今俺たちは執事ガエルの背中を見ながら歩いている。
所詮カエルのちっせぇ背中だけど、こいつネクタイしたり無駄にオシャレだな
「ぬわぁぁあぁぁん疲れたもぉぉぉぉおぉん」
「・・・・・・」
「ヴォー…」
「・・・うるさいわよ」
――やっと着いた。
ここが上層に繋がっている穴か・・・太い木の側面で口を開いている。どうやって登るんすかね?
穴の前には黒イボやその他カエルもいた。
『さぁこの穴に入ればすぐ上層じゃ、お前達の無事を祈っておる。』
「オーソレミーヨ・・・」
「・・・・」
「ヴォー…」
「お世話になりました」
ローズが黒イボに歩み寄っる、悲しいなぁ。
『ローズよ、ワシらはいつでもお前を見守っておる。タドコロの言うことを聞くのじゃぞ』
「・・・・」
そのままひしっと抱きついた、アーナキソ。
その後ローズは様々なカエル達と話?をしている。あくしろよ。
暇になった俺がホラホラダンスをしていると黒イボがやってきた。
『タドコロよ、あの子は純粋で優しい子じゃ。どうか守ってやってくれ』
「ウン、おかのした」
『我々はあの子の哀しみを溶かすことはできんかった。だがお前さんは3日でやってのけた。・・・くやしいのう』
「ヤメロッテさんが――」
『ん?』
「ヤメロッテさんがいたからこそだと思うんすけど(名推理)」
『・・・フン』
こいつも素直じゃねーな、ホラホラホラホラ
――そして
別れの挨拶も終わり出発の時が来た。
ほらいくどー!
『達者でな!』
「またいつでも来て下さい!」
「サヨナラゲコ」
「ローズバイバイ」
「カンシャカンシャ」
穴に触れると、勢い良く吸い込まれた。
ヌッ!
穴に入ると俺はまるで空に向かって落ちていっているような感覚がした、アーフシギ。
「オォン!」
「・・・」
「ヴォー…」
「よっ」
30秒ほどで上層に着いた、なんかあんまし違いがないです。
ミウラさんとヒデを探さなきゃ。
「……タドコロ君、私はもう行くわね。王都に帰るわ」
どーぞ、どーぞ。
「帰って、どうぞ。もう会う事も無いじゃんアゼルバイジャン」
「私はまた会いたいわ、いつかあなたに昨日のお礼をしたいからね……」
「マジすかぁ!? フゥー↑楽しみ〜」
「楽しみにしててね。ローズちゃんも元気でね、またね」
「ゲコゲコ」
「・・・・・・」
「ヴォー…」
それだけ言って女は森へ消えた、勝ったぜ。
「イキますよーイキますよーイクイク」
「・・・」
「ヴォー…」
俺は一旦魔法研究所を目指す事にした、それでもミウラ達を見つけれなかったらキャラバンに行こう。
問題がある。ここはクチマンの森の上層だ、それは分かる。だがどっちに行けば研究所に行けるんだ?
森のあちこちには破壊の跡が見られた、たぶんあのトロールだろう。
ヌッ! あのトロール研究所から来たって言ってたから、跡をたどれば着くんじゃない?
そんな事を考えながら歩いていたら人影が見えた。
ラッキー――って
「お前なんや。生きとったか!」
チャラオだ。
「それはええわ、それより『イシイ』さんとスカトロール見ぃへんかったか? まだ金受けとっとらんのや」
「さぁ何の事か?」
「スゥー、そうか。……せや! お前の仲間の2人殺されるで!」
「ファッ!?」
「イシイさんがスカトロールで森を破壊するっちゅうたら猛反発しおってな、運の悪い事に居合わせた《処刑人》に捕まってもうたんや!」
「助けなきゃ(使命感)! 今どこにいるんすか!?」
「クォラお前ー! 無茶苦茶や!《処刑人》の強さ知らんのか!!死ぬだけやで!」
「それでも、……ミウラ達は俺を待っている筈だから」
決意に満ちた強い目だ。
「(初めて会った時とは別人やんけ・・・)」
「よし分かった、教えたる!」
「いいすかぁ!?」
「餞別もくれたるで、受けとれや」
「?」
――――タドコロは魔球(わざマシン)氷属性魔法LV4 ジャイロ を手に入れた!!
