とある姉サイヤ人の日記 《本編完結》   作:丸焼きどらごん

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38ページ目 エピローグ~バイバイ ドラゴンワールド!

〇月И日

 

 

 色々あったけど、とりあえずまとめるために日記を手に取った。これを書くのもどれくらいぶりだろうか。

 

 

 まさか界王神界で出産するはめになると思っていなかったが、色々無茶したにも関わらず無事に生まれてくれてほっとした。っていうか、下手したら私この子を危うく道連れにするところだったのか……! 今考えてもぞっとする。

 

 そして件の赤ちゃん、今も腕の中で眠っている私とラディッツの4人目の子供だが……何故か黒髪にうっすら赤みがかかっている。もちろん私が浮気したとかではなく、おそらくゴッド化の影響が出たんじゃないかとは界王様の言。

 空龍みたいにいきなりスーパーサイヤ人化することはなかったし体も丈夫だけど、時々何もないところを目で追ってたり、あまり泣かずに静かだったりと若干の不思議ちゃんオーラを感じる。かと思えば時々爆発したみたいに泣きわめくので、色々と油断ならない子だ。

 

 後になって聞けば、界王神様のおかげであの場で悟空とビルス様の戦いが勃発するのが防げたらしい。だから界王神界で生まれたこともあって、この子の名前は叶恵に決めた。調べたら神という文字に「かなえ」という読み方があると知ったからだ。

 まあ日本に似た場所の苗字の読み方だから特殊な読みかもしれないけど、あからさまに神って名前に入れるのも憚られたしいいかなって。で、そこに神龍に願いを叶えてもらい私が助かった事、色んな人に助けられた幸運に恵まれたことから字を当てた。ついでにいろいろ名前がちゃんぽんな我が家なので、今さらだし日本っぽい名前つけてもいいかなって思ったのもある。ちなみに女の子だ。

 字面にすると孫叶恵とエシャロットに次いで苗字がしっくりこないが、まあこれも苗字を名乗ることがほとんどない今の風潮があるし目を瞑ろう。

 

 で、日常に戻ったはいいけどまだまだ子育てで忙しくなりそう。叶恵のこともそうだし、空龍もエシャロットも龍成もまだまだ子供だからこれから学校だのなんだって色々あるんだろうな。まあ、賑やかなのはいいことだ。

 

 とにかく言えるのは、今最高に幸せだってことだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ビルス様? ゴールデンフリーザ様? GT? 超? 知らない子ですね。もうこの世界何がおきるかわかんねーし、何か起きたらその時臨機応変に対応するしかないだろ。正直言うと今もう面倒くさくて色々考えたくない。疲れた。

 

 いや、未来空龍と未来トランクスのことがあるから、超の展開が来たら全力でザマスとかブラックとかいうカスどもねじ伏せに行くけどな。

 な~に、倒せなくってもいいんだよ。ブウの時なんで思い出せなかったか知らないけど、こっちには魔封波っていう素晴らしい封印技があるのだ! あれでしまっちゃえばいいんだよ。

 何かあったらすぐにこっち来いって未来空龍には言ってあるし、帰る時仙豆も持たせたし、更生したかは分からないけどブロリーも居るし……いや、ブロリーは逆に不安要素だな。………………だ、大丈夫かな……? 今度ブルマに頼んでタイムマシン作ってもらおう。一回様子見に行かないと不安でしかたない。

 

 

 

 

 

 

 

▽月■日

 

 

 しばらく地球に滞在していたタピオンとミノシア兄弟がコナッツ星に帰る日がやってきた。コナッツ星に帰るためのカプセルコーポレーション製の宇宙船が完成したのだ。

 

 いつの間にか仲良くなっていたトランクスと悟天ちゃんが寂しがっていたけど、いずれコナッツ星に遊びに来てくれと言われて一生懸命頷いていたのが微笑ましかった。ちなみに2人は「もう自分たちには必要ないから」と、ずっとトランクスと悟天ちゃんが羨ましがっていた剣を記念にあげていた。

 

 

 

 ちなみにここで衝撃の事実が発覚。

 

