そんな事はさておき、スタートです
数時間くらいだったか、荒れていた気持ちを落ち着けたので、部屋から出ててリビングに出た所で、姉さんと眼があった。
「夕紀、文ちゃんの事気にしてるの?」
「‥‥だったら?」
文と言う言葉に、たった一人の家族の姉さんに、嫌悪感を出してしまう。
「どうせ、夕紀の事だから、何で俺じゃないんだ!とか思っていたりするんでしょ?」
当たっている、けど、他人に自分の考えが分かるのが、この上なくイラつく。
其れが、今まで俺を育ててくれた、実の姉であっても姉さんは、笑顔を欠かせない。
どんなに辛くても、悲しくても俺を不安にさせない為に、最初の頃は其れに気づかなかったけど、知っている今となっては見ているだけで、嫌気がさしてくる。
「あんたには、関係ない事だろが、関わらないでくれよ今は、誰とも話したくないんだ」
「そうやって、夕紀は一人で抱え込み過ぎだよ」
「何が、分かっているってんだよあんたは、俺じゃないだろ」
「分かるよ、夕紀は私のたった一人の家族なんだから」
俺は、この人が苦手だ俺が、この人の事を余り知らないのに、この人は俺の事を、俺が知らない事まで知っているのだ。この人が苦手だの次に。が必要だと思う
そんな姉さんに、思わず声を荒げて言い返す。
「家族だから何だってんだよ!俺は、あんたみたいに笑顔でいれないんだよ!あんたが、どれだけ俺を知っていても、ズカズカ俺の領域に入ってくんなよ!」
さっきから、思っていた事をセーブさせずにぶちまける。
其れを聞いた姉さんは、顔を俯かせて肩で息をしている俺に近づき、そっと抱きしめた
「そう、其れで良いんだよ?抱え込んでも良いけど、私の前では、そうやって自分の気持ちをぶちまけて良いんだよ、夕紀はそうやって何でも抱え込むんだから、私にも背負わせて良いんだよ、たった一人の家族なんだし、夕紀の悲しみも私が一緒に、背負ってあげるから」
姉さんの言葉が、俺を包み込んでくる、姉さんの優しさが辛くて、明るさが苦手で、でもそんな姉さんの事を尊敬していて、俺を支えてくれると言った、姉さんの言葉に涙が流れてくる。
「俺ェ‥‥頑張る‥文の‥‥分まで」
「ふふ、うん頑張ってねお姉ちゃんが、応援してるよ」
未だに子供の様に、涙を流す俺を姉さんは、頭を撫でながら慰めてくれた。
この人には、一生敵わないかもしれない。
一頻り泣いた俺は、ソファに姉さんと隣り合わせで座り、此れからの事を話した。
「はぁ、何で俺あんなに泣いたんだろ」
「まぁ、夕紀は感情を簡単に出さないからね、其れで?此れから如何するの?」
「身体を鍛えようかなって、文のおかげで生きているから、簡単に死なない様に」
「人間辞めたら、流石のお姉ちゃんでも、怒るよ?」
「‥‥‥善処します」
「今の間が、気になったけど今は、許してあげる」
俺の微妙な返しに、姉さんは疑いの眼をしてきたが、諦めた様に肩を落として、俺の事をもう一度抱きしめた。
「な?!は、離せ!」
「ダメ、夕紀はお姉ちゃんを心配させ過ぎ、今はお姉ちゃんに癒しを与えなさい!」
「り、理不尽極まりない」
姉さんは、離れようとジタバタする俺をさっきよりも強く抱きしめて、頭を上機嫌に撫で続ける。
姉さんのプロポーションは、抜群な為抱きしめられると、女性の象徴が頭に当たる。
別に嫌いって訳ではないが、中一になってこんな事をされるのが、恥ずかしいのだ。
こんな、何気ない日々が今の俺には、安心出来る空間だったりしているから、強くは言えないでいる。
姉さんには、一生掛かっても恩を返せなさそうだ。