曇っていた心が、ミッチの話しを聞いたことでうそのように晴れ渡った気がした。
目の前の靄が晴れたようなすがすがしさに包まれながら、海未は、ミッチに対し深々と頭を下げた。
自分に大切なことを気づかせてくれた彼に対する感謝の気持ちの表れだった。
「ありがとうございました。ミッチさんのおかげで、何か見えた気がします」
「そうですか。ですが、僕は何もお礼を言われるようなことはしていませんよ?」
ミッチは、そういって笑った。
彼は、自分の過去の話までしたというのに、さも平然と何もしていないという。
海未は、そんな彼の態度が、彼女に余計な気遣いをさせないためということをわかっていた。が、わかっただけにそれをそのままにしておけなかった
「そんなことはありません。私のために時間をとって頂きましたし、貴重なお話も聞かせていただきました」
「いえいえ、こちらが勝手にしたことですから。それに、ここに来たのも大した用事ではないので」
「そうですか? ですが……」
ふと海未は、ミッチの用事というものが気になった。
自分のせいで時間を使わせてしまったのだ。何か埋め合わせができないかと考えた。
「そういえば、ミッチさんはどうしてここに?」
「僕ですか? それは・・・・・・」
海未の問いに、ミッチは苦笑いで視線を逸らした。
海未は、彼が視線を逸らした先に視線を向ける。すると、以前どこかで見たことのある少女たちがにらみ合っていた。
「なに言ってるのよ。私たちだって、お客さんを待たせてるの。退屈なステージさっさと終わらせて空け渡しなさいよ」
「は、退屈ですって? いいわよ。なら、この前みたいにインベスゲームで決着をつけましょう。もっとも、あのときは私たちの圧勝だったけど」
「舐めないでもらえる? いつまでも、あのときの私たちだと思わないことね」
ミッチの話を聞いていたため気づかなかったが、どうやら彼女たちのいざこざは、一触即発の状態にまでできあがってしまっていたみたいだった。
「確か、ミッチさんに初めて会った時にも争っていた方々でしたよね。あのスクールアイドルのファンなのですか?」
「いえ。特にファンというわけでもないのですがね。どうにもこういう催しが気になってしまう性分でして・・・・・・」
「そうなのですね・・・・・・」
海未は、ミッチを呆れ顔でみる。
彼と出会ったきっかけは、オレンジのロックシードを持った穂乃果を彼が見つけて話しかけてきた事だ。
そのときミッチは、スクールアイドルとロックシードの特別な関係をあまり知らない穂乃果に対し、インベスゲームについて懇切丁寧に説明していた。その時の出来事から、海未には、ミッチが相当のロックシード好きであることがわかった。
今争っている彼女たちのファンでもないにもかかわらず、ここに来ているという事はつまり、
「野次馬ですか・・・・・・」
「うっ。・・・・・・そう言われると痛いですね。でも、これはやめられません」
「そう言うものですか・・・・・・」
海未は、何気なくミッチと共にアイドルたちの動向を伺った。
物静かそうなミッチが真剣に見つける顔を見て、どのようなものか気になったからだ。
海未が見始めたのは、ちょうどこれからゲームを始めようとしているところだった。
前回の勝負で敗北を喫したポニーテールの彼女は、腰の後ろにつり下げたロックシードを外すと、相手に見せつけるように構えた。
彼女が前に使っていたのは、ランクDのものだ。
前回のゲームでは、ランクCを使う相手に負けていた。
ミッチの説明で、ランクは戦いの勝敗に直結すると言うことがあった。
その通りであれば、彼女がまたランクDで挑むのであれば、勝ち目はない。
それをわかってか、金髪少女の方は余裕の笑みを浮かべていた。
しかし、ポニーテールの持つロックシードを確認して、金髪の表情が変わる。彼女が持っていたのはランクDではなかった。
「うそ。なんで・・・・・・。どうしてあなたがランクAのロックシードを!」
今回彼女が構えるロックシードは、世に出回るなかでの最高ランク。ランクAのイチゴロックシードだったのだ。
「あら、さっきまでの余裕はどうしたの。黙って空け渡す気になったってこと?」
「あなたこそ舐めないで。いくらランクが高いからって、勝負はやってみないと分からないわ」
金髪の彼女はそういうと、以前使っていたランクCのロックシードを構えた。
両者がロックシードを構えたことにより、インベスゲームが成立する。
にらみ合う両者の間に、立方体をしたインベスゲーム専用の空間が形成される。
ゲーム用のリングが現れたところで、二人は同時にロックシードを解錠しインベスを召還した。
「さあ、空け渡して貰うわよ」
「なにそれ、そんなの反則よ」
ランクAのロックシードを構えるスクールアイドルは、ゲームを始める前にも関わらず勝利を確信し、その対戦相手は、目の前の戦力差に嘆いた。
それもそのはず。
嘆く彼女のランクCロックシードから現れたのは、巷でもよく見られる丸っこい体と堅そうな外郭が特徴の初級インベス。しかし、余裕の笑みを浮かべるポニーテールの彼女のランクAロックシードから現れたのは、人に近い体躯をし、腕と体の横側にかけて薄い膜を持ったコウモリインベスだった。
だれでも簡単に扱うことができる初級インベスは色の違いはあれど、ほぼ同じような姿をしている。が、ランクA以上から召還されるコウモリインベスのような上級インベスは、それぞれある能力に特化しており、それぞれ特徴的な姿をしている。
上級インベスと言うだけで初級よりも力が段違いだが、それに加えてコウモリインベスは、飛行能力を持っている。
通常飛ぶことのできない初級インベスでは、空中を自在に飛行するコウモリインベスに攻撃を加えるのも難しい。それに加え、初級インベスと上級インベスでは、力がけた違いだ。上級インベスの攻撃を受ければ、初級インベスはひとたまりもないのだ。
――ready fight!!
