戦いは終わり、そこには悪臭だけが残された。
――ウーン
俺達がトロールを倒し、黒イボに回復魔法をかけているとカエル共がやってきた。
やっぱ逃げなかったんすね〜。
「ヤメロッテ様!タドコロ様! ご無事でしたか!」
「・・・・・」
「ゲコゲコ」
「ゲロー」
「ヴォー…」
『……バカモノが! 何故逃げなかった!』
そんなこと言ってホンとはうれしいだろー
ローズ、お前もそう思うだら?
「・・・・・・」
ローズがぴとりと黒イボに抱きついた、汚くな〜い?。
『この……バカ共が。』
なんか俺、蚊帳の外になってる?なってない?
手持ちぶさたにしてると、エナがこちらへ来て話掛けてきた。
「ねえ?ねえ? タドコロ君は皆さんと知り合いなの? 聞きたいことがあるんだけど良い?」
「うるせぇ! さっきまでピーピー泣いてた癖によ。それより『写真のカレ』を紹介して、どうぞ」
「なっ。。あの人は私の兄さんよっ! これで満足? 次は私の質問に答えてよね。」
「ファッ!? 妹さんでしたか!(『お兄ちゃん』って呼んでも)ええんやで」
「呼ばないわよっ! それよりも。この辺りで青と赤の模様の手のひらサイズの木の実見なかった?」
「『の』多くな〜い? (見て)ないです」
「そっか……」
すると見覚えのあるカエルがこっちに来た、昔俺を攻撃しやがったヨスマーデだ。
「ゲコゲコ」
「えっ!?本当に?……やったー!!やった、やった。」
急にエナがはしゃぎ出した、俺の手を取りジャンプしている。--なにこの女?
「やっと兄さんを助けられるわ! やった、やった」
そういえばこいつ兄の呪いを解くとか言ってたな。『写真のカレ』がこいつの兄様なら……
『写真のカレ』は呪われた姿なのか!? って事は呪いが解かれればもっとイケメン?
考えるだけで勃ってきちゃったよ…
落ち着いたのかカエル連中もこちらにやって来た、黒イボはもう元気そうだ
『お前さん達には本当に助けられた。』
「そうでもなかったすよ。」
「当然の事ですよ。」
事もあろうか女とハモった、顔を合わせる。頭きますよー。
『……お嬢さん、ヨスマーデから話を聞きましたぞ。ポジタネの実は1ヶ月前に見つかったばかり、まだ実っておるはずじゃ、持っていくが良い。』
「はいっ!」
ネコ被ってんじゃねーぞ。メスのクセによぉ。
「・・・」
黒イボの後ろからローズが出てきた。おっ大丈夫か、大丈夫か。
そんな顔すんなよ〜、師匠は簡単にはくたばんないって、それ一番言われてるから。
「・・・っドコロ。」
こっちに来て俺の体にひっつきやがった。甘えんなよ…甘えんなよ…
「ドコロっ・・・タドコロ・・・・・っ・・・ぅぐっ・・えぐっ・・・」
ファッ!? おっ、泣いてんじゃーん。
「…カアイソウニッ・・・カアイソウニッ」
紳士な俺は慰めてやった。かわいい弟子だから、ま、多少はね?
なんか微妙な空気になった、俺は悪くねぇぞ!
『……タドコロよ。約束を覚えておるか?。お前はその子を泣かせた』
フアッ!? こいつ『ローズを泣かせたら火あぶり』とか言ってたけど今それを言うか!?
「すいませんっ許してください、なんでもしますから。」
『ん?今なんでもするって言ったよね(ねっとり)。ローズを連れてってくれ、人間の世界に戻してくれ』
「は? イキなりスギィ! 本人の了解を取って、どうぞ」
『その子と話はつけてある。』
「・っ・・・・えぐっ・・・」
嘘つけ、そもそも会話にならないぞ!
「しょうがねえな〜、おかのした。」
俺が渋々了解すると執事ガエル、シリコキがやってきた。
「皆さま、宴の準備は整いました。今夜はタドコロ様、エナ様のお二方を招いての盛大なパーティーを催したいと思います。」
「「「ゲロゲロ!!!」」」
「失われた命の魂の安息を願って!我々の未来を想って!!」
「「「ゲローゲコゲコ!!!」」」
「……あのー。」
そこでエナが申し訳無さそうに手を挙げた。妹どうした!?
「エナ様、どうされました?」
「私は先を急ぐ身でありますから……もう出発したいと思います。その気持ちだけを受け取っておきますから――」
「左様ですか!? しかし外は夜で暗い、魔物も出て危険です。」
「いやーそれでも――」
『魔物を侮ってはいかん!? 明日の朝発たれよ。』
「えー……でも――」
俺にはヤツの心が読めた、なんたって『カエルのパーティー』だからな。ロクな食事が出ないと踏んだのだろう。
――――その通りだ。
俺はこの3日ほどハエの煮付け、焼きコオロギ、干したワーム、ロクでもないものばかりを食わされてきた。
エナは狼狽し必死に口実を考えている。
優しい俺は、妹のために助け船をだしてやる事にした。
「エナさ、俺も泊まってくんだからさ。お前も残れよ」
「タドコロ様のおっしゃる通りです」
『うむ』
「え?、でもタドコロ君、私がいたら邪魔でしょ?……それじゃ――」
「いや全然。カエルさん達の宴って楽しそうダルルォ!!」
「ソーダゲコ」
「ウタゲゲロ」
「ワッショイワッショイ」
「え……?」
観念しろ、お前は逃げられ(ないです)。
「もっと美味しそうに食べろよぉ〜〜」
・・・「」
「うれしいだろー?ホラホラ。たくさん食べて、おかわりもあるから」
・・・・・・「」
その夜エナは一人で枕を濡らした。
クチマンの森編―完―
―
――
―――
タドコロ達が宴をした次の朝、港町ホアァーは大変な騒ぎとなっていた。
王都の号令を記したある貼り紙が理由である。
「うそだろ、ミウラ君」
「パイパイパーイ チーッチッチッチッチッ!」
「(マヒロ。タドコロさん達を守ってくれ)……」
【告知】
冒険者の身でありながら、国への反逆の意思を見せた、ミウラ、ヒデの処刑を3日後ブタベンキで執り行う。
尚この2人の処刑には《処刑人キヨノ》が立ち会う。心して閲覧せよ。