ゼロのヒカセン   作:MKeepr

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3.4アップデートがやってきましたね。 ソフィア装備を早速ですがゲットしました。モンクのソフィア装備はなんだか手甲の延長っぽくて今の所ミラプリせずに使っております。
 あと暗黒騎士を上げ始めました。まだ40LVなのにソフィア武器を用意しておきました(


五話

 『土くれ』のフーケ。トリステインを騒がせるメイジの盗賊である。

 神出鬼没、盗むものは東西南北宝石から酒まで何のその。

 土くれのお眼鏡に叶えばそれは盗まれる。

 盗賊というより怪盗と言った風に屋敷に忍び込み物を盗みだしたと思えば保管場所の建物をゴーレムで粉砕して強盗したりと行動パターンが読めない。真っ昼間から王立銀行に正面切って襲撃しかける盗賊のコウドウパターンが読めるわけもないが。

 唯一の共通点は、錬金によって扉や壁を土くれに変えること。二つ名の由来だ。

 性別さえ判明しないこの盗賊にトリステインの貴族は恐怖に陥っていた。

 高名なメイジが掛けた『固定化』をいともたやすく突破し、土くれに、ゴーレムを伴い魔法衛士を蹴散らし堂々と瓦礫の山から宝を頂戴し、まるで挑発するかのように、こう現場に一言添えていく。

 

『秘蔵の   、確かに領収しました。土くれのフーケ』と。

 

 『固定化』を破ることから少なくとも、トライアングル以上のメイジの成す犯罪行為だった。

 そんな『土くれ』が今狙うのは、『破壊の杖』と称されるマジックアイテム。土くれはマジックアイテムに特に目がない。

 最近盗みの噂を聞かない土くれは。

 強固な『固定化』を施された宝物庫に、足止めを喰らっているのだった。

 

 

 

 そんなこと知らないクリンセは、部屋でいそいそとルイズの服を作っていた。いつも通りどこから出したな道具を使い、金属をがつがつハンマーでたたいたと思えば、布地を作って、今は革を加工している。服もいつもの谷間の出る服では無い。

 この服はクリンセの大量に砕け散ったマテリガとマテリジャの粉の上、努力によって生まれた専用作業服である。

 ルイズから見ると、突然動きを止めたかと思うと道具を天に掲げたり一気呵成に服を作り上げるなど、謎な動きをしていた。

 最後の布と革を繋ぎ会わせるとクリンセができた!と、嬉しそうにガッツポーズをした。手が一瞬光った気がしたがルイズの気のせいだろう。何か使って色を白くしてから、さあ着て着てと、ルイズへ服を押し付けてくる。

 ルイズが受け取った服をまじまじと眺める。

 完成するの速すぎじゃないだろうか。魔法で作るにしてもここまで高速でできない気がする、とルイズはふと思ったが気にしたら負けである。

 金属で作られた意匠と、革と布で構成された服は、トリステインでは見たことのないデザインだ。粗雑な印象のあるクリンセが作ったとは思えない精緻さがそこにはあった。

 右腕側は袖がないが、こういうデザインなのだろう。

 着てみると、意外と動きやすく、なんだか力が湧いてくる気さえしてくる。しいて難点を上げるとすれば左肩部分の金属意匠が若干邪魔である。着る分には邪魔ではないのだが、上からマントを羽織るとなれば別問題だ。以外にもプリッツスカートとの見た目の親和性が良い。

 

 そんなところへやってきたのはキュルケとタバサだ。

 タバサはやって来てベッドで本を読み始めたので巻き込まれたのだろう。

 始めこそ突然閉店した武器屋の顛末について聞いてきたのだが、ルイズの着ている服が違うことにキュルケが気付いた。

 

 

「何その服、それを買いに行ったの?」

 

「私が作ったんだよー」

 

 クリンセがどや顔で答えたところ、キュルケも欲しいといい始めたのである。

 

「ツェルプストーに恵んでやる物なんて石の一欠片だって無いわ!!」

 

「じゃあ今着てるのを頂戴……て、ごめんなさい無理ね」

 

 キュルケが腕を組んで胸を強調する。確かにルイズ用に作った服では、クリンセの着ている服みたいなことになる。

 その様をルイズが想像し、何かがキレた。

 

「そこまで言うなら決闘よ!!」

 

「いいわよ」

 

「いや、それくらい作ってあげるから……」

 

「あんたは黙ってなさい!!」

 

「トリステインの女を主に持つと大変ね気の短い嫉妬屋ばかりだもの」

 

 

「まあ、ルイズだしって痛い痛い!つねらないで!!」

 

 暗に、うちに来ないか、と言った誘いの意味があるが、残念ながらクリンセにそんな意図を察せるなら過去にのこのこ指名手配犯になることなどなかった。引っ張られた頬を抑えながら目線の間で火花が散っている二人を涙目で眺める。

 

クリンセとしては材料はまだあるので喧嘩するくらいなら仲良くペアルックでもしてくれとおもったが、キュルケがヴァリエール的逆鱗に思いっきり触れてしまったので止まらない。そしてこの場において、クリンセは逆鱗の上でゴールドダンスを踊る側である。

止められるとしたら今我関せずの姿勢を貫くタバサだけだろう。胸囲的な意味で。

 

「室内」

 

 タバサがクリンセの縋るような目線に気付いたのか、杖を持ってそうつぶやいた。

 つまるところ、外でやれという事だ。

 

「チガウそうじゃない」

 

 外に向かいながらクリンセが首を横に振るがどこに吹く風である。

 

「じゃあクリンセ、決闘のルールを決めてもらいましょうか」

 

「そうね、作るのはクリンセだもの」

 

