「はぁ、まぁわかりましたよ」
「悪かったな、では頼んだぞ」
日の終わり、突然織斑先生から電話が掛かってきた、内容は明日やって欲しい事があるから、第三アリーナに何時もの朝の時間に来てくれとの事だった。
嫌な予感は、電話が掛かってきた時から感じていた、其れにアリーナに場所を指定したのだ、少なからずISに関する事なのだろう。
「力は持つ者の考えで争いを生む、確かに力なんて本当は、必要無いのにこんな世の中だしなぁ、争いは避けられ無いのは分かってるが、醜過ぎるなISに取り憑かれた奴らは」
女達は、特に女権利団体は、自分達の特権であるISを男の人が動かせた、彼女達からしたら男達を貶める物が、二人と少ないがその男達に、使われるのが気に食わないないのだろう。
大抵の場合生身なら、男には勝てないと言うのに、其れにISも絶対なんて訳ないのに、アホの考えは分からないものだ。
まぁ、俺にはちょっかい出して来たら、タダじゃ済まさないが。
「テロリスト相手に、俺は殺そうとする気持ちを抑えられるのだろうか、まぁ惨めな俺を
右手首に付いている文の形見を触りながら、上を見上げると、真っ黒な俺とは違い、星が煌々と輝いていた。
姉さんや紫苑達には、立ち直ったなんて言ったけど、実際のところ97期生の中で一番、あの事を引きずっているのだろうな。
人は変わる、でも俺は変われない普通の人とは、違うのだから。
人は乗り越えられる、だが其れは必ずじゃない、乗り越えられない時だってある。
「俺は、一体何なんだろうか」
中二になった時から考えている事、俺はどんな存在なのか未だに考え付かない、俺の生涯の問答になりそうな考え。
「寝るか」
楯無先輩は、今日も遅くなるらしく居なかったので、そのままベッドへと倒れこみ、眼を閉じた。
眼を覚まして、楯無先輩を起こさない様に準備を終え、織斑先生に指定されたアリーナへと、向かう。
アリーナに近付くと、聞き慣れた声が聞こえてきた。
そして、其処には俺を呼んだ織斑先生と…………。
「あ、夕紀」
「はぁ、そう言う事か」
織斑が、白式を纏って立っていた。
「千冬姉、教えてくれるって言ってたけど、何で始めないんだ?」
「まぁ、待て教えても実践する相手が、居ないだろもう少し待て、そろそろ来る」
クラス対抗戦の特訓に、俺の姉で世界最強の千冬姉が教えてくれる事になった。
今は、千冬姉より力が無いけど、何時か千冬姉を超えて千冬姉達を守れる為に、今はどんな事もするつもりだ。
数分して、アリーナに近付く足音が聞こえ、其処に向くと見覚えのある顔がいた。
「あ、夕紀」
「はぁ、そう言う事か」
千冬姉が、認めた同年代の夕紀が、溜め息を吐きながら頭を抱えていた。
「其れで、織斑先生俺は何をすればいいんすか?」
「私が、やり方を織斑に教えるから、お前が試し相手になれ」
「攻撃しないで、防げばいいんすか?」
「まぁ、其れで良い織斑」
「は、はい」
夕紀との会話を終えた千冬姉に呼ばれ、振り返り戦い方などを教えてもらった後、ISを纏った夕紀と対面して、教えられた事を頭で、復唱しながら試していった。
「行くぞ!」
「来い、バカ」
夕紀は、俺よりもずっと先にいる事が、この日また知らされた。