上級インベスを前にうろたえる少女に、無情にもゲーム開始が宣告される。
「いいわよ。やってやろうじゃない」
「はは、精々足掻きなさいよ」
ランクCのロックシードから呼び出された初級インベスが動き出した。ロックシードの持ち主の意志に従い、初級インベスは見るからに無謀な戦いにも向かっていく。それは、ロックシードによってコントロールされている証。インベスゲームにおいて、インベスはただの道具でしかない。
金髪の少女はコウモリインベスに空中に飛ばれてしまっては勝ち目がないことがわかっていた。
幸い、コウモリインベスは、まだ地面に立っている状態だったこともあり、開始直後すぐに初級インベスを動かしコウモリインベスへ肉薄させることができた。
初級インベスは、コウモリインベスの周りで動き回りながら牽制し、一撃一撃を着実に当てていく。さすが使い慣れたインベスと言うところか。
完全にロックシードの持ち主の意志に合った動きをしていた。
その攻撃を受ける、コウモリインベスは動かない。しかし、動けないと言うよりは動く必要がないといった感じだ。確かに初級インベスの攻撃は当たっているのだが、避けることはおろか、攻撃の衝撃でよろめくこともない。
コウモリインベスは、初級インベスの攻撃を気にもとめていないのだ。
「ははは、すでに満身創痍って感じじゃない。・・・・・・それじゃあそろそろ、行きましょうか。さあ、やっちゃいなさい」
「・・・・・・」
ポニーテールの少女は、初級インベスの攻撃をものともしないコウモリインベスを見て、にやりと笑った。
たった数秒のやりとりを見ただけで、戦力差は火を見るよりも明らかだっった。
彼女の目には、勝利しか映ってはいなかった。
が、
「あれ、どうしたのよ。動きなさいよ」
コウモリインベスは動かない。
ランクAのロックシードを構え直す。しかし、コウモリインベスは全く反応を示さない。
「もうどうなってるのよ。言うことを聞きなさいよ」
どういうことかコウモリインベスは、ロックシードの持ち主であるポニーテールの少女の命令を完全に無視していたのだ。
「あれは、だめですね」
「どういうことですか、ミッチさん」
海未とともにゲームを観戦していたミッチは、動かないコウモリインベスを見てつぶやいた。
海未もインベスゲームについては、スクールアイドルになると決めた時点でいくらか動画を確認していた。しかし、クラスAのロックシードも珍しくゲームに持ち出されないということもあり、インベスがロックシード所有者の命令を無視するようなことが起こることは知らなかった。
そのため何か知っているようなことを言うミッチに、海未は説明を求めた。
「あのインベス、ロックシード所有者が命令しているのに動かないのは、どうしてだと思いますか?」
「そうですね。……ロックシードの故障でしょうか」
インベスは、ロックシードを持つ者のいうことを聞く。それは周知の事実だ。
今までの動画でも、クラスAのロックシードが使われた例はあったものの、今回と同じような戦いは記録になかった。その動画に示された通り、クラスAであろうと、ロックシード保持者の命令を聞くことは同じ。
そこで海未は、ロックシードの故障を疑った。
「いいえ。故障した場合は、インベスを強制的に帰すような機能が組み込まれています。それよりも考えられる要因は、彼女とロックシードの相性が合わなかったということです」
「相性ですか?」
「はい。ほとんど特徴のない初級インベスであれば誰でも扱うことができます。ですが、多岐に渡る特徴を持つ上級インベスは、相性によっては扱えないことがあるんです。また、たとえ動かすことが出来たとしても、その性能を発揮させられるかはまた別問題。そこに初級と上級に分けられている理由があるわけです」
「そうなのですか。ですが、それならこのままでは勝敗が付かないのでは?」
ミッチの説明に、海未は疑問を浮かべた。
確かに、上級インベスが扱えず戦えないとしても、現在初級インベスの攻撃を受け付けているようには見えない。これでは、上級インベスは絶対に勝てないが、同様に初級インベスも相手を倒すことができず平行線になってしまう。
