冒険者タドコロ   作:じるすしもん

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カマホモは死滅していいと思うの

「俺たちあんな山の中にいたのかゾ」

「ああ^〜」

「町が見えてきたわ!港町ホアァーよ!。すごいすごい!」

 

 空を飛ぶ。その初めての経験は皆の心を踊らせた。

 タドコロはケツの中で踊っている。

 

   「乙ゥ〜〜」

 

 束の間の空の旅も終わり、ドラゴンは4人をマラ平原へと降ろし飛び立っていってしまった。

 

「……ぼくたちホントにあの空を飛んだのかにょ? 信じられないにょ」

「おっ、そうだな」

「鳥になった気分だったわ」

「フゥ〜↑おまたせ!」

 

 タドコロが清々しい顔をして近寄る、当然糞まみれだ。

 

「タドコロくっさいゾ。早くその服捨てるゾ」

「ファッ!? 俺の一張羅アイランダーTシャツ君に罪は無いっすよ」

 

 むしろ被害者である。

 

「……タドコロ君も無事みたいだし私はこれで――」

 

 エナが鼻をつまみながら言った。

 

「おっ待て――」

「このマラ平原を西へ抜ければもうホアァーよ。色々楽しかったわ、ありがとう!」

「ゲコゲコ」

 

 エナとヨスマーデは逃げるようにして行ってしまった。てゆーか逃げた。

 

「ヌッ! あいつら用が済んだらとっとと帰りやがった」

「きっとおトイレだゾ」

「ぼくもしゅる〜。…あぁ^〜出る〜」

 

   * * *

 

 俺たちはホアァーに向かう事にした。

 

「もうお昼だゾ」

「俺たち1日近くうろついてたみたいっすね、ぬわぁぁあぁぁん疲れたもぉぉぉぉおぉん」

「怖かったユ〜」

「じゃけん早くホアァーに行きましょうね〜」

「……そうだな」

 

 そのときミウラの顔が曇ったのを俺は見逃さなかった。

 

「タドコロは早く着替えろにょ」

「ヌッ! 見とけよみとけよ〜」

 

 緑白色の光が糞にまみれた体を包んだ、さっき習得したばかりのガンホルだ。ヒデとミウラはいつも以上のバカ面であんぐりとしている。

 ガンホルの魔法光は俺の体をすっかり綺麗にしてしまった。

 

「フゥー↑気持ちいい〜〜」

「……凄いゾ!」

「うー☆うー☆」

 

 これで体も綺麗になった、あの目障りな女もいなくなったし写真のカレを――って

 

「オォン!! あの女カレを紹介するって約束すっぽかしやがった!!頭来ますよ〜」

「おっ、そうだな」

 

 あの女はカレの事を聞き出してから始末するとして……疲れたもー。

 俺たちはフラつく足でホアァーに向かった、まずは休息だ。

 マラ平原は殺風景の緑一色(麻雀じゃ無いです)だった、いや俺たちに景色を楽しむ余裕が無いだけか?

 ホアァーの北地区の入口が見えてきた。

 あぁやっとだ、やっと町に着く。着いたらソッコー休む、ソープはまた今度だ。

 

「やっと…休めるゾ」

「潮の匂いがするにゅ」

「大海近いからね、しょうがないね」

 

 何かうまいことを言った気がしてほくそ笑んでしまった。町はもう目の前だ。

 

「おかしいゾ、いつもは見張りの人がいるはずなのに、誰もいないゾ」

「ま、多少はね」

 

 潮風にさらされ続けたせいか塗装の剥げた赤い門をくぐる。中は天国なのだろうか?

 だがそこには現実が待っていた、受け入れ難い現実が

 

「オッスお願いしま〜〜〜〜ファッ!?」

「ポッチャマ・・・」

「ヴォエッ!」

 

 俺たちが見た光景、それは―――

 

 ウサギの耳らしき物を頭に被り、だるそうに横たわっている人間達、いや人間か?

