とある姉サイヤ人の日記 《本編完結》   作:丸焼きどらごん

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ドラゴンボール超14:ボロ雑巾が出来るまで

 空梨達の前にスーパー神龍を引き連れて現れた空龍たちであったが、それに至るまでにたどった道筋は少々複雑である。

 

 

 

 

 時間は少し遡る。

 

 

 

 

 ブルマによって自分たちが陥っている状況を把握した空龍、トランクスはまずドラゴンボールを集めることにした。ブロリーは飯を食ってから寝ていた。

 

 2人はブロリーを蹴とばしてからこの世界の幼いトランクスの協力も得てドラゴンボールを素早く集めると、神龍を呼び出し自分たちが元の世界に戻るための方法を問うた。が、神龍にも空龍たちを元の世界に戻すのは難しいらしく、結果は芳しくないものに終わる。

 収穫はブルマが考えた世界が捻じれてしまったという説に裏付けが取れた事であるが、しかしこのまま捻じれっぱなしだと両平行世界が滅ぶ可能性がある……という事実のおまけつきだったため、空龍たちの焦りは増した。

 

 そして次の手を考える段階になったのだが、そこに破壊神ビルス、付き人ウイス、そして第七宇宙の界王神であるシンが訪問してきたのだ。

 

 なんでも界王神が悟空に伝えたいことがあったそうなのだが、当の悟空たちは不在で居たのは見知らぬ人間。ブルマの説明により、界王神その人はこの3人と悟空たちが陥っている現状に絶句する結果になった。これはビルスとウイスも同様であり、奇妙な事象に対して平行世界から来た3人とブルマ、神を交えた情報交換が行われたのである。

 

 情報交換の前段階で捻じれの中心となっている空龍、トランクス、ブロリーを破壊してしまう事を考えたビルスであるが、それはウイスに「早計である」と止められた。自身の正体と破壊をちらつかせ早々に突っかかって来たブロリーを容易にねじ伏せた事で盛大に空龍とトランクスをビビらせていたビルスも、途中まで本気で破壊するつもりであったがそれについては理由を聞いて納得している。何故ならば捻じれは”2か所”。破壊するならするで平行世界に行ってしまった悟空たち3人も同時に片付けなければ何が起こるか分からない、というのがウイスの見解だ。

 破壊されるかもしれないという事態にハラハラしていた空龍は「驚かせないでください」と抗議したが、それに対してウイスからは「ですが、これくらい驚かせないとあなた方に時間の移動についての深刻さを理解していただけないかと思いまして」と、ほがらかな笑顔で苦言を頂戴してしまった。時間移動が罪である事など知らなかった空龍とトランクスにしてみれば、たしかに世界の捻じれ以前に神罰をくらう原因となりうることを知って改めて時間移動の重要性を認識できたのもまた事実。

 2人は破壊されないだけましであったと、大人しく残りの苦情を飲み込んだ。

 

 

 そして結果として、早々に事態を終息させるために空龍たちの未来世界にあるスーパードラゴンボールを使うことが決定した。何故かと言えば現代にあるスーパードラゴンボールは、平行世界の現代同様に第六宇宙との試合で景品として使用されたため現在使用不可能であるからだ。時間の移動に頼る事にビルスは眉をひそめたが、現状取れる手段が少ない故の苦肉の策である。

 もし未来へ戻った先が自分たちの世界ではなく、悟空ブラックという敵が出現した平行世界の未来だったら……という懸念は、幸い神龍に願った質問の返答内で答えを得ている。空龍たちがタイムマシンを使い未来へ戻れば、そこは彼らの世界。そのため敵の襲撃を心配することなく、現代のブルマから借りたスーパードラゴンボールレーダーでスーパードラゴンボールを集められるというわけだ。

 第六宇宙への探索については、ブウの件で親交のある自分たちの世界の界王神を頼ろうという事になった。

 

 そしてさっそく未来へ赴こうとしたのだが、そこでトランクスが界王神が悟空に伝えたかったことの内容について質問をした。もしやこちらの世界の未来の自分を困らせている、悟空ブラックとやらの正体について見当がついたのかと推測したのだ。そして話された内容だったが、それは聞き捨てならない内容だった。

 

 

 

 

