キャラの口調に悩まされます。
昼食は言っていた通りビーフシチューだった。ただ、お母さんが張り切って作ってくれたビーフシチューは3人で食べるには少し多かった。それについて、お母さんは「今夜の分も作ったのよ」との事だった。
「それじゃあ、いただきましょう」
「いただきます」
「いただきます」
鍋からシチューを装おうと手を伸ばすがオタマはお母さんに取られてしまった。
「エルちゃんは前に落としたでしょ?今日は落されちゃうと困るのよ」
「お、落とさないよ!前は偶々手が滑ったんだよ」
「まあまあ」
何とかその不名誉を取り消そうと頑張った。しかし、お母さんが曲げる事も無く、装ってもらう事になった。とても悔しい。
「ぐぐぐ……、美味しい」
「フフッ、それは良かったわ。…ほら、ドンドン食べて?」
「…うん」
「あー、こっちにも装いでくれると嬉しいかな?」
「あら、貴方も零してしまうのかしら?それはいけないわね、仕方ないから装いであげるわね?」
「…ごめんなさい、自分でします」
「そうだ、エルちゃん?夕食だけどロイド君も参加するわよ」
シチューを食べ終え、休んでいるとお母さんが手を拭きながら言ってきた。
「そうなんだ、じゃあガイさん仕事なんだね」
「ええ、そうね。ガイ君からはそう聞いているわ」
それを聞いて、少し残念だなぁと思った。ロイドが加わるのは別に良い、食べる人が増えると美味しいから。そこにガイさんが一緒だと、事件の話を簡単な物語にして聞かせてくれる。自分や周りの人の解決して新聞に載った事件をガイさんや警察の視点から英雄談のように話してくれるのだ。自分はこう考えてたやこいつのあの時の行動はすごかったなどを身振り手振りで話してくれて、それが面白し悲しかったりするのだ。
そんな事を考えていると、お母さんが微笑みながらこちら見ていた。
「フフッガイさん来なくて、つまらなそうねエルちゃん」
「少し残念だなぁって思っただけだよ。ロイドもくるしつまらないなんてないよ」
「フフッそうなのね」
……。あれ?何か勘違いされてる?
「ねぇ、何かかんー―」
「さあ、夜の買い物行くわよ。」
「ちがい―ーえっ、ちょっと!お母さん、マッテ!」
突然話を遮ったお母さんは、買い物袋を片手に部屋を出て行った。
その後、何度聞こうとしてものらりくらりとなかなか聞けていなかった。
「ねぇ、ねぇってば。」
「はいはい、服引っ張んないの。」
「質問答えてよ!ねぇってば!」
結局買い物も終わり家に帰っても答えてくれなかった。
午後5時になりお母さんも夕食の準備をし始めた。今日はロイドもいるから沢山作るのだろう。昼の残りも有るから今日は凄く多くなりそうだな。お父さんとロイドには頑張って貰わないと。あの後、お父さんは書斎に引きこもって何かしている。本の整理だろうか?職場の本の確認なのかも知れない、どっちにしても遊んでくれそうにない。姉さんは仕事で遅いからご飯も向こうで食べるそうだ。・・・・ 暇だ。手伝いとかも今は良いって言われたからやることがない。日曜学校の宿題も全部終わり、次にやるところの予習も終わってしまった。外に行こうにも午後5時なので少し危ない。どうしたものか、なんて考えていた。部屋にはキッチンからのカタカタやトントンと言う音が聞こえるのみで他の音は聞こえない。とても静かだった。いつもだったら静かで良いなぁとなるが、暇な時には静かなほど苛々してくるのだ。しかし、暇をつぶせる物が周りを見てもない。
「暇だぁ。」
溜息と共に口から出てしまう。ソファーに寝転がりながら早く時間が経つことを願っていた。
十分が経過したが、相変わらず暇なままだった。ソファーの上でグデーとしているが暇は去ってはくれないらしく、面白そうな事は見つからなかった。
二十分が経過した頃にコンコンと扉を小突くおとが部屋に響いた。すると、キッチンからエルちゃん~出てくれない?と聞こえた。はーいと返事をし扉まで走っていった。
「はーい。どちら様?」
ガチャっと扉を開け外を見るとそこにはロイドがいた。
