宇宙人ジョーンズ︰幻想郷調査結果報告書《完結》 作:ココナッツ・アナコンダ
「んじゃ新しい仲間との出会いを祝して──」
「「「「かんぱぁ────い!!!!」」」」
──この惑星の『酔っ払い』と呼ばれる者たちは、極めて厄介だ。
「アッハハハハハー!!! 私はちてーのアイドルなんだぞぉ〜! キラッキラのフリッフリなんだぞぉ〜! アハハハハハ!!!」
「「んほぉおぉぉ!!! ヤマメちゃ〜〜〜ん!!!」」
──突然、高らかに笑い出す者もいれば……。
「うぇえぇぇ…………私だって……私だってぇ!!」
「パ、パルシーさん……もうその辺で……」
「『パルシー』じゃないわよ『パルスィ』よ! 間違えるなんて妬ましい!!」
──意味もなく泣き出す者もいる。
「お〜い主役〜、呑んでるか〜い?」
「イタダイテマス」
「そうかいそうかい! よぉ〜し、その調子でジャンジャンいっちまおう! 杯を渡しな、この勇儀さんが直々にお酌してやるよ!」
「結構デス」
「そう遠慮しなさんなって! ダハハハハハッ!!」
「イテッ!?」
「ちょ、勇儀姐さんストップ、ストップ! 強く叩き過ぎですよ、ジョーンズ沈んじゃってるじゃないですか!?」
「ハハハッ──へ? ……あっ、悪い悪い! ちょいと加減を間違えちまったよ〜、アハハハハ!!」
「笑い事じゃないですよ……おい、大丈夫か?」
「大丈夫、デス」
──やたらと馴れ馴れしい者もいれば……。
「キャハハハハハハッ! …………あっ」
「ガッハハハハッ! ──ん? キスメちゃん、どうかしたかい?」
「…………吐きそう」
「……え?」
「あっ、もう無理──」
「いや、ちょっ、待っ──」
──逆に酒に呑まれてしまう者もいたりと、酩酊時に現れる傾向に一貫性は無い。
「…………」
「おらぉ! もっと酒持ってこんかい!」
「うぁぁ……アイドルなのに、言葉がらんぼぅ……妬ましぃ……」
「そんなメソメソすんなよパルスィ! 酒の席は笑ってナンボだろうに! ナハハハハハッ!!」
「違う……私は吐いてない。ただちょっと女子力が溢れてしまっただけ……」
「…………」
──種々様々に暴走するこの者たちを、思うように制御する手段など有りはしないのだ。
「お前らぁ! 酒の追加持ってきたぞぉ!!」
「何だとぉ!? 良くやった、あとで私の直筆サインやるよ!」
「ぉ酒……欲しぃ……」
「潰れそうなのにまだ飲むのかパルスィ!? っしゃあ、いい根性だ!」
「私は……いや、飲む!」
「…………」
「まだまだこっからだぁ!!」
「「「うおぉおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」
「…………」
──ただ…。
「アッハハハハハハハッ!! あっ、な〜んかこの部屋、熱くなってきぞ〜?」
「飲み過ぎじゃないっすか〜?」
「そんな訳ないじゃん────うぅ〜ん、やっぱ暑い〜」
「わた……眠…………妬い……ゅぅぎ……」
「おいおい、さっきまでの根性はどうしたんだい? まだまだいける────おや?」
「すぅ……すぅ……」
「ありゃりゃ……ホントに寝ちまった……」
「──あっ、やっぱ無理だわこれ。飲んだら吐いちゃ……女子力が溢れちゃう」
「あいよ、水。今日はもう止めといた方がいいぞ?」
「…………うん、そうする」
──この惑星の、『宴会』と呼ばれる行事は……。
「…………」
「んあぁぁぁ暑い! 暑い暑い! もう服なんか着てられっか!!」
「あぁっ! ヤマメちゃん、流石にアイドルが脱いじゃ駄目っすよ!」
「うるさ────い! 私がいいっつったらいいの!」
「おぉーい、ジョーンズ。ちょいとパルスィに膝貸してやっておくれよ、寝ちまってさぁ〜。私はまだ酒飲みたいから、アンタに任せたいんだ。いいかい?」
「大丈夫デス」
「そっか! なら、任せたよ〜」
「ハイ」
「すぅ……すぅ……」
「……」
「すぅ……すぅ……エヘヘ……」
「あぁ、ダルい……女子力が……」
「……」
「あっ、膝枕……パルスィいいなぁ。ジョーンズさん、私も膝借りていい?」
「ハイ」
「ありがとう──あぁ、ちょっと楽になった気がするわぁ〜」
「…………」
「……あれ、ジョーンズさんも顔赤いよ? もしかして、けっこう酔ってる?」
「問題アリマセン」
「……まだまだ余裕?」
「ハイ」
「そっか……なら、私も少し寝させてもらってもいい?」
「大丈夫デス」
「じゃあ……お言葉に…………甘えて……」
「オ休ミナサイ」
「ぅん────くぅ……くぅ……」
「……」
「…………」
──素晴らしい。
更新再開〜( ノ・ω・)ノ
Q,「あれ、缶コーヒーは?」
A,「腹イッパイデス」
名称不明のモブたち多数。
「ジョーンズさんが女の子にデレデレするわけないだろ、いい加減にしろ!」と思われた方――。
『秋葉原篇』と『ラーメン屋台篇』を見てみてください。なんなら、新しいCMでも……いいんじゃよ? |・ω・`)チラ