神が育てた神機使い   作:奇稲田姫

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序章

近未来。

 

 

地球上はとある要因によって壊滅していた。

 

 

人口は以前の約100分の1ほどにまで激減し、それでもなお減少を続けている。

 

このままいけば、近い将来には人類の滅亡も十分に考えられる。

 

それを引き起こしている最大の要因、それは、ある時人類が発見した1つの細胞が関係している。

 

 

「オラクル細胞」

 

 

当時の研究者たちは仮称としてそう名付け研究を行っていた。

 

オラクル細胞について分かっていることは、細胞1つ1つがそれぞれ生命活動を自己完結している単細胞生物であること、あらゆる物資を捕食し、その物体の性質を取り込みながら増殖していくという能力を持っているということである。

 

しかし、この細胞の性質は人類の想像以上のものであった。

 

その進化のスピードはすさまじく、ごく短時間の間に1つの大陸が滅ぼされるほどにまで…。

 

細胞によって大陸が滅ぼされる、そんなことがほんとに可能なのか。

 

それを可能にするもの、それはあるときは「人類の天敵」と呼ばれ、またある時は「絶対の捕食者」何て呼ばれたりする生命体。

 

ある時ふと表れて瞬く間に全世界に広がっていくほどの増殖力を持ったオラクル細胞が無数に集まって形成された集合体、その体には通常の兵器は一切として通用しないほどの細胞結合を兼ね備えた存在。

 

人々はこの絶対的な存在に対して、極東(日本)に古来から伝わる八百万の神々の名前を取ってこう呼び始めた。

 

 

「荒神《アラガミ》」

 

 

 

 

 

 

 

 

西暦2071年

 

アラガミが世界を支配し始めてから約20年の月日が経過した現在。

 

いまだにアラガミは成長を続けており、以前に比べると取っている形質の種類も二桁を数えるほどにもなっていた。

 

そんな中でアラガミに唯一対抗できる手段として重宝されたのが自らの体内に微量ではあるがオラクル細胞を投与し、人工的に作られたアラガミである生体兵器「神機」を手に戦う「ゴッドイーター」と呼ばれる人間だった。

 

通常兵器が全く通用しないアラガミへの唯一の対抗手段は、アラガミのオラクル細胞の結合を強制的に断ち切るしか方法はなく、それを可能としたのが神機というわけだ。

 

この物語は、そんなゴッドイーターとなった一人の少女の物語。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……雪が強風とともに吹き荒れている。

 

このような現象のこと「吹雪」というらしい。

 

らしいというのもつい最近知ったばかりであるからそう付け加えただけであり、別に深い意味というものは全くない。そもそも、この現象が『吹雪』であること自体自分にとっては至極どうでもいいことなのだから。

 

結局は毎日毎日おんなじことの繰り返しなのだから、吹雪が吹いていようがいまいが関係ない。自分に向かってくるものは殺し、自分の住処付近にうろついているものも殺し、なんとなくその辺にいたから殺し、それから寝る。

 

……?

 

「殺す」とはいったいどのような状態のことを指すのだろうか。自分が攻撃して相手が動かなくなれば良いのだろうか。細かいことはわからない。細かいこととはどういうことなのかもわからないが。

 

そもそも自分がどうしてここにいるのかも定かでない中、そんなことに気をまわしている余裕などあるはずもない。さて、「気をまわす」なんて言葉はどういう意味なのか。「言葉」とは何なのか。言い出せば切りがないのでなんとなく寝ることにした。

 

 

この時はまだ、先に何が待ち受けているのかなど知るよしもなかった。

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