「あーって、エルか。…返事を聞いてから開けた方が良いんじゃないか?」
「何だぁロイドかぁ。…ご飯でしょ?今お母さんが作ってくれてるから上がって」
「ああ、そうさせて貰うけど…どうかしたか?」
「暇なの」
「……そうなのか」
僕を先頭に廊下を歩いていたがさっきからロイドの呆れたような視線が僕の背中に刺さってる。痛い、何か痛い。体より心が痛い。
「ロイド、痛い」
「どこが?」
「背中が」
「気のせいだよ」
気のせいなもんか、突き刺さってるよ。とっても。前にも同じ様な事あったからってあんまりな扱いだ思う。
「……」
「……」
「ねぇ、ロイド」
「何?」
「何か面白い事を話してよ、つまんないの」
「……」
突き刺さってる物の本数が増えた気がする。
ソファーに座ってもそれは続いた。どれほど以前のことを引っ張ってるのか。以前も僕は暇に持て余していた。そこで、ロイドに暇を潰すのを協力して貰ったんだ。その時にロイドに歌を歌ってや走って来てなどどうでもいいことを頼んだのだ。ロイドは真面目だから頑張ってくれたが時間は潰れたけど暇は潰れなくて色んな事を頼んだ。だんだん難易度も上がって行って、俳句を読んでなど頼んでいた。流石のロイドも苛々したのか顔が強張っていった。僕はそれに気づかづにどんどん言った。すると、ロイドが突然大声を上げ部屋から出て行ったのだ。それから、僕が暇と言うと睨んだり呆れたりするのだ。廊下を歩く間ロイドとの会話は無く刺さる視線は増える一方だった。きまづかった。原因は自分だけど、きまづかった。しかし、それは部屋に入ると解決した。
「あら、ロイド君来たのね」
「はい、お邪魔します」
「もうすぐ出来るから部屋で待っててちょうだい」
「手伝いますよ、エルも暇してたみたいですし」
お母さんが話しかけてくれたから助かったと思ってたのに・・・・まあ、良いか。
「うん、手伝う」
「あら、そうなの?・・それじゃあ、これを運んでくれる?」
ロイドのせいで手伝うはめになったが運んでいると時間も進むので助かったのかも知れない。なら良かったかな?
ロイドと僕が手伝ったからか予定より早く準備が終わった。
「それじゃあ、いただきましょうか」
「「「いただきます」」」
お母さんが今夜作ったのは昼のシチューの他に8品作っていた。麻婆豆腐などからオムライスやクリスピーフライなど有る。食べきれるのだろうか?4人で食べる量ではないと思うのだけど。・・・・あっ、お父さんが顔をひきつらせた。やっぱり多いんだ。いつもはガイさんが片付けてくれるけど今日はいないんだよねぇ。僕は小食だからもともと頭数には入っていない。無理するとはくのだ仕方ない。ここはやっぱり食べ盛りのロイドに期待したい。そこで期待の眼差しをロイドに向ける。三分位見ていた。けど、一向にこっちを見ない。箸は進んでいるから良いんだけど、こっち見ないな。
「エル、こっちを見てないでもっと食べたらどうだ?」
「別に食べれるだけ食べるよ。そっちだって、もっと食べないとガイさんみたいに成れないよ?」
「…エル、いいかげん機嫌直してくれ、美味しいのに不味くなりそうだ。」
「……」
そう言うが、ロイドは相変わらずこっち見ないで言ってくる。機嫌が悪いのはそっちじゃないのかとか色々と言いたいけど、僕はロイド寄りも大人なので此処は引いてあげる事にした。別に言葉にはしないけどロイドには感謝して欲しい物だまったく。
「もう、エルちゃん?何をそんなに腹を立ててるのかは分からないけど、今はロイド君の言ってる事が正しいわ。ご飯の時位は機嫌を直してちょうだい」
「そうだね、折角のごちそうだよ。楽しく食べないともったいないよ」
「うっ、・・・・わかった」
仕方ない、お母さんたちに言われたら直さないといけなくなる。まあ、元をたどれば私のせいだし?……仕方ない。
「…エル」
悶々としていると、ロイドが皿を僕の前に置いた。置いたのは僕の反対に置いてあったハムサンドだ。…これくらいなら行けるかな?
