IS学園用務員物語   作:ぬー(旧名:菊の花の様に)

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第22話

多分、俺はおそらく攻めるより防ぐの方が、苦手である。

 

それは小太刀二刀流を使い始め、2人と模擬戦をしているうちに、段々と気づいてきた。

 

しかし、小太刀二刀流、という特徴もあり、今までは苦手そうにしていなかった風に見せることができたんじゃないかな、と思う。

 

しかし、その一方で、俺は伸び悩んでいた。

 

日々強くなっていく箒ちゃんの一撃の重さ。

 

攻めようとしても翻弄されてしまう凰さんの昆。

 

俺は考えた。

 

「どうすれば、より、強さを再現できるか」

 

正直、四乃森蒼紫の戦い方は、漫画に乗っているものは、到底人間の手でできないものばかりだった。

 

なんだよ分身するって……

 

なんだよ流水の動きって…………

 

拳法使えるんだったらそっちメインにしろよ…………

 

てか回転する必殺技ってなんだよ…………

 

など、漫画とにらめっこしながら日々過ごしていた。

 

しかし、逆に、と考えた。

 

できないんだったら何してもいいんだ、と。

 

「俺は大して強くない。

 力だって、技術だって。

 だから、使う」

 

俺は慣れてきた箒ちゃんの一撃の重さに、ニヤリとしながら、

 

「使えるものを!」

 

3、4歩あればたどり着くであろう距離は、すぐに詰めることができる。

そして、俺は、

 

「馬鹿じゃないですっか!」

 

小太刀を投げた。

箒ちゃんは罵りながらも、自分の木刀で打ち払う。

 

しかし、

 

「2本っ……」

 

そう、俺は2本投げていた。

箒ちゃんはおそらく、距離を詰める俺に意識を取られていたのだろう。

 

一本目の真後ろ(・・・・・・・)に投げた小太刀に気づいていなかった。

 

これは、小太刀二刀流、陰陽撥止。

 

本来なら小太刀の塚を、もう1本の小太刀によって飛ばす技であり、その時に、二本飛ばすことによって、打ち払った一本目の後に来る2本目が襲うという技である。

 

目をつぶる箒ちゃん。

そして、2本目の小太刀が箒ちゃんにぶつかりそうになったその時、

 

パシ

 

「ふう」

 

俺は間に合った。

俺は空中の小太刀を殴り、軌道を変えた。

 

「ごめんね、怖い思いさせちゃって」

 

俺は、肩を縮こませている箒ちゃんに謝る。

箒ちゃんは、目を開け、こちらを睨み。

 

「危なかったですけど、1本です」

 

と悔しそうに言う。

ここらへんがこの子達のすごいところだ。

凰さんもそうだけど、素直に負けを認めれる子達、なのだ。

 

と、年甲斐もなくなんかおじいちゃん思考になってしまったことに、嘲笑しながらも、小太刀を拾いに行く。

 

「今度は避けます」

 

あっさりと宣言しちゃうあたり、箒ちゃんは不器用である。

俺は小太刀二刀をとり、開始位置に移動する。

 

そんな中考えていたのは、後悔であった。

 

いや、だって、怪我させないように、って言って俺とやってるのに、早々に怪我させちゃうかもしれないって、なんか大人としてダメな気がしてきた。

まぁ一応さっきのは2本とも手で投げることによって小太刀自体のスピードを遅くして、ちゃんと当たらないように気を使ってはいたけど…………

 

「はぁ、気をつけないと」

 

俺が熱くなってしまったらそれはもう…………あれだ、ゾンビ取りがゾンビになるんだ。

 

「そうだ」

 

俺は心の中で1人なぜか納得しながら、小太刀を構える。

ちなみに、俺は小太刀を逆手に構えない。

 

最初にやってたときは、逆手に持ったりもしたが、あんまり持ち方変えると、時間をとるし、慣れていないせいか遅い。

 

練習すれば早くなるのだろうが、別に逆手に持ち帰ることに実用性を見いだせなかったので、普通に持っている。

 

「今度は一本取ります」

 

箒ちゃんは、今度は突っ込んでは来ない。

俺はそれを見て、走る。

 

箒ちゃんは、俺の突然の攻勢にこちらをじっと見るが、ただ距離が縮まっていくばかりだ。

 

箒ちゃんは、反撃のためにその木刀を振るう。

 

今度は左から右への横薙ぎだ。

 

おそらくなにかされるのが怖いのだろう。

近寄らせずに対処したいのだろう。

俺は避けずに防ぐ。

しかし、体を少し後ろに下げ、箒ちゃんの間合いのギリギリまで下がる。

 

カン

 

箒ちゃんの攻撃からは考えられない軽い音。

それは、俺が防いだ瞬間に、小太刀を引くことによって、威力を軽減させたからだ。

そして、さらに、

 

「くっ……」

 

俺は、その場で時計回りに横に一回転することで、吹き飛ばされずに、威力を殺し、

 

「はぁっ!!」

 

その自分のみでは出すことの出来ないスピードで、箒ちゃんに近い方の右の小太刀を振るう。

 

しかし、小太刀は空を切る。

 

箒ちゃんは、しゃがむことで、俺の小太刀を回避し、立ち上がる力とともに、下からの袈裟斬りに切りつけてくる。

 

「まだまだぁ!!」

 

俺は、それを残っていた左の小太刀で受ける。

しかし、威力がやはり強い。

俺は体を後ろに引き、今度は自らも後ろに飛ぶことによって、威力を殺す。

 

だが、下からの袈裟斬りのため、俺の体はふわりと宙に浮く。

 

「決める!」

 

その声とともに、箒ちゃんは構え直し、こちらにその剣を左から右へと払う。

 

なんか人間が生身で飛んではいけない高さまで飛んで、パニクってしまったものの、俺は小太刀をハサミのように構え、受ける。

 

ガン

 

激しい音とともに、ぶつかる武器。

俺は、自分の体が後ろに飛ばされそうなのを感じ、ハサミにしていたうちの、右の小太刀のみを抜き取る。

 

すると、片方しかなくなった小太刀には、角度がついている。

よって、箒ちゃんの木刀は、左の方にそれていき、

 

「らっすとぉ!」

 

少し後ろな下がりながらも着地し、全身の力をフルに使って、箒ちゃんに向かって走り出す。

 

箒ちゃんも、体制を取り直して、防御しようとするが、

 

「ふぅ」

 

俺の方が早かった。

 

「リーチだよ」

 

だがしかし、ここからが俺の山場なのである。




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