冒険者タドコロ   作:じるすしもん

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ホモビ三騎将

 俺達は走って王宮を目指した。ホモビ三騎将に鉢合わせしないよう細心の注意を払い エナの言う『秘密の裏口』から中へ侵入した。

 道中の街では人々が至るところで倒れており、暗黒の雲が余計に不気味さを演出する。

 

――こわかったな〜

 

 だが王宮の中はもっと恐かった。闇の瘴気に満ち、人の気配のしない宮殿に足音が反響する。『王宮』ってのは憧れの場所だったが こんな不気味な場所だとは……

 

「誰もいない。魔帝は私達が侵入した事に気づいてないみたいね」

「そうだよ」

「しゅる〜」

「ウーン」

 

 俺達は暗い宮殿をコソコソと移動した。

 途中でエナは自分に言い聞かせるように次の事を言った。

 

「本当は大聖堂を守る事にだけ集中して、態勢を整えてから魔帝と戦った方が良かったのかもしれないけど…、でもそれだと多くの血が流れることになるわ。……私がやらなきゃ…」

 

 こいつ意外と背負い込むタイプなんだな。

 

「魔帝の秘術が完成する前になんとしても倒さなきゃ」

「にょ?秘術ってなんだにょ?」

 

 ヒデが目を光らせた。ホントに好きだな…

 

「さぁ、詳しい事は分からないけど……古代の禁断の魔法って聞いたわ」

「ほんとぉ?」

「禁断魔法なんて使うヤツにまともなのはいないわ、その力をもっと有意義に使えば良いのに…」

「イッ!?」

「当たり前だよなぁ」

「良いすかぁ!」

「え? 何? みんなそんな嬉しそうな顔して、なにかあったの?」

「うー☆うー☆」

「そうだよ」

「いや全然」

「教えてよっ!! 私達冒険者仲間じゃない!」

「(教え)ないです」

 

――

―――

 

 大聖堂前は緊張に包まれていた。あの名高い『ホモビ三騎将』がいつ現れるか。

 トオノ達はその時を待っていた。

 

――――だが……

 

「ヒラノ!キムラ! 闇の力がこちらに向かっているのを感じます!」

「三騎将ですか!?」

「いや…おかしい。三騎将にしては数が多すぎます。」

「いや、そんな」

 

 その時ホリトールが叫んだ、予想外の言葉を……

 

「大軍だ! 黒い服を着た小せぇ人間が大量にこっちに来てるぞ!」

 

 身長1m程度の、サングラスと黒服に身を包んだ男達がこちらへ向かっていた。

 

「お前なんや!?」

「やだ〜〜むりぃ〜」

「やめてくれよ…」

 

 その中でトオノだけが理解できた。自分達が、そしてエナ達が置かれた危機的状況を―――

 

「あれは、イカセ隊!!」

「国王! 何ですかその『イカセ隊』と言うのは!?」

「我が国に伝わる古代召喚魔法により生み出された魔人です。……まさか。そんな」

 

 恐ろしい事に魔帝は古代召喚魔法LV6イカセタイの神髄を極め、自分の術としていたのである。

 

「こっちに来るぞ!!」

 

 イカセ隊が、こちらに戦力として送られたのなら……ホモビ三騎将は――

 

――エナ達が危ない!

 

――

―――

 

 

「ぬわあぁぁぁぁンッ!…………」

「タドコロ君静かにしなさいよ」

「俺の口を塞ぐんじゃねぇ!!」

「……だから静かにしなさいって」

「夫婦漫才だゾ」

「うー☆うー☆」

「いやそうでも無いっすよ」

「…はぁ」

 

 タドコロ達は魔帝の居場所を目指して歩を進める。魔帝の闇の力を感じ取るのは、パラディンのエナにとっては楽だった。

 共通の目的を胸に進むタドコロ達だったが――

 

――ナメテクレヨンッ!!

 

 突如雷の魔法が彼らを襲った。

 

「ヌッ!?」

「うわっ!」

「ゾッ!」

「イッ!?」

 

 4人は間一髪で避けた、いや避けさせられたのである。

 避けた際4人は、タドコロとエナ、ミウラとヒデの二組に別れてしまっていた。

 そこで――

 

      【土属性 陣客(じんかく)魔法LV6ムクムク】

 

《陣客(じんかく)魔法とはあらかじめトラップみたいに仕掛けておく魔法の事だゾ。高レベルの物でも割とラクに使えるゾ(ウエハーマン)》

 

 その二組の間に巨大な鉄の壁が生まれ、分断させられてしまったのだ!

