アクセル・ワールド -群青の軌跡-   作:根津

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第七話です。この話で、回想はラストになります。


第七話

「…ふぅ」

 

現実世界に戻ってきた僕とマキはひと息ついた。

 

あのあと、僕はタイムリミットいっぱいまでレクチャーを受けた。

基本的なシステムの説明から、属性の相性などにいたるまで。

おかげで時間切れ(タイムアップ)になってしまい、僕が最初にボマーに与えた一撃によって僕が判定勝ちしてしまった。

そのことについて、マキに尋ねると

 

「別にいいわ。手間も省けるし」

 

「どういうこと?」

 

「そのことについても、今から説明するわ。……と、その前に」

 

まだ何かあるのか、と身構えた僕に、マキはにっこり笑ってこう言った。

 

「飲み物、取ってきて」

 

……マキ様、その笑顔は反則です。

 

 

 

 

 

「少し長い話になるわ」

 

僕が冷蔵庫の麦茶を2人分グラスにあけて持ってくると、マキはそう切り出した。

 

「さっきレギオンの話はしたわよね」

 

「あ、ああ。バーストリンカー4人以上で構成される集団、だっけ」

 

「そうね。それで、あたしはかつてある1つのレギオンを率いていたわ。でも、ある1人のバーストリンカーによってレギオンは壊滅に追い込まれた」

 

「えっ…?」

 

「レギオン名は『プロトスターグリッツ』。新人バーストリンカーを育成する目的で設立されたそのレギオンは、元々はあたしが"親"から引き継いだものだったわ」

 

「親って?」

 

確か、マキの両親は……

 

「あたしがアンタにBBをコピーしたでしょ。そのコピー元を"親"、そしてコピー先を"子"と言うのよ。BBにおいてあたしたちはいわば親子の関係になったってわけ」

 

そういうことか。

 

「話を戻すわね」

 

マキは麦茶を1口飲むと、話を再開した。

 

「ある日、1人のバーストリンカーがあたしたちの前に現れたわ。そいつは、BBの力を使ってあたしの仲間を次々と支配していった」

 

「……そんなこともできるのか。このBBってやつは」

 

「普通はできないわ。でもあいつはBBに隠された、ある特殊なシステムを使った」

 

「特殊なシステムって?」

 

「今はまだアンタには教えられない。でも、近いうちにアンタに教えることになると思うわ。そのためにたった一度しかないコピーインストール権を使ってアンタを"子"にしたんだから」

 

「…そこまでして、マキは僕に何をさせたいんだ?」

 

「アンタにはあたしと一緒に戦ってもらうわ。バーストリンカー<プリズム・ミラージュ>を倒し、あたしの仲間を取り戻すために」

 

「わかったよ。僕は戦う。マキのために」

 

「それでこそあたしの"子"だわ」

 

「それで、僕は何をすればいい?」

 

「まず、アンタにはレベルを上げてもらうわ。最低でも4以上には。そして、ゆくゆくはアンタにも理解してもらうことになるわ。このBBのシステムを」

 

「覚悟はできてる…つもりだけど、その"システム"っていうのは一体なんなの?」

 

「さっきも言ったけど、詳しくはまだ教えられない。……でも、名前だけはアンタも知っておいたほうがいいかもね」

 

マキはもう一度麦茶を飲んだ。だいぶ言いよどんでいる感じだ。

僕も、思わず息を凝らしてしまう。

 

「その"システム"の名前は、心意(インカーネイト)システム。それがこのBBの根源にして、最大のシステムの名前よ」

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