冒険者タドコロ   作:じるすしもん

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エイシャアとヨスマーデ

 宮殿の中庭に蝶が舞う。小鳥達のさえずりと水の音がハーモニーを奏でる。

 

「あぁ〜良いっすね」

 

 兄の声がする、優しい兄さん。たった一人の兄弟。

 ……そうだ、兄さん。

 

「兄さん!?」

 

 バッと体を起こす。思い出した、私は兄さんを救うエリくさ草を求めて単身イニギの大洞窟に乗り込んだ、そして魔物の襲撃を受け………

 目の前に3つの影がゆらめく……魔物!?

 急いで立ち上がって槍を構える、…目を凝らした。

 魔物は3体。

 ゲコ、と地面から鳴き声が聞こえた。良かった、ヨスマーデ無事だったのね。

 

「ヨスマーデ! 攻撃よ!!」

 

 ヨスマーデの口から雷属性の球体が放たれた!

 雷属性魔法LV2ナメテクレが一匹の魔物に直撃、一匹片付けた!

 

「オォン!アオォン!」

 

 一本糞のような見た目をした魔物が悲鳴をあげる。変な声に口元が緩む。

 

「タドコロ! 大丈夫かゾ??」

「アーイキソ」

 

――??ここの魔物は言葉を喋らないハズじゃ?

 

「攻撃するのはやめるにょ、ぼくたち怪しいヤツじゃないにょ」

「へ?」

 

――

―――

 

「ごめんなさいっ、まさか人がいるなんて思わなかったから」

 

 宝石のように輝く金髪、髪の長さは肩に触れるくらい、整った顔立ちに身なりの良い服装の女性が笑いをこらえながら謝る。タドコロはそれをキツく睨み付けた。

 

「ゲコゲコ」と彼女の肩でカエルが鳴いた。

 

「タドコロ、悪気は無かったんだから許してやれよ(イケボ)。オレはミウラって言う名前だゾ」

 

 ミウラが唐突に自己紹介を始める。

 

「ぼくひで」

 

 ひでしね。

 

「……私はエイシャアって名前、エナって呼んでね」

 

 腹を立てたタドコロが言う。

 

「頭来ますよー」

「……君はアタマ・キマスヨ君ね?」

 

 エナがからかうように言った。

 

「んなわきゃねーだろ! ロロロォン!??」

 

 エナがクスクスと笑った。

 

「その肩に乗っているのは、まさか……。(にょ)」

「この子? この子はヨスマーデ、私の友達」

「間違い無いにょ、魔導ガエルだにょ」

「え? 何それは?(ゾ)」

「一種類だけ魔法を使うことができるカエルだにょ。初めて見たにょ〜。魔導ガエルは魔力の絶対値が凄いんだにょ〜」

「ヒデは魔法関係の知識が豊富ゾ〜」

「この子が使うのはナメテクレ、すっっごい心強いんだから」

「役に立ちそうな仲間が増えて、ダイナマイッ(歓喜)」

「あっ、そうだ。早くここから脱出するするゾ。戻る道を教えてくれぞ」

「ん?この深さまで来たら戻る道は無いよ」

「えっ?」

 

 相手にしてもらえないタドコロはくねくねとダンスを踊っている。

 

「地上に出る方法は一つだけ、キモティ=ダロ遺跡を攻略する事よ! レッツゴー!!」

 

 彼女が自信たっぷりに言った、その自信はどこから来るのやら……

 

   * * *

 

 晴れた空の下で酒を飲む4人。一仕事終えた、そんな顔をしている。

 

「クボタイニンさん、あいつらそろそろくたばったんじゃないんですかね?」

「ウッソだろお前! 全然ゆるケツじゃんお前、バカじゃね?」

「俺達プリイチ団にケンカ売るなんてとんだ命知らずッすよね〜」

「もう許せるぞオイ!」

「わ〜い」

「ペンギンちゃんお前よぉ!」

「金!暴力!SEX!」

「かんぱーい」

 

――

―――

 

 重い足取りで歩く、キモティ=ダロ遺跡とやらは洞窟の奥にあるらしい。女がベラベラと話している、(誰も聞いて)ないです。

 

「それでね、後ろからいきなり白いネコが飛びかかってきたの、危なかった〜。でもそれで気絶しちゃったんだけどね」ペラペラ

「あ、魔物、ヨスマーデ」ゲコ

「ファッ!?」

 

 洞窟に大きな音が響く、物陰から現れた魔物に魔法が炸裂した、ビリリと衝撃が伝わり、魔物は一瞬でタマに変わってしまった。すごいカエルだと思った(小並感)。

 

「タマが凄い集まったにょ、(金に)溺れる!溺れる!」

「だいぶ溜まってんじゃんアゼルバイジャン」

「ちゃんとタマ袋に加え入れろ〜」

「コイツタマ集めだしましたよ、やっぱ(お金)好きなんすね〜」

 

 さらに歩く。おい女、そのカエルだけ置いてどっか消えろ。俺は心底思った

 ……また行き止まりだ、すっげえ迷ってる、はっきりわかんだね。

足元に光輝く玉が2つある、こんな所にタマが落ちているのか(困惑)。

 

「ホラホラホラホラ、タマ大発見!見とけよ見とけよ〜」

 

 ヒデにタマを手渡した。

 

「……これはタマじゃないユー、天然の魔法球体だにゅ〜」

 

 ヌッ!? 天然の魔法球体なんてあるのか?知らなかった。

 

「喜ぶにょタドコロ、これはガンホルの魔法だにゅ」

 

 マジ? やったぜ。

 

「タドコロはなんでガンホルの魔法を修得したいんだゾ?回復役ならヒデがいるゾ」

「うー☆うー☆」

 

 ヒデの存在意義が無くなるからだ。

 ヒデから魔球をかっさらい飲み込む、3人が唖然とした顔でこちらを見ている、成し遂げたぜ。

 

「タドコロ、お前今2つとも飲み込んだゾ、そんなことしたら危ないゾ」

 

 オォン!? しまった慌て過ぎた。

 

「心配無いにゅ、もう一つのは土属性LV1のカメサン・オッキクナッチャイマシタネ、通称カメデカだにょ。体の負担にはならないユー」

「……聞いたこと無い魔法ね、どんな魔法なの?」

「体が大きくなるだけで役たたずの、まるでミウラみたいな魔法だにょ」

「おっ、そうだな」

 

 ゴスッ、とミウラがヒデの背中に肘鉄を食らわす。

 

「痛いんだよおおお!」

 

 俺の体が光に包まれる、ケツマンの力を感じる。無事修得出来たみたいだ。自然と笑みがこぼれる、ガンホルは俺の村には売って無かった。是非使えるようになりたかった魔法だ。

 

「勘違いしてるみたいだけど回復魔法は馴染むのに時間がかかるにゅ〜〜〜、その光はたぶんカメデカの光だにゅ〜、うー☆うー☆」

 

……俺はヒデに向かって魔法アツイを放った。

 

「熱い、熱っつ……あっついねん!(関西弁)」

 

 カエルの口から電撃が吐かれる。

 

「ああイッタイ、イッタイ、痛いいいぃぃぃぃ!」

 

 ミウラの蹴りが追い打ちをかける。

 

「出会いたい!(出会い厨)」

 

 3人の容赦無い攻撃が続く。

 

「ライダー助けて!!」

 

 ヒデの声が虚しく響いた。

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