遊は、聖剣をもったい状態で姿を現す。

 

「あれは……“セイバー”のインストールね。それじゃあ私も。」

 

 シロは、楽しそうにステッキを聖剣へと変換して美遊に向かって突っ込んでいく。聖剣どうしがぶつかると刀が擦れて火花が飛び散っていく。

 

「美遊、私ともっと遊ぼう。」

 

 偽イリヤは、剣戟のスピードを上げて攻撃をしていく。美遊は、そのスピードについていけてないのか、防御にしか手を回らなくなってしまう。だが、一瞬攻撃が緩んだ瞬間に全力の一撃を叩き込みシロと距離をあける。

 

「私は、あなたと遊ぶつもりなんて無い!」

 

 シロは、剣をしまうと再び空に飛んで美遊たちを見下ろすような形になる。

 

「美遊とは二人きりで話したいけど、ここだと邪魔な人が多いね。それじゃあ、仕方ないかな。少し無理やりになっちゃうけど、気絶させて連行するしか無いのかな……。美遊、少し痛いけど我慢してね……。」

 

 再び“アーチャー”の弓を用意する。通常なら一発ずつ撃つ矢を三本同時に用意して弓を構える。

 

「ちょっと冗談じゃないわよ。三本同時撃ちなんて、そんな芸にも近いような技をできるやつがいるなんて……。」

 

 凜は、とっさに防護壁を自分の周りに張っていく。そこにルヴィアとイリヤも入っている。だが、美遊だけ剣をシロに構えている。

 

 シロは、美遊を的にしていたのを一瞬で凜たちに的を変える。すると美遊は、すぐに移動をして凜たちの前に出てくる。そして刀で矢を一つ切り落とすが残りの二本は地面にあたって爆発が起こる。シロは、すぐに爆発が起きた煙幕の中に入っていく。

 

「ルヴィアさん、大丈夫ですか?」

 

「ええ、何とか……。敵は、どこにいったのかしら?」

 

「近くに敵の気配は、感じ取れないわね……。」

 

「残念だね。私は、ここにいるよ。」

 

 凜の後ろからシロの声が聞こえてきて振り返るころには、誰もいなかった。また、反対方向を振り向くと美遊のお腹あたりに拳を入れいているイリヤの姿が見えた。殴られた美遊は、体から力が抜けて変身が解除されてしまう。

 

「美遊様!」

 

「サイン!」

 

「セット!」

 

 二人とも宝石を用意して攻撃態勢を整えるが、宝石を飛ばすことが出来なかった。シロは、美遊を人質にして盾として扱っているためだ。

 

「やっぱり、凜もルヴィアも攻撃して来ないんだね。美遊は、預かっていくね。イリヤ、美遊を返して欲しかったらママを連れて今夜零時に私の所まで来てね。場所は、穂群原学園小等部の屋上まで来てね。ママとイリヤの二人だけで来てね……。さもないとうっかり美遊を殺しちゃうかもしれないからね。あっ、そうそうクロも一緒で大丈夫だからね。」

 

 クロは、茂みから刀を持ったまま出てくる。イリヤは、不安そうにクロを見ている。

「やっぱりバレていたのね。油断していたらそのまま刺そうと思ってたけど、そこで黙って見ている馬鹿みたいにそう簡単に殺らしてはくれないのね。」

 

「ふふ、当然だよ。だって私は、各英霊の力を集結さしたような英霊だよ。そう簡単に背後を取らせるわけにはいかないよ。」

 

 イリヤから見たらクロとシロは、普通に会話を楽しんでいるように見える。それを見ているとクロとシロの心の中が分からなくなってくる。二人とも敵同士でどうしてそこまでにこやかに話が出来るんだろう。

 

「クロと話が出来て楽しかったよ。それじゃあね。」




今回は、ここまでとなります
次回から少し戦闘と離れて作戦会議とかの話になっていきます
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