私が、護衛をしている二人目の男性IS操縦者“天凪 夕紀”君、あの篠ノ之博士が、彼に変な事をするなと言う程の少年、あの織斑先生に勝った少年。
対暗部専門の暗部“更識家”の当主として、様々な人と会って来たが、此れほどまでに摑みどころがない人は、初めてだった。
彼の事を調べようとしても、男性操縦者として発見された後の情報しか得られ無かった。
交友関係も家族構成も彼に関する発見前の情報が、一つも得られ無かった。
「ねぇ、天凪君は博士とどんな関係なの?」
「貴女が、知ったところで意味のない事です、其れに俺はIS学園の生徒全員と余り関わりを持ちたく無いです」
「何故、其処までして関わりたく無いのかしら?」
「枕木中学97期生、此れを調べればわかるはずです」
“枕木中学97期生”女尊男卑の今で起きた、最大の虐殺事件の被害者達。
入学式に乱入した、武装集団に女生徒を中心に生徒、保護者、教師合わせて50人が命を落とした事件。
武装集団のリーダーは、女尊男卑の影響で会社を辞めされた事によって行ったと言ったらしい。
女尊男卑の世界にしたのは、ISその為か被害者の大半が男女問わずISを嫌っていると言う。
私は、直様配下に調べさせる様に仕向けた。
「はぁ、どうして俺が生きてんのかな」
ベランダに出ていた彼の言葉に私は、他の事に集中していて聞き取れなかった。
だけど、何れ彼の言葉に隠された彼の憎悪を知る事になるのは、遅くはないだろう。
「お前は、どう思う?」
「何がですか?」
俺が、学園に来てからの日課となった、早朝の織斑先生との試合の後突然そんなことを聞かれた。
「今の世界についてだ」
「そうですね、取り敢えず無駄でしかないですね、ISだってコア以外存在しなくてもいい物です、女尊男卑なんて論外です、確かに現在のISは、最高の兵器ですが例外を除いて、女性は男性に生身で勝てないなのに、自分達が生身でも優れてるなんてあり得ない、勝てるとしたら知力だけ、力で勝つのはほぼ無理なのに」
「切り捨てるな」
「俺は、今のISが嫌ってると共に今の世界も嫌ってます、存在しなくてもいい物が多すぎですね、テロリスト全般」
彼奴らは、何を持ってあんなアホな事をするのか、俺には全然理解出来ない。
俺らを襲ったテロリスト共は、直ぐに捕まったため自分で、仕返しをする事が出来ないが、テロリストが眼の前に現れたら死なない程度に殴り飛ばす、絶対に殺さずに。
殺してしまえば、彼奴らと同じ事、自分が嫌ってる事を他人にするのは的外れ、だから俺は殺そうなんて思った事はない。
「一夏の奴も、お前ぐらいの考えを持ってくれると、こっちが楽なんだがな」
「彼奴にそんな事出来無いでしょうね、甘ったるい覚悟しか持っていない馬鹿ですから」
織斑先生から聞いたが、彼奴は大切な人を全て守るとかほざいていたらしい。
大切な人を失った事が無い奴が、そんな事言うんじゃねと思った俺だが、こんな奴に一々キレてたら面倒くさいと割り切り、気持ちを抑えた。
「思いを持つのは、ダメでは無いです、俺が気に食わないのは其れを出来る力を手に入れた事への覚悟が、全く無いあのままでは、此処を卒業した後の事を考えていない、志を持つのは良いことだが、覚悟をしっかりと持てない奴が志を持つのは無意味でしか無い」
「確かに彼奴は、大口を叩いておきながら眼の前の事しか考えていない、其れに自分のことを考えているつもりなんだろうが、まるで考えきれていない」
「ああ、俺ISの授業受けて居ますけど、今まで習った事覚えてませんよ」
「はぁ、とんだ猫被りの様だな」
「あんな可愛いもんじゃ無いですよ、其れにあんな授業俺には、何の役に立ちませんから」
「授業をちゃんと受けてるだけマシだな、遅れるなよ」
「分かってます」
天災さんに今度会ったら、頼んでみるか俺の…………。
“IS適正を無くす”事を。
夕紀と言う少年は、一体何者なのか其れは夕紀以外誰も知ら無い、たった一人の家族であっても心友て達であっても。