「ぬわーつかれたもー」
「弱音を吐くのは早いゾ、もうすぐてっぺんだゾ。そこでジュンペイを倒す。ゾ」
「うー☆うー☆」
「……」
あれから俺達は順調に進めている、今のところ罠は無いみたいだ。
サクッとジュンペイ倒して、サクッとマヒロの首を持って帰って……パパパッとやって終わりっ。
地図のお陰でかなりスムーズに来れている、マヒロってホントに良い奴なのかもしれない(絶対知り合いになりたく無いけど)。
「でもあの『天使』も自分勝手だと思うにゅ、ぼくたちに放り投げるなんてひどいにょ」
「おっ、そうだな」
「怒んなよ…怒んなよ」
チラッと礼二さんの顔色をうかがう。
「ジュンペイさえ…ジュンペイさえ倒せばすべて――」
抱きしめたいと思った(小並感)
考え事をしている内に最後の階段に着いた、これを上れば親分と対決だ。
身が引き締まる。
「まずここにさぁ、階段あんだけど…上っていかない?」
「当たり前だよなぁ?」
「ああ逃れられない!」
「マヒロ……」
意を決し、一段ずつ噛みしめるように上る。待ってろ変態魔術師!
カツン、カツンと音を残す。
――さぁジュンペイはどこだ!
……最上階でまず目に留まったのは中央で盛んに燃え盛る黒い炎だ。ドス黒い壺から黒炎が猛る、魔術の炎だ!おそらくアレがカマホモを生み出している魔法だろう
その前に佇む静かな男、あいつがジュンペイか。
額から汗が吹き出る。コイツは強い、その圧倒的なオーラが物語っていた。
ジュンペイが口を開いた
「人間の三大欲求は食欲、性欲、睡眠欲、スーッ」
なにやら講釈を垂れ始めた、
「ミウラさん、俺達が両サイドから攻めましょう。ヒデは後方支援をたのむ」
「おっ、そうだな」
「やだやだ、ねぇちょっと聞いて! アイツヤバい魔法使ってるにょ!! 禁断魔法だにょ!」
え?、なにそれは。
ジュンペイがこちらに手を向けた、攻撃か?
「当店では冒険者の方々に相応しい魔法を、提供しております!(半ギレ)」
掌から魔法が放たれた、巨大な氷の塊だ! しかも速い!
俺は火属性防御魔法LV3ホモナンダロで防ぐ
魔法同士がぶつかり合い凄まじい衝撃が放たれる。
――防ぎきれないッ!
「ぼくもしゅる〜」
ヒデもホモナンダロで加勢をする。
ピキピキ、と腕が嫌な音をたてる。頼む、持ってくれ!
――っっ
氷の塊の勢いが収まり、俺達は魔法を解く。ゴトンと無機質な音が体をゆさぶる。
息も絶え絶えだ、ジュンペイがすました顔で言う。
「ミウラ様、タドコロ様、ヒデ様で御座いますね。伺っております。どうぞお楽しみに下さいませ」
「……っっヒデっ、禁断魔法ってのは、何だ?」
「禁断魔法LV6フンニョーだにょ、カマホモをケツマンエネルギー源として利用する術だにゅ。町の人間をカマホモに変えて力を得ていたんだ、たぶんあの暗黒の壺さえ壊せばアイツの力も弱くなるユ〜」
「ウン、おかのした」
「ポッチャマ・・・」
「何もできない自分が悔しいよ」
絶望的な状況に一筋の光が差した。だが暗黒の壺はヤツの後ろだ、どうするか?
「ん〜素晴らしい、禁断魔法にお気付きになるとは……、せっかくですから他のお客様の声も聞いて頂きましょうか」
ジュンペイがパチンと指を鳴らすと、壺に2つの顔が浮かび上がる。
戦慄の稲妻が4人を襲った。
「ン゛―ッ!マ゜ッ! 誰か殺してくれ……」
「トクガワくん大丈夫か?(人間の鏡)」
苦悶の表情を浮かべ壺の表面で蠢(うごめ)く我修院とトクガワ、養分として壺に食われたのか?
敗ければ死以上の苦しみがそこにある、こいつは悪魔だ。
「――それでは当店のウェルカムドリンクを御賞味下さい。」
再び魔法を放つジュンペイ、水属性か!?
「ダイナマイッ!」
「†悔い改めて†《聖炎獄十字崩》!!」
轟音!炎獄!爆散!