 

 

 なんと界王神様からセルの奴「実はコナッツ星の神がそろそろ代替わりをしたいと申しているようなのです。もしよければ、あなたがコナッツ星の神になっては? あなたならコナッツ星の邪気を吸い取る新たな邪神像に異変が起きても対処できるでしょうし、もしその気があるなら私が推奨しても構わないのですが」とオファーを受けていたようなのだ。しかもそれを受けたというのだから驚きである。

 コナッツ星の神セル爆誕とかね……もう何が何だか。天使みたいな羽くっつけたり未来セルと合体したり、こいつはいったいどこを目指しているんだ。他の面々同様、開いた口が塞がらなかった。

 

 当のセルと言えば「何、落ち着く住居が欲しかったから丁度良いと思っただけさ。タピオンとミノシアからも是非にと言われてしまったしな。だが孫悟空に孫悟飯、落ち着いたら戦いに来るから覚悟したまえ。それまでせいぜい修行しておくんだな。無様をさらすんじゃあないぞ」と言い残して、二本の指でピッとポーズを決めるとブルマが作った宇宙船に颯爽と消えていった。

 

 ……とりあえず、悟空はともかく悟飯ちゃんは修行頑張れ。勉強も大変かもしれないけど、とりあえず頑張れ。

 

 

 

 

 

Ё月◆日

 

 

 

 やっとマーくんに昔借りたゲームを返すことが出来た。返されたミスターサタンことマーくんといえば、目をぱちくりさせて「え、本当に空梨さん? ってっきり娘さんかと……え? 数年前にテレビで見た時もお若いな~って思ってましたけど、え!? む、昔と全然変わってないじゃないですか!」と驚いていた。鼻高々だった。

 ま、まあ私もサイヤ人ってだけじゃなくてアンチエイジング超頑張ってるし? 原作で超サイヤ人が寿命を縮める危険があるかもって言われてたの覚えてたから、スーパーサイヤ人になれるようになってからもあんまり変身しなかったもんねーだ! 寿命が縮まる=老化かもしれないし。いや、普通に考えたら体に負担がかかるってことなんだろうけど、結果的に老化も進むかもしれないじゃん? ちなみにスーパーサイヤ人の危険性は悟空たちにも言ってあるけど「大丈夫大丈夫」とか言って聞きやしねぇ……。まあ、そう簡単にくたばるたまとは思えないからいいんだけどさ。

 

 そういえば太っちょの方のブウだけど、原作同様サタンの家に住むことになった。マーくんの必死の訴えもあって、ブウは殺されずに済んだのだ。

 ゲームを返しがてら遊びに行ったら例の仔犬(ベエと名付けられていた)と楽しそうに遊んでいて、ちょっと可愛いなと思った。

 

 あのドタバタの後神龍の願いが一個だけ残っていたので、その願いで魔人ブウに関する記憶は地球の人々から消え去った。なので今は「ちょっと変わったミスターサタンの弟子」としてニューライフを満喫しているようだ。まあ、本人楽しそうだしいいんじゃないだろうか。ベジータは最後までブツブツ言ってたけど。

 

 

 

 

 

 

∴月◎日

 

 

 ついに天津飯とランチさんが結婚した! な、長かった……! ここまで来るのが本当に長かった。

 でも結婚式とかは天津飯が照れくさいらしくてやらないそうだ。でもランチさんがはにかみながら「それでいいんだ。オレは天津飯といられさえすれば、それだけで最高に幸せだからな」って言ってたし、これはこれでいいんだろう。恋模様は人それぞれだし、こちらの意見を押し付けるのは無粋である。

 

 そういえばランチさんだけど、昔みたいに人格が変わっている時の記憶が無いってことは無くなったみたいだ。かといって完全に人格統合されたわけじゃないようだけど、おっとりしたランチさんも過激なランチさんも現状を受け入れて上手くやっているらしい。天津飯は「2人の女性と結婚したようで、時々申し訳なくなる」と言っていたけど、天津飯が両方受け入れてるんならそれでいいんじゃないかな? 

