ゼロのヒカセン   作:MKeepr

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スマートフォンで打ってみた。
3.4楽しみですね。

誤字を修正いたしました。本当にありがとうございます


三話

ワルキューレをぶち抜いた後、のんびり、それこそ猫のように日向で昼寝したり、メーメーにギザール野菜をあげたり、どこから来たのかドラゴンの頭を撫でてやったり一緒に昼寝したりしながら過ごした結果、帰ってきたルイズにぶちギレられた。

部屋の掃除はまあメーメーの藁の寝床掃除のついでにやっていたが、ルイズから脱ぎ捨てられた服はそのままだったのである。

朝にルイズが怒って服の洗濯をお願いしなかったのが悪く思えるが、その前の取り決めで身の回りの世話をする約束をしていたので悪いのはクリンセである。

ちょっと洗うと服を担いで窓から外へ出ていくクリンセをルイズは見送った。窓から出ていくのはツッコまない。

 

「いや洗うって洗濯板も持たず何する気?」

 

「クエー」

 

ルイズの呟きに抜けた声で答えるメーメーであった。

 

 

エオルゼアにおいても洗濯というのは変わらない。水辺で洗濯板片手にごしごしとやるものである。ただ、服が特殊な性能を持っていて着用を常にしている冒険者にはこれは悩みの種である。フィールドだとモンスターに襲われることもあってなおさらだ。

そこで冒険者たちの産み出した冒険の知恵がある。

ポーチから取り出したるは麻袋だ。閉じた口を開けば黒い粉がパンパンに入っているのが確認できる。

この粉をさっと一掬いして衣類に振りかけて濡らさずに揉む。五分程度揉んでやればあら不思議、汚れが落ちてピカピカに。

この黒い粉はダークマターと呼ばれる、他の物質に同化する性質を持った石を砕いた粉である。グレードで言うと一番低い。

 エオルゼアでは装備品の修理を行う際に装備品の質に合わせたダークマターを使用する。かといって修理の際適当にダークマターを置いておけばいいという物ではないのでそれなりの装備品の材質に合った技能が必要だったりする。

 一番グレードの低いダークマターはそういう時、使い道がほとんどない。だが、耐久度を回復させられる程ではないものの、粉末にして服にまぶしてやれば汚れを取るのに使えるのである。

 ちなみにクリンセはこれを知るまで服を着たまま川に入って洗う(物理)をしていた。イシュガルドに行った際に寒いんだけれどどうしようか、と知り合いに相談したら怒られたりしている。

 粉末にしているとはいえ、物は有限、下から上までダークマターは揃えている(冒険者のたしなみ)が、数に限界がある。特にクリンセの服なんかは最高級のダークマターでないと修理できないので無駄遣いはできない。

 次からはちゃんと水で洗おう、と決意するクリンセだった。

 ちなみに洗った服類は、エオルゼアで言えばグレードの最も低い材質に近かったらしく、クリンセが破いたのを含めダークマターの影響でピカピカ新品のようになっていてルイズが頭を抱えることとなった。パンツのゴムが切れることもそう無いだろう。

そして、クリンセはこのことに対して、一つ良いことを思い付いた。

 

帰ってくるなり、ピカピカになった服を放り出して手足の装備を外しベッドに座ったクリンセにルイズは怪訝な顔をした。

ホメテーホメテーとならないのはまあいいとして、服を放り出したのはまあよくないのだがどこからか取り出した紙を眺めているクリンセの表情が真剣そのもので、ルイズは気圧された。

しかしそこは貴族足らんとするルイズ。自分の使い魔が何しようとしてるか把握しておく必要がある。

 

「ちょっと、クリンセ、帰ってくるなりどうしたのよ、というか、そのベッドに置いてあるのといい、あなたのポーチどうなってるの?」

「いやアーマリーチェストとチェストの魔法がかかってるだけだけど、それより! ルイズに服を作ってあげようと思ったんだけど、鉄鉱が足りなくて」

 

ベッドの上には真鍮のような金属、緑色の鉱石、ギーシュのワルキューレのような色したインゴット、丈夫そうな革に艶のある糸の束が山にして置いてある。とりあえずマントのしたに着るものを作りたいらしい。

 

「鉄なら、ギーシュ辺りに錬金してもらえば?」

 

ギーシュに頼めば喜んで錬金してくれるだろう。質は通常品になるだろうが。

 