 賢者ズノーのもとに、悟空ブラックと同じ気を持つとされる神……ザマスが現れ、スーパードラゴンボールと悟空について質問をしたというのだ。

 

 

 

 

 スーパードラゴンボール。

 この神の宝玉の使用が前提となれば、たいていの疑問は無意味なものとなる。文字通り望む願いを「何でも」叶えてしまうからだ。

 それも通常のドラゴンボールと同じく、1年という短いスパンで使用可能というとんでもない代物である。

 

 そのため以前現代へと現れた悟空ブラックが「時の指輪」という時空を行き来できる界王神の秘宝を所有していたことから、ブラックの正体はスーパードラゴンボールを使い悟空の姿を手に入れたザマスではないか、という推測に至った。何故未来世界を襲撃したのかという疑問は残るが、それでブラックとザマスの気が似ていることへの説明もつく。

 そうなると界王神しか使えない時の指輪をブラックが有していたことから、遠くない未来に現第10宇宙界王神ゴワスの身に危機が訪れるのでは……と、ここまでが今ある情報からウイスとブルマが導き出した答えだ。「界王神見習いが界王神になるには、先代を殺して成り代わるのが手っ取り早いということですか」と納得したトランクスであったが、口に出してみて悪寒が走った。……自分の師を殺してまで未来世界を襲撃した理由とは何なのだ、と。

 

 今のところ悟空ブラックとやらの脅威は自分たちの未来には訪れていないが、今思えば伯母である空梨が「何か異変があったらすぐに来い」と念を押していたのはこの事態を予知しての事ではなかったのか。空龍も同じくその予想に至ったらしく「スーパードラゴンボールの前に、僕たちの未来の脅威にもなりえるブラックの原点を突き止めないといけないね」と真剣な表情でトランクスに同意を求めた。トランクスとしても自分たちの世界のことはもちろんだが、この平行世界の自分を襲った悲劇を思えば何かしたいと考えていた所である。

 パラレルワールドとして分岐してしまった過去と未来故、現代の方でブラックになる可能性を秘めたザマスをどうにかしても未来は変わらないだろう。しかし自分たちと入れ替わる形で平行世界の過去へ飛ばされた、この世界の自分に代わってスーパードラゴンボールを使用する前に何か出来る事をしたかったのだ。

 ……あの過酷な未来を、たった一人で戦ってきた戦士のために。

 

 

 そういうわけでトランクスと空龍は第10宇宙へもう一度ザマスの様子を見に行くと言ったビルスとウイスに、不在の悟空たちに代わって同行させてくれないかと申し出た。

 最初は断られたが、そこは母親に似てしつこさではなかなか右に出るものが居ない空龍である。…………下手に下手に出ながらも、頷いてくれるまで絶対にビルスを逃がすまいとするそのしつこさといったら神を辟易させるレベルだった。しかも下手に出た以上に上手い事煽てて相手をいい気分にさせ、終いには了承させてしまうあたりしたたかだ。

 トランクスとしては過去に行って以来、生い立ち故に人見知りの気質が強く他者との交流を好まなかった空龍が社交的になるのは大変喜ばしい事ではある。が、その結果新たに発揮した才能については少々複雑な心境だ。……世渡り上手になるのは頼もしいが、どんな無茶を言い出しても最終的にはその押しの強さに丸め込まれてしまうのだから、その処世術が自分に発揮された時が恐ろしい。頼れる従兄弟は意外と我儘なのだ。

 

 ともあれ、今回の場合はその謙虚を装った押しの強さの勝利である。

 同行を許されたのは一人までだったので、効率のためトランクスは別行動で未来に戻りスーパードラゴンボールを集める手筈となった。しかし頼もしい従兄弟ならどうにかしてくれるだろう。そう思って、トランクスは一人タイムマシンで未来へ戻った。

 ……後に、彼はこの時「どうせ邪魔なだけだしブロリーは置いていくか。しばらくは飯食って寝てるだけだし心配ないだろう」と判断した自分の甘さをつくづく後悔する羽目となる。ブロリーを置いていくと言った時、絶望したような表情の幼い自分に「頑張れ」と笑顔で押し付けてきたバチが当たったのだろうかと真剣に考えた。

 

 

 

 