 

 まあそういうわけで結婚式は無かったけど、みんなが祝わないはずもなく、結局わいわい押しかけて飲んで騒いでの大宴会になった。

 

 餃子師範、ちょっと寂しそうだったけどそれ以上に嬉しそうだったな……。

 

 

 

 とにかく天津飯もランチさんもおめでとう! 末永くお幸せに!

 

 

 

 

◇月●日

 

 

 

 

 店長とパラガスの店、喫茶アスペルージュに行ったら妙な客がいた。帽子を目深にかぶりでっかいサングラスにトレンチコートで極力身を隠してるのは分かるんだけど……その肌の色に疑惑を感じずにはいられない。だってピンク。超ピンク。

 

 静かに近づいて帽子とサングラスを奪えば、「きゃ!?」と声をあげたのはブウだった。いや、ブウはブウでも私を吸収してた時の姿らしい女ブウの方な!

 

 いや何で居るし!? と身構えたが、「待って、待ってよ! もうパワーは全部倒された方にあげちゃったからもうわたしそんな強くないのよ!」と主張して必死に戦う意思はないと訴えてきた。とりあえずその様子を見てパラガスにブロリー珈琲とパンケーキを注文してから向かいの席に座って話を聞いてみた。

 何でもこいつ、姑息にも理性を捨てると言った時太っちょブウを吐き出すのと一緒に自分の分身をその肉片に仕込んでいたらしい。「ナメック星人の卵生出産を真似た応用よ。まったく、ピッコロ様様だわ。吸収しといてよかった!」と言ってたけど……おい、何でもありだなお前。

 ともかくそんなわけで、生き残った女ブウ……面倒くさいなブウ子でいいか。ブウ子はドラゴンボールによってブウの記憶が地球人から消えたのを確認し、ほとぼりが冷めたと知るなり太っちょブウの体から抜け出したんだと。で、力を無くしたから今さら地球支配も何もないし、原点に返ってスイーツ巡りしながらのんびり暮らすことに決めたらしい。ちょ、おま、原点がスイーツ巡りって何だよ。

 

 ちなみに悪ブウのことを聞いてみたら、ブウ子は分離したとはいえ悪ブウもまぎれもなく一つの意志を持った生命だから「アイツが死んだんなら、ウーブは産まれるんじゃない? 知らないけどー」と、特製ケーキを頬張りながらどうでも良さそうに言っていた。

 

 

 

 コイツには散々苦しめられたけど、本当にもう悪いことする気も無いみたいだし、力も弱くなってるから見逃すことにした。それにここの常連らしくて、店長から「ガキだがものを知らないだけで悪い奴じゃない」ってお墨付きもらっちゃったからな……。まあ、何かしでかしたら悟空たちにこらしめてもらおう。

 

 ちなみに服やら装飾品がずいぶんいいものだったから金はどうしたと聞けば「どんな病でも怪我でも治す奇跡の医師として売り出して大儲けしてるからガッポガポ」なんだって。

 そう来たか……。まあ、人のためになる事だしいいか。どんだけぼったくってるか知るの怖いけど。

 

 

 

 とりあえず話してたら案外(主にスイーツの事で)意気投合したので、メルアドを交換して別れた。

 …………しばらくこのことはベジータ達には黙っておこう。

 

 

 

 

 

●月■日

 

 

 子供が増えて出費も多くなると思ったので、占い師の仕事にプチ復帰することにした。

 占いと言えば占いババ様のところでの修行だが、せっかくここまでやって来たしババ様の所に行くのはもはや日課なので継続して続行中。あの世に生身で行けるようになるのはいつになるやら……。

 

 で、仕事だ。

 まず昔の業界関係の知り合いを頼ったら「え、娘さん?」とまず言われた。本人だと言ったら泡吹いてた。ふふん、若かろう若かろう。もっと驚いても構わんのだよ?

