仲間だ。仲間が助けに来てくれた。
カエルの中の数匹がトロールの足元に氷魔法を放つ、当然ダメージは無いが時間稼ぎにはなる。奴らはバランスを崩して倒れてしまっていた。
「なんか涙目になってない?」
チャラオがこちらに来て、からかうように言いやがった。
「タドコロ様、ご無事ですか?」
シリコキだ。こいついっつも落ち着いてんな。
「俺は大丈夫だけど、エナは死んだかも」
「いや、生きておられます。聖なる力を感じます。急いで回復魔法専門の者を向かわせます。」
「そう(無関心)」
「ニャーゴ」
「ネコちゃん。お久だゾ」
ミウラネコも来やがった、俺の金玉潰しやがったアホ猫だ。
「ミウラくん、タドコロくん。非常に聡明で、非常に優秀な我々が来たからにはもう安心だ」
「名前は…ゆうたと申す…」
我修院とトクガワだ。やっぱなんか鼻につくなコイツら。
しかし今は心強い仲間だ。作戦を伝えよう。
「まずうちさぁ作戦あんだけど、聞いてかない?」
「ええこと言うた」
「もちろんです」
「ニャーゴ」
「「「ゲコー」」」
俺は作戦の概要を伝えた。王道を往く戦略だ。
伝え終えた頃 スカトロールが闇の気で氷魔法を破壊した。十分に時間は稼げた。
――イキますよ〜、イキますよ〜イクイク
「タドコロさん、ミウラさん。いきますよ!」
「いいよ!こいよ!」
「ゲコー」
【風属性魔法LV2ハヤクナーイ】
カエルの口からすばやさを上げる魔法が俺達にかけられた。
さらに!!
【火属性魔法LV2アツイ】
【雷属性魔法LV2ナメテクレ】
【水属性魔法LV2デリュー】
3属性の魔法が邪剣に、ミウラの拳に宿る。疑似聖属性魔法だ!
《火、雷、水、の3属性を合わせると聖属性魔法と似たようなケツマンパワーを発揮出来るんだゾ!(ウエハーマン)》
「で…出ますよ」
「見たけりゃ見せてやるよ!」
俺達は1体のトロールを狙った。エナをぶっ飛ばしやがった野郎だ。
――迫真一刀流《保羅(ほら)》!
「ホラホラホラホラ」
「ホラ、オラァ!」
トロールの腹が深く斬りつけられ、血が吹き出る。
今だ! 我修院、トクガワ!!
我修院達も疑似聖属性魔法で攻撃。闇のトロールには大ダメージだ。
「ヴ、ぁ゛……」
これであと3匹だぜ! ――だが今の俺達は力を使って、隙だらけだ。
トロール達がこちらに魔力波を放つ。
心配の必要は無い。まだこちらには仲間がいる!
「ニャーゴ!!」
「珍魔法大発見!今日のテーマは闇属性です!!」
【氷属性魔法LV4ジャイロ】
チャラオが白く輝く塊を投げつけ 大半の魔力波の軌道が変わる。
「ニ゛ャー!!」
残りの魔力波をミウラネコがその体で受け止めた。おっ、大丈夫か?大丈夫か? 大丈夫そうだな。
「もう待ちきれないよ! 早く次の魔法をかけてくれ!」
「マ゜ッ!」
再びカエル達が魔法をかける。魔導ガエルは魔法のインターバルが短いのが凄いと思った(小並感)。
この調子なら勝てる!!
その時、大聖堂から白く、まばゆい光が放たれた。
――これは……トオノ!!
そう、トオノ王が歌い終え『世界の歌声』の光が王都を包み込んだのだ。
操られていた兵士、国民達が糸が切れたかのように倒れた。
* * *
「バッ、バカな!ありえん!」
魔帝ロマンは自らの眼を疑った。信じられない光景が目の前に広がったからである。
起こり得ない事が3つ存在した。
まず、トオノ王のメガデスの呪いが解かれる事。次に大聖堂付近に配置しておいたスカトロールが敗れる事。そしてトオノ王の聖なる力が暗黒の雲の洗脳を破る事。
しかし、現実に大聖堂から光が放たれ、都民は気を失っている。
「おーおーおーおー、魔帝お前よ〜、どーすんだよお前よ〜」
「ハハァ…」
「(まさか…トオノ様の呪いが解かれたのか……)」
「アッフン!アッフン!」
「……」
「お〜俺が大聖堂の連中皆殺しにしてきてやろ〜〜か、おーおー」
「ホンダよ…」
「おーなんだ? お前よ〜」
「イカセ隊を大聖堂へ向かわせろ」
「イッ、イカセ隊ですか!!しかしっ――」
「何だシンジョーよ…不満でもあるのか?」
「……いえ」
「マジメよ、今使えるイカセ隊の数は?」
「ハチゴ」
「850か…十分過ぎるな。お前達は此処に残り、警備にあたれ」
「……(俺はカッコ良くない。エナ様、トオノ様、どうか――)」
―
――
―――
「ぬわぁぁあぁぁん疲れたもぉぉぉぉおぉん」
「そうだよ」
「うー☆うー☆」
ようやく一段落ってカンジだな、みんな一応無事だったし。
「し、死ぬかと思ったわ」
「私としたことが油断してしまったよ」
エナとヒラノさんは無事だった。エナに至ってはピンピンしている。やっぱパラディンって凄いんすね〜
「はえ^〜みんなすっごい」
トオノの力で王都の洗脳は解けた、だが上空には以前暗黒の雲が渦巻いている。
「仲間も沢山いる事だし、じゃけん大軍で王宮を攻め落としましょうね〜」
「いえ、王宮に行くのは私達だけよ」
「は?」
「この大聖堂は何としても死守しなければいけないわ」
「でも聖なる光でスカトロールも弱体化して簡単に倒せたし、敵らしい敵もいないじゃん、アゼルバイジャン」
「たぶん、魔帝はこちらにホモビ三騎将を向かわせると思うわ。その3人はみんなで戦っても勝てるか分からない程強いの」
「残念ですがエナの言う通りです。三騎将の中でも特にホンダは恐ろしい男です。全員で戦っても厳しい戦いになるでしょう」
「いつ三騎将が来るか分からないわ、私達は急いで王宮に向かいましょう」
「しょうがねえな〜」
「そうだよ」
「しゅる〜」
ローズがこちらに来た、心配すんなって。
「インム君さぁ、ローズの事守ってやれよ」
「ヴォー…」
「・・・タドコロ」
「ヨスマーデ、みんなの事を守ってね」
「ゲコ!」
――行きますよ〜行く行く!
「ほらいくどー!!」
「見たけりゃ見せてやるよ!」
「決戦楽しみ〜」
「レッツゴー! おー!」
「フゥン!ホォン!」
「よぉ、がんばれよ、ホモの兄ちゃん」
「タドコロ君、君達なら出来るさ」
「ドロヘドロ!!」
「・・・」
「ヴォー…」
「待ちきれないよ、早く圧政から解放してくれ!」
「マ゜ッ!」
「いっちょやったれ!」
「我々も尽力させていただきます」
「ソーダゲロ」
「ゲコゲコ」
「ゲロゲロ」
「ジンリョクジンリョク」
「ニャーゴ」
――ウン、おかのした
タドコロ達は王宮を目指す、再び仲間達と会える事を信じて……。