 動物の体毛のような白い衣服を身にまとい、口々に同じ言葉を発している。

 

「怖いなぁ〜、とづまりすとこ〜」

 

 やめてくれよ。

 俺はカマホモが大嫌いなんだ・・・

 

   * * *

 

――ウーン

 

 目を覚ますと既に太陽が昇りかけていた、朝だ。

 って事は俺たち相当長い時間眠ってたじゃん、アゼルバイジャン。

 宿が取れたのは良かったがこの町は落ち着かない。カマホモの町だからだ。

 

「おっタドコロ起きたかゾ?」

「おはよー、ございます」

 

 適当に挨拶を済ませる。コイツとは意外と長い付き合いになりそうだ。

 

「じゃ、この町を救うかゾ!」

「?……ファッ!?」

 

 思い出した! 俺たちは昨日、ホアァーの人間とある約束をしたのだ。

 

「呪いで困ってる人を救うのは冒険者の使命だゾ!!」

「しゅる〜〜」

 

 いつの間にかヒデが目を覚ましている、ミウラもいつも以上にやる気だ。

 ミウラがヒデの肩を掴みみぞおちに挨拶をする。ドンッと鈍い音が部屋を揺らす。

 

「ヴォエッ! 痛いんだよぉ!!」

「ふ〜さっぱりした。じゃあ町長さんの所へ行くゾ」

「ウン、おかのした」

 

 しぶしぶ部屋を出て町長の元へ向かった、全員同じ顔だから分からねーよ。

 俺は歩きながら町人の話を思い出していた、馬鹿げた話だったが……

 北地区のさらに北に位置するサイバーゼ塔、元々そこは人の寄り付かない魔物の住みかと化していたが、いつからか『天使』を自称するカマホモが住み着いたらしい。

 カマホモは町に度々姿を現し、人々を恐がらせた。

 痺れを切らした町の人間が武器を取り自称天使を追い出してからパッタリと姿を見せなくなった。

 だが、ちょうど同じ時期から町に異変が起こり始めた。

 住人の姿がバニーのカマホモへと変わってしまう奇病が大流行してしまったのである。

 南地区に助けを求めたが、あちらも被害を被りたく無いのかボスであるガバ穴ダディーって男に交流を断たれてしまったらしい。

 町長はあの『天使』が原因であり、塔に行けば必ず解決の手段があると睨んでいるのだが、町に来た冒険者は町人を見ると逃げてしまい、アテもツテも無く途方に暮れるばかりだと言う

 そこで逃げない冒険者の俺たちがやって来たと。

 

   * * *

 

 町長からミウラが話を聞いている。どうやらミウラと面識があるらしい、だから気合い入ってたのか? まぁ何でもいいけど。俺はどうでもよさそうな顔を町長に放った。

 

「なんでもするからボクたちをたすけて、」

 

 キモい兎もどきがこちらを見て言う。アーハキソ

 とりあえずそのマヒロって名前の自称天使の首を取ってくれば良いんでしょ? ヨユーヨユー。

 時間が惜しいので必要な物だけ持ってとっととサイバーゼ塔へ向かう事にした。今回は何が手に入るかな?

 マラ平原は相変わらず色気の無い場所だった、魔物も弱くなってるし。

 

「魔物が弱いんじゃなくて俺たちが強いんダルルォ?」

「そうだユー」

 

 あー、洞窟でかなり倒したからな。

 考えを巡らせてるとまた魔物が出てきた、ジブンウルフとカンノミホバードだ。

 

「ダイナマイッ!」

 

 火属性爆弾精製魔法LV2ダイナマイッ。魔法がバードをめがけ放たれた。

 先手必勝だ、ほぼ同時に俺とミウラはジブンウルフを両脇から攻めた。

 ものの3分程で魔物はタマに変化した、コイツらと戦う要領が幾分か分かってきたな。

 バランスの取れた中々良いパーティだと思った(小並感)。

 

「とうちゃ〜く♪」

 

 ようやく塔に着いた、壁に遮光カーテンのアサガオくんみたいなのが張り付いた古ぼけた塔だ、オバケが出るってミウラを恐がらせてやるか?

 だが今はカマホモの方が恐い、恐怖の2文字だ。

 

「入口まで案内するゾ」

「ミウラ詳しいっすね、あの町に住んでた事あるんすか?」

「ポッチャマ・・・」

 

 きちんと返事をしろぉ!

 塔の入口はいたって簡素だった、今から天使のカマホモと戦うのか……あーめんどくせマジで。

 じゃり、と背後から人が近寄る気配がした、誰だ?

 

「おや、ミウラくんじゃないか? 出来損ないの君がこんな所へ何しに来たんだ?」

「マ゛ッ!?」

 

 男2人が立っていた、ミウラと知り合いか? それとも尻合いかな?

 隣で苦虫を噛み潰したかのような表情をするミウラ。

 

「我修院、それにトクガワ……」

 

 こいつらの名前か…、無駄にカッコいいな。

 

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