姫菜、戸部、大岡、大和ルート
グループ崩壊後居場所を失っていた男子三人は元々それ程強い結束力を持っていたわけではなく呆気なくバラバラになっていたがバレンタインを切っ掛けはに優美子と和解し海老名さんに謝った戸部が八幡のグループに加入
その後八幡の勧めにより戸部が大岡、大和に声を掛けてグループ入りを勧め加入
とにかく各々の胸の内はわからないが一心不乱に部活に打ち込みその結果二回戦敗退ではあったが甲子園初出場、初勝利を掴んだ野球部
四番でエースの大和は千葉ロッテに指名の打診がありもし本当にドラフト指名があったら進学断念も視野にいれているそうだ
ラグビーの大岡も県大会決勝三回進出と言う実績を手に体育大の推薦枠を手に入れ今なおトレーニングに余念がない
両者共に八幡の
「取り敢えず部活に集中しろ、今のお前らゾンビ呼ばわりされてた俺より死んでるぞ?
部活に燃えて復活して見せろよ?でなきゃそれまで部活やって来た自分自身を否定することになるんじゃねぇの?」
そう言われて
「人の顔色伺うのに疲れた…忘れる為にも暫くラグビーの練習にのめり込むわ…要らんことで頭悩ませなくても良いくらいくたくたになるまでな…」
そう大岡が開き直って言うと
「だな、俺も部の奴等に秋季大会は迷惑掛けたから夏は気合い入れんとマジにヤバイからな…」
そう呟く二人に
「おう、頑張れよ…間接的なサポートをしてやるからよ」
その言葉通りに家庭科クラブの協力の元に握り飯の炊き出しして差し入れや女子マネの居ない両者の為にユニフォーム、ジャージの洗濯を請け負い少しでも練習に集中させた
戸部率いるサッカー部の場合事情は大きく異なっていた
前任の無責任極まりない
「皆仲良く主義」
により切り捨てたただ一人の仕事をする、仕事のできる一色いろはを庇えずにに三下り半を叩き付けられたサッカー部のヘルプ要請に答えると言う人材が居なかった
そう、葉山隼人の負の遺産の使えないマネージャーがいる内は例え八幡の要請でも首を縦に降るものは無かった
それも自業自得な一面があるのもまた事実で冬休み中に人知れず転校した葉山教の信徒達の大半は隼人が姿を消したのを知りサッカー部のマネージャーを
次々に止める中思い止まったのはちやほやされたかっただけではっきり言って足手まといを引き留めたことに気付いたのは…
言いように顎で使われているのを自覚しかつ葉山を勝手にライバルしていたヤンキー擬きがそのマネージャーと結託して戸部をサッカー部から追い出そうとしているのに気付いたときだった
もっとも策略と言うのもおがましく八幡に突きつけられた証拠とたまたま聞いていた本人達の会話を録音した物を教師に提示し
「被害者である戸部およびサッカー部に温情ある采配を願う署名です」
そう言って八幡自らが校長に土下座して懇願
その姿に感銘を受けた校長は
「仲間である君達を守った男の気持ちに報いるのはただひとつだけ」
そう言って一連の騒ぎの責任をとるべく出した戸部の退部届けをその場で破り捨てた