坂月彩月ルートだけど
部室には顔を出すことはあっても既に部長職は二年の一色さんが引き継ぎお悩み相談も彼女がメインとなり回答している
そんな奉仕部の様子を見ながら自らの勉強と勉強の他各種の相談にのっている彼には全く頭の下がる日々を過ごしている…
そして彼の手作りお弁当はとても美味しく幸せを噛み締めてますが夏休みにその事がお母さんにバレ根掘り葉掘り尋問され彼が部長を務める部活の顧問をしてること
お母さんが心配していた通りにろくでもない食生活をしていた私にお説教して以来朝食用のおにぎりとお弁当を毎日渡してくれ
たまに夕食をご馳走したくて誘うと
「働き初めで慣れない独り暮ししてるのに無駄遣いしてんじゃねぇよ、先生
料理なら俺が作るから先生は材料費だけ頼むわ」
そう言って彼とスーパーで買い物した事や彼の手料理に舌鼓を打っている日々であることを洗いざらいい喋らされました
もちろんいけない事なのだからこの想いを少なくとも彼が卒業するまでは彼に告げない事も
もちろん有名な彼の事は母さんも知っているからみんなに優しく必要ならば厳しくなれることも話、未だ特別な女性が居ない事も話すと
『未だ…なんでしょ?なら何らかのアピールくらいはしとかないと後悔するよ?
ライバルがかなり居るんだろうからね』
とも言われたけど少なくとも反対ではないみたいで安心したがこれも彼の人徳のなせるわざだろう
そんな事を考えながらお持ち帰りした仕事が一段落ついたのでコンビニに買い物に来たら彼が店内にいるのがわかり嬉しくなって駆け寄ると
『先生、大人の女性としてもう少し落ち着かれては如何ですか?』
(そう言って溜め息をつかれてしまったけど意識してる異性を前に未々落ち着き払える年でもないよね?)
そう自分で自分に言い訳してから
『私は仕事に一区切りついたから何か飲み物でもって来たんだけど貴方は?』
そう聞いたら
「俺は予備校が終わって帰る途中に喉が乾いたのでたまたまこの店に立ち寄りました」
そう言って篭の中身を見せてくれたので覗いてみるといつものアレと月見バーガーと書かれたハンバーガーらしきもの入っているのが見えたから
「なら今から「うら若き女性がナニ言ってるんです?この店にはイートインがあるんですからここで何かかいましょう」」
そう言ってスイーツコーナーに向かう彼についていくと
「ナニ食べますか?奢りますけど?」
そう言われて
「じ、じゃそのウサギさんの形の大福かな?」
私がそう答えると
「わかりました、後は飲み物を取ってきてください…その間に俺は篭に入れておきますんで…」
そう言われた私はホットの玄米茶を選び取ると彼の横に行き会計をしてもらう為に手渡すと
「勘定済ませますから先に席について居てくださいガラスの側が良いですね」
そう言われて
「うん、お願いします」
そう答えて席について待っていると彼がきて
「お待たせしました」
そう声を掛けてきた彼が格好良くて思わず見惚れていると
「今夜は中秋の名月…なんですよね」
そう呟きハンバーガーを頬張る彼を見ながらその事を思い出し
「そう言えばそうだったね?すっかり忘れていたけど…」
そう答えると
「早く仕事に慣れると良いですね…」
そう、優しい笑顔を向けて言ってくれる彼だけど…
(この笑顔を私だけに向けてほしいと願うのはワガママだろうか?
そしていつか彼の口からこの言葉を聞きたい…)
ー月が綺麗ですね…ー
と、言うそのたったの一言を私は夢見ている
如何でしたでしょうか?忍ぶ恋こそ誠なりを自分なりに表現したつもりなのですが…