fate/気づいたら切嗣   作:解読

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アルトリア(アイリ)ルートが優勢です

アンケートは”一人一回”ではなくて”一人一日一回”です


聖杯戦争のあんな事こんな事

「簡単に言うと、衛宮くんは”マスター”に選ばれたの。」

 

「さっきからマスター、マスターってなんなんだ?それ?」

 

「今から説明するから、慌てないの」

 

「お、おう」

 

「じゃ、続けるわよ。どちらかの手に聖痕があるでしょ?手の甲とか腕とか、個人差はあるけど三つの令呪が刻まれている筈。それがマスターとしての証よ。」

 

なるほどってことは

 

「これのことか」

 

「そ。それはサーヴァントを律する呪文でもあるから大切にね。令呪っていうんだけど、それがある限りはサーヴァントを従えていられるわ。」

 

令呪が”ある限り”従えていられる?

どういう事だ?

 

 

「?ある限りって、どういう事だよ。」

 

「令呪は絶対命令権なの。サーヴァントには自由意思があるって気づいていると思うけど、それをねじ曲げて絶対に言いつけを守らせる呪文がその刻印」

 

なるほど

これ(令呪)をあんな事やこんな事もできるって事か

まぁ、しないけど

 

「発動に呪文は必要なくて、貴方が令呪を使用するって思えば発動するから。ただし一回使う度に一つずつ減っていくから、使うのなら二回だけに留めなさい。でその令呪がなくなったら衛宮くんは殺されるだろうから、せいぜい注意して」

 

ん?

 

「俺が、殺される?」

 

「そうよ。マスターが他のマスターを倒すのが聖杯戦争の基本だから。そうして他の六人を倒したマスターには、望みを叶える聖杯が与えられるの」

 

「!?」

 

どういうことだ?

遠坂が何を言っているのか全く理解できない。

マスターがマスターを倒す、とか

倒していけば、最後には聖杯が手に入るとか・・・って聖杯って、そもそもあの聖杯か!?

 

「はあ、まだ解らない?ようするにね、貴方はあるゲームに巻き込まれたのよ。聖杯戦争っていう、七人のマスターの生存競争。他のマスターを一人残らず倒すまで終わらない、魔術師同士の殺し合いに」

 

遠坂はそれ(殺し合い)が何でもない事のように言い切った

 

「・・・・・・」

 

頭の中で、聞いたばかりの単語がぐるぐる回る。

 

マスターに選ばれた自分。

 

マスターだという遠坂。

 

サーヴァントという使い魔。

 

ーーーそれと

 

 

                     聖杯戦争(殺し合い)

 

 

「待て。なんだそれ、いきなり何言ってんだおまえ」

 

「気持ちはわかるけど、わたしは事実を口にするだけよ。・・・・・・それに貴方だって、心の底では理解してるんじゃない?一度ならず二度までもサーヴァントに殺されかけて、自分はもう逃げられない立場なんだって」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

それは。

確かに、俺はランサーとかいうヤツに殺されかけたけど。

 

「あ、違うわね。殺されかけたんじゃなくて殺されたんだっけ。よく生き返ったわね、衛宮くん」

 

わたしの口は事実を口にするだけ・・・か。

確かにその通りだ。

アイツは俺を殺し、俺は確かに殺された。

そこに何の言い訳も話し合いも通じず、俺は殺される(狩られる)だけの(その程度の)存在だったのだ。

・・・だから。

 

 

否定しようが、納得できなかろうが、他の連中が手を引いてくれるなんてことは起きない

 

 

「・・・・・・」

 

「納得した?ならもう少しだけ話をしてあげる。聖杯戦争というのが何であるのかわたしもよく知らない。ただ、何十年に一度、七人のマスターが選ばれ、マスターにはそれぞれサーヴァントが与えられるって事だけは確かよ。」

 

ちょっ、ここまで言っておいてよく知らないとはどういう事か

 

「わたしもマスターに選ばれた一人。だからサーヴァントと契約したし、貴方だって”セイバー”と契約した。サーヴァントは聖杯戦争を勝ち残るために聖杯が与えた使い魔と考えなさい。で、マスターであるわたしたちは自分のサーヴァントと協力して、他のマスターを始末していくわけね」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

何をすまし顔・・・否、少し笑みを口元にしながら言っちゃってくれてるのか?

おかげで、実感を得るには少し遠すぎる。

それでもひとつだけ、先ほどから疑問に思っていたことがある。

 

「ちょっと待ってくれ。遠坂はセイバーを使い魔だっていうけど、俺にはそう思えない。だって使い魔っていうのは猫とか鳥だろ。そりゃ人の幽霊を扱うヤツもいるっていうけど、セイバーはちゃんと体がある。それに、その・・・とても使い魔なんかに見えない」

 

ちらりとセイバーを盗み見る。

セイバーは俺たちの話を”タバコを吸いながら”黙って聞いていた。

その姿はまさに現代にいるおっさんだ。

・・・・・・タバコを吸っている?