「はい。このままでは勝敗はつきません。なので、こういった場合は戦意を喪失したインベスの不戦敗という風に決められています。今回は、あの上級インベスを扱っている方の子が負けということになりますね」
不戦勝と聞き、海未は再び視線を戻した。
海未は、インベスゲームという勝敗の決め方には海未も納得していないが、前回の戦いでも負けたことを知っていた。
前回負けたことから、高いクラスのロックシードに対抗してさらに高いクラスのものを用意したのだろう。それを手に入れるためには、高校生にはちょっとやそっとじゃ出せないくらいの大金が必要だ。それを出して、やっと手に入れ、やっと雪辱を晴らせると思ったにもかかわらず、結果また負けてしまいそうになっている。
それを思うと、単に勝ち負けというだけでは割り切れなかった。
勝てる力が手の中にあるにもかかわらず勝てない。
そんなもどかしさに、彼女の手は震えていた。そしてついに、業を煮やした彼女は、手を振り上げた。
手近にちょうどいいものがなかったのだろう。振り上げられた手には、以前の敗戦の際に使っていたランクDのロックシードが握られていた。
彼女は、胸の中に渦巻くもどかしさ、苛立ちを込めてそのロックシードを振り下ろした。
それを見たミッチは、表情を変えた。
「あれはまずい。海未さん、はやくここから離れて――」
ミッチは、海未の手を引いて立たせると、その場から離れるように促そうとする。しかし、ミッチが言い終わるよりも先に、
「きゃっ!!」
悲鳴がそれを遮り、あたりを凍り付かせた。
彼女は、振り上げたロックシードを、コウモリインベスに投げてしまったのだ。
初級インベスがいくら攻撃しても、ロックシード保持者がどれだけ命令しても微動だにしなかったコウモリインベスが、投げつけられたロックシードだけには反応を示した。
初級インベスが攻撃をする中、コウモリインベスは、悠々と地面に転がったロックシードを拾い上げると、額あたりに持ち上げた。
すると、額が縦に裂けて口が現れ、手に持ったロックシードを飲み込んだのだ。
その直後、空気をふるわせる咆哮が鳴り響く。
それがコウモリインベスから放たれたものだと観客が気づくのに、数秒とかからなかった。
さっきまで、誰になにをされても反応しなかったコウモリインベスだが、ロックシードを飲み込むと同時に本性を現したのだ。
インベスゲームの際に展開される空間は、インベスゲームをただのゲームとして成立させるための防護壁だ。しかしそんな壁をいとも容易く粉砕して外に出たコウモリインベスは、集まっていた観客に向かってその鋭利な爪を向けた。
コウモリインベスを召還した少女は、必死に言うことを聞かせようとわめく。が、そんなものは何の意味もないことは、インベスゲームで彼女の命令を聞いていなかった時点ですでにわかっていたことだった。
たとえ上級インベスといえど、使える人が使えばちゃんと命令に従う。とはいえ誰しもが平等に使えると言うものではない。
そもそもロックシードは、ランクが高いほど強力ではあるが、特徴が色濃く出るため使用者との相性によっては扱えない場合がある。
それでも暴走しそうになったインベスには、先ほどコウモリインベスが何の反応も示さなかったように、その行動を抑制する安全装置が付いている。それがあるため、扱いきれなくても身に余る力だったと思うだけですんでいたのだ。
が、今回は、暴走寸前のインベスにロックシードを与えてしまった。
彼女はただ自分の言うことを聞かないインベスに対して怒りをぶつけたつもりだったのだろう。が、彼女の行動は、そのインベスに暴走を押さえる最後の砦を破るための力を与えてしまう結果となったのだ。
「そんな、まさか・・・・・・。これでは、あのときと同じ」
海未の脳裏にヘルヘイムでの出来事がフラッシュバックする。
襲いかかるインベス。次々と人が襲われる姿が、あのときの自分と重なって見える。
逃げなければならない。頭ではわかっていた海未だったが、意に反してその場に座り込んでしまう。
「海未さん、早く立って。逃げないと、僕たちも――。ぐあっ」
「み、ミッチさん」
海未の目の前でミッチの体が宙に浮いた。
さっきまで、自分たちと反対方向の人を襲っていたと思っていたコウモリインベスがすでに彼女のすぐ近くにまで来ていたのだ。
