とある姉サイヤ人の日記 《本編完結》   作:丸焼きどらごん

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番外編:ブロリー、そして伝説へ……《後編》(劇場版DB 燃え尽きろ!!熱戦.烈戦.超激戦)

Й月Г日

 

 

 

 っべー。マジっべー。ヤッベー。

 

 朝になってからの私の心境である。

 

 

 なんか、話してるうちに酒が入ったノリでブロッコリーと悟空たちの正面対決企画してた件。いや、彗星が衝突するまでにブロリーを倒せ! みたいなチキチキデスレースやるよりましだけど。

 まあ私はサイヤ人王女ってことで立会人として戦いを見守る立場を手に入れたけどな! でも完全に酒と深夜テンションにやられた。クソッ、パラガスの奴。ワインっぽい酒かと思えば度数超強いじゃねーか。

 

 初めは「お父様のことだけ謝って、あとはすっとぼけて寝ちゃおう! 明日ベジータ達にネタバラしして彗星来る前に戦わせたろ!」くらいのつもりだったのに。ま、まあ結果的にたいしてやろうとしてた事変わらないしいいかナー?

 

 ちなみに私に無謀にも飛びかかってきたあたり、パラガスの奴悟空たちの戦力もまともに把握してないな。

 馬鹿め! セルゲームの後ベジータは「俺はもう戦わん」とか言って一時期すねてたけど、ビルス様が何年後かに来るよーってはっぱかけたら死に物狂いで修業し始めたし(もともと毎日の訓練は続けてたみたいだけど気迫が違った)、悟空は悟天ちゃんが生まれるのを機にあの世から生き返ってきたけど多分あの世でスーパーサイヤ人3までは修得しただろうしきっとフュージョンも覚えてるだろう。悟飯ちゃんもまだそこまでなまってないからスーパーサイヤ人2にはなれるだろうし、ラディッツもベジータの訓練に付き合わされてるから日々強くなっている。未来空龍と未来トランクスは人造人間を倒した報告に来てくれたけど、いつの間にか2人ともスーパーサイヤ人2までなれるようになってたし(空龍はカラーだけ違うけど)、やろうと思えばゴッドだって可能だ。

 正直地球サイヤ人側の戦力と言ったらね……………………クククク……フフフフフ…………あーッはッはッは!! 悪いなパラガス! 私は負け戦など仕掛けんのだよ!!

 

 そう、私は高笑いしていた。今思えばでっかいフラグ建造してたなって思う。

 

 

 

 

 

 サイヤ人の舐めプ属性舐めてたし。

 

 

 

 

 

 

 翌日、事情を話して戦力を整えて戦いの場に現れた私たちをパラガスとブロリーは2人で迎えた。感心なことに、パラガスは私に言われたようにこの星に居たならず者と奴隷をこの星から脱出させていた。空に見える奴隷たちの故郷、シャモ星に移したようだ。

 悟飯ちゃんが「まだ解放されたわけじゃないけど、自分たちの星に戻れるって喜んでました!」と報告してくれた。うむ、この甥っ子の笑顔を見れただけでもダメもとで言ってみてよかったと思う。悟飯ちゃん達、かなりシャモ星人たちのこと気にしてたからな。良い子たちだ。

 

 

 

 さて、戦いだがまず空龍が戦線離脱した。

 

 何故って、開幕一番にブロリーの奴制御装置が効かなくなったのをいいことに真っ先にパラガスを殺そうとしたのだ。それを空龍が庇い、重傷を負った。これにはざっと血の気が失せたが、重傷だが命に別状は無いようだった。「自分の親を自分で殺そうとするな!!」と叫ぶ元気はあったみたいだし。……本当に未来空龍もいい子に育ったな。自身のトラウマのせいもあるんだろうけど、敵の父親というか今回の元凶まで庇ってやるとか超優しい。

 さしものパラガスもこれには戸惑っていた。フフン、うちの息子は良い子だろう! 羨ましがれ!

 

 

 そして、それをきっかけに戦いが始まった。が、まずベジータと悟空が俺が先だ、いやオラがと闘う順番をもめ始めた。いつものことだけどさっさと数で潰さんかい!! っと歯をギリギリしてしまった私を誰も責められまい。

 そうこうしてるうちにブロリーが制御装置を完全に破壊してパワーを解放。そこでやっと皆の顔に「コイツヤッベ」という色が浮かんだ。遅いわ!!

