もし、チート艦隊が、艦これの世界に転生したら。 作:トマホーク アンゴル
会議室に複数の男達がいた。
「報告を頼む」
そう言ったのは、山本 五十六長官。
「はい…それでは、皆さん、資料をご覧ください」
そして、その声に応えたのは、山本長官の向かいにいた、ある鎮守府の提督を務めてる男だった。
男は立ち上がり、山本長官の他にいる幹部や別鎮守府の提督達が資料を見たのを確認してから、口を開いた。
「艦娘たちの、救助を続ける"国籍不明艦隊"の報告を始めます」
「国籍不明…ならば深海棲艦じゃないのか?」
「ああ、深海棲艦の可能性が高い。だが、深海棲艦ならば、何故此方の味方をする?」
「それをこれから決めるんだよ。報告の続きを頼む」
「はい」
山本長官の一言でその場が静まり、男の声が響く。
「そもそもの事の発端は、駆逐艦五月雨が友軍から孤立し、敵軍に拿捕されようとしたのが始まりです。五月雨によると、いきなり爆音が響き渡り爆音が止んだ後、国籍不明の艦娘が現れた様です。彼女は自分の事を『いぶき型ミサイル搭載イージス護衛艦 一番艦 いぶき』と名乗ったそうです。ちなみに、イージスとは、ギリシャ神話に出てくる、最強の盾のことですね。それと、彼女の証言からの絵が資料に有ります」
資料には、銀髪に赤い瞳の左目にモノクルをつけた少女が制服の様な服に、裾が地面まで付きそうな見慣れない白い軍服を羽織っている絵が描かれていた。
男が慣れた様子で報告をすると、幹部達から質問がくる。
「ミサイルとは何のことだ?」
「分かりません。恐らく何らかの武器の名前だと思われます」
「このモノクルは飾りか?」
「えっと…本人に聞かなければ何とも…」
「深海棲艦はどうなったんだ?」
「潜水艦の報告によると、少なくとも2隻の戦艦を合わせた12隻が原型を留めないほどの残骸になって沈んでたそうです。」
「12隻が…!それは本当か?」
「はい。では、次の2隻です」
男は、資料のページをめくり、報告を続ける。
「次は、此方も仲間からはぐれた空母蒼龍を沈めようとした艦隊を逆に沈めた『ゆきなみ型 ヘリコプター搭載イージス護衛艦 三番艦 みらい』と、『やまと』もしくは『シーバット』についてです」
「ゆきなみ型…?みらい…?」
「やまと?それは戦艦なのか?」
「いえ、やまと、この場ではシーバットとさせて頂きますが、潜水艦だそうです」
「潜水艦?何故、大和を名乗っているのだ?」
「分かりません、報告によると、シードバットは、移動中の駆逐艦に魚雷を正確に当て、さらに全く音が聴こえず、真後ろに居ても指摘されるまで気づかなかった様です」
「なるほど。…あと、みらいとはどんな艦娘なんだ?」
「遠くから噴進弾の様なもので、艦載機を全て落とす能力を持っているらしいです。外見は、資料に載っているので、確認を」
資料には、黒髪を後ろで一つにまとめて、赤い瞳の少女が描かれている。
男は幹部の質問に答え、山本長官の結論を待った。
やがて、山本が目を開き、言った。
「彼女達がどうであれ、こちらを守ってくれたんだ。だからもし、彼女達が君達の鎮守府に接触して来たら、客人としてもてなす様に」
♢ ♢
「君達には知らせてないが、それより前に彼女達を見た子がいるんだよ。その報告によると、たった1艦隊で深海棲艦の艦隊5つを壊滅させる力を持っているらしい…。空母2隻、巡洋艦2隻、潜水艦1隻。これは私の予想だが…彼女達は、この世界そのものを変えてしまう存在だと、私は思う…」
誰もいない会議室で山本長官は呟いた。
♢ ♢
海上に五人の艦娘がいた。
そのうち一人が轟沈寸前の重傷である。
その艦娘を曳航している、銀髪の少女がぼやいた。
「全く、油断して沈むとは。如月といったかのう……シードバットが散歩でそこにいたから良いものを、あのままじゃったらお主は、魚のエサじゃったんじゃぞ」
「はい……すいません……いぶきさん」
「まあ良い。あともう少しで鎮守府に着く、それまで、体力を回復させておけ」
いぶきと如月が話していると、横からみらいが報告してきた。
「海鳥より入電!鎮守府沖に深海棲艦が出現!艦隊が戦闘中!深海棲艦が優勢の模様!」
「な⁉︎しもきた、如月を頼む!シーバット!妾達が先に行き、敵艦を可能な限り沈めるぞ!みらいは、しもきたとしなのの護衛を任せる!しなのはここから艦載機を飛ばせ!」
「了解」
「戦闘国家の実力…見せてあげる…!」
「はい!」
「今まで、出撃出来なかった分、暴れてやる…‼︎」
短い会話の後に、しもきたが如月を曳航しているのを確認したあと、いぶきは、最大戦速で駆け抜け、やまとが海中でいぶきより速いスピードで泳いで行った。
「シーバットは妾より速いはずじゃったな。先に海域に行き、戦艦、空母、潜水艦などといった船から沈めててくれ!」
「了解しました」
♢ ♢
「くっ!まさかここまで深海棲艦が来るとはな…」
そう呟いたのは、艦隊の旗艦である長門。
戦況はどう見ても、こちらが劣勢だった。
自分以外の主力は、帰還したばっかりで、修理に時間がかかるだろう。
時間を稼ごうにも空母ヲ級からは、艦載機が飛び立ち、鎮守府を爆撃せんと迫って来る。
「くっ…!このままでは…!」
長門がそう呟いた時だった。
ヲ級に幾つもの光が突っ込んで来たのは。
その光は、海面すれすれを飛翔し、ヲ級の近くで高く上がり、ヲ級の頭を貫いた。
「ナ…!グワァアアアアアア!」
沈むヲ級を、呆然と眺めている長門の無線に、声が届いた。
「私は貴方達の敵では有りません。これより深海棲艦の殲滅を始めます」
二話目です。
夏休み中は比較的早く投稿出来るかも知れませんが、終わったら月2を目標に頑張る予定です。
次は戦闘シーンが出る予定です。
アスロック米倉は絶対出します。
オリ主=オリジナル主人公と意味がわかりました。
説明していただきありがとうございました。