ミウラ達の所在を伝え見送った後、チャラオは嬉しくなってつい踊ってしまった。
「タ〜ラタラタタ、タ〜タラッタタタタタ、タ〜タラッタタタタタタ♪」
「(ミウラさん、ヒデ、待ってろよ…)」
「・・・・・・」
「ヴォー…」
* * *
王都へ向かう冒険者の往来が多いブタベンキの村、この村は昔より公開処刑が行われており、それを目当てにやってくる旅人の数も少なく無い。
そして今回も3日後に2人が処刑される予定だ。
「お前なんかタドコロにかかればイチコロだにょ!!」
「そうだよ(便乗)」
「今ならまだ間に合うにゅ、ぼくたちを解放するなら許してやるにょ」
「冷えてるか〜」
ミウラとヒデは縛り上げられている。負け惜しみとも思えるような喚き声は『ある男』に向けられていた。
「……」
「おじさん、ゆるしちくり〜〜」
「許してやれよ(イケボ)」
「今年ィ、大勢処刑してきたけど、お前ら一番態度悪いって言われてるぞ。とりあえずぅ、声が五月蝿すぎるんだよね。それ一番言われてるから」
「やめちくり〜」
「ポッチャマ・・・」
「お前、体〜、だけは偉そうじゃねえかお前。なんだお前そのチンコはお前…チンコまで偉そうじゃねえかよ」
――ライダー助けて!
―
――
―――
急がなきゃ(使命感)
チャラオに聞いた話によるとミウラ達はブタベンキで拘束されており、処刑は3日後に行われるらしい。彼の話では2日もあれば村に着くみたいだが……どうやって助ける?
俺はローズ達を連れ、はやる気持ちを抑えながら進んだ。
特に気になるのは《処刑人》の事だ。
《処刑人》は実力はさることながら、それに加えて圧倒的な『ゲスさ』を持っているらしい。
どんな奴なんだ?
チャラオに貰った黒地図で現在地を確認した。
既に森を抜け、平原も抜けた。大きな川沿の道をブタベンキに向かって進んでいく。
ミウラとヒデが捕まったのなら、もしかしたら俺もお尋ね者になっているかもしれない。
――そこで俺は変装する事にした。
『インテル長友』
の顔で歩く事にした。
これなら分かるまい。
「・・・タドコロ・・・」
「ヴォー…」
ローズが『インテル長友』の真似をしている。無理だ、お前にはまだ早い。
だがいずれ日本代表の応援曲が聞こえてくるようになるだろう。
* * *
夜になった、この時期の夜はまだ冷える。
俺たちは暖を取った。
「ねー今日冒険キツかったねー」
「・・・・・・」
「ヴォー…」
本当に散々だった、途中川で溺れて金とアイテムを無くしてしまった。
手持ちは3万オォンとくさ草、天然ガマンジル、FFの蜜、ケツダセの杖くらいだ。
失ったのは10万オォンとタマ袋。
悲しいなぁ。
ヌッ、このガキにケツダセの杖を使わせたら良いんじゃない?うちのパーティーじゃ上手く使いこなせるやついなかったし。
「ほらローズ。見てないでこっち来て、この杖振ってみろよ」
「・・・・・・」
ローズに杖を持たせた
川ですっかり汚れは落ちてしまった。
ウェーブのかかった長い赤い髪、ボロボロの服から白い肌が除いている。手には小さい枝きれみたいな杖
なかなか様になってんじゃんアゼルバイジャン。
「魔力を込めながらそれをこっちに振ってみろよ、(遠慮はいら)ないです」
「・・・」
「本気でいいから振って来い」
「・・・」
「いいよ!来いよ!」
ローズは無言で杖を振った。
凄まじい暴風が巻き起こり、俺の体を吹き飛ばした
「イキスギィィィィィ!!!!!」
本当に散々な1日だった。