救えなかった苗木の逆行物語   作:超高校級の切望

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 なろうから一端戻ってきました。
 久し振りだからとお気に入り解除しないでくださいm(_ _)m


スコアガール③

 第13支部に用意された部屋で、苗木はふぁ、と欠伸をする。

 

「聖原クン、希望ヶ峰さん。外の人たちの片付けよろしく」

 

 苗木は部屋の外にいる逆蔵や宗方の部下であろう人物達の片づけを頼む。

 

「なるべく平和的にね」

『はい。しっかり失踪させます』

 

 希望ヶ峰はぺこりとお辞儀して、聖原と共に部屋から出て行った。

 苗木は苗木で、明らかに女性が手を加えた《デコケータイ》を弄る。

 

「……お、面白いものみーつけった♪これ、どーしよっかなぁ?」

 

 苗木はパスワードを解きセキュリティーを解除し、中身を確認してにひぃと笑みを浮かべる。

 

「先生」

「ああ聖原クン、終わった?」

「終わりました。ついでに、彼等が逆蔵から依頼を受けていた証拠も、個人情報も消しときました」

「ふぅん………なら行方不明になった原因がボクと関係してるのは、逆蔵さんの証言だけになるわけか……」

 

 いくら宗方が逆蔵を信用しているとはいえ、支持者が多い苗木を逆蔵の証言だけで糾弾することは出来ない。

 

「いいねいいね。『予定』を組み込むのは楽しいね」

『楽しい、ですか?』

「楽しいよ。解らない?予想通りと予定通りは別物なんだよ……江ノ島さんは何でこの楽しみが解らなかったのかな?」

『………すいません。私も何が楽しいのか……』

 

 苗木は江ノ島に解ってもらいたいだけなので、他の誰が解ろうと努力していても別に興味はない。

 

「じゃ、お休み~」

「おやすみなさい先生」

『おやすみなさい、マスター』

 

 

 

 

 次の日、苗木達は支部長室の隠し部屋に向かおうとすると、このタイミングで一番会いたくない奴に出会った。

 

【やあ、苗木誠君】

「先生は今忙しい」

『アポを取って出直してください』

 

 俸我が笑顔で手を振ってきたが、苗木が一瞬嫌そうな顔をすると、苗木の心情を察してくれた二人が苗木と俸我の間に立った。

 

【我は随分嫌われたようだな】

「いえ、生理的に受け付けないだけです」

【………】

 

 人が予定通りに動くのは楽しいが、人の予定に組み込まれるのは何となくいやだ。だから、明らかに苗木誠と言う旗印を欲しがっている俸我は、苗木に取ってゲーム中に起こるバグレベルで受け付けない。

 

【まあまあ、我等は今日の午後立ち去るのだ。少しぐらい話をしようではないか】

「今日の午後?」

【結局あの女が本物の支部長なのか影武者なのか、証拠がでなかったのでな】

 

 絶望の残党が去った今、いくら支部長とはいえ所詮他の支部の人間である彼等は、第13支部支部長の許可がない限り長期滞在は出来ないだろう。

 

【ところで……】

「?」

【………いや、何でもない】

 

 おそらく、苗木につけていた監視について尋ねようとしたのだろう。しかし逆蔵がその命令実行した証拠がない今、苗木が知らないと一言言えば、証拠もなく疑ったものとして叩かれるのは彼等だ。

 逆蔵と違い、こちらは考える頭があるようだ。

 

「お話は終わりですか?」

【…………余計な時間をとらせてしまったか?すまなかったな】

 

 苗木達は俸我と別れ、再び七海のいる部屋に向かおうとすると、今度は〝逆蔵〟に出会った。しかも殺気を隠そうともしない……。

 

「おい……俺の部下をどこにやった……」

「……何の話ですか?」

「惚けんな!てめぇの監視命じてた俺の部下が失踪してんだよ!てめぇ、何か知ってるだろ!」

「………監視?」

 

 苗木は訳が分からないというように首を傾げた。その態度が気にくわなかったのか、逆蔵は苗木の胸ぐらを掴み持ち上げる。

 

「あまり舐めた態度取ってんじゃねえぞ……!」

「それ、本当の話なんですか?ボクが嫌いだから、つけてもない監視をつけたと言って、勝手に行方不明扱いしてるだけじゃ……」

「てめぇ!」

 

 ゴッ!と、苗木の腹に逆蔵の拳がめり込む。

 朝食を食べる前だったから良かったが、食べていたら間違いなく戻していただろう。苗木はうぇぇと唾液を吐き出した。

 

「…………っチ」

 

 逆蔵は唾を吐き捨て去っていった。

 逆蔵の姿が見えなくなると、苗木は懐から取り出した痛み止めの針を自分の体に刺して起きあがる。

 

「先生、大丈夫ですか?」

「平気平気。それより希望ヶ峰さん。『今』の映像、うまく編集して第6支部の職員に送っといてよ」

『かしこまりました』

 

 希望ヶ峰の返事に、苗木は笑顔で彼女の頭を撫でてやると、再び七海のいる部屋に向かって歩き出した。

 

 

 

 

「恋愛ゲームもやるんだね」

「オールジャンルで行けるからね」

 

 苗木は七海の後ろで、七海がやっている恋愛ゲームを眺める。時折七海からどの選択肢がいいか聞かれるのでキチンと答えておいた。

 

「ゲームはいいよね。アイコンで会いたい人に会えるんだもん」

 

 はぁ、とため息を吐きながら〝平凡な男子〟を攻略しようとする七海。苗木の気のせいでなければ、七海がまず最初に攻略するキャラは平凡ながらヒロインと趣味の合うキャラからだ。誰を意識しているのだろう?いや、なんとなく解るが。

 

「………恋する乙女って、色んな意味でかわいいなぁ」

「ん?なんかいった?」

「何も?あ、その選択肢、『君は何にでもなれるよ』が良いと思います」

「うん。私もそう思ってた……あ、ごめん。ちょっとゲームにのめり込みすぎてた。用事があって来たんだよね?」

 

 ちょっとどころか、二時間はゲームに付き合わされたが………。

 

「確かここ、モノクマロボットがたまに攻めてくるんですよね?その残骸もらって良いですか?」

「良いけど、どうするの?」

「ロボットを作る」




 またしばらくなろうに戻ります
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