 

「ちょっ、なにタバコ吸ってるんだよ!!」

 

「ん?吸っちゃいけなかったかい?話が長くなりそうだったからね一服させてもらっているよ」

 

「一言、言ってくれ」

 

「すまないね。話を続けて続けてくれるかい?」

 

そういってセイバーは、内ポケットから携帯灰皿を取り出してタバコを消す

なんなんだ、まったく

 

「使い魔ねーーーま、サーヴァントはその分野ではあるけど、位置づけは段違いよ。何しろそこにいる彼はね、使い魔としては”最強”とされるゴーストランナーなんだから」

 

「ゴーストランナー?じゃあその、やっぱり幽霊って事か?」

 

とうの昔に死んだ人間の霊

死した後もこの世に姿を残す、卓越した能力者の残留思念。

だが、それはおかしい。

幽霊は体を持たない。霊が傷つけられるのは霊だけだ。

だから、肉の体を持つ、人間である俺が、霊に直接殺されるなんてことはあり得ない。

 

「幽霊・・・似たようなものだけど、そんなモンと一緒にしたらセイバーに殺されるわよ。サーヴァントは受肉した”過去の英雄”精霊に近い人間以上の存在なんだから」

 

「はあ?受肉した過去の英雄?」

 

今さっきまで、タバコを吸っていたおっさんが?

さすがにそれは冗談がきつい

 

「そうよ。過去だろうが現代だろうが、とにかく死亡した伝説上の英雄をこう引っ張ってきてね、実体化させるのよ。」

 

遠坂さんや、そのジェスチャーはいかがなものか?

 

「ま、呼び出すまでがマスターの役割で、あとの実体化は聖杯がしてくれるんだけどね。魂をカタチにするなんてのは一介の魔術師には不可能だもの。」

 

「魂をカタチにってことは・・・・・・確か第三魔法だったか?」

 

たしか、”母さん”たちに教えてもらった事があった気がする

 

「へぇ~、そんなこと(第三魔法)は知ってるんだ。まぁいいや。・・・その不可能を可能にするには強力なアーティファクトの力におんぶしてもらうってわけ」

 

「・・・・・・ちょっと待て。過去の英雄って、ええ!?」

 

セイバーを見る

さっきは、混乱してたらしく冗談がきついとか言っときながら、このタバコを吸っているおっさんが英雄?

しかもまたタバコ吸ってるし!

 

「第三魔法うんぬんはなしにして、これは聖杯による現象と考えなさい。そうでなければ魂を再現して固定化するなんて出来る筈がない」

 

「・・・魂の再現って・・・じゃあその、サーヴァントは幽霊とは違うのか?」

 

「違うわ。人間であれ動物であれ機械であれ、偉大な功績を残すと輪廻の輪から外されて、一段階上に昇華するって話、聞いたことない?英霊っていうのはそういう連中よ。ようするに崇め奉られて、擬似的な神様になったモノたちなんでしょうね。」

 

え?このおっさんがカミサマ的なナニかなんですか?

信じたくない

 

「降霊術とか口寄せとか、そういう一般的な霊を扱う魔術は英霊(かれら)の力の一部を借り受けて奇蹟を起こすでしょ。けどこのサーヴァントっていうのは英霊本体を直接連れて来て使い魔にする。だから基本的には霊体として側にいるけど、必要とあらば実体化させて戦わせられるってワケ」

 

「む。その霊体と実体を使い分けられるって事か。・・・遠坂のサーヴァントは姿が見えないけど、今は霊体って事か?」

 

「そういう事。・・・いい、サーヴァントを倒せるのは同じ霊体であるサーヴァントだけ。そりゃあ相手が実体化していればこっちの攻撃も当たるから、うまくすれば倒せるかもしれない。けど、さーーヴァンはみんな化け物じみてるでしょ?だから怪物の相手は怪物に任せて、マスターは後方支援をするってのがセオリーね」

 

「む」

 

遠坂の説明は、なんか癪に障る。

怪物怪物って、他のサーヴァントはどうか知らないけど、セイバーにそんな形容はいささか違うのではないだろうか!

たとえば、おっさんとか、変なオジサンとか

 

「とにかくマスターになった人間は、召喚したサーヴァントを使って他のマスターを倒さなければならない。そのあたりは理解できた?」

 

「言葉の上でなら。けど納得なんて言ってないぞ。そもそもそんな悪趣味な事を誰が、何の為に始めたんだ。」

 

こんな事をやり始めた奴の事なんて理解したくないけどな

 

 

 




珍しくかなり長く書きました

読んでいただきありがとうございます
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