神精樹の実。それは神にのみ食すことを許された、星喰らいの禁忌の果実の名である。
その種が一度星に根付くと、神精樹は大地からあらゆる生命力を奪いつくし、それを糧に実をつけるのだ。その実を食したものは星そのものの生命力と一体化し、凄まじい力を得るという。
少し前、破壊神ビルスの星で弟たちと共に嫌々ながら修行をしていたハーベスト……孫空梨は、手土産であるフルーツ盛りにかじりつくビルスを見て、ふと神精樹の事を思い出し質問をしたことがある。
「神精樹の実? ああ、そういえばそんな物もあったねぇ。ずいぶん懐かしい名を出してくれる」
「あれって、やっぱりビルス様の食べ物だったりします?」
「やっぱりってなんだ! 言っておくが僕はあんなドーピングまがいの実を使って破壊神になったんじゃないからな!」
空梨の言葉に一応ウイスという師の下でちゃんと修行をして強くなったビルス、は聞き捨てならないとばかりに唾を飛ばして声を荒げる。その怒声に遠くで組み手をしていた悟空とベジータが一瞬視線をむけたが、「どうせ姉が余計なことを言ってビルスを怒らせたのだろう」と見当をつけたのかすぐに組み手を再開していた。
「す、すみませんすみません! 別にビルス様がずるしたとか疑ってるわけじゃなくて! ただ神様の中であれってどういった位置づけなのかな~って気になったんですよ! あれって神様だけが食べていいやつなんでしょ? ほら、味とかすっごく美味しそうじゃないですか。気になりますよ」
「ふんっ、ならいいが。……それにしても、君って食い意地が張ってるよね」
「え、ビルス様にだけは言われたくない」
「何か言ったか?」
ついこぼれ出た本音だったが、空梨はすぐに余計なことを言う口をふさいで勢いよく首を横に振った。それをジト目で見ていたビルスだったが、瑞々しいリンゴにかじりつきつつ過去に思いをはせる。はて、神精樹の実を食べたのは何千年前だったか。何万年前だったか。時期は思い出せないが、味はそれでも覚えている。
「……ま、物は試しと食ったことはあるが、あんまり美味いもんでもないね。このリンゴのほうがよほど美味い」
「食べたことはあるんだ……」
「ものは試しと言っただろうが! そもそも献上品だ。……あと僕くらいになると、あの程度食べたくらいじゃパワーアップなんて微々たるものさ。星一個分食べたとしてもせいぜい目の疲れとか肩凝りがとれて、ちょっと元気になったくらいにしか感じないだろうよ」
「栄養ドリンクレベル!?」
星をまるまる枯れさせてまで実った果実の破壊神にとっての価値に、思わずのけぞる空梨。それと同時にこれ以上過酷な修行に付き合わされるなら、今も宇宙のどこかでイキっているかもしれない未だ見ぬ某同族から神精樹の実(収穫済)をパクろうと考えた計画も白紙に戻した。ビルスまでとはいかなくとも、今聞いた感じではすでに結構なレベルまで到達したはずの自分たちも、おそらく今更神精樹の実程度では大して強くはならないだろう。
(いや、まあそれ以前に、星まるまる滅ぼして出来る果実とか呪われた副作用ありそうで食べたくないけど)
知らないうちに思い出しついでに大事な実を強奪される危機と、失礼な理由でそれが回避された某同族はこの時くしゃみをしていたとかしていなかったとか。
「ホホっ、貴女の持つ知識の中にはそんなものまであるのですか。……そうですねぇ、言わばあれは力なき神に残された最終手段、とでもいいましょうか」
「最終手段、ですか。」
空梨とビルスのやり取りを面白そうに聞いていた天使ウイスは、熟されたメロンを優雅にスプーンですくいあげつつ会話に参加する。
「神といっても、戦いに関しては得手不得手がありますからね。神精樹の実は戦いを不得手とする神がかつて生み出したものです。自分の星に危機が訪れているのに、力不足でどうすることもできない……そんな時、守護する星から力を借りる手段として用いられたのが、神精樹の実というわけでして。代償として一度星は枯れ果て死にますが、神精樹の実で力を得たのがその星の神であれば、危機を乗り越えた後に再びエネルギーは還元されその星は再生します」
