「あの無人機を此処に襲撃させる?何考えているんすか天災さん」
割と早くに授業が終わり、朝に見つけた織斑のダメな点を纏めた紙を、投げ渡して部屋に戻ってきた時に、天災さんか連絡が、掛かってきた。
その内容は、明後日行われるクラス対抗戦に、無人ISゴーレムを襲撃させるらしい。
俺の方には、一応連絡しに来たらしい。
俺の問いに天災さんは、こう答えた。
『いっくんの強さを見せつける為だよ』
「あのバカの何処に見せつける強さが、あるんですか?」
『まぁまぁ、いっくんは、実戦で真価を発揮するんだよ!』
「はぁ、ゴーレムの対応の時生身で、やっちゃダメすか?」
『ダメに決まってるよ〜、ゆう君の事が世界に知られたら、色々と面倒くさいからさ〜』
「了解です」
あの人は、何を考えているのか、大体でしか分からないが、この襲撃は多分特に此れといって理由は、無いのだろう。
はぁ、それにしても明日は、昼にも織斑の特訓の手伝いかよ。
面倒くさいったらありゃしない、まぁ織斑先生には逆らえないから、従うが。
「彼奴は、俺とは違って輝いているんだよな、ははっ、何彼奴に妬いてるんだ俺は?まぁ、この世界で俺よりも真っ黒な奴も居るんだろうが
どう思います?“轡木さん”?」
俺が、電話をしていたのは、学園にある誰も来ようとしない中庭だ。
ベンチにもたれ、首を振り向きながら、俺の近くに“何時の間にか”来ていた、学園の用務員の轡木十蔵さんに、聞き返す。
「さぁ、私は君の事が知らないのでね、どうこう言う筋合いでは、無いよ」
「胡散臭いよ、轡木さんでも、あんたみたいな人は、嫌いじゃ無いっすね」
「はは、此れは嬉しい事を言われものだ」
お互い笑っている様に話しているが、俺も轡木さんも互いの心を探り合っている。
このおっさん、轡木十蔵は用務員でありながら、事実上このIS学園の運営者だ、「学園の良心」なんて呼ばれているらしいが、勘がいい奴は、この人の事を胡散臭いと言うだろう。
特に日高達や織斑先生辺り。
「ところで、君はISの授業をサボっているそうじゃ無いか?此処はIS学園なのに、そのISの授業を受けないのは、どうしてだい?」
「前言撤回、あんたの事嫌いだわ、簡単な話です俺がISの事を嫌っているから、今のISの授業なんて受けたくも無いですね」
「其処までとは、まぁ困った事があるなら私に言いなさいな」
「遠慮します、親友の相談相手で間に合ってます」
「そうですか、其れでは私は此れで」
轡木さんは、言うだけ言うと荷物を纏めて、中庭から出て行った。
「この世の全てが無駄、無価値な世界、お前が居ないだけで俺は、こんなに荒んでるぜ?」
誰も居ない場所で、今の自分に嫌気がさしながら、俺は中庭から出て自室へと戻った。
ある事を考えながら。