冒険者タドコロ   作:じるすしもん

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処刑人キヨノの鎌はデカイ

 深夜の村は異常なまでに静かだった。《処刑人》の声がやけに耳に残る。

 

「今日もいつもみたいにーまたシゴいてやるから、とりあえず脱げや」

「あれが、処刑人」

「やだぁぁぁぁ!」

「バカでかい鎌だゾ」

 

 《処刑人》は肩に2mほどの大鎌を抱え、涼しい顔をしていた。

 

「そこまでMAXじゃ…でもよくデカイって言われますね」

 

 なぜか急に謙遜し始めた処刑人。

 

「ヒデ! お前の禁断魔法を見せてやれ!」

「禁断魔法はまだ使えないユ〜、普通の魔法は使えるけど」

「ポッチャマ。オレもいま閣下モード使えないゾ」

「……ローズ! お前はどこかに隠れてろ!」

 

 こちらには邪剣も、閣下モードも、禁断魔法も無い。苦しい戦いになりそうだ

 

「なんだぁテメーら、今は、オフッ…だったのによ、仕事増やしやがって。メンドーじゃねーか」

「……ミウラさん、上がりますかぁ?」

「おっ、そうだな」

「ぼくもしゅる〜」

 

 俺達は一斉に間合いを詰め、3人同時攻撃をする、奴は身の丈以上の武器を使う。隙も大きい筈だ

 

   【†悔い改めて†《聖炎獄十字崩》!!】

   【火属性爆弾精製魔法LV2ダイナマイッ!!】

 

 ヒデと俺の合体攻撃だ、火属性の魔法が相乗効果で威力を増し相手を焼き付くす。

 大鎌で防いだとしても死角からミウラが攻撃を仕掛ける算段だ!

 

――一気にケリをつけてやる!

 

「僕はもう右手のみで」

 

――何ィ!?

 

 奴は右手の鎌で炎を凪ぎ払い、その勢いでミウラまでも斬り捨てようとした

 ミウラは間一髪で反応したが避けきれない!

 

――ミウラの胸が深く斬られた。

 

 信じられない……。

 処刑人はあの巨大鎌を まるで木の枝みたいに振り回している。

 

「……(死に)そうだよ」

「ミウラ! しっかりするにょ!」

 

 ミウラの胸から血が激しく吹き出る。

 処刑人はもうそんなミウラ達は眼中に無いみたいだ。俺を見つめて、大鎌の血を舐めながら不敵に言い放った。

 

「やっぱ生じゃないと気持ちよくねぇなあ」

 

 その時、自分の認識の甘さをひどく後悔した。

 

――そうだ……こいつは《処刑人》

 

「……やっぱ生は気持ちいいなー」

 

――《処刑人キヨノ》!!

 

「殺っちゃうよ?殺っちゃうよ!?」

 

 言葉を残し、疾風の鎌が俺に襲い掛かってきた。

 

――息をする暇(いとま)すら無い。

 

 キヨノは重心低く踏み込み、大鎌を振り回す。

 その間合いの広さとスピードでタドコロを斬り裂こうと、笑みを浮かべながら暴れ回った。

 

――キツスギィ!!

 

 タドコロは紙一重で刃をかわし続けた、ただ弄ばれている事も知らず……

 

「刃ぁ当てんなよー」

「なかなかうめーじゃねーかよ」

 

 タドコロムーンサルトで間合いの外に出た、だが彼には対抗できる手段が無い

 

――アーイキソ

 

「お前逃げてばっかじゃねーか。はやくイかせろよお前」

 

 言い放つと、キヨノはミウラ達に向かって大鎌を振った。

 刃の先端から風が巻き起こりミウラ達を襲う!

 

「……っ――」

「痛いよもおォォォ!!!」

 

 刃に裂かれながら吹きとばされたミウラ達。声にもならない声が聞こえた。

 

「こっ、この野郎!!!」

 

 タドコロは反射的に殴りかかった。頭に血がのぼり、この男を殺してやろうとする意思が感じられた。

 

「やっぱ死に損ないじゃイかないなぁー」

「ふざけるな!!!」

 

 タドコロは許せなかった。既に敗北し、死にかけの男を 弄(もてあそ)ぶ処刑人の根性が。

 

   【†悔い改めて†《聖炎獄十字崩》】

 

 かつてなく巨大な十字の火炎がキヨノを襲う!

 

「なかなかー、でけえじゃねえかよ」

 

 キヨノは両手で大鎌を振り下ろした。右手だけでは防げない、その判断からだった。

 その時、キヨノはタドコロの右腕に謎の紋章が浮かびあがっている事に気付いた。

 

「なんだお前その紋章はお前…紋章まで偉そうじゃねえかよ」

 

 炎を払ったキヨノは即座に斬りかかった。そこで――

 

「火属性防御魔法LV3ホモナンダロ!!」

 

 タドコロの前に炎の壁が出来上がる。処刑人は勢いあまってそこに突っ込んでしまった。

 

「熱いっす!熱いっす!ーアッ!熱いっす!」

 

 たまらず上空へ飛び上がる!

 

「お前ー、魔法の早さも上がってるじゃねーかよ」

 

 だがタドコロの姿が見えない。どこだ!

 

「こ↑こ↓」

「何ィ!!!」

 

 タドコロはキヨノの上にいた、あらかじめ上空で待ち伏せしていたのだ。

 

――喰らえ!!

 

「ハッー、スイマセン」

 

 キヨノは許しを乞う、だがもう遅い

 

――至近距離、全魔力を込めた

 

「すいませへぇぇ〜ん!!」

 

   【†悔い改めて†《聖炎獄十字崩》】

 

 炎獄!!

 

「アッー!アーツィ!アーツ!アーツェ!アツゥイ!ヒュゥー、アッツ!アツウィー、アツーウィ!!!!」

 

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