「へぇ~……。ああ、なるほど。それじゃあ確かに、神様以外食べたらだめだわ。正しい者が食べないと、再生することなく星はただ死ぬだけってことですね?」
「そういうことです」
「でもそれだと、ビルス様が実を食べた分の星は滅びちゃったんですか? 神様は神様でも、本来その星の神様しか食べちゃいけない感じですよね」
「いいえ? 神精樹の実は複数実りますからね。ビルス様は実の味を気に入らなかったようなので、食べたのはひとつだけ。その星に関しては、再生後にちょこ~っと不毛の砂漠が残ったくらいです」
「神精樹の実……美味しくなくてよかったですね」
そんな会話があった後、今更来ても神精樹の実を使ってパワーアップした程度の相手なら、自分が動くまでもなく誰かがすぐに倒すし神精樹もドラゴンボールでどうにかなるだろ! ……そういった安易な考えのもと、いまだ遭遇していない劇場版ドラゴンボールに出てきたサイヤ人の生き残りを放置した孫空梨ことハーベスト。
時は流れて現在。その煽りを、実の弟がもろにくらっていた。
+++++++++++
「孫悟空たちは、今! 何処にいるのだ!!」
「あ、あなたは誰ですか!? 申し訳ありませんが、今ちょっといそがし……もしもし! もしもーし!?」
時は戻って現在。神精樹を大地に根付かせ、子供ができた報告のため幸せいっぱいに地球を来訪しようとしていた青年を捕らえてボコボコにした悪のサイヤ人ターレス率いるクラッシャー軍団。彼らと神精樹がもたらしている被害の対策のため、ガーリックJrは戦士たちの実家に用意されていた『申し訳ございませんが、ただいま宇宙対抗文化祭『英知の大会』に出かけております。二時間ほど戻りません。ご用件の方は、天界、神の神殿まで』という張り紙に従って天界、神の宮殿を訪れていた。
しかし訪れてみたものの、現在の神……ナメック星人のデンデは何やら取り込み中の様子。現在手のひら大の丸い物体に、必死に話しかけていた。
それを見て「電話中か……失礼なことをしてしまった」と、一瞬だけここ十数年で培われた社会人としての感覚で引き下がってしまったガーリックJr。が、すぐはっと我に返って再びデンデに向かってまくしたてた。忙しい男である。
「私はガーリックグループ総帥ガーリックじゅに……ではないわぁ!! 今この肩書を名乗ってどうする!! 私はかつての神候補、ガーリックの息子であり生まれ変わりのガーリックJr! つまりある意味きさ……ごほんっ、あなたの先輩のようなものだ!」
「え、先輩?」
「神様。それ、ちょっと違う」
とっさのことに根が純真であるデンデはガーリックJrの無理がある自己紹介を信じかけたが、その横に控えていたミスターポポから冷静なつっこみがはいる。ガーリックJrは「ミスターポポ!? ま、まだ生きて……!?」と、かつてガーリックだったころにわずかにまみえた記憶を思い出し少々おののいた。しかし自分は結局何も悪いことはしていないし(できなかったし)これまで真面目に働いて生きてきたのだから何も後ろめたいことはないと思いなおし、要件を言うことに集中した。
「ま、まあとにかくだ! かつては神を志した者として、地球の異変に気付いてな。どうにか出来そうな者たちの自宅を訪ねたはいいが、留守だったため張り紙に従ってこちらを訪れた次第だ。通話中に悪いが、現状はどうなっている?」
「どうにか出来そうな者……悟空さんたちのことですね。実はさっきから連絡をとろうとしているんですが、繋がらなくて」
困り果てたような表情でデンデが示すのは、先ほどから手に持っていた丸い物体。どうやらガーリックJrの見立て通り通信機器だったようだ。