飛ばされたミッチは、ごろごろと転がり花壇にぶつかって止まった。
気絶してしまったのか、彼はそのまま動かない。
その姿を見ていた海未には、彼の姿があのときの穂乃果と重なった。
インベスに弾き飛ばされ、木に叩きつけられた穂乃果。そして、インベスに襲われる海未。
同じだったのだ。あのときの状況と。
汗吹き出し、呼吸が速くなる。その光景が、いやな予感に変わる。
今まさに、自分が襲われそうなその状況で、海未は自分の無事とは全く別のことを願う。
「穂乃果・・・・・・」
コウモリインベスが腕を振りかぶる。
海未は、腕で自分をかばうことしかできない。
「お願い、来ないで・・・・・・」
「てやぁー!!」
そんな彼女の目の前で、今まさに襲いかかろうとしていたコウモリインベスが横っ飛びに飛んでいった。
続いて気合いの声と共に姿を現したのは、穂乃果だった。
穂乃果が女子にはあるまじき豪快な跳び蹴りをコウモリインベスに食らわせたのだ。
海未は、助けられたにも関わらず喜びはしなかった。
彼女の悪い予感は的中してしまったのだ。
「大丈夫、海未ちゃん?」
「穂乃果。……なぜここに」
「そんなのこっそり付けてきて……。ってそれどころじゃないよね」
穂乃果は、海未をかばうように自らの後ろへ下がらせると、ユグドラを腰に当てがった。
ユグドラは、戦国ドライバー大に変わると、腰に巻き付いた。
「海未ちゃんは、私が守るよ。変身!」
穂乃果は、オレンジのロックシードを構え、解錠する。
『オレンジ!』
ロックシードから、そのロックシードを示す果実の名が宣言される。
それと同時に、頭上でクラックが開く音が鳴り響いた。
そこから、オレンジの球体が顔を出す。
が、
「これ。・・・・・・いつもと違う」
過去二回変身した際には、オレンジ色の光の玉が召還されていた。
しかし、ロックシードを解錠し彼女の頭上に現れたのは、いままでの光の玉ではなく、硬質な金属の球体だった。
「・・・・・・そっか。もう、あのドレスは着れないのか」
穂乃果は落胆するが分かっていた。
今の自分には。何かを守るためならば何かを犠牲にすることもいとわないと決めた自分には、そのドレスをまとう資格などないと言うことを。
それでも、彼女に後悔はない。
大切な親友を守れるなら。
そのためならばどんなものでも、たとえ自分自身でも犠牲にしようと決めたからだ。
「さあ、来るなら来い!」
『ソイヤ! オレンジアームズ。花道、オンステージ!!』
彼女がカッティングブレードを降ろすと共に、穂乃果の体は黒いライドウェアに包まれる。
空中に浮かんでいたオレンジの果実が、穂乃花の顔を覆い隠す。
顔を覆い隠した球体は展開し、鎧へと変わる。
色や鎧の表面にオレンジを思わせるデザインがあるものの、それはまさしく武者の鎧。
そして、果実が展開し現れたのは、彼女の顔ではない。黒陰トルーパーと呼ばれるユグドラシル所有の対インベス部隊隊員と同じ仮面だった。
そこにあったのは、華やかなステージドレスをまとうアイドルではない。戦い誰かの命を奪う鎧武者だった。
「もうこれ以上、誰も傷つけさせない。大橙丸!」
オレンジアームズをまとった穂乃果は、標準装備であるオレンジの切り身を模した刀を抜くと、コウモリインベスへと向かっていった。
「たぁっ!」
穂乃果は、容赦なく大橙丸でコウモリインベスを切りつけた。
二回、三回と立て続けの攻撃に、さすがのコウモリインベスもよろめく。
さらに切り上げると、火花を散らしてたまらず飛び上がった。
「行ける。・・・・・・これなら勝てる」
連続で攻撃が当たったことで、穂乃果は勝利を予感させる台詞を呟く。
穂乃果の攻撃は、初級インベスの攻撃をものともしなかったコウモリインベスに確かにダメージを与えていた。
端か見れば、着実にコウモリインベスを追いつめている。・・・・・・ように見える。
が、海未には、どうしてもそんな風には見えなかった。
表情は、無機質な仮面に隠されてわからない。
しかし、海未も頭には、穂乃果の表情がありありと浮かぶ。
浮かぶのは、胸の奥からこみ上げる叫びを必死に押さえ込もうとしているような表情。
そんな表情を見て、どうしてもそんな楽観視はできない。
