IS学園用務員物語   作:ぬー(旧名:菊の花の様に)

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まず最初に皆様、更新の滞り、誠に申し訳ありませんでした。
実はリアルで人生がかかった大一番に挑んでおりまして、そのため、時間が取れていませんでした。
でも、なんとか時間を見つけて書いてみました。
正直、ブランクがあるんで、なんとも言えません。
一応ですが読み返して、書いてみたんですが、違和感があったら申し訳ございません。

そして、これは最終回ではありません。


第62話

結論から言うと、俺と福音の戦いは決着はついたが、俺の…………いや、俺らの完全勝利、とはいえないものとなった。

 

ボーデヴィッヒちゃんのISは、しばらくは使うものにならないくらいにぼろぼろになり、それより多少はましな破損で終わった鈴ちゃんのIS。

 

それと、

 

「退職、ねぇ」

 

俺の怪我が残ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、俺が初めて力を得た時だ。

その力を得た瞬間に、俺はこれがどういう力なのか、不思議と理解してた。

そして、それと同時に、この力の最大の欠点を理解した。

 

この力の言う"最強"とは、一撃で全てを終わらす、そんな代物らしく、力を使ったところで、攻撃の時以外での俺の生身の体の防御力は、全くと言っていいほど強くならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから牙突を練習し始めた、ってのもあるけど、と俺は誰にも言っていない牙突を習得しようとした理由を思い浮かべる。

 

つまり、何が言いたいのかと言うと、俺の福音への止めの一撃は、確かに福音を文字通りこの世から消し去った。

 

しかし、最後の福音の執念の攻撃は、俺に届いていた。

 

その攻撃は、俺の肺まで到達していたようで、俺は最後の一撃を与えた後に、倒れた。

 

その結果、

 

「「「「「「大丈夫?!」」」」」」

 

病院の方々に色々迷惑をかけてしまいそうな事態を招いている。

 

俺は、自分の日記をそっと閉じ、みんなへ笑顔を浮かべる。

 

「いや、その、あの、なんというか…………」

 

みんなは俺が元気そうにしているのに安心したのか、ホッとため息をついたあと、ボーデヴィッヒちゃん以外の視線が、ボーデヴィッヒちゃんに集まり、視線の先の本人は、なにやら俺に向かって、言いずらそうにもじもじしていた。

 

「早く言いなさいよ、ラウラ」

 

あれ?鈴ちゃん、ボーデヴィッヒちゃんのこと、名前で呼んでいたかな?

俺はそんな微妙な変化に思考を向けながらも、ボーデヴィッヒちゃんの言葉を待つ。

 

「ラウラ」

 

止めは案の定、シャルロットさんで、その一言で、ボーデヴィッヒちゃんは、ビクリと体を跳ね、

 

「あの、今回の戦い、ありがとうございました!!!!」

 

「「「「「ありがとうございました!」」」」」

 

どうやら、そんなことだったらしい。

ま、彼らにとって、このお礼が彼らにとって何を意味するのか、俺にはあまりよくわからないが、きっとかなり大事なものだったのだろう。

 

俺はそのお礼を素直に受け取り、

 

「どういたしまして」

 

みんなに笑顔を向けた。

その姿に、みんなはホッとして、

 

「ほんとは、みんな怒られる、と思ってたんですよ」

 

「そうそう、あんたが最後に大怪我したのは、私たちが無駄な意地を張ったりしたからじゃないかって。

 で、1番負い目を感じていたラウラが、こんなになっていたわけ」

 

そうかそうか。

俺は箒ちゃんと鈴ちゃんの説明から、おおよその内容を察する。

で、その理由になったのはおそらく、

 

「織斑先生、かな」

 

「はは、わかっちゃいましたか…………」

 

一夏君が頭を掻きながら、苦笑いを浮かべている。

他のみんなも同様に、暗い顔をしている。

 

きっと、自分がうまく立ち回れてたら、俺にこんな怪我をさせなかったんじゃないか、とか考えているんだろう。

 

若者の考え方、だな。

 

大人の俺とは考え方がやっぱり違うな。

 

「みんなはしっかりやってくれたんだ」

 

「だけど、俺と福音は、文字通り、命の取り合いをしたんだ」

 

「そして、命への執念……生きようとする意思……それが、最後の最後に福音に奇跡を起こさせたんだよ」

 

「だから、みんなには俺の傷付いた姿じゃなくて、戦っている姿を思い浮かべてほしいんだ」

 

「その時の俺が、みんなにとって、一番誇れる俺だからね」

 