しかし繋がらないとは聞き捨てならない。それではここに来た意味が無いではないか。
「そ、そもそも文化祭とはなんなんだ! 孫悟空一家もベジータ一家もクリリン一家も亀仙人も天津飯一家もヤムチャもピッコロも魔人ブウもギニュー達もそろって何処かへ消えよってからに!!」
「あ、本当にみなさんのことよく知ってるんですね。おかしいなぁ、あなたのこと誰からも聞いたこと無いんですけど……」
「い、一方的に知っているだけだから気にするな。それより、今はそんな場合ではないだろう。もう気付いているだろうが、このままだと地球はエネルギーを吸い尽くされて死んでしまうぞ」
「! そ、そうでした。一応世界各地であの奇妙な樹の根に対抗してくれている方たちが居るので、まだなんとかなってはいますが……本体を叩かなければ、いずれ地球の力は奪いつくされてしまう」
「! なんだ、分かっているじゃないか。それに、戦える奴がまだ残っているんだな!?」
「ええ。ですが連絡をとって本体の対策に動いてもらおうにも、根の対処で思うように動けないようで……それにあまり面識のない方も居て……」
初対面のガーリックJrについつい内心を話してしまう程度には、思うように対策をとれずこの神様は随分と思い悩んでいる様子だ。そんな現・神の様子に仕方がないという思いと、その不甲斐なさにいら立つ身勝手な感情がガーリックJrの中で混在しはじめる。かつて自分が目指した神という頂にいながら、なんと情けないザマだ、と。
(いや、それは私も同じか)
文字通り神にすがりに来た分際で、何を思いあがった事を考えているのか。しかも焦っておきながらも「どうせ最後はドラゴンボールでどうにかなる」と考えているあたり、自分も十分に情けない。
しかし、目の前の彼はやはり"神"だった。
「こうなったら僕が直接出向いてあの樹をどうにか……!」
「!? 何を馬鹿なことを! あなたは確かに神として優れた力を持っているだろうが、それは戦いのセンスでないことは明白だ。あの樹には得体のしれない不気味さがある。近づいて無事でいられる保証が、どこにある? それにあなたが死んだらドラゴンボールが使えなくなるだろう。二時間……だったか? それだけの間、待てばいいだけではないか。そうすれば孫悟空らがなんとかするだろう」
「地球が傷つけられるのを見過ごしながら……ですか? 地球や僕たちは、僕は。いつも悟空さんたちに助けられてきた。たった二時間。確かにそうでしょう。でもたった二時間も地球を守れなくて、どうして神が名乗れましょうか。僕は……悔しい……!」
「…………!」
「どうにかする手段がないからと言って、見過ごしたくはない。……ああ、でもこれは単なる僕のわがままですね」
ガーリックJrは知るべくもないが、デンデは以前ナメック星のドラゴンボールと地球人や地球そのものからあつめた元気玉で一時的にスーパーナメック星人となった経験がある。その時に自身が守るべき星とその星に住む生命たちの息吹を身に宿し深く感じ、そのあとからデンデは一層神としての自覚を強く持つようになっていた。
その彼にとって、現状はとても辛い。
『すぐ戻るからよ、地球をよろしくな! デンデ!』
『はい! 任せてください!』
『でも本当に来なくていいの?』
『ええ、僕は地球の神ですから。皆さんは他の宇宙との交流戦、楽しんできてください。お土産話を楽しみにしています』
そう言って送り出したのに、結局自分ではどうにもできない。連絡がつかないといって、嘆くしかない。
最良はこのガーリックJrという男が言うように二時間後を待ち悟空たちになんとかしてもらい、ドラゴンボールで地球の傷を癒す事だろう。死者の数によってはナメック星のドラゴンボールも頼る必要がある。
しかし自分はそれだけでよいのだろうか。ドラゴンボールを消さないように生き延びることだけが仕事で、それは神といえるだろうか? デンデは自問自答する。しかも場合によっては、自身の力で生み出したドラゴンボールだけでなく故郷も頼らなくてはいけない。……自分が地球を守れないばっかりに。