優勢どころかむしろ、穂乃果がインベスに攻撃を一撃、一撃と当てる度に穂乃果自身が追いつめられているようにすら見えた。
海未は、インベスたちへ向かって走る穂乃果の背をただ見ているだけの自分に歯噛みする。
また、彼女は戦おうとしている。
海未のために。海未を守るために。
自分を傷つけながら。自分の心をすり減らしながら。
にもかかわらず、自分は見ているだけで何もしていない。
海未はそんな自分の無力感に手を握りしめた。
★付箋文★
自分の中の何かを振り切ろうとするかのように、穂乃果は無心で刃をふるう。
その攻撃はすべて当たっており、コウモリインベスは徐々に後退していた。いや、そのように見えていた。が、
「・・・・・・うそ」
異変に気付いた穂乃果は、一層力を込めた横薙の一撃でコウモリインベスを切り飛ばすとともに距離を取った。
一瞬体が浮いたコウモリインベスだったが、地面に着地すると首を傾げた。
「・・・・・・効いてない」
確かに穂乃果の攻撃で後退していたが、ただそれだけ。
穂乃果の攻撃は、コウモリインベスにダメージを与えるまでには至っていなかった。
穂乃果は思わず声を漏らす。
彼女は戦うことを決めて刃をふるっていた。
今までとは違い、相手を倒すという覚悟を持っての攻撃だ。
が、コウモリインベスに効いている様子がない。
それにドレスが鎧になったからか、どうも体が重い。
今までと何かが違う。
戦うための姿に成ったにも関わらず、その一撃一撃は軽くなっていた。
「これで、・・・・・・終わり!」
『ソイヤ!』
穂乃果は、ふと浮かんだ疑問を振り払うように首を振る。
そして、早く戦いを終わらせるために、ユグドラのカッティングブレードを一回降ろす。
それを合図に、ロックシードからエナジーが吸い出される。
そして、エナジーが限界まで溜まった瞬間、刃はオレンジ色の光を放つ。
『オレンジスカッシュ!!』
光が最高潮に達したすると同時に、ロックシードそれぞれに備えられた型が起動する。
戦闘経験のない一般人をも戦士へと仕立て上げる戦闘アシスト機能。
カッティング動作は一回のため、起動される型はスカッシュの型。
敵単体へ与える必殺の一撃。
その名を「大橙一刃」
穂乃果は、大橙丸を袈裟斬りに構える。
穂乃果に切り倒され、ちょうど立ち上がろうとしているところに、、彼女の刃が振り下ろされる。
「はあ!」
「穂乃果!!」
「――っ」
が、穂乃果の刃はインベスとあと数ミリのところで止められた。
相手を切り裂くつもりで振り下ろしたはずの刀が、しかし意に反して動かない。
「や、やぁぁぁあああ!!」
何が起きているのか、なぜ腕が止まってしまったのかわからなかった。
それでも、この一撃を与えなければ戦いは終わらない。
彼女は、再び大橙丸を振り上げ、今一度振り下ろそうとする。
「今度こそ、これで……。きゃっ」
今度こそ振り下ろそうとした穂乃果は、死角から襲った衝撃に跳ね飛ばされた。
鎧のおかげで衝撃は散ったものの、穂乃果は地面を転がるった。
地面に叩きつけられた彼女は、襲った衝撃の方向へ目を向けた。
現れたのは、初級インベス。パッと見ただけでも5、6匹は確認できた。
背後にクラックを見えなかった。すでに消えてしまったのか、町に潜んでいたのかわからない。
が、どちらにぜよ、穂乃果にとって敵が増えたことに変わりはなかった。
「なんで、こんな時に!」
彼女は、地面を叩いた。
本来、一匹相手にするだけでも苦戦を強いられる上級インベスを奇跡的に止めを刺せるまでに追い詰めていたのだ。
普通は、一方的に追い詰めることなど熟練した戦士でなければ不可能。さっきまで上手くいっていたのは、まさに奇跡だ。
だというのに、止めを刺せなかっただけでなく、増援まで来てしまった。
彼女は、上級インベスを仕留める絶好の機会を逃したのだ。
「インベスがこんなに・・・・・・」
穂乃果は、大橙丸を杖にして立ち上がる。
ゆっくりと近づいて来るインベスたちへ、刃を向ける。
インベスに牽制や警告は無意味だ。彼らは、自らに向けられた凶器にもかまわず進んでいく。左右に広がりながら距離を詰めてくるインベスたちは、次第に穂乃果を取り囲んでいった。
「……どんなに来って!」