 外に出てくるなりそんなことを言われてもクリンセだって困る。いつの間にか足元にサラマンダーのフレイムがくっついてスリスリと体を擦り付けてきておりなぜか気に入られている。

 さらに、いつの間にかあのドラゴンもいる。

 実はあのドラゴン、タバサの召喚したウインドドラゴンである。

 

「じゃ、じゃあ、二人で左手で握手して、そのまま右手だけでなぐり合って気絶した方の負けとか」

 

 いつもの服と手甲足甲装備に着替えたクリンセがシャドーをしながら提案する。

 突然の貴族もへったくれもないワンハンドシェイクデスマッチを提案されて固まるルイズとキュルケ。

 ちなみにクリンセが某モンと試しにやってみた際は、確信的に誤ってハ某ンの右手がクリンセのバストをシェイクしてしまいひたすら顔面に彼の弟子と共に正拳突きを叩きこまれ続ける事態になったことがある。

 

 クリンセのヘンテコな提案で少し頭が冷えたのか、怪我をするのも馬鹿らしいとクリンセが投げた石に魔法を命中させる対決となった。

 

 タバサが『ライト』で光源を作り、ただの石を視認しやすくしている。

 先攻はキュルケ。クリンセの投げた石に『ファイアーボール』が夜空に尾を引くように追尾し、命中した。

 ポトリ、と地面には焦げた石が落ちる。石ながら赤くなったそれは『ファイアーボール』の熱量を物語っていた。

 その様子を当然、と言わんばかりにルイズを見るキュルケにルイズは動じない。

 ルイズが得たのは、視野の広さ。クリンセという常識を無視したような存在が居たからこそ視野が広がった。今まで、それでこそ使い魔がクリンセでなければ、『ゼロ』の所以たる原因不明の『爆発』もただの失敗と決めつけたまま答えを得るまで進まなかっただろう。

 だからこそ、クリンセから示されたのは爆発という結果を利用する『手段』 唱えるのはクリンセにお仕置きがわりにやってたアレ。

 

 クリンセが石を投げる。放物線を描くそれは、こちらの攻撃をまさしく猫のように避けようとするクリンセの動きに対してとても素直な軌道を描いていた。

 

 唱えた言葉で、キュルケとタバサはルイズが血迷ったと思った。

 

『ロック!!』

 

 鍵をかける呪文。攻撃力もなにも、石に鍵はかけられない。巨乳に対するストレスで頭がおかしくなったかとキュルケはもう少しルイズの胸に優しくすべきだったかと思ってしまったほどだ。

 杖からはなんの光も出ない。しかし、放物線を描く石を中心に突如、大爆発が起きた。

 そう大爆発である。

 

「えっ」

 

 今までクリンセに使ってきたロックと比べ物にならない破壊力。思わずルイズが忘我と共に口から疑問符を洩らしてしまうほど。

 爆風があたりを撫で、石の近くだった塔の壁に大きな亀裂が入る。石は粉みじんに砕け粉となってぱらぱらと地面に落ちた。

 キュルケが少し青い顔でルイズに詰め寄る。これが外して空中で爆発の花火でも上げていればお笑いの種だったが、命中させたのと爆発の威力が尋常でないせいで笑う余裕さえない。よく見ればタバサも若干顔が青い。『ライト』で照らしていた関係上爆発に一番近かったのは彼女である。

 

 

「る、ルイズ、あんた爆発させるのは良いけれど私たちまで爆発させる気!?」

 

「しょうがないじゃない!! ここまで威力ない筈だったんだもの!!」

 

 ツェルプストー(胸)死すべしな勢いがあったルイズだが、あまりの威力の爆発にその熱まで吹き飛ばされてしまった。思い浮かぶのはどうしてあの威力が出たか、だけだ。

 普段と何が違うか、思い当たる節は、今着ている服である。名前は確かイコンレザーキャスターコースリット。なんて物を作っているのだとルイズは心の中で悪態をついた。着るだけで『ゼロ』の自分のよくわからない爆発さえこんな威力を上げるなんてもはやマジックアイテムの域である。地味に頭痛の種が増えた。

 

「それで、勝負はどうする?」

 

「なんだかもう私の負けでいいわよ……」

 

 キュルケの『ファイアーボール』は石を焦がすのにとどまったのに対して、ルイズのそれは粉みじんに消し飛ばされた。二人とも命中させた以上妥協点としてはそれだろう。

 もう一度投げてもらって命中させるというのもいいがあの大爆発をまたやられるのはたまったものではない。

 

「そう、ツェルプストーにしてはやけに素直ね」

 

「……あの爆発をもう何回かやる気?」

 

「……引き分けでいいんじゃないの?」

 

 あの爆発をやる側とはいえ何度もやるのはさすがに精神的にきついので、ルイズも妥協した。

 

「引き分けなら、じゃあ服じゃなくてアクセサリー位なら作ってあげるよ!」

 

「いいの?」

 

「引き分けだし、良いわよツェルプストー」

 

「あら、優しいじゃないヴァリエール」

 

 ワイワイと騒ぐ彼女たちから少し離れた中庭の植え込み、一部始終をこっそり見ている『土くれ』の姿があった。少し離れた植え込みまで届く爆風に土くれの疑問は尽きないが、宝物庫のある塔に入ったヒビを見逃すわけにはいかなかった。

 

 そして、彼女たちの前に、土の巨人が現れた。




土くれのフーケ
土のゴーレムや錬金で暴れる盗賊。土ゴーレムがタコタン並の耐久力かどうかで運命が変わる。

 イコンレザーキャスターコースリット(HQ)
VIT+107 INT+111 クリティカル+70 スペルスピード+100

 中間素材のイコンアロイインゴットが鉄が無くて作れない哀しみを剣を分解することで補充。

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