そんな思い悩むデンデの肩を、何者かの力強い手がつかんだ。……ガーリックJrだ。
「悩むな! ドラゴンボールは素晴らしい力だ。地球の歴代の神の誰も、あんなものを生み出せなかった。悔しくはあるが、お前と先代の神はまさしく"神"にふさわしい。間違っても凄いのはドラゴンボールで、自分ではないなどと言うなよ? 私もまた、叶いこそしなかったがドラゴンボールに夢を魅せられた者の一人なのだから。その創造主にこんな自信を無くされてしまっては、色々と立つ瀬がない」
「ガーリックJrさん……」
「私が行く」
「え?」
「かつて神を目指した者として、私があなたの代行者としてあの樹をなんとかしてみせよう」
「! ほ、本当ですか!?」
「ククク……。なぁに、私はこれでもちょっとした必殺技をもっていてね。今までぬるま湯につかりすぎていてなまってはいるが、あんな樹程度その技で吸い込んでやるさ。このガーリックJrが、あのような不届き極まるゴミを掃除してくれよう」
夢(野望)破れ、穏やかな生活を送り性格も丸くなったガーリックJr。そんな彼がかつて目指した神という地位にいながらも、己よりずっと強い者がいると知りつつ、腐らず頼り切らず……神としての自負を持つデンデに感化されたことは別段おかしいことではない。長年経営者として人の上に立ってきたこともあり、思い悩む若者を励ましてちょっぴり先輩風をふかせたかった、というのもある。
しかし傍からこれを見ていた者がいればこう言うだろう。
『安請け合いしよって馬鹿め』
肩で風を切りながら帰還したガーリックJrにドクターウィローが発した一言である。
「…………すまないが、もう一度聞いてもいいか?」
『何度でも言ってやろう。いいか? 問題はあの樹だけではない。あの樹を植えたであろう張本人どもが、樹の本体周辺にたむろしている。ちなみに部下らしき連中の平均的な戦闘力は六十万前後。リーダーらしき男に関してはわしが作ったスカウターは爆発した』
六十万。今や孫悟空たちにとってはなんの脅威でもない数値だろう。鼻くそをほじりながらだって勝てるかもしれない。ドクターウィロー謹製スカウターが爆発したからと言って、せいぜいそれに毛が生えた程度でしかないはず。きっとそうだ。彼の技術でグレードアップしたスカウターはだいぶ計れる数値の上限が上がっていた気がするが、そうに違いない。
ちなみにガーリックJrの現在の戦闘力はスカウターにも優しい二千四百だ。余談だが、これはパオズ山で生まれたサイバイマン兄弟の初期値とおそろいだったりする。
世界中の支店視察に迅速に向かうために、地球を数時間かけてなら一周する程度の舞空術を習得したガーリックJr。これは日々のジム通いと、高速舞空術を習得する過程で上がった戦闘力なのだ。
「私はなにをぉぉぉぉぉぉぉーーーーーー!!」
ガーリックJrは頭を抱えながら、自らの行動をさっそく後悔していた。ドラゴンボールは神が生きていないと使えないと知らず神を殺そうとしていたかつての詰めの甘さは、どうやら健在だったようである。
そして後悔するには、ちょっとばかり遅かった。
「あん? 誰だお前」
「クックック。この星のやつか? ちょうどいい。退屈していたところだ。遊んでやろう」
「ンダ」
ちなみにガーリックJrは神の神殿から直接樹の本体のもとまでやって来ていたので、先ほどのウィローとのやりとりは全部通信である。通信機越しに現在のガーリックJrのいる場所に気付いたドクターウィローは、無言で心の中で十字を切った。特に信仰心も信仰する神も宗教もないのだが、一応の気持ちだ。ちなみに十字なのは、一応ドラクエのセーブで教会にお世話になっているかららしい。余談だがボケから復帰したドクターウィローは、現在ドラポンクエスト(略してドラクエ)セブンを攻略中。
