日常とは、つまらないものである。
僕、
なぜなら、僕には日常とはかけ離れた、
2047年―某日
東京都練馬区―某所
「今日はここでいいかな」
僕は一人そうつぶやくと近くの公園に入り、ポツンと置かれていたベンチに腰掛ける。
気温は高いが、ベンチは木の陰でおおわれており、そこだけは少し涼しく感じる。
僕は、カバンからペットボトル入りの水を取り出して一口飲むと、それをわきにおいて一言つぶやいた。
「バースト・リンク」
僕の意識は加速世界へと引きずりこまれていく――
目の前に【FIGHT!!】の文字が躍る。
直後に対戦相手と対戦ステージの確認。
相手の名前は〈
対戦ステージは、どうやら〈焦土〉ステージのようだ。
まだ相手の姿は見えないので、適当に破壊可能オブジェクトを壊しておく。
カウントが1500に近づくと、ふとガイドカーソルが消失する。
僕はオブジェクトを壊していた手を止め、相手の姿を探す。
さて、どこから現れるか、それとも潜伏しているのか。
僕がきょろきょろと周りを探していると、意外にも相手は真正面からきた。
「すっ、すいません!遅れてしまって…。えっと、〈インディゴ・マンティス〉さん?」
〈
それが僕のアバターネームだ。
レベルは相手より1つ高い、5。
やや紫に近い藍色の装甲に、昆虫のような頭部。
そして、
もっとも、その鎌型強化外装は僕の右手にしか握られていないわけなのだが。
そんなことよりも、問題は相手である。
一応メタルカラー、ということになるのかな。
そして声とその姿から
女性、かぁ…。
「あ、あのー?」
僕が考え事をしている間もブレイブさんは待っていてくれたようだ。
「あぁ、ごめんごめん。キミは随分律儀なんだね。奇襲もしないし、こうして待っていてくれるし」
「へっ?い、いやー私そういうの苦手なので…。奇襲とか不意打ちとか」
「そうか。じゃあ待たせて悪かったね。じゃあ改めて、やろうか」
「はいっ!」
僕は〈ライフリーパー〉を、ブレイブさんは剣型の強化外装を、それぞれ構える。
「ハッ!」
僕は力強く踏み込むと同時に〈ライフリーパー〉をひとなぎ。
しかし、それは剣でガードされる。
「えいっ!」
ブレイブさんも負けじと応戦する。
「いっけーブレイブ!やっちゃえー!」
ちらりと声のした方を見やると、応援していたのはオレンジ色のアバター。
そしてそのすぐ隣には青色のアバター。
あの二人は、恐らくブレイブさんの親子かレギメンだろう。
「やあっ!」
「くっ」
ブレイブさんの猛攻に、思わずかすってしまい、HPゲージが一割弱削られる。
こちらも鎌を振るうが、同じくかするだけにとどまり、相手のゲージも一割弱削られる。
それに違和感を覚えた僕は少し距離をとる。
「なかなかやるね」
「えへへっ。レベルが低いからって負けませんよ」
「でも、おかしいな。僕とキミは確かに1つだけだけど、レベル差がある。なのにどうしてお互いに受けたダメージが同じなのかな」
本来、このブレイン・バーストは同レベル同ポテンシャルが原則であり、レベルアップボーナス等で特化しない限りは、強力なアビリティや必殺技を持っていればステータスが、強力な基礎ステータスを持っていればアビリティや必殺技が単純なものになりやすい。
そして、このゲームでは1つのレベル差が大きな差となる。
レベルアップボーナスをどれに費やすかによってそのポテンシャルは大きく変わってくる。
僕は青色の近接型アバターであり、防御力はそこそこ高いはずだ。
それに対し、ブレイブさんは恐らくメタルカラー。
メタルカラーには変わったアビリティを持ったアバターが多いと聞く。
ということは、ブレイブさんはアビリティによって攻撃力や防御力を上げている?
しかし、本人からは予想外の答えが返ってきた。
「私のアビリティは〈