「ううん、あれで作った金属は信用できないんだよね、できればどこかの市場で現物を見たい」

 

クリンセ的には錬金で作った金属は信用できないらしい。

 

「そう言われてもね」

 

使い魔が自分にプレゼントをしたいと言うのだ。嬉しくないはずはないが、現物の鉄鉱なんて学院にあるとは思えない。錬金した物ならあるだろうが。

ぽん、と頭の中で良いことを思い付いた。

 

「クリンセ、それなら休みの日にでも出かけるかしら?」

 

丁度、消耗品の補充も必要だったことだし、と片手間程度にルイズは提案したのだがクリンセはそう思わなかったようで。

 

「言われた通り起こしたら怒った暴虐非道なご主人が私のため!?」と、驚愕してロックの爆発が顔面を襲うこととなった。

 

そうして虚無の日、馬を借りてこようとしたルイズにクリンセが不要とメーメーを外に引っ張り出す。メーメーの種別はグランチョコボと呼ばれる二人乗り可能な鞍を装備したチョコボだ。強靭な足腰でルガディンのマッチョ二人を乗せることもできる。

そんなことしたらメーメーがキレるだろうが。

しっかりと立ち上がるとルイズの背の倍はありそうなメーメーだ。クリンセをくわえて振り回すだけの力もある。メーメー的には久々に広々とした外に出られたのが少し嬉しそうだ。

対してクリンセはどこか窮屈そうな顔をしている。原因としては頭にはターバンのように布を巻いてガッチリ耳を隠していることと、尻尾をズボンの外に出さずにあしにそって隠しているからだろう。普段の服の上からぼろ布のようなコートまで羽織る徹底ぶりだ。

耳に関してはまだわかる感覚だが、尻尾はまさしく有るものにしかわからない窮屈さだ。ルイズがメーメーに乗るのを補助してから、クリンセも鞍に乗るが、落ち着かないのか鞍の上で位置を微妙にずらして座ったりを繰り返している。

 

「道は私が案内するから、任せたわよ」

 

「え?なんだって?」

 

「道は私が案内する!!」

 

耳を塞いでいるようなものなので今のクリンセはすこぶる耳が悪い。あと尻尾が気になって周囲への意識があまりできていない。事故を起こさないよう祈るルイズだった。

学院を出発したルイズたちを見る目が八つ、そのうち半分は人の目ではない。

ルイズたちに興味津々なキュルケとタバサ、そしてその使い魔たちが、上空から二人を見ていることに、クリンセが気づくことはなかった。

 

さて、と言わんばかりに王都についた二人、クリンセが馬を預ける場所で「メーメーは馬じゃない!馬じゃない!ヨシダアアアア!!」と突然発狂したがルイズが貴族パンチを繰り出して事なきを得た。

あたりを見回すクリンセが王都の賑わいに驚いていると勘違いして、ちょっと胸を張るルイズであった、

本人は、

 

(エーテライトないかなー)

 

と、見回していただけだったりする。

ルイズが買い物をする際も、クリンセがふらっとどこかへ行ってしまわないよう服の一部を掴んでいたが、以外にもクリンセがふらっとすることはなく、ルイズの買ったものの荷物持ちをしている。

買い物を終えてようやくクリンセにの目的である鉄鉱を探すこととなった。が、以外と見つからない。クリンセはエオルゼアのマーケットのシステムがすごかったことを実感した。

 

「どこか武器屋さんとかないの?」

 

「あるにはあるけど、どうして?」

 

「武器屋なら材料に鉄鉱仕入れてるかもしれないし、最悪鉄剣をばらして使おうかと思って」

 

なるほど、とルイズは感心した。分解して使うというのはなかなかない発想だ。分解するためなら業物である必要もなく安くすむだろう。

どうやって分解するかはまあ、クリンセだし何とかするんだろうと、遠い目をしつつ武器屋に向かう二人だった。

 

 




ヨシダアアアア
エオルゼアにおいて冒険者が用いるスラング、俗語。
古の神を意味しているとされるが、ハッキリとした語源は不明。
何か理不尽な目に遭遇したり納得がいかないときなどに叫ばれる。
最近ではそういう意味も薄れとりあえず叫ばれることも多い。

デルフリンガー
インテリジェンスじゃなかったら即死だった。
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