 しかしタイムマシンはあってもそんな些細な過去には帰れない。世は無情である。

 

 

 

 未来から戻ったトランクスは、奇しくも後に彼の伯母が口にしたのと同じ疑問をブロリーに投げかけた。

 

 

 

「その緑色のボロ雑巾はどうしたんだ!」

 

 

 

 

 

 

 

++++++++++++++++++++

 

 

 

 

 

 

 

「え、え~と……。トランクス、いつもお疲れ様。ほんっとうにお疲れ様。で、ボロ雑巾になった方の経緯は? ビルス様にくっついていったのは空龍だけだったんじゃないの?」

 

 トランクスが訥々と虚ろな目で語った原作世界の過去での出来事を黙って聞いていたが、場の空気に耐えかねて話を端折るべく質問した。場の空気が今どんなかって、平行世界の未来で別の苦労に浸されてる自分を見たトランクスと平行世界の自分が今度はボロ雑巾にされて連れてこられたのを見たザマスさんが発する哀愁が辛い。いたたまれない。とりあえず平行世界の悟空、「おめぇ本当にブロリーか!? ははっ、ずいぶん雰囲気変わったんだなぁ。オラ達の世界のブロリーとは大違いだぞ」と気さくに話しかけるのやめろよ。好奇心の塊か。全王様の相手は弟悟空がしてるとはいえ、お前がこっち来たから全王様の興味も一緒にこっちに向いちゃっただろうが! あの純粋なんだか何考えてるんだか分からない目で見られてるこっちの身にもなってみろ。最早全員の精神力ゲージ真っ赤なんだよぉぉ!!

 とりあえず悟空に話しかけられて一気にピキピキ来てたブロリーののど元をラリアットで抉りながら遠ざけた空龍はナイス。こっちも悟飯ちゃんとラディッツが二人がかりで悟空をブロリーから遠ざけていた。「お父さんのそういうところは本当に尊敬しますけど、場の空気とか状況ってものをもう少し読めるようになりましょうか」と笑顔で諭していた悟飯ちゃんが怖かったんだけど。目が笑ってない。ベジータにも本気説教くらってるし、悟空としては散々だろうな。まあ自業自得だけども。

 

 ちなみにジュニアとボロ雑巾だがジュニアがブロリーの頭にくっついた状態でボロ雑巾を掴んでいたため、ラリアットを食らったブロリーがキレて空龍と戦い始めたもんだから戦闘の衝撃でボロ雑巾はぐったりしたままストラップのようにぶらぶらと揺れている。ふと「ああ、私もベジータにボコられてストラップになってた時期があったな」と懐かしさに逃避した私は多分悪くない。ジュニアが笑顔でご満悦なもんだから余計に絵面がシュールで、もう何がなんやら。…………………………うん。

 

 

 

 よし、無視しよう。

 

 

 

「ごめん。それで? 続きを話してもらってもいいかな」

「は、はい。いやでも、先にあれを止めてきます。皆さんにご迷惑でしょうから」

「いや、いいよ。本気で邪魔だったら人数余ってるしこっちが対処するから。トランクスはとりあえず体だけでも休めな?」

「ですが……」

 

 遠慮がちに言いよどむトランクスであるが、その彼に声をかけたのは意外にもトランクスとザマスさんだった。さっきまで放心してたけど、彼らも色々気になっていたのだろう。

 

「あ、あの。もう一人の俺? ええと……なんて呼べばいいか分からないけど、俺も話の続きを聞きたい」

「私もだ」

「! ザマス!?」

「もう一人の俺、このザマスさんは大丈夫なんだ」

 

 …………あれだな。「めんどくせぇ!」と叫びたくなってる私は悪くないよな。今この場に同一存在が居るのは悟空、ベジータ、トランクス、ザマスさんの4人。つまり「もう一人のオラ」「もう一人の俺」「もう一人の俺」(二回目)「もう一人の私」が存在するってわけか。もう一人のボクどころじゃねぇな! AIBOもびっくりの多さだよ!!

