もし、チート艦隊が、艦これの世界に転生したら。   作:トマホーク アンゴル

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遠征 下

「ふむ、あと10分でタンカーと接触じゃな」

「姉さんわかるの?」

「ふふん、技術の進歩じゃな」

 

暁の褒め言葉に柄にもなく照れるいぶき。

いま彼女達は、タンカーの護衛任務の為に、タンカー受け渡し場所に全速で向かっていた。

 

「姉さ…いぶきさんのレーダーはどれぐらいの範囲を見れるんだい?」

「響、姉さんでも構わんよ。水上なら半径500メートル位じゃな。後、大気圏の飛翔物も見れるぞ。ああ、モノクルを貸してやろう」

 

いぶきはモノクルを取り、響に渡す。

いぶきのモノクルには、レーダーの情報を簡易的に見れる様になっているのだ。

 

「これは…凄いね、他の艦娘や、自分の兵装の残弾の情報がハッキリ写ってる」

「まぁ、基本はCICからの報告なんじゃがな。あとデータリンクで他の艦の情報も見れるぞ」

 

そんな事を話していると、タンカーが見えて来た。

 

♢ ♢

 

「じゃあ頼んだぞ」

「任せておけ」

 

木曽から護衛任務を引き継ぐと、いぶき達は事前の打ち合わせ通りタンカーを囲む様にする。

 

「姉さん…何か面白い話しないの?」

「うーん、じゃあ竜相手に対空戦闘した話はどうじゃ?」

「聞かせて!」

「ああ、アレは異世界に行って間もない頃…」

 

その話は、聞いた雷だけでなく、他の艦娘やタンカーの乗務員も聞いていた。

 

「あの時はのぅ。確か久世殿の小隊の援護の為に陸に向かうと、黒竜と呼ばれる黒い竜がこちらにやって来たんじゃよ。恐らくあの世界の大砲は対空目標には効果が無いんじゃろな。こちらが主砲を向けても失笑するばかり。じゃが、対空弾が、1人の竜騎士に当たると一気に顔を青ざめさせ、こちらに向かって来たんじゃ。冷静な敵じゃ、主砲が一門な事を見抜き、散会した。いくら百戦錬磨の騎士じゃろうとVLSは見抜けなかったがな。そしてVLSからシースパローが発射され、大部分を迎撃すると、残った騎士は口々に言った『魔王だ!』『灰色の魔王だ!』とな」

 

いぶきが話し終わってもしばらく誰も口を開かなかったが、暁が言った。

 

「姉さん凄い!私も出来る?」

「うーんまず竜がいなければどうにもならんからな…」

「ああ、そうね」

 

タンカーの乗務員も凄えとか言っている。

と、言うか信じて貰えるのか?

そんな事を考えていると、

 

「いぶきさん、少し良いですか?」

 

乗務員の1人が話しかけてきた。

 

「構わんよ」

 

「あの…貴方はイージス護衛艦 みらいを知ってますか?」

 

「ああ、ん?何故お主がみらいの事を知っておるのじゃ?」

 

確か、まだ上層部しか知らない筈なのに。

 

「私はみらいの副長、角松 洋介です」

「ほう、みらい 副長か…じゃあみらいは…」

「深海棲艦との戦闘で沈みました」

「すまんかったの…タイムスリップか?」

「ええ、ハワイに向かう途中に」

 

なるほど、みらいの言って事と同じじゃな。

 

「妾の鎮守府にみらいがいるぞ、目的地に近いんじゃからみらいに会ってみたらええ」

「いえ、私の判断ミスでみらいを沈めてしまいました。みらいに顔向けする資格がありません」

 

顔を背ける角松にいぶきは言う。

 

「同じ軍人でも、私はあなた方の様な“矛”じゃ無い!日本人の盾なのです‼︎」

「それは…」

「お主が何時ぞや言った言葉じゃったな。あやつの信念となっている言葉を生み出したお主をみらいが恨むわけが無かろう。今でも尊敬しておるぞ、お主の事」

「…分かりました。伝言を頼んでも良いでしょうか」

「喜んで」

 

♢ ♢

 

「タンカー護衛任務、お疲れ様です」

 

みらいは帰って来たいぶき達に労いの言葉を掛けた。

後ろでは真っ白のしなのがいる。

いぶきは、 報告を暁達に任せて、みらいの所へ向かってきた。

 

「あれ?いぶきさん…報告は…?」

「みらい!」

「は、はい!」

「伝言じゃ」

「伝言?」

「お前は立派な盾だ、これからも日本人の盾として人々を守ってくれ!以上」

「……え⁉︎いぶきさん副長にあったんですか⁉︎ど、どこにいたんですか⁉︎挨拶しなきゃ!」

「妾はみらいに伝言を頼まれただけじゃ。誰かは知らん」

「ええー!いぶきさんどこで会ったんですか?教えて下さい!」

みらいの叫び声が鎮守府に響き渡った。




疲れた…(真っ白)
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