俺は、一言一言しっかりとみんなに伝えたいことを言う。

箒ちゃんが教えてくれたように、みんなにはこの先ずっと俺の背中を見て育って欲しいからね。

今のこんな傷ついた姿なんて、みんなの前に立つには、ちょっと申し訳なさすぎる。

 

「なんか、今から死んでしまうような言葉ですね、それ」

 

ボーデヴィッヒちゃんが、なんとなしに呟いたセリフに、俺は思わず吹き出してしまうが、みんなはボーデヴィッヒちゃんを苦笑いしながら見つめる。

 

「ラウラ…………それはちょっと怖いかな」

 

「俺も、こんな戦いのあとは嫌だなあ」

 

「私もだぞ」

 

「私もあんな下手くそ射撃受けたくないわよ」

 

「なっ!

 鈴さん!何を言ってるんですか?!

 私は作戦だから仕方がなく……」

 

「なによ!

 最初から全弾当ててくれれば「はいストップ」…………」

 

俺は、鈴ちゃんとセシリアさんの言い合いを止め、

 

「もう今日は戦いのことを考えるのをやめよ。

 疲れちゃったからさ」

 

俺は苦笑いしながら言う。

すると、みんなはわいわいと話し始める。

この前までの戦いとは関係ない、他愛もない、学生の会話。

俺はそんな会話に相槌を打ちながら、噛み締める。

 

自分の掴み取った"意味"を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんばんわー」

 

「邪魔するぞ」

 

「うわっ、びっくりした」

 

「いやー、こんな夜遅くに来ないと話題になっちゃうからねぇ」

 

「こんな兎と一緒に来るのは勘弁だったが、たまたま会ってな。

 行先も偶然同じだった」

 

「ちょっ!

 ちーちゃんひどくない?」

 

「あはは、静かにしてくださいよ、2人とも」

 

「……………………」

 

「ほら、ちーちゃん」

 

「今回は、すまなかった」

 

「いきなりなんですか、謝って」

 

「私からも、今回のこと、本当にごめんなさい」

 

「いやいや束さんまで…………。

 ………………分かりました。

 まぁ、今更俺の辞職は取り消せるものでもないから、素直にその気持ちは受け取っておきます。

 だから、もう自分を責めないでください」

 

「…………用務員の契約条項の中に、後遺症のあるようなものは契約せず、という条項は、取り消すことが出来なかった」

 

「いやいや、そんな面倒なことしないでくださいよ、織斑先…………千冬さん」

 

「ううん、私からも、ごめんなさい。

 今後の生活とかは、私から十分なサポートをするから」

 

「いやいや、束さんまで、そんなことしなくてもいいんですよ」

 

「「え?」」

 

「俺は、どのみち、彼らを助けた時点で、自分の人生が変わったのを確信していたんですよ。

 それに、今後の生活だって、IS学園の用務員の仕事は危ないものとか厳しい制約がある代わりに、給与がいいし、さっき言った条項の項目に故意ではない違反の場合は、かなりの額の退職金…………ま、口封じ代も込められているでしょうが、あるんですよ。

 だから、心配はしないでください」

 

「それでも…………」

 

「私たちのせいだし…………」

 

「……………………。

 なら、こうしましょう。

 お金は、受け取ります。

 だから、それで終わりにしましょう。

 俺はこれから一般人になるんですよ?

 そんな人物と接触していれば、俺が危険な目にあってしまうかもしれないんですよ。

 だから、感謝の気持ちは、お金…………」

 

「どうした?なんかあるのか?」

 

「私も、出来ることならなんでもするよ」

 

「…………確認なんですけど、俺はこの先長時間の運動ができないんですよね?」

 

「…………そうだね。

 肺がやられちゃった時点で、激しい運動をしてしまえば、酸欠状態になって、倒れるとと思う。

 それで、人工肺を取り付けようにも、お金と、これからの人生と、成功率を考えると、本人の意思に任せた方がいい、って」

 

「でも、長時間、はできないんですよね?」

 

「おい、まさか、お前…………」

 

「いえ、別に力を使おう、なんて考えてはいませんよ。

 ただ、俺がただ力をもらっただけで、こんなに強い男、と見られてしまいそうな気がしたので、少し…………ね」

 

「みんなはお前のことをそんなやつだとは思っていないとは思うがなぁ…………」

 

「じゃあ、俺の最後のみんなへのわがままです」

 

 

 

 

 

「俺を……本当の俺を、もう1度戦わせてほしい」




予想通りなら、次で終わりです。

最終回まで、こんな作者にお付き合いいただければ、嬉しいです。
次回更新は、未定ですが…………
今月中には出したいです。
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