チューボー戦隊 ファミレンジャー 紅一点は狙われっぱなし!?   作:邪道切支丹

6 / 6
第六章:兄ちゃんたちの救いの手!! 戦隊ヒロイン逆襲の時

突如砂浜に差し込む神々しい光の中、二人の戦士が舞い降りる。

「鬼畜非道のリョナ好き変態奇怪人、その娘を放せ!!」

「俺たちの可愛い妹、いや仲間をそこまで痛めつけてくれた落とし前は付けてもらうぜ!!」

そう、現れたのは、我らがファミレンジャー、レッドとブルーだ。

「フフフ、やはり現れたか、ファミレンジャー」

沙羅を痛めつけていた怪光線を中断すると、正義の戦士に向き直るエロガッパ。

「に、兄ちゃんたち…きっと来てくれるって…信じてた…よ」

沙羅は二人の兄の雄姿を見届けると、ぱたりと砂浜に横たわった。

 

正義の少年戦隊ヒーロー二人と、ノーマーシーの奇怪人の闘いは苛烈を極めた。

「受けよ、サラワンダー・ショーック!!」

二人の足元に、必殺の怪光線が火花を散らす。

「あぶねぇ、ぬかるなよブルー。お前、頭でっかちの草食系だもんな」

「兄ちゃんこそ、最近部活の練習さぼりまくりだろ?」

すんでのところでそれを交わした二人は互いに鼓舞し合う。だが、戦闘員たちが兄弟ヒーローを背後から羽交い絞めにする。

「こ、こいつら!! きたねぇぜ」

「放せ!!」

超人並みの身体能力を誇る二人の少年ヒーローだが、雑兵とはいえ、戦闘員数人がかりで押さえつけられては、手も足も出ない。

「フフフフ、なかなかいいさまだ、ファミレンジャー。この砂浜こそ貴様らの墓場になるのだ。そして、我らはこの国の可愛いぃ~~少女たちを集め戦闘部隊を結成する。名付けてノーマーシーの‘ロリロリプロジェクト2016’だ」

と、意味不明な野望を口にしつつ、二人のとどめを刺そうと必殺怪光線の発射を暗示する様に巨大な頭の皿をレッドとブルーに向ける。

 

そんな兄二人のピンチを、砂浜に横たわったままの沙羅は、痛めつけられ疲れ果てた肉体を引きずるようにして立ち上る。

「に、兄ちゃんたちが危ない…。何とかして助けてあげなくちゃ。妹として、いいえ、戦士としても守られるばっかりじゃ、情けないもん。兄ちゃんたちの力になりたいッ、大切な人たちを…守りたい!!」

ナイチンゲールの如く甲斐甲斐しい沙羅だが、こと戦士としては兄二人の手を借りることもしばしばのファミレン・ピンク。だが平和を守りたい気持ちも、大切な兄を想う気持ちも、人一倍の戦隊ヒロインなのだ。沙羅は苦痛に震える指で、手首飾りに触れると高らかに叫ぶ。

「ファミレン・チェンジアーップ!!」

スクール水着姿の少女は、まばゆい光に包まれ、その後、ピンク色のレオタードを纏った美少女戦隊ヒロインに変貌を遂げたのだった。

 

「く、くそ、動けねぇ」

「このままじゃ、あいつの怪光線をまともに受けちゃうよ」

いよいよピンチに追い込まれる二人の兄戦士。

「喰らえ、小僧共!! このエロガッパ様のサラワンダー・ショックをな!!」

ノーマーシーの奇怪人が巨大な皿をレッドとブルーに向けたその時だ。鮮やかな七色のリボンが、エロガッパの首に巻き付いた。

「それまでよ、エロガッパ!! ファミレン・ピンク怒りの大反撃よ!! 受けなさい、リボン・スパーク!!」

手にしていた鞭の柄から悪を懲らしめる電撃攻撃を繰り出すファミレン・ピンク。

「うぎゃあああ――――ッ!!」

さすがの奇怪人もこれには悶絶だ。

「チャンスだわッ」

ピンクはレオタード姿を躍動させて砂浜を駆ける。そして、もう一つの必殺武器、二つのバトンを回転させながら投げつける。

「バトン・アタ―ック!! やーーーッ!!」

特技を生かした必殺技でエロガッパを翻弄するピンクの活躍に、レッドとブルーが刺激されないはずはない。すぐさま、背後にしがみつく雑兵戦闘員を振り払う。

「しっかり、兄ちゃんたち」

兄二人に駆け寄る沙羅、いやレオタードコスチュームが眩しいピンク。。

「助けに来て、か弱い妹に守られるってどうよ、優?」

「今は女子の時代だぜ、純兄ちゃん、そうだよなピンク」

「ンンン、違うよ、私はそんなに強くない…。でも、兄ちゃんたちと一緒ならどんな強い敵にも負けない気がするの」

兄妹戦隊は絆を確かめ合うように、手を重ね合う。だが勝負はまだ終わっていない。

 