 

「あ、そういえばトランクス。スーパー神龍がまだ留まってるけど願いはどんなふうに頼んだの?」

「ああ、それでしたら「俺たちと入れ替わりに平行世界へ行ってしまったトランクス、孫悟空、ベジータの存在する場所へ時空を繋げてほしい」と願いました。時間は「もういい」というまで可能な限りとお願いしたので、急ぐ必要はありませんよ」

 

 空に留まりじっと地上を見下ろすスーパー神龍さんは待機と。……あんなのを堂々と待たせているあたり、トランクスも逞しくなったものだ。ちなみにスーパー神龍であるが、心なしか全王様にじっと見つめられて脂汗をかいてるように見えるのは気のせいだろうか。

 

 ま、まあいいや。無視だ無視。自分で聞いて置いてなんだけど全部に突っ込んでたら話が進まん。

 

 

 

 

 そう思って気を取り直してトランクスに話の続きを促したけど、これはこれで聞いていて頭の痛くなる話だった。

 

 

 

 

 なんでも第十宇宙へ行くとき、移動する直前でブロリーが界王神様をとっ捕まえて「俺も連れて行ってもらおうか」とか言ってついてきてしまったらしい。それを移動途中の空間で蹴落とそうとしたビルス様であったが、ブロリーが界王神様の首元をあのぶっとい筋肉モリモリの腕でホールドしていたもんだから下手に手を出せなかったようだ。ブロリー的にはちょっとした人質……いや神質? のつもりだったんだろうが、捕まえていたのはビルス様の対となる界王神様。奴は偶然にも手を出させないためには最高の相手を盾にとったのである。これが見た目の細さに騙されてウイスさんに手を出していた場合瞬殺だったろうに……運のいい奴である。

 何故ブロリーがそんな行動をとったかといえば、その理由はしょうもない。

 表向きは「なぁに、俺も戦いの天才とやらに興味があったのさ」などと言っていたらしいが、ふたを開けてみたらどっこい。ジュニアを絶対に帰ってこられない場所に放置するためだったようだ。それまでどんな場所に捨てようと、空を飛んで意地でもブロリーのもとに帰って来たらしい健気なジュニアに対して悪魔のような親である。

 そのため第10宇宙に着くなり「気が変わった」とか言って界王神様をホールドしたまま姿を消したブロリーは、ジュニアをひっぺがしてすぐに第七宇宙へ戻れと界王神様に要求したらしい。…………向こうの世界の界王神様かわいそうだな……。

 

 ビルス様が当然そんな勝手な行動を許すはずが無かったのだが、ウイス様が「あの方は血気盛んなようですが殺気はありませんでしたし、大丈夫じゃありませんか? 気になるのなら私が意識を向けておきますよ」と言い、空龍もそれに便乗して「あの馬鹿に付き合ってたらきりが無いですよ。便利に使いこそすれ本当に界王神様をどうこうしようって気は無いと思いますし、今はこちらの用事を済ませてしまいましょう。界王神ゴワス様が心配です」と提案したので先にザマスの案件を片付けることにしたようだ。

 この時は空龍はブロリーのいつもの気まぐれだと思っていたらしく油断していたらしい。そりゃあ、まさかジュニアを第10宇宙に押し付けるために神にくっついて別宇宙までやってくるとは思わないよな。想像の範疇を超えていたんだろう。

 ブロリー……凶暴さが多少なりをひそめた分、別の意味で面倒くさくなったな。なんて図々しい奴なんだ。

 

 とにかくブロリーの行動は無視して当初の目的であるザマスの様子を窺いに行ったビルス様。そして2度目に会った結果……限りなく濃厚な黒と判断したらしい。なんでも破壊神であるビルス様は殺気の類に特に敏感らしく、ザマスが秘めた殺意を見抜いたようだ。そしていったん帰ったふりをしてザマスがゴワス様を殺害する場面をしっかり確認した後、ウイス様の「やり直し」で時間を戻してザマスがゴワス様を害する前に止めに入った、と。

 自分の思惑を知られたザマスは、それでもあきらめず抵抗しようとした。しかしビルス様に敵うはずもなく、あえなく破壊される……はずだった。

 

 

 

 

 しかしここで双方にとってのイレギュラーが乱入してきた。

 

 ジュニアである。

 

 

 

 

 父に置いていかれ、空を飛びながら「パぁパー! ぱぁぱァァァーーーー!!!!」とギャン泣きしていたジュニア。そんな彼がザマスを発見したのだ。 

 

