ギーシュを縛り上げてメーメーに固定しておいたクリンセだが、よく考えればギーシュの装備が貧弱である。いやファッションとしては良いのだろうがファッション装備でダンジョン行く奴は相当の猛者かアホだけだ。
なのでルイズの装備を作った後にギーシュの装備も作ってあげた。役割的にヒーラーなのでキマイラフェルトヒーラーローブを作った。
ルイズもクリンセの作ったのをフル装備だ。ロール的にみるとモ黒白と言った所だろうか、一応ギーシュが盾を持ったワルキューレを出し、それを盾持ってるのでナイトとすればナモ黒白になる。まさかのテンプレ的なライトパーティ結成であった。フラッシュもロブもつかえないとかナイト舐めてるの? とどこかから聞こえた気がしたが無視である、と言うかギーシュのジョブどっちかと言うと召喚士でタコタンエギ出してるようなもんでしょと脳内でツッコミを入れたクリンセだった。
そうして朝霧の中、ギーシュは馬に鞍を付けて馬に荷物をくくりつけている。クリンセはというと、メーメーの大きい鞍の後ろ側で寝ようと努力している
装備作ってたら朝が来てしまったが、気にせず移動のための作業をしようとしたらルイズに引っぱたかれて寝る羽目になった。鞍の上で寝るというのもなかなか無茶な要求であり、目を瞑って寝たふりをしているだけではあるが。
ルイズはというとメーメーに荷物をくくりつける作業を行っているが、イコンレザーフル装備なお蔭かそこまで苦でもなく作業を終わらせて寝ているフリをしているクリンセにドヤ顔気味に微笑んでいた。
始めこそ乗馬用のブーツを履こうと思ったが、クリンセに作ってもらったブーツが新品と思えないほど馴染んでいる。
ちなみにあの速度で装備を作れるクリンセが朝までやっていたのは装備作りではなく、何かの宝石をはめ込んでは砕き悲鳴を上げはめ込んでは砕き悲鳴を上げを繰り返していたためである。クリンセが手を止めてルイズにごめん妥協する、と言った時のルイズの何をどう持って妥協なのか? という疑問に応えられる人間はここに居なかった。エオルゼアの闇は深い。
「ルイズ、一つ悩んでいることがあるんだが……」
「なによ、あなたが悩みなんて」
クリンセの頭に巻いたバンダナの中で耳がピクリと動いた。
目は開けられない替りに耳で周りの気配を探る、光の戦士として色々なのと戦ってきたスキルを無駄なところで発揮するクリンセであった。
「僕の使い魔を連れて行くべきか悩んでいるんだ」
「連れて行けばいいじゃない」
「……ヴェルダンデはジャイアントモールなんだ」
あっ、とルイズは察した。アルビオンは浮遊大陸だ。ついでに土の中を掘り進む使い魔の速度に合わせては間に合う物も間に合わなくなる。
ギーシュもそのあたりはわかっているようだが、踏ん切りがつかないようであった。以前のギーシュなら効率度外視愛情大事でヴェルダンデ連れて行くんだい! とごねるところだったが、効率を最重視しないと一瞬でワルキューレぶち抜いて突破してくるクリンセ討滅戦(未クリア)のせいで状況を見る目が養われていた。
「ま、まあ最後に合うくらいは良いんじゃない?」
あまりの消沈っぷりにルイズがフォローに回った。連れていけないなら最後に会っていけということだ。それやるとギーシュ死にそうだけどまあ、守るからいいか。と話だけ聞いているクリンセである。
「ありがとうルイズ」
ギーシュが地面を叩くとそこから盛り上がってきて小熊ほどの大きさの茶色のジャイアントモールが出てきた。
ギーシュは抑えが利かなくなったのかヴェルダンデ!! ああ!! 僕の可愛いヴェルダンデ!! と撫でまわしている。ルイズはあきれたようにため息をついた。
と、このヴェルダンデ、鼻をスンスンとさせるとルイズの指に着けた水のルビーに鼻を擦り付ける。そのあとルイズの装備にも鼻をスンスンとさせる。
「ちょっと、このモグラどうしたの?」
「ヴェルダンデだ。ヴェルダンデは宝石やら鉱物が好きだからね」
「土のメイジ的にはよさそうねってきゃあ!?」
ええいなんだこの宝石の山は!! 辛抱溜まらん!! と言わんばかりにヴェルダンデがルイズを押し倒した。なお興味があるのはクリンセが精神を削って禁断装備したマテリガ達と水のルビーなどであってルイズ本人ではない。
じたばたしつつ、怒ったルイズがヴェルダンデを全力で引っぱたきのけ反らせる。フル装備ルイズの腕力はやばい。
そして丁度、モグラがのけ反ったところを風が吹き抜けた。明らかな自然の風ではない魔法の風。
「誰だ!」
ギーシュが激昂して怒鳴る。ちなみに風によってヴェルダンデにダメージは無い。ほぼほぼルイズが与えたダメージである。