 で、早速「奇跡の若さ! あの神秘の占い師が復活!」という文句で売り出そうと張り切ってくれた。子供の世話があるからそんなに沢山出れないと言ったら「この場合希少性がある方がいいんです! でも都合は合わせるんで、出るのは当社のメディアだけにしてくださいね!」と言われた。よっしゃ、それならアルバイト感覚で出来るな。

 

 ちなみに特番を組まれた復帰第一回目の仕事はマーくんと共演だった。

 いや、知り合いだって話したらいつの間にか出演が決まってて……どうせだから色々盛っちゃおうぜ! とマーくんと口裏合わせて「実は彼とは幼い頃に知り合っていましてね」「いやぁ、今でも信じられません。なんと、私の活躍はこの方によってすでに昔から予言されていたのです!『あなたはいずれ世界を救う英雄になるだろう』と言われた時は半信半疑でしたが、今思えば最強の武道家を志したきっかけだったかもしれません」な~んて…………半分ふざけただけのつもりだったのに、それから断っても断っても怒涛の勢いで依頼が入るようになった。嘘はつくもんじゃないと反省した。いや、原作知識があるからあながち間違いでもないんだけどね?

 

 

 

 

 

 

 

 

Г月Б日

 

 

 悟飯ちゃんはあの後もオレンジハイスクールに通い続けているが、天下一武道会のこともあって一気に人気者になってしまった。学園祭やらパーティーやらで主役みたいに扱われて困ると本人は眉尻を下げてたけど、学生時代なんて賑やかでなんぼだし、悟飯ちゃんはチヤホヤされても変に調子に乗る性格じゃないしいいんじゃないかな? 楽しめば。

 

 ちなみにもうバレバレなのに、相変わらず例のコスチュームでグレートサイヤマンとしての活動も続けているらしい。ビーデルさんもめでたくグレートサイヤマン2号に就任した模様。

 で、噂によると時々グレートサイヤマンには緑の肌の3号が加わるらしい。かなりレアな存在らしく滅多に現れないが、動画サイトで初登場時……1号に引っ張られて嫌々登場した姿が残っている。

 

 突っ込まない、私は突っ込まんぞ。悟飯ちゃんが「ピッコロさんも瞑想や修行ばかりじゃなくて、もっと趣味みたいなのを見つけた方がいいと思うんですよ! ほら、人助けのヒーローなら格好いいし、もし昔のピッコロ大魔王を覚えている人が居ても怖がらなくなるかもしれませんし!」と力説してたけど右から左に流してスルーした。私は何も聞いてない。だから「女性用の衣装もブルマさんがもう一着作ってくれたんですけど、よければおばさんもどうですか?」と誘ってくるのはヤメロ。

 

 

 

 とりあえず、悟飯ちゃんが楽しそうで何よりです。でも人助けもいいけど、修行もサボるなよ。そのうちセル来るぞ。

 

 

 

 

▼月◎日

 

 

 ギニュー隊長とジースくんが本格的に新生ギニュー特戦隊として活動を開始した。でもその内容はもちろん宇宙の地上げ屋ではなく、グレートサイヤマンの上位互換……正義のヒーロー戦隊だ。その活動は事故が起きた際の人命救助から、悪人を捕まえたり無益な争いの仲裁など幅広い。

 なんでも死んだあとリクームさんたちの減刑を申し出るため、生きているうちに出来る限りの善行を積んでおこうという理由らしい。あと人助けをして「カッコいい!」「素敵!」と称賛されるのが思いのほか心地よくて気に入ったんだって。

 サイバイマンたちは畑仕事があるから全員が毎回参加することは出来ないけど、交代で特戦隊として活動している。最初はその姿に不気味がられもしたけど、だんだんとファンを獲得しているようだ。

 

 

 

●月◎日

 

 

 龍成とエシャロットが学校に通う歳になった。空龍とトランクスは自宅学習だし、悟天ちゃんは近くの集落の学校に通っている。さてこの子たちはどうしようかと思ったのだけど、考えた結果閃いた。

 実は今までいくら探しても見つからなかったペンギン村を最近発見したのだ! 通うには空を飛べるから距離とか関係ないし、早速ペンギン村小学校に入学申し込みをした。通い始めてしばらく経つが、2人とも楽しそうである。

 

 

 

 

 

 