ともあれ、ガーリックJrよ安らかに。……そう、ウィローが思った時だった。
「はぁ!!」
「何!?」
「貴様、まだ動けたのか!」
貴金属を身につけた青髪のキザな男に、長髪を束ねた赤い肌の大男、機械的な見た目の、おそらく見立て通りならサイボーグ。……その三人は、サイヤ人が着ていた戦闘服によく似たスーツを身に纏っていた。場所的に考えても、まず間違いなくウィローが言っていた樹を植えた一味の者だろう。ご近所のチンピラがこんな見た目なら驚きだ。
そんな彼らを前にガーリックJrは柄でもないことをするからこうなるのだと、自らの軽率な行動を悔いていたのだが……彼の前に、突如どこか既視感を覚える背中が自分をかばうように割り込んできた。その人物は対する三人に向けてエネルギー派を放つと、焦燥にかられた様子で振り返る。
「そこのあなた! 早く逃げてください!」
「はっはっは。そんなボロボロの体で、人を気遣う暇があるんで? 王子様よぉ」
赤肌の大男が言うように、その人物はすでに満身創痍だった。
「だ、黙れ! 僕だって……僕だってこのままやられたりしないぞ!」
「意気込みだけは大したもんだ。ターレス様にあれだけ遊んでもらったってのに」
「くっ……!」
悔しそうに歯噛みするのは、猿のようなしっぽの生えた青年だった。そして過去の話とはいえ、長年孫悟空らを観察を続けてきたガーリックJrはその意味を知っている。
(サイヤ人!!)
ガーリックJrが気付いたと同時に、ドクターウィローから再度通信が入る。
『ガーリックJrよ、もしかするとそのサイヤ人……回復させれば少なくともその三人よりは強いかもしれん』
「な、何? いやしかし、回復手段など……」
『頑張ってカリン塔まで飛べ』
「仙豆をもらえと!? そもそも逃げ切れるか怪しいわ!」
「何をごちゃごちゃ言ってるんだ?」
「あなた、だから逃げて!!」
ウィローと通信するガーリックJrにキザ男と謎のサイヤ人の青年から声がかけられるが、こうなればやけである。逃げ切って、この青年にかけてみようではないか。結局人任せであるが、死ぬよりはましである。神の神殿に行く前に秘書のアイユから「お帰りになったら、ガーリック様に言いたいことがあるのです」とも言われてしまったし、部下のためにも生きて帰らねば。巨大グループをまとめる総帥として多くの責任がある今、もう自分一人の命ではないのだから。
「おいお前! 今は私と逃げるぞ!」
「ええ!?」
「はっはーぁ! 逃げ切れると思ってるのか!? カカオ、回り込め! 逃がすなよ!」
「ンダ!」
決意したはいいが、実力差は決意だけでは埋まらない。飛ぶのもままならなくなってきたフラフラの青年をかかえたガーリックJrの先に、サイボーグが立ちふさがる。
(万事休すか……!)
今度こそダメかと、ガーリックJrは油汗をにじませぎゅっと目をつむる。
しかし運命は再び彼に微笑んだ。
「あぐ!?」
青年が妙な声をあげたと思ったら、なんと一瞬のうちに満身創痍だった彼は完ぺきに回復していた。ガーリックJrが知る限り、そんな効果を持つ妙薬はひとつだけ。
(まさか、仙豆!?)
「キキィ!」
「!」
新たな闖入者。それを確認するために、ガーリックJrはばっと体の向きを事かえる。そしてその視線の先には、片手を腰に当てたポーズで、ぴんっと緑色の豆を指ではじいてから手に収めるクールな動作。艶やかな新緑の体に、きりりとした赤い眼光を備えた戦士……!
「キキィ! キキーキキキキィー!(新生ギニュー特戦隊が一人! ラディッシュ推参! 悪は僕が許さない!)」
(何て?)
(何て言った?)
(わからん)
(頭の形がちょっとレズンとラカセイに似ていなくもないような)
(ンダ)
新生ギニュー特戦隊ドジっ子ラディッシュ! 地球丸ごと超決戦参戦!
もうちっとだけ続くんじゃ(震え
ごめんなさい、前後編で収まりませんでしたorz