クリンセがぱちりと目を開けメーメーから飛び降り構えを取る。一瞬で覚醒し戦闘態勢に入ったクリンセにギーシュが舌を巻いた。ギーシュはいまだ杖すら抜けていない。
霧の中から現れたのは長身の男だ。羽帽子を被った凛々しい口髭の男。ギーシュには見覚えがあり、ルイズははっきりと覚えていた。
クリンセのサボったお姫様おなーりーイベントでグリフォンに跨っていた貴族にしてグリフォン隊隊長、ワルド子爵である。ルイズの夢の中でヒルディブランド埋まりの醜態をさらしたワルド子爵だが現実の子爵はそんな失態を犯さない。
「僕は敵じゃない。姫殿下より、君たちに同行することを命じられた、魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ」
ギーシュは相手が悪いことに気付き、黙り込む。魔法衛士隊は貴族の憧れの的であり、ギーシュもその枠から外れない。
「ワルド様……」
「久しぶりだな! ルイズ! 僕のルイズ!」
震える声で名前を紡いだルイズの元へ子爵はいい笑顔をしながら駆け寄ってルイズを持ち上げようとルイズに触れた瞬間クリンセがワルドの顎を打ち抜いた。顔がグルンと回るが帽子はおちなくて済み、ふらりとした体はまるで踏ん張る様な姿勢で子爵は隊長としての意地なのか倒れることなく一瞬意識を飛ばした。
てっきり出会いざまにルイズにセクハラするのかと思ったクリンセの反射行動である。原因はオールド・オスマンである。あと某ハモン。セクハラする奴の常套手段を学んでしまったが故、それに類する行動をしようとしたワルド子爵は犠牲になったのだ。オスマンのセクハラ行為の犠牲に。
意識を取り戻した子爵は一瞬辺りを見回して、自分の顎が痛いことに気付く。そしてルイズを庇うように立っているクリンセに。ちなみにクリンセ、背中にデルフリンガーを背負う為ベルトを胴に通しているため、谷間の強調っぷりがひどいことになっている。状況が読めず子爵はクリンセを見つめた。
「どこ見てるんだ変態」
「クリンセ!! 子爵は変態じゃないわ」
「いいや、オスマンより数段上の変態だね! ルイズのアピールポイントであるお尻と腰を重点的に触ろうと抱き上げようとしてたんだよコヤツ」
「いや、確かに魅力的ではあるが婚約者にセクハラなんて」
「しかも勝手に婚約者を名乗るストーカー気質」
ワルド子爵がどこか遠い目になった。なんで初対面の相手にここまで言われてるんだろうか、とでも思っているのだろうかなどとギーシュは思った。あとクリンセの言ったルイズの腰と尻を凝視していたらルイズに睨まれていた。
「ストーカー疑惑を晴らしたいならまず髭を剃るんだね。そこまで毛深くないけどなんかヤミセン臭がする」
「ええい話が進まないからいい加減にしなさい!!『ロック!!』」
いつまでも話が終わらない。なんでこんな要らん所で足止めを食っているのだとだんだんイライラしてきた。そもそもクリンセをなんで巻き込んでるんだ私はと謎の自虐感もあってモヤモヤが溜まってきた。そういえばあのエセ獣人状態のお仕置きをしていない。お仕置きをしてクリンセを黙らせて話を進めようそうしよう。
ルイズはそう決めて杖を抜いて クリンセから後ずさる。謎の変態疑惑を吹っ掛けられるワルド子爵も
ルイズは忘れていた。
今がイコンレザーのフル装備であるという事を。
クリンセお仕置きの為にキャスターコースリットを着て弱く放つ練習をしたとは言え、その弱く放つ威力がフル装備で上がってしまっていることを。
「ぎゃー!?」
「ウボアー!?」
ロックの爆発が朝霧を吹き飛ばす勢いでワルド子爵ごとクリンセを飲み込んだ。
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
頭:イコンレザーキャスターヘッドギア
胴:イコンレザーキャスターコースリット
手:イコンレザーキャスターアームガード
帯:イコンクロスキャスターコルセット(『チェスト』『アーマリーチェスト』無し)
脚:イコンクロスキャスタースカート
足:イコンレザーキャスターブーツ
首:カンファーキャスターネックレス
耳:無し
腕輪:カンファーキャスターアルミラ
指輪:イコンアロイキャスターリング
指輪:水のルビー
ギーシュ・ド・グラモン
頭:無し
胴:キマイラフェルトヒーラーローブ
手:アンフィプテレヒーラーローブ
帯:無し
脚:キマイラフェルト・ヒーラーブリーチ
足:オーラムレギスヒーラーソルレット
首:グラモンフリル
耳:無し
腕輪:無し
指輪:無し
指輪:無し