 そして私も劇場版で実質3回ボスを務めた悪魔の底力を舐めていた。ブロリーの強さを目の当たりにしてみんな(といってもラディッツ以外)スーパーサイヤ人2まで力を解放したのだが、初めこそやや苦戦していたもののあの野郎戦いの中で成長しやがった! まさかのスーパーサイヤ人2ブロリー爆誕である。思わず「息子さん凄いね」「い、いや。それほどでも、ハハハ。まあブロリーですからな」とパラガスとお喋りしちまったぜ。

 

 そこからのブロッコリーの猛攻コワイ。

 

 あの、隙を与えないくせに遊ぶような怒涛の突進するような勢い? 何て言えばいいかよくわからないけど、とにかくおっそろしい。そうか……悟空、たしかスーパーサイヤ人3になれるとしても、あれなるのに時間かかるんだよな……待ってくれそうにない相手じゃ、戦いの中じゃなれないか……ゴッドもな、空龍は戦線離脱してるし私もあの中に入れる気しないし、つーか仲良くお手てつないでゴッド作る暇とか与えてくれそうにねーし……………………………………。く、クソッタレぇッっ!!

 

 途中、悟飯ちゃんのピンチにピッコロさんが超格好良く登場。しかも仙豆係まで兼任してくれる優秀っぷりである。やはりピッコロさん最高である。超格好いいのである。

 おかげで空龍も戦線復帰。

 

 苦戦したものの、なんとかブロリーを追い詰めるに至った。よーし! これで劇場版、完! だな!

 

 

 

 そう思った時期が私にもありました。

 

 

 

 空龍、なんでブロリーかばってしまうん?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「待ってください!」

「く、空龍さん!?」

 

 悟飯さんの戸惑った声に心がちくっと痛みながらも、僕は膝をつくブロリーの前で腕を広げたまま言葉を続ける。

 

「わがままを言ってごめんなさい。でも、最後は僕に戦わせてもらえませんか!」

「空龍貴様、さっきまで寝ていたくせに最後だけもっていこうとは虫がいいんじゃないのか?」

 

 ベジータおじさんが言うことはもっともだ。みんなが苦戦しながらなんとかここまで追い詰めたのを、動けないながら僕は見ていた。でもここで引いてしまっては、きっとこの人と語り合う機会は無くなってしまう。それはどうしても嫌だった。

 

 

 

 昨晩、僕はお母さんたちの会話を聞いてしまった。

 彼、ブロリーは生まれたばかりだったころお父さんのパラガスと共にお母さんのお父さん……つまり僕のおじいちゃんに殺されかけたこと、その理由が生まれながらにしての高い戦闘力にあったこと。

 

 初めて見た時から、何故か妙なシンパシーを彼に感じていた。それはきっと、僕が彼と同じような存在だったからだ。戦いが始まってスーパーサイヤ人の力を解放したブロリーを見て、それは確信に変わった。

 凶暴な力を振るい緑の力をまとって戦うその姿は、悪魔のようだった。けど、もしかしたらそれは僕の姿だったのかもしれない。きっとこの時代に来て制御出来るようにならなければ、力に飲み込まれていつかきっとあんな化け物になっていた。……多分、昔のままだったらその恐怖に負けていずれは自殺していただろう。もう、僕のせいで誰かが死ぬのは嫌だったから。

 僕と彼で大きく違うのは、ブロリーは力を拒否することなく楽しむように使っている事。僕はずっとこの力に怯えていたというのに……。その奔放な様は、不謹慎だけど羨ましくさえ思えた。

 

 

 そんな彼と、もっと話してみたかったのだ。少しでいい。だから、止めを刺される前に戦いに乱入した。

 自分でも馬鹿だと思っている。けど、もしかしたら二度と出会えない同胞かもしれないのだ。伝説のスーパーサイヤ人……もし僕も同じ存在なら、きっともう会えない。そんな確信があった。

 

 

 

 

 重傷だというのに、ブロリーは強かった。怪我などものともしない、というよりダメージを度外視して戦う事のみに集中しているのだ。そして心の底からそれを楽しんでいる。

 

「あなたは、力に飲まれたままでいいのか!? 本当の自分もわからなくなるような、強い力に!」

「飲まれるぅ? 違うな。これが俺だ」

 

 そう言うと、逆にブロリーは僕に問うてきた。

 

「お前、俺と似たような気配を感じるが……ククッ、なぜそれを抑えようとする? 制御装置も無いくせにおかしな奴だ。解放すれば、今よりはるかに強くなれるぞ」

「そんなことしない……! 僕は、ようやくこの力に打ち勝ったんだ!」

「勝った? 違うな。負けたんだ。力に負けて、臆病にも頭をかかえてうずくまっている」

「違う!」

 

 否定するも、ブロリーの言葉は僕の心をえぐる。……分かってはいるのだ。単純な力のみを求めるなら、抑え込んだ破壊の衝動に身を任せた方が自分が強くなれるんだってことは。でも制御できない分不相応な力は悲劇しかもたらさない。

