ウルバスの街の建物ってテーブルマウンテンをくり抜く時、大半の建物も岩で作ったんですかね…?
リズへのお返しを考え続けているリーテンの腕を軽く叩いて熟考状態を止めて、これからどうするか話題を替える。
「よぉっし、盾スキル取って、早速フィールド行きたいです!センパイ!」
「ちょ、誰が先輩よ!戦闘スキルはリーテンのが上なんだから先輩も何もないでしょ!」
「えへへ、なんかリズは年上な気がするんだよねー」
などと言いつつ、盾スキルを取り、スキル詳細を確認してから
「あ、わたし、盾スキル取ったら二層に狩場移すつもりだったんだけど、リズはどっちがいい?」
レベル的には二層も安全圏内ではある、リーテンに比べると装備が貧弱だけど二人なら問題はないだろう。
「お、んじゃ私も二層デビューしちゃおうかな!一層じゃなかなかレベル上がらないしね」
「そうだね!あーあぁ、私も早くレベル二桁いきたいなぁ」
「さっき上がったばっかりなんだから、相当気合い入れないとだねぇ」
レストランを後にし装備のメンテを済ませ、ストレージもすっきりさせた二人は二層主街区に転移した。
リーテンは二層は始めてだったらしく、しばらく街並みや景色を楽しみながら街中を移動している。
「うわー、なんだかステキな街だね!」
ウルバスは直径三百メートルほどのテーブルマウンテンを外壁だけ残してくり抜いて作られた街だ、建物の高さは皆同じくらいである。
モンスターの侵入などを防ぐ為に岩をくり抜いたのだろうが、それなら岩の上に街を作ってしまえばよかったのでは?と、ちょっと考えてしまう。
うろちょろしながら店の軒先を眺めたり、商品を手に取ったりしつつクエストを片っ端から受けた二人は、こちらはリズにとっても初見のモンスター求めて東門を出る。
「スイッチいくよっ」
「オッケ!」
突進攻撃をガードしきったリーテンが盾で後方に押し返す。
素早くリズは、よろめく牛モンスター《トレンブリング・オックス》の頭部目掛けて片手棍基本水平技《スマッシュ》を発動。
右後方に大きくテイバックした状態から一気に左に振り抜く、顔面を強打された牛モンスターは頭上に黄色い星を浮かべ、
間髪入れず飛び出したリーテンが片手棍基本垂直技《クラッシュ》を叩き込む。
再度頭部に痛烈な攻撃を受け、牛モンスターは青いポリゴン片と化し爆散した。
お互いの健闘を
盾を装備したリーテンは戦術の幅も広がり、安定感も増している。
「いやー、盾装備して更に頼もしくなったなぁリーテン」
「ふふーん、そうでしょ?」
得意げに盾と武器を構え直しつけるリーテンに
「まだ盾持って三十分も経ってないけどね」
とつっ込む。
それから一時間ほど狩りをした時、リズのレベルが上がった。
「おめでとう!リズセンパイ!」
「ちょ、ありがとー。先輩はやめなさいって!」
「いいなぁ、私も一気にレベルが上がんないかなぁ」
「あんまり焦んないの!コツコツ安全に行くしかないでしょ!」
「はーい、コツコツがんばりまーす」
しばらく休憩を挟み、クエスト完了を目指してフィールドを走り回った。
夕方18時過ぎにウルバスに戻った二人はクエストの報告は後回しにして食事をするべくレストランへ向かう。
「この街のレストランはどんな食べ物があるのかなぁ?」
目を輝かせ足取りの軽いリーテンを見ながら
「ちょっと、女の子がはしたないよ」
と、言いつつ自分も楽しみなのは隠せずに
「なんか牛ばっかりだったし、久しぶりに焼肉とか食べたいなぁ」
「リズも楽しみなんじゃない!焼肉かぁ食べたいね!」
そんな会話をしながらレストランに入った二人はメニューに焼肉らしき文字が無い事にがっかりしつつも、その店のおすすめっぽいメニューを注文。
牛肉100%のハンバーグとサイコロステーキをキッチリ半分ずつシェアして食べ、一息つく。
「はー、食った食った」
「だから、ちょっとオジサンクサイってばー」
「いいでしょ、こまかいことは」
などとしばらく談笑しながら
「あ、そうだ今日の狩りで手に入れた革アイテム、余ったら何かと交換してくれない?」
「革細工のスキルも取る予定なの?」
ちょっと驚いた顔で返事をするリーテン。
「いやいや、知り合いの木工職人の人に、なんでもいいから生産系のアイテム手に入れたら譲って欲しいって言われててさ」
「そっか!いいよ、私使い道ないし」
「サンキュー、生産職どうし協力してかないとなかなかねぇ」
「大変だね、私も出来る限り協力するからなんでも言ってよ」
「ありがとう、そう言ってもらえると非常に助かるわー」
「じゃぁ、革納品するクエスト報告しにいこっか!」
「うっし、行きますか!」
勢い良く椅子から立ち上がりながら言うリズ。
「うっし…」
ジトーっとした視線を投げるリーテン。
「だ、ダジャレじゃないから!たまたまだから!」
「私、リズがオヤジギャグ連発する様になったら、フレ削除するか本気で悩むと思う…」
「ちょ、違うって言ってるじゃない!」
「あははは、冗談冗談」
「もう!ほら行くよ!」
「はーい」
少し照れた様な顔をしているリズを追いかけレストランを後にした。
納品クエ報告ついでに他の完了していたクエストも報告するとリーテンのレベルが上がった。
「うわぁ、一日でレベルが二つも上がったの初めて!」
「あめでとう!今日のリーテン、がんばってたもんね!」
「あの盾のおかげだよ、ありがとーリズちゃん」
「いえいえ、どーいたしまして」
余分な素材アイテム全般を受け取ったリズは
「んじゃ、宿にも戻らないとだし今日はおしまいにしますか」
「そうだね、おつかれさま」
「おつかれさん、私は一層着いたら素材渡しに行くから先に宿戻ってて」
「はーい」
転移門で一層に戻るとその場で別れ、リズは知人の職人にインスタント・メッセージを送信する、いつもの場所に居るとの事なので、足早に目的地へと急いだ。
女子二人なので結構豪華な食事をちょいちょい食べてる気がします。
初の戦闘シーンです、稚拙な表現しか出来ず恥ずかしいばかりです。
テニスなどでスマッシュといえば叩き下ろす感じですが、片手棍はどちらかと言えばバットの様な武器かと思い、水平攻撃をスマッシュにしました。
スイッチ。SAOの中では攻守交代の合図。SAOご存知の方ばかりだろうと思い省いてましたが念のため追記。
それぞれ違う武器系統の攻撃者がスイッチすると、攻撃パターンが瞬時に変わる事により敵AIに負担をかけ、その隙に大技決めたりする。
リズとリーテンは同じ系統なのでその点のメリットはほぼありませんが、経験値とスキル熟練度が変わってくるのでスイッチは必ずやると思ってます。