今回は短いです。
できるだけストック貯めないと…
「ふぅ…ようやく一息つける」
私は部屋で勉強をしていた。今まで機竜に関する知識や技術などは昔の家庭教師以来、自分で学んできた。自分の知らないことによって大分苦戦しているのだが、なんとか追いついたという自信がある。
「さて、食堂に行って何か飲み物でも飲もうかな」
そう言って、部屋を出ると偶然にもクルルシファーさんと出会ってしまった。
「あれ?クルルシファーさん?彼氏は?」
「私、いつでも恋人にべったりっていう訳じゃないのよ」
「あぁ…そうですか…」
ルクスが恋人の依頼を引き受けたときからべったりのような気がするんですけど…と言いそうになったが、言ってしまうと私に何か茶化すようなことを言いそうな気がして諦めた。
「私はね、ちょっと喉が渇いたから食堂で何か飲もうかと思ってね」
「私もそうなんです。それじゃ一緒にいきましょう」
クルルシファーさんと食堂に行くまでの道のりで会話が弾むことはなかった。
「はぁ…何やっているんですか…ルクスは…」
食堂に着くと机に突っ伏して寝ているルクスが見えた。おそらく、様々な依頼をこなした後だろうと予想した。
「そういえば、あなたとルクス君って親しいけど、どういう関係?」
「う〜ん…私が困っているところを助けてくれた恩人かな?」
「その割にはかなり弄っているような気がするんだけど」
「それは…アイリが弄っているのを見て良いなぁって思ってから始めたからね。今では本物の兄妹のようなものだよ」
実際に、嘘はついていない。私が無計画で家出をした際に助けてもらっているし、ルクスやアイリたちと楽しい会話をすることで本当に3人兄妹みたいに育ったから、私が姉のようなポジションだったけど
「そういえば、あなたセリスティアさんに似ているけど姉妹なのかしら?」
「それについては私から何も言うことはありません」
「あなた、ファミリーネームも名乗ってないじゃない」
「それは…家の事情で言えないだけなので…」
「ごめんなさい。過去の事情を知らないとはいえ、配慮が足りなかったわ。」
「いえ、こちらこそ」
そうやって会話を強制的に打ち切る。お姉ちゃんが帰ってきたら学園中に広まるだろうけど、そのときはそのとき。お姉ちゃんには言えない事情があって、言いにくいし最悪私を拒絶するかもしれない。そんな顔を私は見たくない。
「はぁ…ルクス起きてよ」
頭の中を切り替えて私はルクスを起こすために体を揺する。
「んんっ…ライラ…?」
「ルクスおはよ。よく寝た?こんなところで寝たら風邪を引くよ?」
「うん…」
「兄妹っていうよりか、親子みたいよね」
私たちの会話にそんな分析をされてもこれが通常運転なんだし…仕方ないよね。ルクスが怠くなった体に鞭をうちながら背伸びをすると、ルクスが突っ伏していたところに教科書とノートがあった。
「ルクス…勉強していたの?」
「うん…ちょっと授業についていけないとか分からないところとかあってね」
「あはは…そうだね。私たちみたいな編入前何もしていない人が急に生徒になったらどうしても遅れが出てしまうからね。」
「それなら、私が勉強を教えようか?」
「「えっ!?」」
振り向くと3人分のティーカップに紅茶を入れたクルルシファーさんがいた。ありがたく紅茶をいただく。
「ありがとう。クルルシファーさん、でも私は遅れは埋めていってもう少しで終わりそうだから、恋人の勉強を見てやってください」
「ライラ…もう遅れを取り戻したの?」
「私の場合、1年生だし、ルクスみたいに雑用の依頼をしながらっていう訳じゃないから早いだけだよ。という訳でクルルシファーさん、面倒をおかけしますがよろしくお願いしまっすね」
「えぇ、分かったわ」
紅茶を飲み干して、私は恋人同士のラブラブな時間を作ってあげるために食堂を出た。
「さて、後もう少しがんばろうっと」
そういって私は自分の部屋に戻り勉強を再開した。
みなさんはおそらく原作三巻の方で期待していると思うのですが、そこまでは絶対にいきます。
作者本人としては原作五巻はいきたいですね。
それよりも原作の最新巻とこの小説とで矛盾が起きそうな気がして内心震えています