穂乃果は、完全に囲まれてしまう前に包囲から抜け出そうとする。
まだ、前方から広がりながら近づいてきているだけだ。インベスの動きはのろく、走れば抜け出せない早さではない。
しかし、一歩踏み出したところで彼女は倒れてしまう。
受けた攻撃は初級インベスの一撃のみ。生身ならいざ知らず、アームズを身にまとっている今は大した攻撃ではなかったはず。
しかし、鉛のようにひどく重い。彼女の体は動かない。
「・・・・・・しまった」
重い体を引きずって逃れようとするが、少し遅かった。
彼女がもたついているうちに、インベスたちは彼女を取り囲んでしまった。
「そこを退い、――かはっ」
インベスたちの間を抜けようとする穂乃果だったが、インベスの蹴りを腹部に受けて崩れ落ちた。
穂乃果は痛みに腹部を押さえたうずくまる。
そんな動けない彼女に、周囲を囲む6匹のインベスは容赦ない追撃を始める。
6匹のインベスは、完全に彼女を取り囲むと四方から蹴りだした。
穂乃果は、腹部を抑えていた腕で頭を守り、体を丸めるしかなかった。
むろん彼女も逃げようとした。
所詮は初級インベス六体だ。多少の痛みを我慢すれば逃げられない数ではない。痛みを軽減する鎧も身に着けている。
普段の彼女ならば、余裕とは言わずとも逃げられていたはずだ。しかし、
「……なんで。力が、出ないの?」
穂乃果は動けなかった。
戦闘開始の時点から、いや、開始直後よりもまして鎧が重く動かなくなっていたのだ。
インベスたちの攻撃を受けたからか。いや、インベスに対抗するために作られたアームズが、たかが初級インベスの攻撃を受けただけで出力を低下させることはあり得ない。
問題はもっと別の要因だ。
その要因に、穂乃果は薄々気が付いていた。
なぜ力が出ないのか考えたとき、ふと頭に思い浮かんだこと。それは、
『もう、あきらめることは許されない』
ノイズがかった少女の言葉だ。おそらく、彼女に力を与えてくれた人物。その人の言葉を思い出したのだ。
「ああ、そっか・・・・・・」
そして穂乃果は、腑に落ちてしまった。
自分は、もうすでにあきらめてしまったのだと。
そして、そんな自分は見放されてしまったのだと。
「そんな……」
動かない穂乃果を見て、海未は膝をつく。
穂乃果が倒れ、インベスに取り囲まれているというだけでも発狂してしまいそうなのに、穂乃果はされるがまま動かない。
「助けなきゃ……」
瞬間、最悪の想像が頭をよぎるがすぐに頭から払いのける。
立ち上がり駆け寄ろうとして、しかし足が止まった。
自分が行って、いったい何になる?
ただ足手まといになるだけ。それどころか余計に状況を悪くするかもしれない。
そんな思いが、海未にブレーキを掛けた。
海未はしていないが、逃げた人の中にはすでにユグドラシルへ通報しているはずだ。
自分が行くよりも、ユグドラシルの部隊に任せたほうがいいのではないかと考え直す。
自分が行ったところで、何にもなりはしない。
ユグドラは付けているが、あくまで身を守るためのユグドラは、インベスに立ち向かうことなど想定されていない。
ユグドラは、全人類に普及させるために機能を最低限に抑えている。
戦国ドライバーには存在したアームズを召喚する機能、戦うための機能は、ユグドラには存在していない。
さらにユグドラの防御機能は特殊なバリアであり、攻撃が単発であればダメージを逃がすことができるが、連続で受けることはできない。
あくまで防御機能も、逃げるための機能なのだ。
そのため、彼女がインベスのもとへ向かうのは自殺行為だ。
「でも……」
そう思う思考とは、裏腹に海未は再び動き出した。
彼女は走る。インベスに取り囲まれた穂乃果のもとへ。
「穂乃果!」
「う、海未ちゃん。・・・・・・危ないから、来ちゃだめだよ。戻って!」
海未の叫びを聞き、穂乃果は彼女の方へ顔を向けた。
「穂乃果こそ早く立ってください。私にも、言いたいことが・・・・・・あなたに伝えなければならないことがあるんです」
「……伝えたいこと?」
穂乃果は、何のことか見当もつかない様子でつぶやく。
海未は、力も持たず、自分を守ることでも手一杯だ。
が、そんなことは、助けに行かない理由になどなりえない。
力がないからいけない?
足手まといになる?
