年上少女の軌跡より   作:kanaumi

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 書いてる物が長くなりそうだったので切りました。読み憎かったらすみません。


?冊目 p??? ?月?日 私と僕はーー

 

 病院からクロスベルの家に帰って来た僕は、自分の部屋に入るなりベットにジャンプで突っ込んだ。準備中は微塵も感じなかった疲労感が家に着いた途端、ドッと押し寄せて来たのだ。ベットに突っ伏した時に、着換えていない事に気づくも時既に遅く、僕は気絶した様に眠りに落ちていった。

 

 ……ここは?どこ?

 

 微かな違和感を感じ、目覚めるとそこは真っ暗闇の中だった。物体の形は見えず、己の体を見る事も叶わず、五感の内、触覚、味覚、嗅覚が機能していない様に感じる。そして、目の前が真っ暗では視覚すら役に立たない。唯一聴覚だけは機能していた。

 

 ……。

 

 だが、危機感は無かった。ただ、そうであると受け入れた。不思議だった。だが、僕という存在はそうであると決められているかのように僕は受け入れていた。

 

 ・・・・?・・・・…何?

 

 何処からだろうか?耳に入って来た小さい音、ノイズも様にも感じた。次第に聞き取れるようになったそれは小さく短い打撃音だった。神経を耳に集中させて音を聞く。神経を集中させた耳はとても敏感で旺盛だった。

 

 ・・・・・・・・!

 

 集中した耳は確かな音を拾った。先程の打撃音では無く嬉々とした女性の声だ。そして、女性の声は次第に大きくなって行った。それこそ集中も必要にならなくなる程にだ。ふと、僕は誘われるようにその声へ足を向け、前の見えない暗闇を歩き出した。

 

「エルちゃん、はい、クリスマスプレゼントよ!これ前から欲しがってたでしょ?」

 

 足は止まる事無く歩き続けていた。依然として声は聞こえている。声は歩く毎に段々と大きくなっていた。そして、歩く度に辺りは明るくなって行った。

 

「うわぁー!ありがとーお母さん!私これ欲しかったんだ!このナイフ!」

 

 辺りが先程と逆に真っ白へと成りつつあるそんな頃、前方には大小三つの人影が立っているのを見つけた。この空間で自分以外に初めて見る形に思わず笑みが零れた。此処にいるのが自分だけではないと分かると、小走りでその人影に向かって走り出した。

 

「えへへ、きれーだね!」

「うんうん、そんなに嬉しそうにしてくれるとプレゼントしたかいがあるわ。」

 

 近づくと、朧げだった人影が鮮明に映るようになる。遠くからは同じように見えていた二つの影は大人の女性の形と小さい子供の形をとりだした。だが、それを認識すると、辺りの情景に靄が出始めた。突然の事に足を止めると、さっと、靄が晴れた。すると、先程は白一色だった情景ががらりと姿を変えていた。真っ白だった辺りは色取り取りの飾りの有る木質の茶色い壁に、足元は弾力のあるカーッペットに、何も感じてい無かった肌は暖炉の熱気を感じ出した。先程の場所とは何もかもが異なるこの空間には、先程から聞こえていた声の女性と男性と小さな女の子の三人が立っていた。女性はベージュを基調とした綺麗な服を着ていた。男性は黒い服にズボンを着ていた.

そして、小さい子供は黒髪に黒い瞳で、白い小さいドレスを着ていて両手でリボンで巻いた箱を持っていた。先程からの会話を聞く限り、クリスマス会の最中のようだ。

 

「喜んで貰えて良かったよ。」

「ええ、本当にね。あっ部屋の中で振り回さないの!」

「アハハハッ♪」

 

 子供はプレゼントして貰った小型ナイフを振り回していた。それを女性が注意するが、余り効果はない様子だった。男性はそれを見て微笑んでいた。

 

「もう、危ないのよエルちゃん!」

 

 女性の呼んだ名前を聞いて、目の前の3人が誰なのかを何となく察してしまった。だが、何でこの記憶に無い光景を見ているのかが分からなかった。

 

「これもって遊んで来る!」

「気をつけてね。」

「うん、エリオットとだし大丈夫だよ!」

「エリオット君年下だよね。」

「気にしなーい。」

 

 小さい娘は早速貰ったナイフを使いたいらしく、元気良くこっちに走ってきた。このままではぶつかると思って、避けようとしたが何故か体が動かなかった。とっさに前を見た。小さい僕は目の前で間に合いそうに無かった。僕はぶつかる!っと目を瞑った。

 しかし、痛みはなかった。目を開けて辺りを見たら僕の後ろいた。先程と打って変わって、悲しそうな顔をしていた。

 

「私は君に触れられない。」

 

 そう言って、小さい僕は手を僕に向ける。僕は何故かその手に触れようと手を伸ばした。しかし、触れようとした僕の手は空を切った。

 

「・・・・僕は君に触れられない。」

 

 何度試しても手は空を切るのみだった。

 

「・・・・」

「・・・・」

 

 小さい娘は手を伸ばしたまま僕を見つめて動かない。小さい娘はしばらくすると手を引き、僕の目を見て話し始めた。

 

「・・・・・・・・あなたは私で、私はあなただったの。でも、私達は離れ離れになった。  の影響で。私は未来が無くて、あなたは過去が無い。ねえ私、あなたの後ろには何があるかしら?」

 

 ・・・・僕の後ろ・・・・。振り向くと変わらず暗闇が広がっていた。本来ここには僕の過去があったのだろうか?

 

「あなたには見えないだろうけど、あなたの過去は私の後ろにあるわ。」

 

 小さい娘の後ろを見た。しかし、そこは暗闇が広がっていて何も見えなかった。あそこには僕が失った物が有るのだろうか、そう思って無意識に僕は手を伸ばした。すると、何かに触れた。いや、触った感覚は無かった。けど、何かに触れたと感じた。何だ、これは?

 

「・・・・わからない。でも、それがあるから私は未来が見えないの。ねえ、私は未来が見たいの。私をーー」

 

 僕はふいに、自分の意識が遠くなるのを感じた。すると、僕の身体はどんどん小さい娘から離れていった。僕は謎の気だるけを感じた。遠くから僕を呼ぶ声が聞こえた。なん首が少し痛くなってきた。

 




ちなみにこれは夢の中です。
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