エナは怒りで我を失い、力任せに槍を叩きつけた。
もちろんそんなものは効くワケがない。
「だめだやっぱ」
ホンダの竹刀が軽く受け止めた、齢(よわい)17の少女の力などたかが知れている。
「わぁぁぁあああ!!!」
それでも彼女は止めなかった。続けないと気が触れてしまいそうだと感じたからだ。
「ちょっと刃あたんよ〜〜」
タドコロも邪剣で参戦するが、
「おーおーおーおー」
だがホンダはいたって涼しい顔で攻撃を捌く。
力の差は歴然だ
ホンダが軽く竹刀を振り上げ刀身から炎が吹き出る
【火属性拡散攻撃魔法LV3アツツツ】
炎の無差別攻撃が2人を襲う。
2人が怯んだスキに間合いを取ったホンダ。
距離を置いたのは、2人同時に始末するためだ。ホンダはタドコロに秘められた闇の力の強大さを感じている。
姫を殺したり、中途半端な攻撃ではそれが覚醒する可能性がある。
――故にこの一発で終わらせる気だ。
「じゃあ体で払ってもらおっかな〜」
【闇属性魔法LV4イナタキ】
放たれるのはホンダの膨大な闇の力を込めた最強の一撃。
「もう一回さっきの連携技よ!! 早く!」
エナが声を荒げた。
「(魔法力もう)ないです」
「無いなら絞りだしなさいよ!!」
「エナさ…」
「何よ!?」
「パラディンが怒りに呑まれてちゃ、勝てるモンも勝てないよ。」
「……って」
「お前の聖魔法でアイツに勝てる。はっきりわかんだね」
「……」
「おい、待てねーな。お前おい」
魔法が放たれた、壁にヒビが入り、闇の圧力が空気を歪ませる。
「早く行って、どうぞ」
「…私の事信じてくれるの?」
彼女はタドコロを、仔鹿のような 潤んだ瞳で見つめた。
「ウン。『自分の光』を信じろよ」
「……ありがとう…」
呟くと、エナは迫る魔法に目をやり唇を噛んだ。もう迷いも、恐れも、怒りも、一辺に霧散してしまったようだ。背中には彼がいてくれる――
「腹ぁ括ったわ!」
【聖属性魔法LV4ホナニー】
槍に力を、生命を込め 全力で突撃した。
光と闇の力がうなり、うねり、宮殿を破壊しながら。それでも魔力を激突させる。
彼女は懸命に自分の力を そしてタドコロの言葉を信じた。
フトマラの槍はかつてないほどの聖なる力を発揮していた。
――それでもエナは明らかに劣勢だった。
埋められない 確かな魔法力の差がそこにはあった。
――こんな…こんな所で負けられないわ…
彼女が闇に覆われそうになった!その瞬間!
「ほらいくどー」
【氷属性魔力LV4ジャイロ】
タドコロが手に持っていた球体、魔法を投げつけた 前もって発動してあったのだ。
彼は使用するチャンスをずっと伺っていた。
そしてその氷魔法は……
エナの背中に命中した。
「この魔法の凄いところ、見とけよ見とけよ〜」
氷魔法に溜められていた魔法力がエナに伝わり、彼女に力を与える。
――こ、これは…
「俺がとっておきに残しておいた魔法力。使って、どうぞ」
――…ありがとう!
エナの体は再び強い輝きに包まれ、闇の力を振り払った。
「おい! なんだよお前ーおい。」
槍はその勢いのままホンダの体を貫いた。
* * *
「タドコロ君! とっておきがあったのなら早く言ってよ」
「しょうがねぇな〜状態だったんだよ。奥の手があるって知ってたらあんな力だせない。はきわか。」
俺達はホンダになんとか勝利を収めた、きつかったっすね〜。やめたくなりますよ〜
「だ……めだやっぱ」
当のホンダは死にかけてる。――ファッ!?
ホンダの体が変色し、黒い液体となって溶けていった。コワスギィ!
「闇の力の代償よ…」
「はえ〜」
エナは静かにシンジョーの亡骸に近寄っていった。
「……シンジョー」
「ダメみたいですね」
懐からハンカチを取り出し、シンジョーの顔に被せた。惨たらしく傷つけられた顔を隠したいのだろう。
「ねぇ、覚えてる?」
遺体に向かって語りかけた。
「……私がまだ幼くて、1人ぼっちで遊んでた時に、あなたは『ねねねね、一人で遊ぶのって楽しい?」 』って私とかくれんぼしたよね……」
「…嬉しかったよ」
アーナキソ
エナは遺体を身綺麗にした後、静かに立ち上がった
「……さぁ、急ぎましょう。早く魔帝を」
「ウン、おかのした。でもその前にちと休憩(意味深)するどー」
「……そうね」
俺達は少し歩いた場所で休む事にした。
後は魔帝だけだ。
―
―――
―――――
その頃、大聖堂での戦況も変化してきていた。
「国王様…これは!?」
「フゥン!フォン!」
イカセ隊の動きが明らかに悪い、イカセ隊どうした!?
「う、うもう…魔帝が召喚魔法を解いたという事でしょう」
「。と、いいますと。」
「魔帝が戦闘準備に入ったという事です!」
「ナイスゥ! タドコロ達はホモ3人組に勝ったって事か!」
「ゲロゲロ」
「そうです! それでもイカセ隊はまだ動き続けます。…今は気を抜かず目の前の事に集中しましょう!」
「「「おー!!」」」
―
――
―――
つかれたもー
休みも取った事だし、俺達は魔帝を目指してるどー
ただ、だいぶ体力を削られてしまっている。2人だけでは正直キツイ。
でもミウラ達はどこにいるか分からない、これもう会えるかわかんねぇな、お前どう?
――ファファファファファ(高速)!!
「魔帝! 待っていろよ!!」
「ダジャレ?」
「ファッ!?確かに!」
「フフッ。変なの……」
軽口をたたきながら小走りで奴の所に向かう。あとはソイツだけだ。
〈デデドン!(絶望)〉
――いや、コイツもいた。
「ピンキイの訪問コーナーで〜〜〜す」
「アッアッァ……ァ……」
「あっ、ピンキイさん。――ってタドコロ君どうしたの?」
「エナちゃん元気そうだわね。よかったわん」
「って大変! タドコロ君どうしたのよ」
「ァッ・・・ゥーン(昏睡)」
「心停止したのならしゃぶってあげるよ」
「おはよー↑、ございます(MYN)」
俺は奴の足元だけを見る事にした。
「タドコロ! 無事だったのかゾ!」
「うー☆うー☆」
「ヒデ!ミウラ!。ま、多少はね」
ヒデとミウラも無事だったみたいだ(足しか見えないけど)、やったぜ。
「ピンキイさんのおかげでタドコロ達にまた会えたゾ」
「あら、あたしは面白そうだったから手を貸しただけよ。餞別もくれてあげるわ」
【回復魔法LV5ガンガンホル】
ピンキイの魔法が全員を包み込む
――うん、おいしい
俺達全員の体力、魔法力は全快した。
「魔帝は屋上にいるわん、精々がんばってね」
そう言ってピンキイは「アッフン!アッフン!」言いながら消えた。
「おまたせ! やっと合流できたぜ!」
「そうだよ! 嬉しいダルルォ」
「ねーホモ…タドコロ安心するにょ、まだア(・)レ(・)は使ってないユ〜。」
「フゥ〜↑、心強い〜」
「ねぇ、アレって何?」
「(教え)ないです」
俺達4人は魔帝との最終決戦に向け歩みを進めた。もう奴は目の前だ。
――ほらいくどー!!