そんなことは、ただ伝えるのが怖いだけの言い訳だ。
海未は、穂乃果を取り囲むインベスに近づくと勢いをつけて飛んだ。。
どうにか穂乃果から引き離さなければならない。
海未は、一番近くにいるインベスに体当たりをしたのだ。
ぶつかった際、堅い表皮に激突した腕や肩が痛むが、そのようなことは気にしない。穂乃果を思えば痛くもない。
生身の人間で与えられるダメージなどたかが知れている。が、気を引くだけならば十分だった。
海未の体当たりを受けた一匹とその隣にいたインベス一匹が、海未の方を振り向いた。
「さあ、あなたたち。この私が相手です」
「海未ちゃん。・・・・・・何をして」
穂乃果は、自分を襲う衝撃が減ったことで、それが海未がインベスを引きつけた結果だということに気付いた。
「私には、これくらいしかできません。ですが、少しでもインベスが減っている今のうちに逃げてください」
海未が引きつけたのは6匹中2匹。まだ4匹残っているが、それでも6匹いたときよりはいくらかましのはず。
海未は、インベス2匹を引きつけながら穂乃果へ呼びかけた。
「ごめん。でも、――くっ。動けないよ。もうだめだよ」
未だインベスたちに袋叩きにされている穂乃果は、ただ体を丸めたまま動けない。
海未は、ひきつけたインベス二匹の攻撃を避けながら、いまだインベスに囲まれている彼女に呼びかける。
「何を言っているのですか。あなたがあきらめてどうするのですか。……穂乃果。あなたは・・・・・・。きゃっ」
最大限に注意しているつもりの海未だったが、穂乃果に呼びかけながらインベスを避けるのは悪手だった。
一匹のインベスの腕を避けたものの、もう一匹の続けざまにふるわれた腕が海未を打った。
当たった場所は、ユグドラを装着している左腕だった。
直撃をうけたユグドラは、火花を散らして彼女の腕から弾け飛んだ。
ユグドラが衝撃を全て引き受けたため腕が折れることは無かったが、彼女は強く地面に叩きつけられた。
「そんな、ユグドラが・・・・・・」
海未は、地面に転がったユグドラへと手を伸ばす。
体を引きずり、動かす。
こんなところで止まっている場合ではない。穂乃果へ伝えなければならないという思いが、彼女を動かす。
なんとかユグドラを掴み、腕に着け直そうとする。しかし、反応は無い。
見ると、斜めに抉れた跡が確認できた。
先ほどのインベスの攻撃をもろに受けてしまったからだ。
クラックの出現が確認された時に装着を義務づけられているこのユグドラ。
その役目は、クラックの向こうの世界、ヘルヘイムの侵食から身を守るためだ。ユグドラは、ヘルヘイムの果実をロックシードへと変化させることで無害な物に変換するだけでなく、インベスの攻撃を受けた際に特殊なバリアを張ることができる。
インベスは、地球に現存する生物を凌駕する力を持っている。
それを防ぐことのできるユグドラのバリアは、ちょっとのことでは破られることはまず無い。
とはいえ、弱点が存在しないわけではない。
バリアは、ユグドラから使用者の全身を覆うように展開される。が、ユグドラが起点となるため、ユグドラ周辺はどうしてもほかよりも耐久性が落ちてしまう。そして、ユグドラ自体には、インベスの攻撃に耐えうるだけの強度はない。
唯一の弱点とは、ユグドラ自体なのだ。
運悪く攻撃が当たってしまったため、海未のユグドラは、外装が割れて内部回路がむき出しになってしまっていた。
「ユグドラが、無くたって!」
ユグドラがない状態でインベスの攻撃を受ければ、それは全てが致命傷につながりかねない。
それを承知で海未は、膝に手を突きながら立ち上がる。
「今度こそ、今、伝えなければならないのです。――きゃっ」
立ち上がるも、再びインベスの腕が海未を襲う
インベスの強烈な打撃を受け、海未は仰向けに倒れる。
「穂乃果。・・・・・・今、行きます」
それでも、海未はなおも穂乃果のもとへ向かおうとする。手を伸ばす。
「海未ちゃん、どうして。・・・・・・早く逃げてよ」
「逃げません。もう、あなたからも、自分からも逃げたりしません」
海未は、どうにか這い進もうとする。
が、彼女と穂乃果の間をインベスが遮る。
そのインベスは、無情にも腕を振り上げ、爪を彼女めがけて振り下ろした。
瞬間、世界が動きを止めた。
海未は、走馬燈かと思ったが、すぐに違うことがわかった。
走馬燈ではありえない、自分に語り掛ける声がしたからだ。
「あなたは、選ばなければなりません」
「あなたは……、わたし?」
海未は、声の方へと視線を向ける。そこに人の姿を見つけると、疑問の声をこぼした。
彼女に語りかける声の主。それは、海未自身だったのだ。
ゆらゆらと、どこかつかみどころのない彼女は、海未のそばで徐々に距離を詰める。
「このままでは、あなたは確実に死ぬでしょう。あなたは何も成せずに死に、彼女もまた後を追うことになる」
少女(海未)は、動きを止めたインベスに囲まれた穂乃果を指さす。
いまはアームズを身に纏っているおかげで助かているが、いずれは限界が来る。
そうなれば、彼女は助からない。そして、その限界はそう遠くはない。
海未は、そのことを理解した。
「あなたが取れる選択肢は、二つです。すべてを投げ出して逃げるか、この状況にあらがうかです」
選択肢が提示される。
さすが、同じ姿をしていると思ってしまう。逃げるというのは、合理的な選択肢だ。自分が向かったところで助けられないことはわかりきっている。それよりは、
