「…ふぅ」
現実世界に戻ってきた僕とマキはひと息ついた。
あのあと、僕はタイムリミットいっぱいまでレクチャーを受けた。
基本的なシステムの説明から、属性の相性などにいたるまで。
おかげで
そのことについて、マキに尋ねると
「別にいいわ。手間も省けるし」
「どういうこと?」
「そのことについても、今から説明するわ。……と、その前に」
まだ何かあるのか、と身構えた僕に、マキはにっこり笑ってこう言った。
「飲み物、取ってきて」
……マキ様、その笑顔は反則です。
「少し長い話になるわ」
僕が冷蔵庫の麦茶を2人分グラスにあけて持ってくると、マキはそう切り出した。
「さっきレギオンの話はしたわよね」
「あ、ああ。バーストリンカー4人以上で構成される集団、だっけ」
「そうね。それで、あたしはかつてある1つのレギオンを率いていたわ。でも、ある1人のバーストリンカーによってレギオンは壊滅に追い込まれた」
「えっ…?」
「レギオン名は『プロトスターグリッツ』。新人バーストリンカーを育成する目的で設立されたそのレギオンは、元々はあたしが"親"から引き継いだものだったわ」
「親って?」
確か、マキの両親は……
「あたしがアンタにBBをコピーしたでしょ。そのコピー元を"親"、そしてコピー先を"子"と言うのよ。BBにおいてあたしたちはいわば親子の関係になったってわけ」
そういうことか。
「話を戻すわね」
マキは麦茶を1口飲むと、話を再開した。
「ある日、1人のバーストリンカーがあたしたちの前に現れたわ。そいつは、BBの力を使ってあたしの仲間を次々と支配していった」
「……そんなこともできるのか。このBBってやつは」
「普通はできないわ。でもあいつはBBに隠された、ある特殊なシステムを使った」
「特殊なシステムって?」
「今はまだアンタには教えられない。でも、近いうちにアンタに教えることになると思うわ。そのためにたった一度しかないコピーインストール権を使ってアンタを"子"にしたんだから」
「…そこまでして、マキは僕に何をさせたいんだ?」
「アンタにはあたしと一緒に戦ってもらうわ。バーストリンカー<プリズム・ミラージュ>を倒し、あたしの仲間を取り戻すために」
「わかったよ。僕は戦う。マキのために」
「それでこそあたしの"子"だわ」
「それで、僕は何をすればいい?」
「まず、アンタにはレベルを上げてもらうわ。最低でも4以上には。そして、ゆくゆくはアンタにも理解してもらうことになるわ。このBBのシステムを」
「覚悟はできてる…つもりだけど、その"システム"っていうのは一体なんなの?」
「さっきも言ったけど、詳しくはまだ教えられない。……でも、名前だけはアンタも知っておいたほうがいいかもね」
マキはもう一度麦茶を飲んだ。だいぶ言いよどんでいる感じだ。
僕も、思わず息を凝らしてしまう。
「その"システム"の名前は、