――だが止められない
「砕(そう)だよ!」
ミウラが床を殴り込み壁が出来上がる。
――だが止まらない
「邪剣―『夜』!!」
剣の魔力で受け止める。
――止まれぇぇ!!
「イキスギィ!! 《魔宵音(ましょうね)》!!」
魔法陣が攻撃を受け止め、俺達は衝撃で吹き飛ばされる。
「ゾッ!!」
「ぐはぁっ」
「痛いんだよぉ!」
「ヌッ!」
俺たちは皆、激しく壁に叩きつけられた。
「どうでしょうか? お気に召されましたか?」
ヤツの冷たい目を見て俺は理解した。
今の一撃はコイツにとっては、ほんの挨拶代わりの一撃なのだと。
相手の力量を測る、軽い魔法が俺達にとっての『必死の一撃』なのだと。
ここまでか……?
いや、俺はまだ死ねない。
タダノさんとの約束を果たすまでは―――絶対に死ねない!!
剣に体重を乗せ立ち上がる、負けられねぇ! なめんじゃねぇ!!
ミウラとヒデも満身創痍ながら立ち上がろうとする
「おお〜。素晴らしいな。うん。これこそ冒険者だな」
俺達3人はまだ死んでいない、俺達なら勝てる!
「ミウラさん、閣下モードオナシャス」
「おっ、……そうだな」
「・・・調子に乗るなにょ」
ヒデが重く口を開く、立ち上がるのが精一杯なのか?。
「そっか。じゃあ、まだ堪能してもらおうかな」
「ジュンペイって言ったかにょ?、一つ言いたい事がある」
「お客様、どうされましたか?」
ヒデが笑うように言った。
「いつから禁断魔法を使えるのが自分だけだと錯覚していた?」
「……?」
緊張が塔全体にまで伝わるかのようだ。
炎が猛る音がいやに耳に響く。
「それはどういう意味で御座いますか?」
「『ぼくもしゅる〜』って意味だにょ!!」
禁 断 魔 法 ヒデビルメイヤメチクライ
詠唱を終えるとメキメキと音をたて、ヒデの体が紫に変色していく。魔力の鎧に包まれていくみたいだ。
「 あ゛あ゛も゛う゛おしっこ出ちゃいそう!(半ギレ)」
まさしく昔本で読んだ『悪魔そのもの』の姿だった、ヒデは禁断魔法により悪魔へと変貌してしまった。
「うん。素晴らしい。それでは二品目の前菜を御楽しみ下さいませ」
ジュンペイが再び攻撃してきた、巨大な火の球がヒデに迫る。
ヒデ!早く防げ!
「お゛し゛さ゛ん゛やめちくり〜」
左の掌を前に出しそう言っただけで火の球は消えてしまった。
「やりますねぇ!」
「あーさっぱりした(ゾ)」
「……」
ヌッ! 今気づいたけど礼二さんさっきの一撃で気を失ってるじゃないか!
じゃけん後で昏睡プレイしましょうね〜〜
「ほらいくど〜」
「う゛ー☆う゛ー☆」
「よし、じゃあぶちこんでやるぜ!」
俺達は一斉に飛びかかった、疲労など感じている余裕は無い。
「これでは埒が明かないな」
ジュンペイの両腕に膨大な魔法力が蓄積され、氷魔法が一気に弾かれた。
「スタ丼・・・」
悪魔ヒデが手を広げその身に魔法を受けた、黒い血が吹き出す。
しかしヒデは微笑を浮かべ、まるで命の削り合いすらも快感へと変わったかのような表情をしている。
「(闘いの快楽に)溺れる!溺れる!」
「冷えてるか〜」
「バッチェ冷えてますよ〜」
悪魔ヒデがジュンペイの相手をしている隙に暗黒の壺を破壊すれば勝利同然だ。
ヒデは魔術師へ、俺とミウラは壺の前まで駆け寄った。
――おかしい、ジュンペイは俺達2人をまるで相手にせず、ヒデだけを攻撃している。……何故だ?
その時、俺達の前に何かが降り立った…
――カマホモ天使だ。
「あなたたちの相手はわたくしがさせて頂きます。ご遠慮なさらずに」
ファッ!?
「お前、ジュンペイの仲間だったのかゾ」
マヒロの体から強大な魔法力が漏れ出す、右手をスッと上げ微笑みながら言った。
「彼は僕のお父さん。お兄さん達、死んじゃ駄目だよ。そしたら僕がお兄さん達のケツマンを使ってあげる」
第2R開始ィ!!