 

「ファッ!?」

「タドコロ君!気を引き締めて!」

「ポッチャマ、別々になっちゃったゾ」

「やだ、ねえ小生やだ!!」

「おーおーおーおー、どこ行ってたんだエナお前よー。逃げやがってよーおい」

 

 タドコロ達の前に金髪で如何にもガラの悪いチンピラみたいな男が現れた。

 

「ファッ!? 何コイツ?。」

「そ…そんな。ホモビ三騎将……」

 

 一方ミウラ達の前には茶色がかった、幸の薄そうな地味な男が立っていた。

 

「お前達が勝てる可能性は18(%)ですーーーー」

「おっ、そうだな」

「じゃあぼくが地獄を見せてあげるよ(にょ)」

 

   * * *

 

「流行らせコラ! 流行らせコラ!」

「お前達には正義の鉄槌でその腐った心を矯正してやる。」

「オラッ、しゃぶるんだろ?」

「アッー、数が多すぎます」

「・・・」

「もう十分堪能したよ」

「ムリ〜タエラレナイ」

「クォラお前〜多勢に無勢過ぎや」

「ニ゛ャー」

「数が……多すぎます!!」

 

 イカセ隊はトオノの聖なる力で弱くなっており、魔法も使わず、力が強いワケでもない。だがその数にものを言わせ、トオノ達に襲いかかる。

 もし、トオノが円形に盛り上がったクリスタルから引きずり出されたら、聖なる力は消え、イカセ隊は本来の力を取り戻し、魔帝は再びスカトロールを送って来るであろう。

 果たして耐えれるのだろうか? 時間の問題としか思えない。

 だがトオノ達はイカセ隊の猛攻に必死に抵抗した。

 希望はある、タドコロが術者である魔帝ロマンを倒せばイカセ隊の動きも止まる。

 その小さい希望を信じて戦い続けた。

 

――

―――

 

 鋼鉄の壁を背に ミウラとヒデと『地味男』との戦いが始まった。だが彼らは『地味男』マジメ君の実力を知らない。

 

「こんな弱そうなのに良い度胸だゾ〜」

「うー☆うー☆」

「ハッ!(嘲笑)」

 

 ミウラは自慢の脚力でマジメ君へ殴りかかった。ミウラの速さに反応出来なかったのか微動だにしないマジメ君。その無防備な顔面にミウラの右拳がヒットした。

 

―――?

 

「ハハァ…(愛想笑い)」

 

―――何だゾ!?

 

 まるで効いてない。それどころか空気が悪くなったのを察して愛想笑いまでしている。

 

「攻撃してもいいかな?」

「ゾッ!?」

 

 この男から滲み出るような闘気、ケツマンが溢れたのを感じミウラは咄嗟に離れた。

 

「ぼくもしゅる〜」

 

   【火属性爆弾精製魔法LV2ダイナマイッ】

 

 マジメ君に魔法が直撃し爆発を起こした。

 

「やった直撃だにょ!」

「冷えてるか〜〜」

 

 ところが煙の中で人影が静かに佇んでいた。

 

「あのさ、俺、そろそろ……バイトなんだよね。」

「……うそだよ」

「ねえニコ入んない!」

「――だからとっとと死んでくれないかな?。……ハハァ。」

 

――

―――

 

「あいつはホモビ三騎将最強の男ホンダよ。覚悟してね」

「ファッ!? そのホンダ三騎将のホモビって野郎がなんでこ↑こ↓にいるんだよ!! 大聖堂に行ったんじゃないのかよ!」

「おーおーお前よ〜、俺の名前はホンダだぞ、お前よ〜」

「あいつの『竹刀』に気をつけて。あいつは強力な魔法剣士だわ」

「ヌッ! 邪剣『夜』!」

「おーなんだお前気味悪ぃ剣だなお前よ〜。おいもう待てねぇーなー。こっちからいくぞお前ー」

 

 ホンダの竹刀が赤黒い光を発した。そして奴はそれを軽く一振り。

 

――闇の魔力波が知覚不可能なスピードで放たれた(要するに疾スギィ! )

 

 唯一反応出来たエナが即座に踏み込み、槍の先端で魔力を吸収した。だが肩で息をしている。ギリギリの反応だったのだろう。

 

「おーおー、フトマラの槍かよ。お前よー」

「タドコロ君、次はあなたが防いでね」

「ウン、おかのした」

 

《伝説の野獣》の力使う?使わない?

 

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