救えなかった苗木の逆行物語   作:超高校級の切望

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超高校級の不運が超高校級の殺人と超高校級の処刑と超高校級の絶望を引き寄せた理由⑥

「……苗木君」

 

 パソコンの画面の前にいた霧切だったが、苗木に気づいて顔を上げる。ここを出るとき隠し扉を閉めてしまったので、出来れば使いたいのだが。

 

「このパソコンには、あの人が残した『超高校級の絶望』についての情報が入ってたわ。超高校級の絶望って言葉は、個人ではなく、集団を指してる……一年前の《人類史上最大最悪の絶望的事件》を引き起こした連中……まあ、苗木君は一度ここに来てるんでしょ?なら当然知ってるわよね……」

「まあね……」

 

 どうやらお見通しのようだ。まあ、明らかに痕跡が残っているんだから当然か。

 

 《超高校級の絶望について》を手帳に記入しました。言弾メニューで確認できます。

 

「…………………」

 

 霧切はパソコンの前で数秒唸った後、懐から写真を取り出す。苗木が隠し部屋から持ってきた写真を………。

 

「……………本当に、今更………」

 

 霧切がパソコンにパスワードを入力すると、音を立て隠し扉が開く。苗木がチラリと画面を確認すると、霧切の名が打ち込まれていた。

 

「………おじゃましまーす」

 

 隠し部屋は苗木が来た時と変わりなく、苗木は机やタンスの引き出しを探る。あえてプレゼントボックスには触れないでおく。そして、『緊急用』と書かれた電子生徒手帳を見つけた。

 

「苗木君。あなたがここに来たのは、それが目的?」

「前に来た時は見つけてなかったからね」

「……そう……ところで………」

 

 霧切はチラリと〝プレゼントボックス〟を見つめる。勘のいい霧切の事だ、もう気づいているのだろう。だが、開ける勇気がなく、苗木に縋っていると言うところか………。

 

「開けるよ?」

「……好きにしたら良いんじゃない?」

 

 その言葉はまるで強がっているようで、苗木は頷くとプレゼントボックスを開ける。〝学園長〟と再び邂逅。また目があった。

 

「……これって」

「私の父よ、それ以外考えられない………それにしても、こんな乱雑に押し込むなんて趣味が悪いわね」

「………ごめんなさい」

「どうして苗木君が謝るの?気にしないで良いわ……」

 

 そりゃあ押し込んだのはボクだから、とは流石に言えず頬をかく苗木。

 霧切は無言で佇んでいた。家族を失う辛さは知っている。だから、なんと言葉をかけても気休めにならないことも理解している。しばらく一人にしてやろうと立ち去ろうとした時、苗木の袖を霧切が掴んだ。

 

「霧切さん?」

「………ごめんなさい………こんなの、卑怯だってわかってる。同じ、家族を失ったあなたに対して失礼なのも………でも、少しだけ側にいて………」

「…………うん」

 

 苗木は霧切の色素の薄い髪を撫でる。

 一瞬ビクリと身体を震わせた霧切だったが抵抗せず、苗木に撫でられた。

 

「ごめん、いやだった?」

「……いいえ。もう殆ど覚えていないけど、少しだけ父を思い出したわ」

 

 苗木も一応一児の父だったわけだが、子を持つと男は似るのだろうか?

 暫くすると霧切は苗木を押しのけた。その顔は赤い、恥ずかしいのだろう。

 

「……一人にしよっか?」

「……ええ、お願い」

 

 

 

 

 苗木は霧切と別れ寄宿舎二階の《ロッカールーム》に来ていた。

 念のため自分の電子生徒手帳を試してみたがやはり開かない。次に学園長の部屋にあった緊急用を使うと、今度は開いた。

 そこは整理整頓とはかけ離れた、葉隠の占い道具が詰まったロッカーだった。

 

「葉隠クンの一億水晶玉。懐かしい……」

 

 葉隠が買った歴代の水晶玉で、唯一本物の水晶だったもの。まあこれは置いといて……目的の〝ノート〟は……あった。乱雑に放置されている。

 ノートには『葉隠康比呂』と書かれており、中の筆跡を確認すると間違いなく彼の物だとわかった。

 

 《ロッカールームで見つけたノート》を手帳に記入しました。言弾メニューで確認できます。

 

 次に別のロッカーを開くと、そこには『手帳』が一つだけ入っていた。

 

『希望ヶ峰学園をシェルター化し、生徒達に共同生活を送らせる計画。私は、その計画について、発案者である人物に直接、話を聞くことにした。私の父である、希望ヶ峰学園長に……すると彼から次の回答を得ることが出来た。「天才達を保護し、未来への希望にする事が、この計画の目的なのだ。天災に勝てるのは天才だけ。そして、絶望に勝てるのは希望だけだ。この計画は、我が国にとって、最後の希望と言っても過言ではない…優秀な若者を汚れた世界から隔離し、未来への礎にしなければならないのだ。それこそが唯一の希望…その為に、お前にも協力してもらいたい」……それが父の言葉だった。相変わらず、自分勝手に物事を決めて…本当に最低な父親…』

「……〝霧切さんの手帳〟か……」

 

 苗木は手帳を閉じて持ち主を断定する。これも持って行こうとした時、瓦礫に足を取られ転んでしまう。その際手帳が床に落ち、拾おうとして固まる。

 たまたま開いたそのページには、殴り書きのような文字があった……。

 

『〝絶望〟が紛れ込んでいる…だから私達が生き残った…〝2人の絶望〟がいる』

「………霧切さん、一人で突き止めたんだ。……やっぱりすごいな……」

 

 《ロッカールームで見つけた手帳》を手帳に記入しました。言弾メニューで確認できます。

 

 苗木は一通り調べ終えると、最後に自分のロッカーを開ける。果たして何を入れていたか……中にはのっぺりとした『丸い板』があった。うろ覚えだが希望ヶ峰学園最初の最初の一年、外の世界の最後の一年の夏、近所で出店をやることにした父の知り合いの手伝いをした時にもらったものだ。好きな柄を描いて自分だけのお面を作る………聞こえは良いが、その目的は制作費を浮かせたいだけ。

 

『キーン、コーン…カーン、コーン』

「……ん?放送……?」

『えー、校内放送でーす。オマエラ、頑張ってる?捜査は、順調に進んでるかなー!?あのね。頑張るオマエラに、優しいボクから〝ヒント〟があるんだよ!うぷぷ……ヒントが欲しい人は急いで体育館まで来てくださーい!』

 

 明らかに怪しい。とてつもなく怪しい。

 が、ヒントである以上嘘の情報は渡してこないだろう。だとすると、真実でありながら攪乱できる情報、もしくは疑心暗鬼になるもの………。

 

「……ああ、『集合写真』か」

 

 それも、〝受け取る本人が撮影した写真〟。それなら自分以外の皆は元から組んでいたのでは?戦刃むくろはまだ、本当は黒幕と繋がっているのでは?と思うはずだ。

 

「………体育館か」

 

 苗木は体育館に向かって歩き始めた。




活動報告の超高校級、思いの外いろんな人が魅力的なキャラを投稿してくれている。
いろんな話がたくさん思いついて来た…。
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