 

 

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 一通り最近の日記を読み直して、ふうと息をつく。思わず読みふけっていたらしく喉がカラカラだ。

 傍らに置いてあった珈琲で喉を潤し、凝り固まった肩をほぐした。

 

 

 思えばこの日記ともずいぶん長い付き合いだ。初期の頃を読み返せば「痛いのヤダ。死ぬのも嫌だ。生き返るとしても断固として拒否する。楽しく生きたい。出来れば楽して楽しく生きたい」なんて書いてあって思わず変な笑いが出た。死ななかったけどずいぶん痛い目見てきたぜ……? けど、楽じゃなかったけど楽しく生きたいって目標は現在進行形で達成できてるんじゃないかな。うん、毎日楽しくて……幸せだ。

 

 しみじみと日記を眺めているとラディッツが「そろそろ着替えた方がいいんじゃないか?」と声をかけてきた。今日は久しぶりにみんなで集まってパーティーしようとブルマからお誘いがあったのだ。時計を見ればたしかにゆっくりしすぎたみたいだし、そろそろ準備しようかな。

 そういえば悟空は恐竜の卵がもうすぐ産まれそうなんだ! って言ってたけど……まさか見るのに夢中で遅れて来ないだろうな。後で様子を見てからブルマんち向かおう。

 

 

 楽しくて楽しくて、だけどハチャメチャで慌ただしい日々。

 

 

 まだまだこれから色んな事があるだろうから、もうちょっと私の人生の記録に付き合ってくれよと日記の画面を撫でた。そしてラディッツの呼びかけに答える。

 

 

 

 

「わかった! すぐ準備するー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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___________________________________ ???年後

 

 

 

 

 

 

 

「あったー! ドラゴンボールだー!」

 

 とある山奥の小さな小屋で、オレンジ色の球体を見つけた少年が歓声をあげた。しかしその球体を手に取った後、その傍らに置いてあった機械に気づき興味を示す。何故ならその機械は随分古いにもかかわらず、ザザザとノイズをあげて画面が点灯していたからだ。

 少年はそれを手に取り、表示された文を読む。

 

 

 

 

 

++++++++++++

 

 

∞月Ω日

 

 

 どうやらそろそろ死期が近いらしい。随分長生きしたし、自分でも驚くほど落ち着いている。

 

 私は死んでもこの世界のあの世には行けないらしいけど、もう十分すぎるほどの幸せを手に入れた。これ以上は望むまい。先だった最愛の夫には申し訳ないけど、私はこれで満足しているのだ。

 

 この期に及んで長々と書くのも無粋だろう。最期に、この世界へ、家族へ、出会ってきた全ての人へ、感謝の言葉を綴ろうと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 大好き。私に幸せをくれてありがとう。

 今まで傍にいてくれてありがとう。

 

 私は本当に、幸せでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(日記はここで終わっている)

 

 

 

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 誰のものともしれない日記を少年は不思議そうに眺めるが、電源が切れたのか壊れたのか、その機械はプツンときれて動かなくなってしまった。

 

「よくわかんないけど、これ書いた人……幸せだったんだなぁ」

「おーい、悟空! ドラゴンボールは見つかったのー!?」

 

 小屋の外から聞こえた少女の声に、少年は手にした球体を掲げると元気に応えた。

 

 

「見つけたよ空梨ちゃん!」

「でかした! これでパンおばあちゃんが助かるぞ!」

「うん! 早くお願いしよう!」

 

 

 

 

 ばたばたと外に駆けていく少年を、壊れた日記が見送った。

 

 

 

 

 

 

 ______________それは、どこかの世界の未来のお話。

 

 

 

 むかしむかし、小さな出会いから始まった物語。

 それは色んな出会いを経て、色んなものを巻き込んだ。人も、神も、世界さえ。

 

 しかし何があっても、これだけは言えるだろう。ドラゴンボールがある限り……夢の物語は、どこかで続いていくのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

thank you! good bye!! THE-END

 

おしまい

 




本編はこれにて完結になります。短いようで長い間、お付き合いいただきありがとうございました!

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