 ジュニアは緑が好きである。それは父がスーパーサイヤ人になった際の髪の色であり、彼はそのふさふさの頭髪に顔をうずめてくっついているのが大好きだったからだ。

 

 心細さが最高潮に達したジュニアは、心の安定を保つために手近なところにあった緑色のものに縋りついた。それがザマスだったというね……。

 これに慌てたのは空龍で、今まさにザマスを破壊しようとしていたビルスに対して必死になって待ったをかけた。このままではザマスにくっついているジュニアごと破壊されてしまう、と。

 ビルス様としては知ったことではないが「お願いします待ってください! 代わりに僕が責任をもってこの緑のをはっ倒しますから!!」と言った空龍がザマスに攻撃を仕掛け始めたので破壊するタイミングを失ってしまったのだ。どさくさにまぎれて神の仕事を邪魔する当たり空龍も図太……逞しくなったもんだ。出会った当初のちょっと病んで儚げだったあの子は何処行ったし。

 

 そして始まったザマスVS空龍。結果? 一切舐めプ無しで意識刈り取りに行った空龍の勝利だったそうだ。ビルス様の出現、自身の計画の露呈、突然の赤ん坊の襲撃。様々な要因でもって混乱していたザマスに対して、空龍は遠慮なく付け込んで速攻で勝負をつけたんだとか。ジュニアの安全のためってのもあったんだろうけどね。

 

 でもって気絶させたはいいが、ここでも問題になってくるのがジュニアである。父親が居なくて心細いジュニアは、まるでお気に入りのぬいぐるみかのようにザマスをひしとつかんで離さなかったのだ。

 とりあえずジュニアを引きはがすため、いったんザマスを持ち帰ることになった。そして帰った途端父親を発見して泣きながらブロリーに突進していったジュニアであるが……ここで意識を取り戻したザマスとブロリーで第二戦が勃発。結果? 「せっかく捨ててきたというのにコイツを連れてきたのはお前かぁ!!」という八つ当たり、理不尽極まりない理由でキレたブロリーの圧勝だってさ。

 ……うん、そっちのザマス……お前まだ不死身でも何でもなかったもんな……。回復能力も無いのに空龍に不意打ちされてボロボロな体で伝説のスーパーサイヤ人ブロリー相手とかなんて罰ゲームだよって感じだよな……。同情するような相手ではないけど、流石にちょっと不憫だわ。つーかブロリーお前さ、悪魔みたいな駄目親であるお前を慕ってくれるジュニアをいい加減受け入れてやれよ。あの子本当にお前の事大好きだぞ。前に過去に来た時もパラガスにそこそこ懐きながら、ブロリーからは絶対に離れたがらなかったじゃないか。

 

 

 で、ボロ雑巾になったザマスを再度ひっつかんでブロリーの頭にくっつきご満悦のジュニア。面倒くさくなったビルス様は「それをくれてやるから、お前らもうさっさと元の世界へ帰れ」とおざなりにザマスを丸投げしたようだ。ま、まあ結果的にゴワス様から離すことが出来れば時の指輪も手に入れられないしな……。

 いやでも、元気になったらまたやらかすんじゃ? そう思ったのは空龍と、スーパードラゴンボールを集めて戻って来たトランクス(未来の界王神様も一緒だったとはいえ、集めるのほぼ一人だったのに素早い仕事っぷりに感動する)も同じようでうんうんと頭を悩ませた。そして悩んだ結果このボロ雑巾をどうするかは、今までブラックというザマスの未来の可能性と戦ってきた平行世界のトランクス達に委ねようということになったんだって。オブラートに包んではいるけどこれはこれで丸投げだよね。

 

 そして過去のブルマ、トランクス、ビルス様、ウイス様に見送られて、自分たちの未来に戻った彼らは集めたスーパードラゴンボールを使って時空を繋ぎこちらに合流し現在に至る、と。

 

 

 

 私はふっと息を吐き出すと、平行世界組のトランクス、悟空、ベジータ。そしてある意味当人であるザマスさんを順番に見て問う。

 

 

 

 

 

「これどうする?」

 

 

 

 

 

 全員から目をそらされたので、とりあえずストラップボロ雑巾に理不尽パンチを追加で叩き込むことで留飲を下げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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