ガンファイター簪   作:un

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五話 セシリアと謎の剣士

 「緊急事態発生、生徒はただちに避難を開始してください。教職員は...」

 

 学園内で警報と避難を促すアナウンスが流れ、先ほどまで試合があった建物の壁が崩れ金色の角を生やした二足歩行の牛が吠えた。

 

 「な、なんなのよあれ!?」

 「け、警備はどうしたの!!」

 

 アリーナ施設から突然現れた魔物を見て女生徒達が悲鳴をあげていると、小口径の銃を装備した警備員たちが駆けつけ魔物に向け引き金を引く。いくつもの乾いた音と共に弾丸が魔物の体に当たるが威力が足りないのか血の一滴すら出ていない。

 

 「みなさん下がってください、ここは私が!!」 

 

 

 上空から量産型IS打鉄を装備した、一年の副担任である山田真耶がIS用ライフルで牛の魔物を攻撃するが、魔物は素早く動きライフル弾を回避した。

 

 「は、はやい!!」

 

 高速で動く魔物に動揺し、真耶はライフルを撃とうにもまだ周りには避難していない生徒もいてうかつに撃てない。魔物は打鉄を装備した真耶に向け突進し、打鉄が壁に激しく激突した。

 

 「がはっ!!」

 

 衝撃で意識を失いかけ、ぐったりとする真耶。魔物は止めを刺すつもりか動けない真耶に近づく。

 

 「う、うそでしょ...」

 「せ、先生逃げて!!」

 「誰か!!」

 

 世界最強の兵器が目の前で倒れる姿を見て、絶望する者や真耶を心配して声を出す者を無視し魔物は再び真耶に向け突進しようと角を立てた。

 そして、真耶は殺される恐怖で涙を流し、魔物が動きだそうとして。巨大な弾丸が魔物の足に当たり、魔物は倒れる。

 

 「ぎりぎりセーフだね」

 「周りに人がいるから、だまって」

 

 小声で話しながら、一人で持つには大きすぎる対戦車ライフルを片手に建物の屋上から飛び降りて地面に着地するカノン。突然、現れた謎の女性に真耶だけでなく生徒達が驚く中、再び立ち上がろうとしている魔物の角に向け片手でライフルを撃ち、角の一つが吹き飛ぶ。

 

 (一体誰が魔物に...ここじゃ人目が多すぎる)

 

 興奮し標的を自分に変えた魔物を見てカノンは、胸に下げている宝石がついたペンダントに手を置き、カノンの手には閃光弾が握られていた。

 

 閃光弾を地面にたたきつけ強烈な光が生まれる。辺りにいた人間は動けなくなり、カノンはライフルを宝石にしまい新たにワイヤーがついた銃を出し追ってくる魔物を人目のないところまで誘導する。

 

 「かんざ...カノン。ほかのISが来る前に終わらせないと厄介だよ」

 「わかってる、だから応援が来る前にもとに戻す」

 

 建物や木々の上をワイヤーの銃で移動するカノンを牛の魔物が走って追ってくる。この魔物が元はどんな人間で魔の誘いに乗ってしまったのかカノンは知らないが、この魔物の正体はセシリア・オルコットだった。

 

 一夏に負け、心が折れたところに魔の誘いに乗ってしまい苦しみから解放されるために人の姿を捨てたのが理由だが、それを誰も知ることはできない。

 

 カノンは自身と同じ名の銃「カノン」を取り出して、やがて人気のない海岸までたどりつく。

 

 「ここまでくれば...」

 

 逃げ場のない砂場にカノンと魔物が対峙する。カノンが銃をかまえ、いつでも撃てるようにすると突然、魔物の目から涙が流れる。

 

 「「いや...いや...失うのはいや、誰も私を助けてくれない...」」

 

 魔物の口から、セシリアの心からの声が聞こえる。

 

 「私はあなたのことは知らないし、何もしてあげれない」

 

 魔物がうなり声をあげ、カノンに向かって突進する。

 

 「私は、私の役目を果たすだけ。けど...」

 

 カノンの撃鉄が上がり、指に引き金が置かれてカノンは

 

 「今のあたなを救うことはできる」

 

 つぶやいて、一発の弾丸が放たれたーー

 

 

 「...この人は...」

 

 「確か一組の生徒だね、名前は...セシリアだったけ?」

 

 

 カノンは砂浜に倒れているセシリアを見てエルメスと話していた。

 

 「とりあえず、保健室に...!?」

 

 セシリアを運ぼうとしていたカノンは、とっさに銃を取り背後に立っていた仮面の男に向け銃口を向けた。

 

 「おっと、すまない...先ほどの戦いは素晴らしかったよ」

 「...あなた、誰?」

 

 カノンが警戒する中、仮面の男はーー

 

 「私はサマー仮面...今後もよろしくたのむよ。巨乳の戦士よ」

 

 直後、砂浜に数発の銃声が響くのであったーー

 

 

 

 

 

 

 




 久ぶりの投稿で、間違いがあったらすみません
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