 

 

 

『力に飲まれるな。強くなれ、空龍。誇りをもって生きろ』

 

 

 

 お父さんの最期の言葉が頭をよぎった。

 

 

「あなたは、もしかしたら僕だったのかもしれない! 僕は両親や周りの人の愛に恵まれた。彼らのおかげで力に狂わずにすんだ! けど、君だって近くにずっとお父さんが居てくれただろう!? どうしてその愛を無下にできる! 力に溺れていられる!」

「親父? 愛? はっ、何を言うかと思えば。親父は俺の力を利用しようとしているにすぎん。さて、甘っちょろい会話はここまでだ。サイヤ人なら、それも俺と同じ存在ならば力で語れ!」

 

 そこからは血で血を洗うような殴り合いだった。僕が小細工する間などなく、ただひたすらに殴り合う。

 

 最初こそやるせない気持ち、不完全燃焼をおこした薪のように熱く燻る気持ちが苦しかった。けど、殴り合っているうちに段々と腹が立ってきた。

 何だよ、力、力ってうるさいな! 僕はそういうの嫌いなんだ!

 

 

 

 

 

「お前なんかただ好き勝手やってるガキじゃないか! 僕の方が大人だぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 そう叫びながら打ち込んだ拳には、今持てる僕の最大限の力が込められていた。その爆発力に自分で驚く。

 

 

 

 そう。僕はついに、理性を保ったまま伝説のスーパーサイヤ人本来の力を引き出す事に成功したのだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

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(日記続き)

 

 

 

 

 空龍が勝った。しかも最後の一瞬ブロリーなんかよりすんげー気出して。めっちゃ緑ってた。つーか金色がかったキラキラ具合? 金緑? そしてめっちゃ泣いてやけになってた。けど、それだけに恐ろしい。何だあの力。あいつ、まだそんな力隠してたの?

 

 それを見ていたトランクスが「そういえば、空兄さんは昔から泣いて怒ると強くなったな……我儘になるし」とかつぶやいてた。

 あれか。ブロリーが破壊衝動と戦闘意欲でパワーを解放するのに対して、うちの息子は泣いてふっきれるとタガが外れて強くなるのか。何だそれ怖いわ。息子は怒らせないようにしよう。

 

 

 とにかく無事にブロリーを倒したのだが、ここでまたひと騒動。なんと空龍がブロリーを未来に持って帰ると言い出したのである。これには全員「何言ってんだコイツ」とドン引いた。私もドン引きした。何言ってんだコイツ。

 

 なんでも自分と同じ存在にせっかく会えたのだし、出来れば仲良くしたい。そのために再教育も惜しまない。それにこじれた親子関係を修復するためにも、パラガスとはしばらく距離を置いた方が良い……とのこと。うん、言いたいことは分かるが待て。ブロリーだぞ、悪魔だぞ。正気か。

 

 

 けど、一度言い出した空龍は止められない。いくら駄目だと言っても、自分の要求が通ることを信じて疑わないので堂々巡りである。もういいよ、お前新しい力解放してパワーアップしたみたいだし頑張れよ。と、最終的にみんな諦めた。ちなみにトランクスには帰る前にみんなから胃薬が大量にプレゼントされた。「嬉しいです。でも、すぐになくなっちゃいそうだな……ははっ」と力なく笑ったトランクスに泣いた。

 

 

 こうしてブロリーは未来にお持ち帰りされた。

 

 よって、劇場版2つは自然消滅である。よかったのか悪かったのか……未来に幸あれ。

 

 

 

 

 ちなみにパラガスであるが、ブロリーが居なくなったことで一気に力が抜けたのか急にしょぼくれた。こいつもこいつで、色々苦労したんだろう。

 哀れに思ったのか、ラディッツが「よければうちの居酒屋で働くか」と誘いをかけていた。うん、ラディッツのバイト先の居酒屋の平均戦闘力がまた上がるな。個人的にはパラガスには喫茶店のマスターあたりが似合うと思うので、落ち着いたら勧めてみるか。あのひげのダンディーさはマスターにこそふさわしい。もう私も思い出すだけで疲れて何書いてるか分からない。

 

 

 

 

 

 

 ちなみに余談だが、今回の戦いは奴隷から解放されたシャモ星のシャモ星人達によって長く伝説として語り継がれていくことになる。

 

 緑の破壊神に立ち向かった黄金の戦士たちと金緑の戦士という神話になったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 ブロリー、そして伝説へ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ 劇場版ドラゴンボール 燃え尽きろ!!熱戦.烈戦.超激戦 ~ 《完!!》

 

 

 

 

 

 




お粗末さまでした。
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