が、そんなことは関係ない。海未の中ではすでに答えは決定してしまっていた。
「そうですね。確かにそのその選択肢しかなさそうです」
「やはり、物わかりがいいですね。そして、合理的に考えればどの選択肢が正しいか、簡単にわかるはずです」
「そうですね。正しい選択肢は、『逃げる』でしょう」
その答えに、少女は笑みを浮かべる。
上手くいったといわんばかりに。そう選ぶことはわかっていたと言わんばかりに。
が、そんな彼女を見て、海未は決意を固めた強い視線で彼女をにらんだ。そして、先の言葉に続く言葉を紡ぎ出した。
「ですが……。あなたの意図とは、少し意味が違うでしょう」
「意味が違うですか。逃げるのではないのですか?」
「ええ、逃げますよ? 穂乃果と一緒にですが」
「あなたは、死ぬつもりなのですか?」
「もちろん、死ぬつもりなどありません。でも、私には最初から、彼女を置いていくという選択肢がないだけです。ただそれだけです」
少女の表情からは、さっきまでの笑みは消え、驚きに染まっていた。
実際、海未は自分でも驚いていた。
穂乃果とともに逃げるという選択をしたことにではない。
逃げるという選択をする際に、一切の迷いも戸惑いもなかったことにだ。
でも、そう決めた理由はわかる。迷わなかった理由もわかる。
それは、とてもシンプルな思い。難しい理由などない簡単な思いだ。
「私は幼い頃、友達がほしくて、でも怖くて、いつも一人で震えていました。あの子は、そんな私の手を取ってくれた。引っ張り出してくれました。だから、あの子が進む道を見失ったなら、私が手を引きます。あの子がもう立てないというなら、肩を貸して一緒に歩きます。今度は私のあの子の手をとる番なのです」
だから海未は、はっきりと答える。
できるという根拠は何もない。それでも海未は少女に向かって宣言した。
海未は、穂乃果を見捨てる方向へと誘導するような言動をとる少女が反論してくると思い構える。
「そうですか。もう、決めてしまっているのですね」
が、予想に反して彼女が発したのは優しい声音だった。
「でしたら、これを・・・・・・」
「え?」
目の前にいたはずの少女は、いつの間にか背後に回っていた。
少女は、海未が握る壊れたユグドラを手に取った。それを天へと掲げる。
「これはほんのきっかけです。その先どうするかはすべて、あなた自身の決断です」
「これは、いったい……」
「今度こそ、その手を離さないでくださいね・・・・・・」
「それはいったい・・・・・・」
少女の言葉を最後に、世界はまた動き出した。
動きを止められていたインベスは、振り上げた腕を海未にへ振り下ろした。
海未は、目をつむって顔をそらした。
少女へ啖呵を切っておいて、結局ここで終わるのかと自分の無力さを思いながらその時を待つ。
しかし、それは訪れなかった。
「……これは」
目を開けた海未は、自分がドーム状の光に包まれていることに気付いた。
彼女に襲いかかったインベスは、その光に阻まれて後ろへひっくり返った。
見ると、その光は、彼女が掲げるユグドラから出ているように見えた。
まるで、ユグドラの防御機能のように。
「まさか……。ユグドラが治ってる」
確認すると、インベスによって切り裂かれたはずのユグドラには傷一つなかった。ある一部分以外元通りになっていたのだ。
「これは、穂乃果と同じ……」
大きさも形も変わらない中、唯一変化は、刀のような装飾品がついていることだった。
試しにそれを左腕にあてがうと、いつものユグドラのように巻き付いた。
「それはまさか・・・・・・」
再び動き出した世界で、彼女のユグドラの変化に最初に気づいたのは意識を取り戻した満実だった。
倒れていたミッチは、それを見るなり体を起こした。
彼は、ジャケットの内ポケットから何かを取り出し、振りかぶる。
「海未さん。これを、受け取ってください」
「え、ミッチさん?」
満実は、ほぼ直感的にそれを海未へ投げた。
何かそうしなければならないような使命感に押され、満実には珍しく考えるより先に動いていたのだ。
対する海未は、突如変化したユグドラを確認していた。
そんなときに突然飛んできたそれを、彼女は慌てて掴んだ。
「ミッチさん。なぜ、これを私に?」
「今のあなたになら、きっとその力を使うことができるはずです。それに・・・・・・あなたには今、どうしてもしなければならないことがあるのでしょう?」
海未は、掴んだものを見てそれがなにを意味するのか、どうすればいいのかは、先人二人を見ていたため瞬時にわかった。
海未は、今し方受け取ったものをみる。
それは、いくつかの紫色の宝石のような果実に飾られたロックシードだった。
「わかりました。私のしたいことのため。この力、使わせていただきます」
海未はロックシードを顔の横で構える。そして叫ぶ。
「変身!!」
やるべきことをなすための姿へ、変わるための言葉を。
どうも、幸村です。
今回は、穂乃果と海未それぞれの戦いについての話でした。
片や、戦う意味を完全に見失い戦うことができなくなり、片や、戦う意味を見つけました。
この二人の戦いはどうなっていくのか。次回のお楽しみにということで。
ついに、海未の変身を書けるところまで来ました。
次回は、海未の変身について、気合を入れて書いていきたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願いします。