「あ、見て、二人とも! ノーマーシーのヘリコプターが飛んできたわ」

ピンクが指さす方向に現れた黒一色のヘリコプター。

「おお~い、助けてくんろぉ~~~」

エロガッパはらしからぬ態度で仲間に救援を求めている。やがて降ろされたヘリから降ろされた登り梯子に何とかしがみつく奇怪人だ。

「逃がしたらまずいよ」

「よっしゃあ」

ブルーにレッドが呼応する。

「ここは、‘‘我らの秘密兵器’‘の出番よね」

押せ押せムードにピンクもファイティング・スピリット全開だ。

「いでよ、我らの無敵のマシーン!!」

声を高らかに叫んだ三人の下に舞い降りたのは、人ひとりが乗船できるドローン型の小型迎撃飛行機、ファミレン・ドローンだ。

 

それぞれのカラーに合わせたドローンに乗り込み、海上を逃げるエロガッパを救ったヘリを追う三人。

「おらおら、追いついちまうぜ、ノーマーシーのウスノロヘリコプターさんよ!!」

と純が巧みに操縦桿を操作する。

「順兄ちゃん、十分引きつけたらミサイル攻撃だ」

と、指令塔の優がアドバイスを送る。

「ああーん、兄ちゃんたち。あんましスピード出すと私が追いつけないよ」

ちょっと困った声を出しながら二人を追うピンクこと沙羅だ。儲かったつもりのファミレンジャー。しかし、これは罠だった…。ファミレンジャー三人の中で一番組み伏せやすいのは誰かと言えば、当然女の子である紅一点のファミレン・ピンクだ。あくまでこの日悪の組織がターゲットにしているのは沙羅だ。それは、作戦指揮者の性的趣向も関係はしているが。そのことに気が付いていない彼らは…。

 

大海原にニョキッと飛び出したタコの足を模した巨大なレンズ。その先端は、ターゲットの紅一点の戦隊ヒロインが乗船するドローンに照準を合わせる。

ビビビビビビ―――――ッ!!

怪しげな怪光線が発せられ、ドローン・ピンクを直撃したのだ。その攻撃は飛行体そのものだけでなく、操縦席のピンクこと沙羅までも電撃ショックの餌食とする。

「ああッ、な、なにコレ!? し、痺れるうううぅぅぅ――――――ッ!! あぁッ、うわあああぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~ッ!!」

ビクビクビクビクビクビクンッビクンッ!!

ピンク色のレオタードコスチュームの戦隊ヒロインは、操縦席で白目をむいて痙攣するばかりだ。

「純兄ちゃん、ヤバいッ!! 沙羅がピンチだ」

「ピンク、ドローンのターボを吹かせ!! 全力で振り切るんだ!!」

通信機で妹を鼓舞するが応答はない。それもそのはず、ドローンの中で沙羅は操縦桿を握りしめたまま完全失神!! あろうことか衝撃のあまり、変身まで解け、スクール水着姿が眩しい女子中学生に戻ってしまっているではないか。やがて、ターゲットの失神を確信したらしい敵は、海上から無数の巨大なタコの足を表すと、力なく宙を漂うドローン・ピンクをその波の狭間に引きずり込む。

「沙羅ぁ―――ッ!!」

兄二人の悲痛の叫び無虚しく、戦隊紅一点のヒロイン、そして最愛の妹が悪の手中に堕ちた瞬間だった。

 




お読みいただきありがとうございます。
今回はここまでということで・・・。
さあ、ついに悪の組織の魔手に落ちてしまったファミレンピンクこと沙羅ちゃん、過酷かつ濃厚な拷問を受けることとなり、絶体絶命に陥ります。
優しく強い兄ちゃんたちは可愛い妹戦士を救出することができるのか、いか次号、です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(必須:10文字~500文字)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。