変な人と同室になってからの次の日、俺はいつも通り3時に眼を覚ました。
学園内の地図に、武道場があるのを昨日の内に見つけた俺は、其処に向かっていった。
「流石は、国が作った学校武道場一つ一級品だな」
俺の中学の武道場とは、比べ物にならないぐらいに充実した武道場で、重りを一つ外して竹刀を持って、縦横無尽に剣を振るう。
IS何て物には、できる限り乗りたく無い、中学の同級生達は今までと変わらず、接してくれてはいるが、俺としても恨みの対象を使いたく無い。
「ふっ!!」
竹刀を振り下ろした時に、誰かに見られている事に気付き振り向くと、織斑先生が運動着姿で、俺のことを見ていた。
「面白い太刀筋だな」
「見てたんですか。其れと俺の剣は我流の剣です、この身を守る為の剣です」
「そんな事は如何でも良い、少し私に付き合え」
織斑先生は、そう言うと俺の前に立ち竹刀を正眼に構えた。
それを見た俺は、高潮する気持ちを抑えて、冷静になる。
「手加減しませんよ」
「むしろするな。本気だお前とやり合いたいからな」
織斑先生は、そう言うと口元を釣り上げる、如何やらこの人は戦闘狂の部類らしい。
そんな織斑先生に呆れていたが、直ぐに考えを振り払い俺も剣を構える。
「ーッ!」
「ーッ!」
ほぼ同時に、踏み込み剣を重ねる。
バンッ!と音が響くが、俺たちは気にせず距離を置いて、また同時に踏み込む。
竹刀と竹刀の交わる音が武道場に響き渡ると同時に、お互いの気持ちが高ぶっていく。
だが、高ぶる気持ちとは反対に、二人の心は明鏡止水の如く静かだった。
数分剣を重ね後、二人の動きが止まった。
「本気で行くぞ!」
「こっちも!」
織斑先生の女性らしからぬ声と、敬語を使っていない俺の声がぶつかると同時に、姿をブラしながら、剣戟を始める。
この人なら、と思った俺の心は、静から動へと移り変わった。
「ッ!?」
俺の速度が、上がったのを見た織斑先生は、驚いたが、自分も速度を上げてきた。
こんなに、俺について来れる人は、日高以来だ!などと笑いたい気持ちを抑え、俺は心の扉を開ける。
ゾーン、一流アスリートが入るとされる、超集中状態其れに俺は、自力入ることができる。
そして、俺の絶対無双の剣技を放つ。
「“無双剣”‥‥‥」
「くっ!」
怒涛の剣戟に、苦痛の声を上げる織斑先生に、構わず続け全ての技を継なげ終わり、織斑先生の胴元を振り抜く。
「“継なぎ刀”!」
剣戟の余波が、織斑先生を襲う全てを継なげられれば、絶対不可避の剣技、流石の織斑先生も全てを受けきれなかった様だった。
「なかなかだな、其れに久しぶりだ負けるのは」
「半分程受け切られたのは、俺の方も久しぶりです」
模擬戦の後、向かい合った俺たちは模擬戦の感想を述べていた。
「ところで、お前の剣は如何いう物なんだ?」
「無双剣・継なぎ刀、始刀、中刀、終刀の三種類に分かれた数十種の剣技を、一から順に継なげる技です、親友からは絶対不可避の剣技何て、言われてました」
「確かに、避けることが出来なかったな、明日も此処に来るのなら、リベンジさせてもらうとするか」
説明を聞いた織斑先生は、竹刀を片付けて武道場から去っていった。
俺も、さっさと片付けて、部屋に帰ろうと武道場から去って行く。
部屋に帰ると、更識先輩は居なかったが、適当に汗を流して簡単な物を作って朝食を取り終える。
教室に入ると、織斑が話しかけてきたが、適当に対応していると織斑先生が入ってきて、授業が始まる前にこう言ってきた。
「さて、これから再来週に行われるクラス代表戦に出場する生徒を決めなければならないな」
クラス代表か、まあこのクラスならあのオルコットが適任だろう、仮にもこのクラス唯一の代表候補生だ、どうせあいつ以外のやつが代表になったとしても、オルコットは文句を言ってくるだろうしな。
「自薦、他薦は問わないぞ」
織斑先生がそう言ったら、一人の女子が挙手した。
「はいはい、織斑君を推薦します」
「はぁっ!?」
織斑のバカが驚く、続いて、もう一人。
「じゃあ、天凪君を推薦しまーす!」
じゃあとは、何だじゃあとは、其れにクラス代表なんかになったら、ISに沢山乗らねばならんでは、ないか!
俺の意思は、受け入れて貰えず話しは進んでいき。
「織斑、天凪の二人だな。他にはいないのか?」
「ちょ、ちょっと待ってくれよ、俺は別に――」
「自薦、他薦は問わないと言った、推薦された者に拒否権などない。選ばれた以上は覚悟をしろ」
仕方ない、織斑になりやすい様に色々やって‥‥‥
「待ってください! 納得がいきませんわ!」
俺の思考を遮る様にオルコットが、机をバンッと勢いよく叩いて立ち上がった。
「そのような選出は認められません! 大体、男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ! このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」
いかにも女尊男卑を象徴するような発言だ。
お前の考えなんて、知らんがな先ずお前に国じゃ有るまいし、お前の此処での立場は、優秀な一般生徒だぜ?
オルコットは、気にせず続ける。
「実力から言えばわたくしがクラス代表になるのは必然。それを、物珍しいからなどという理由で極東の猿にされては困ります! わたくしはこのような島国にIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ありませんわ!」
周りの生徒たちも、オルコットの発言に反感を覚えているようだ、「イギリスもれっきとした島国だが?」とはツッコまなかった。
別にこの国が、如何言われようが、俺には興味がある訳では無いがな。
「イギリスだって、大したお国自慢無いだろ。世界一不味い料理で何年覇者だよ」
「なっ美味しい料理は沢山ありますわ! あなた、私の祖国を侮辱しますの!?」
売り言葉に買い言葉。2人の言葉が途切れクラス中の視線が2人に向けられる。
オルコットは日本人の前で堂々と日本を貶した挙句母国が貶されるとそれに噛み付き、織斑は貶される事に我慢ならなかったようでオルコットの母国イギリスを貶すという、まんま子供の喧嘩だった。
「…決闘ですわ! わざと負けたりでもしたら私の小間使い、いえ奴隷にしますわよ!」
「ああいいぜ、しのごの言うより分かりやすい」
此れは、もっと面倒くさい事に成ってるやん、織斑先生は呆れながら、一週間後に俺と織斑とオルコットの3人で、決戦をする事に成った。
はぁ、疲れるわ〜。