3分あれば、何が出来るだろう。
カップラーメンが出来上がる、近場のコンビニに行ける、ジュースを飲んで一息つける、着替えれる……、など、さまざまあるだろう。
なら、俺は3分で何が出来るか…………
俺なら、大陸を三つぐらいは滅ぼせる。
…………うそじゃない、本当に、本当に、本当だ。
ならなんで、そんな力を持っている人がいるのに、世にその情報が出回らないか。
なんか裏の権力がどうこうではなく、それは単に、俺がその力を使わなかったからだ。
…………なぜか?
なぜかと聞かれれば、それもまたこの力のせい………もあるし、俺のヘタレさ、というのもあるのかもしれない。
まぁ、つべこべ言わずに、簡単に言おう。
この力、1日に3分しか使えないのだ。
そう、つまり、俺は1日の3分は、ISすら優に超える、最強の力を得るというのに、それ以外の23時間57分は、普通の人間のままでいなければならないのだ。
つまり、こんな力、私利私欲に使ったものなら、俺は力を使っていない時間、俺はずっと一市民であり、警察なんかが来てしまったら、簡単に捕まる。
つまり、そんなことをしてしまったのならば、俺はその先、警察やらなにやらに怯えて暮らさなければいけないのである。
そんな風に考えてると、俺は段々この力が怖くなっていき、使わないようにした。
……だけど、きっと心の底で、この力を使いたい、というふうに思っていたのだろう。
IS学園に来た理由の一つにそんなことがあるのかもしれない。
だから、きっとこれは俺が本来望んでいたことである……と思いたいが、
これはいくらなんでも急すぎるし、忘れていた頃すぎる…………
力を使い、壁を殴った瞬間に、加速された思考でそんなことを考えるが、今更すぎるな、と嘲笑する。
何をするかは決まってない。
ただとりあえず、なんか知ってる人間が死にそうになったから、カッとなってやった。
まぁ、そんなところだろう。
後悔しながら、俺は1歩を踏み出す。
その瞬間、俺はフルフェイスのISの目の前に来ていた。
久しぶりに使ったけど、なかなか大丈夫みたいだな。
のんきにそんなことを考えながら、俺はとりあえずISを殴ろうかと思うが、
あ、人いたらやばいな。
一市民として殺人にはやはり抵抗がある。
だから、どうしよう、と考えるわけでもなく、ただ力に任せて、
よし、助け出すか。
それができる力だ。
俺は願ってないが、得ることが出来た。
まぁ、自慢してもドン引きされるくらいの力だが、このくらいのことに使うのは許されるだろう。
そうと決まれば、行動あるのみだ。
俺は翔ける。
地を翔ける、
空を翔ける、
そして剥がす、
装甲を、
1枚1枚強引に、
ISは全く動かない、
いや、ゆっくりと動いているのだろう、
だが遅すぎる、
俺は焦る、
時間はまだあるが、有限である、
早く、
早く、
速く、
速く、
音を取り残す、
ISの装甲はなくなっていく、
中に人がいない、
誰もいないのか、
頭の中で数えていた制限時間、
折り返しを過ぎ始めた、
誰もISに乗っていないのを見て、
人がいないなら思う存分やれる、
そう思った瞬間、俺はISの目の前に行き、
その装甲に向かって拳を振るう。
その瞬間、
ISは消滅した。
「はぁ…………」
俺はため息をつく。
いや、まぁ冷静に考えれば、あんなことするくらいの人だったら、監視カメラくらいハッキングしててもおかしくないし、俺が写っている可能性は低いんじゃないか?とかいろいろ考える。
「いやぁ、でもあのふたりには、バレたよなぁ……」
ほんと最悪だ……
2人とは、あの男の子以外の女の子2人……篠ノ之さんと、もう片方のISに乗っていた女の子だ。
あのふたりには絶対に見られた。
多分篠ノ之さんは早くて見れなかったんじゃないかな、と思うけど、ISの方の子は、ISのカメラ越しに見れたかもしれない。
と、そんなふうに頭の中ではポジティブに考えようとする自分と、ネガティブに考えている自分がひっきりなしに声を上げる。
「いや、うん、あの後ちゃんと何事も無かったかのように仕事に戻ったし、抜かりはないはずだ……」
でも…………とまた考え始める。
日記は書いたが、実にひどい内容になっている。
……………………もうだめだ、寝よう。