では、スタート
SHRのあと、自由時間があった。女子たちは俺と一夏を常に注目しているが、お互いに牽制しあっているのか、それとも先に女子同士で友達になっておきたいのか、何にせよ俺たちに話しかけるつもりはないようだった。
「天凪は、後で面談室に来るように」
「え、ああ、はい」
突然、織斑先生に呼ばれ一瞬虚取ったが、何時もの調子に戻して返答する。
俺何かしたっけ、天災さんとは入学してから連絡して無いし、心当たりの無い俺は、ある程度整理をした後、織斑先生の言っていた、面談室に向かう事にした。
途中、他のクラスの奴らが、俺らの事を見に来ていたが、あの先生の前で、遅刻とかした日には、命を削りそうなのでスルーして、歩いて行く。
「失礼します」
一応の礼儀として、声をかけてから中に入ると、其処には対面式のテーブルに椅子が二つあり、向かい側には織斑先生が座っていた。
「まぁ、座れ」
「はい、って其れで俺って何かしましたっけ?」
「嫌お前では無い、唯お前と束の関係について聞かせてくれ」
「?ああ、そう言えば貴女と天災さんは、親友でしたね俺と天災さんの関係ね〜襲撃犯と被害者?研究仲間?友人?専用機の開発元?あれ?俺との関係って何だっけ?」
俺の口から、出る言葉に織斑先生は、驚愕といった表情を浮かべていたが、俺の最後の言葉にため息を吐いて、聞き返してきた。
「つまり、お前と彼奴は知り合いという訳だな」
「ええ、ですけど何で貴女が、其れを聴くんです?まぁ大体予想ついてますけど」
「試験の後、束から私の方に連絡が来た、その内容は、お前も分かってるか」
「はぁ、俺のイライラがマッハで溜まってくぜ」
織斑先生からは、聞きたくなかった答えが返って来た、そのおかげで、その後の学園生活中は、ずっとため息を吐きたい気持ちでいっぱいだった。
ある程度時間が経ち、織斑の奴が俺の近くに来ているのに気付いた。
「俺は、「織斑一夏」知ってたのか?」
「逆にお前を知らない奴は、テレビを見ないかずっとPCゲームをやってる奴だ、ホームレスでもお前の事は知っている」
織斑が、俺に自己紹介しようとしてきたが、先に俺が名前を言うと的外れな事を言ってきた。
お前は、世界で最も有名な男って事を覚えろ、さてとこっちも一応自己紹介しとくか。
「朝自己紹介したけど、一応しとくわ俺は天凪夕紀よろしくな」
「おう!」
織斑は、差し出された手を握り返す、其れと同時に廊下の方で腐った思考の叫びが聞こえたが、気にしない事にする。
その後は、織斑と他愛ない会話をしたり、織斑の幼馴染と言う篠ノ之を交えて世間話をしたが、篠ノ之の奴は織斑に惚れているのが、すぐに分かったが織斑は、気付いていない様だった。
篠ノ之の事が、とても気の毒に思えてきた時に、後方から声を掛けられた。
「ちょっと宜しくて?」
「ん?」
「何すか?」
話しかけてきたのは少しロールのかかった鮮やかな金髪と透き通ったブルーの瞳を持つ女子。
ただ立っているだけでも彼女の雰囲気から高貴な気品を感じる。
「まあ!なんですの、そのお返事。わたくしに話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるんではないかしら?」
俺たちの返答が気に入らなかったのか、目の前の女子はわざとらしく声を上げた。
「悪いな。俺、君が誰か知らないし」
「自己紹介も途中で終わったしな」
織斑に便乗するが、IS操縦者全てに俺は、興味が無いから知りたいとも思わない。
しかし目の前の女子には俺達の答えは気に入らなかったらしい。
「わたくしを知らない?このセシリア・オルコットを?イギリスの代表候補生にして、入試主席のこの私を!?」
目の前の女子ーーオルコットと呼ぼうーーは、信じられないといった顔だ。
当たり前だろう、先週ほど前まで、普通の中学生だった織斑や俺からしたら、代表候補生何て知ろうと何て考えた事など無い。
憤慨するオルコットをよそに織斑は、これまた場違いな返しをする。
「へぇ、セシリアっていうのか。俺は織斑一夏。よろしく」
「えぇ、よろしくお願いしま……って違いますわ!」
大阪人もびっくりのノリツッコミである、おばっちゃんが見たらどう評価するだろか。
そんな中、空気を読まずに織斑が口を開いた。
「なぁ、質問していいか?」
「ふん、これだから男は……。いいでしょう、答えてさしあげますわ」
しぶしぶ、といった様子だ。
一夏は真剣な表情でオルコットを見ると、こう言った。
「……代表候補生ってなんだ?」
「織斑、会っていきなりだが、一回お前の事殴っていいか?」
「駄目に決まってるだろ!」
「だったら、そんな事聞くなよ書いて字の如くだ」
その発言に、教室や廊下に出ていた女子達全てが、ガタッと肩透かしをくらった。
そんな織斑を見て無性にイライラしてきたので、殴っていいかと聞くが、速攻で却下されたので、教えておく。
「ま、まあ、わたくしは誇りある英国貴族。あなたがたのような不出来な男性にも優しくしてあげますわよ。分からないことがあったら、泣いて頼んでいただければ、教えて差し上げますわ。なにせ、私は教官を倒した唯一の生徒なのですから」
驚愕しながらも、プライドで保ったオルコットを見ると、流石は英国貴族、そう言えば一歩の奴英国のお偉いさんとメル友になったって、言ってたな。
しかし織斑はあっけらかんと、「あ、教官なら俺も倒したぞ?」と首を傾げた。
「な、なんですって!?」
それにしても、あの10連戦を生き抜くとか、此奴らもこっち側か?
「あ、貴方は如何なんですか!」
「10人全員1秒killだぜ?」
「じゅ、10人?!な、何をおっしゃいますか!」
ん?何で、其処に驚くんだ?普通秒だろうが、何て思ってたら織斑先生が、入ってきて授業を開始した。
オルコットは、去り際に捨て台詞をして去っていった。