「貰うよ」
ハムサンドを一口食べる。……美味しいよやっぱり。胃が小さくなかったらもっと食べるのに。
「美味しいよ、お母さん」
「それは良かったわ」
ハムサンドを食べ終わると満腹感が僕を襲ってきた。これ以上は厳しいようだ。
「お腹いっぱい」
「そう、先に休んで良いわよ?」
………。
「いや、ここでみんなが食べ終わるの待ってる」
「…そう、ならお話でもしましょうか」
「何のお話?」
「そうね、楽しい話にしましょう」
そう言うと、お母さんは持っていた箸を机に置いた。それを見てロイドも箸を置いた。お父さんは微笑ましそうに箸を進めていた。
「…と、言っても何を話そうかしら?……そうね、帝国へ旅行に行った時のにしましょう」
少し悩んでお母さんは拳を手のひらにポンとのせ話す話を決めたようだ。
「帝国?お母さんエレボニアに行った事があったの?」
「ええ、遅れた新婚旅行だったかしら?ねぇ?」
言いながらお母さんはお父さんの方を向いた。
「ん?そうだな、あの時はまだ行ってなかったしな、新婚旅行に」
「なんで行ってなかったの?」
「お父さんの仕事の関係よ」
「結婚してからしばらく職場が忙しくなってな?落ち着いた頃には新婚って感じでは無くてな。行かなかったのだがな、7年位前に行った何だったかの事で行ったんだ。何だったかな?」
「なんでだったかしらね?」
思い出せないのか二人は首を捻った。
「まあ、それで行ったのよ」
「帝国のどこに行ったの?」
「帝都よ他の州はより帝都の方が知っている事が多かったものね」
「帝都ってどんな所なの?」
帝都で生まれたらしいけど帝都がどんな所かは良く知らない。街としてとても大きいらしいけど。
「そうねえ、とても綺麗な所よ。自然って感じでは無いけど良く整備されてる綺麗な街ね」
「整備された街か……」
いままで黙って聞いていたロイドがポツリと言葉を漏らした。
「そう、とても綺麗に感じたわ」
「ああ、建物の配置にも景観などに気をつかって建てたようだった」
「そこで、いろいろと見たのよ。導力カトラムとかね」
「カトラム?」
「クロスベルで言うとバスよ。これで都内をまわるのよ」
「へー、そんなのが走っているんだ!」
目を見開く位に驚いた反応をしているロイドに比べエルは目を輝かせた。
「それに乗って、マーテル公園やヘイムダル大聖堂を見たのよ」
「ヘイムダルは16街区で出来ているがどれも違う顔をしていて面白かったな」
「凄いな…街区の数だけでもどれだけ凄いのかがうかがえるな」
「本当にねぇ」
帝都がどれだけ大きいかを改めて実感して声が出なかった。
「アルト通りでは帝都の遊撃手協会があったな」
「帝都の遊撃手協会の仕事は大変そうだったわ。いろいろんな人が出たり入ったりしてたもの。あら?エルちゃんどうしたの?」
遊撃手協会の話辺りから黙ってるエルにレイテが気がつき声をかける。
「エル?どうしたんだ?」
「…いや、遊撃手協会って聞いて何か引っかかったような感じがしたから」
「エルちゃんが帝都にいたときに何かあったのかもね。あれだけ地域密着だし」
何か赤いようなものが浮かんだけど良くわからなかった。
「そういえば、私たちがアルト通りを通ってる時に小さい女の子が外に一人で出て行ったって、言ってたわね」
「ああ、何でも7歳位の黒い髪に黒い目の女の子だったそうだ」
7歳の黒髪…うーん、何か引っかかるなぁ。記憶を失う前の僕に関係あるのかな?
「……大丈夫だったの?」
「話を聞いただけだけど無事遊撃手に助けられた用だよ」
「…良かった」
「そうね、私たちが帝都に行った日に起きた事件だけど不思議な感じよね」
「なんで?」
「たまたま、聞いた話なのに新婚旅行の動機より覚えているんだもの」
「そだねえ、不思議だね」
お母さんとお父さんはお互いに笑いあった。確かに不思議な感じがする。
「その助けられた女の子はエルの友達かもな」
「なんで?」
「エルってその時は帝都に居たんだろ?」
「アルト通りね、案外そうかもね」
その後も話たり僕以外がご飯を食べたりと時間が過ぎていった。
「それじゃあ、ごちそうさまでした。」
「ええ、今度はセシルとガイ君も一緒に食べましょう」
「はい」
「それでわ、またの機会にお願いします」
「じゃーねぇ、ロイド」
「ああ」
あの後、姉さんとガイさんが帰って来て、部屋で談笑をした。夜の9時を回って、ロイドとガイさんは自分の家に帰って行った。
七耀歴1197年 9月10日
日曜学校にも通い始めて、しばらくが立ちました。ウェンディとお喋りしたりと楽しんでます。ロイドとガイさんがたまに食卓に並びますが、いつも楽しい時間です。日曜学校自体はそんなに長くは通わないと思うけど楽しい時間です。
エル・エルフィミン
ロイドから見たらエルは手の掛かる幼なじみです。