サポーターの応援により八幡との距離を一歩縮めて前進するいろはの恋の行方は?
一色いろはルート編
先輩…今頃家で勉強中なのかな?
そう呟いて窓から見えている空高く上った月を眺めていた
いよいよ受験勉を本格的に始めた先輩はほとんど部室に来ることはなくたまに顔を覗かせてもいつでもあの人の周りには女子の先輩達に占領されていた
三年進級を機に先輩と沙希先輩はJ組に編入したためクラスメイトではなくなった優美子先輩はともかく沙希先輩は少しは遠慮してほしいものですよ
どうせ先輩は勉強に集中している間は多少の事じゃその集中をと切らす事はないんですからね…あの先輩ときたら全く困ったもんですよ
まぁ、そこが魅力とも言えなくもないので否定しきれないんですけどね
それにしてもよりによってT大ですか…私が後を追えないじゃないですか?
「一緒に大学行けないじゃないですか?
どうしたら良いんですか私の進路…責任取ってくださいよね、先輩…」
満月を見上げながらそう愚痴ってしまう私は悪くない
だからと言って先輩が悪い訳でも無いんだよね
あれだけ色々やってるのに苦手な理数系を克服して今や学年一位ですからね先輩は
結局は私の努力不足でしかないんですからね…
だからせめてT大に近いキヤンバスの大学を目指すつもりなんですけどね
そしたら近所のアパートが借りられるじゃないですか?
そうと決まればこのまま先輩達から預かったこのバトンを(奉仕部)を小町ちゃん達後輩に引き継いでもらう日まで頑張りますか
今では生徒会で対応しきれない案件は奉仕部に…が総武の常識なっていて校長先生からの信任も篤い先輩の後継者として期待も大きく結構プレッシャーはありますけどね
そう考えていたらドアを叩く音がして
「いろは、下でメル友とお月見するから貴女も付き合いなさいよ」
そうお母さんに言われたけどあたしの知らない母さんのメル友とお月見するとかって正直言ってそんな気分じゃなかったから
「そんな気分じゃないから止めておきます」
そう答えたら
「そうなの?せっかく比企谷君に無理言って来てもらったのになぁーっ♪」
(ってえ?な、何…先輩がお母さんのメル友?ってどうゆー事…そんな話しは聞いて無いんだけど?)
プチパニのあたしが
「先輩が来てるの」
ドアを開けてそう聞いたら
「そう言ったの聞こえなかったの?比企谷君はお母さんのメル友なのよっ♪」
良い笑顔で言われたあたしは
「それならそうとあらかじめ言ってくれてたら……別にできる準備…と言ってもする事何てたいしてないんだけどそれにしてもいつの間にメアドの交換何てしてたんだろうか?全く油断も隙もあったもんじゃない」
そうブツブツ言ったけど最後に
「お母さん、有難う」
そう呟くと
「どういたしまして」
と、茶目っ気たっぷりの笑顔で答えてくれました
「たまには先輩に勉強を忘れてまったりした一時を過ごしてもらいましょうか」
そう呟くと私は部屋を出て大好きな先輩の待つ一階のリビングに向かうのだった…
このお話は現在書き進めている本編のいろはの誕生パーティーにリンクしてます