IS学園用務員物語   作:ぬー(旧名:菊の花の様に)

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第16話

「女性との出会いで1番いい出会いって、どこがいいんだろうなぁ……」

 

と、恋愛経験ゼロの人間が何か言ってみるが、思いつくわけもなく、

 

「いや、でも職場的には出会いしかないんだけどなぁ……」

 

そう、用務員以外の人間は全て異性、という学園なのだ、ここは。

 

「いや、でもなぁ…………」

 

俺は日記を綴り始めるがため息をつく。

 

「今日のあの出会い方はないよなぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっげ」

 

俺は午前中にやっておくべき仕事を片付け、大体4時間目の中程あたりで用務員室に戻ってきた。

なんだかんだで早く終わってしまったため、ほかの人はいない。

マンガ本でも読んでようかなぁ……。

と、俺は呑気なことを考えていると、俺の机の上に、1枚のプリントがあった。

 

「やっぱりか……」

 

『修理届け』

それは生徒、または先生、はたまた用務員が、学校に関する故障、破損を見かけた時に出すものだ。

 

そしてこの修理の仕事は用務員がすることになっている。

 

例えばそれが、

 

「窓にヒビ、ねぇ…………」

 

業者に頼まないといけないような仕事でも、だ。

IS学園は、極端なくらいに部外者に対して厳しい。

まぁ今度行われるトーナメント戦とかは、世界中からいろんなVIPが来るから、例外もあるけど……。

それ以外の場面では、ほんとに部外者をいれない。

入れるとなるなら、多分書類も面倒だし、すごい制約をかけられるらしい。

ということで、こういう修理系は、用務員が全て担っている、ということであり、

 

「なんで今日に限って俺なんだ……」

 

その修理届けを誰が処理するのかは、未だに俺らが一度も見たことのない、存在するかわからない用務員長が、みんなの机の上にこっそり置いたりするのだ。

……昔気になっていたが、今となってはこのいきなり感にもなれてくるもんだな。

 

俺は"修理届け"を手に取り、読んで行くと、

 

 

…………なかなか簡単に終わりそうなんじゃないか?

 

ヒビだけだし、修理用の物は全部届いてるし、ただの張り替えだから……。

 

時計を見る。

 

4時間目が終わるまであと28分。

もの取ってついてから直すまで25分……。

 

「やるっきゃねぇ」

 

俺は即座に行動を開始する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、今思えばあの判断が間違いだったんだよなぁ……」

 

俺はまたもため息をつきながら日記を書いていく。

 

「こんどからちゃんと時間に余裕持ってやろ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、始めるか」

 

今俺がいるのは女子トイレ。

1年からは二番目に近いトイレで、生徒はなかなか使わない。

そして、今回はISによる衝撃でガラスにヒビが入っていたらしい。

学園のガラスは強化ガラスがほとんどなのだが、ここは使われていないというのもあるし、グラウンドに面しているからか、みんが気づかないうちにどんどんダメージを受けていったのだろう。

 

「よし、間に合うな」

 

見たところ、ヒビもそんなに大きくなく、乱暴に扱わなければ割ることもなさそうなので、時間はかからなさそうだ。

 

「ちゃんと張り紙貼っておいたし、ものもある、手順はバッチリ。

 よし、やるか」

 

四月のあの教訓をしっかりと生かして、俺は確認作業をした後、作業に取り掛かる。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「あ」

 

それは突然だった。

 

張り替えるために少し立てかけておいたガラス。

そのガラスが、窓がないせいで吹き込んできた風によって、ヒビ割れて取れてしまった一部分が、落下してしまったのだ。

 

パリン

 

あんまり大きな音ではなかったが、しっかりと広がる破片。

キラキラと陽の光に照らされて床は輝いていた。

 

「っ…………あぁ………………」

 

俺は肩を落としながら、トイレにある用具入れに近づき、ちりとりと箒をとろうとする。

 

そして、俺がその二つをとってガラスを片付けようとして後ろを見た瞬間。

 

「何者だ……」

 

なんか臨戦態勢の、銀髪で眼帯のちびっ子がシリアスな雰囲気を纏っていた。

 




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