「やっぱりハヅキ社製のやつがいいなあ」
「え? そう? ハヅキのってデザインだけって感じしない?」
「そのデザインがいいの!」
月曜の朝。
クラスの女子たちはどのISスーツをどれにするかで談笑していた。
「そう言えば、ユウユウってスーツ着ないよねー」
「着ないと言うか、持ってない、其れに前に着た事あるけど、気持ち悪過ぎて、直ぐに脱ぎ捨てた」
「そうかなー?私は、そう感じないよー」
「人それぞれって、訳だ其処らへんは、察しろよ」
「分かったのだー」
俺は、又もやいつの間にか隣に居た、布仏に女子達が、話している事で気になったのだろう、俺が、ISスーツを着ないのか聞いてきたので、答えると両手を挙げて、分かったと言った。
その後、織斑が篠ノ之達と一緒に、教室に入ってきた。
確か、彼奴ら同室って言ってたから、一緒に来たのだろうが、篠ノ之よ残念だが、多分織斑にはそんなので、余り意識しないぞ。
布仏は、今度は織斑の所にいって、色々と話しをしていた。
少しして、教室の扉が開いた。
「諸君、おはよう」
我らが織斑先生の登場。一気に雰囲気が引き締まった。
「今日からは本格的な実戦訓練を開始する。訓練機ではあるがISを使用しての授業になるので各人気を引き締めるように」
ISの使用、という言葉に反応する生徒たち。
「各人のISスーツが届くまでは学校指定のものを使うことを忘れないようにな。忘れたものは代わりに学校指定の水着を訓練を受けてもらう。それもないものは、下着で構わんだろう」
織斑先生、貴女には俺と織斑と言う、男が見えないのでしょうか?だとしたら、眼科を受診する事を勧めますよ。
そんな事を思っていると、織斑先生に睨まれた、如何やら読心でもした様だ。
あの人、絶対逸般人だ、絶対。
「では、山田先生HRを」
「は、はい突然ですが、皆さんに転校生を紹介します! しかも二名です!」
さらにざわつく生徒たち、其れもそうだろう、こんな時期に二人も転校して来るのだから。
「失礼します」
「…………」
教室に入ってきたのは、シルバーとブロンドの二人、端から見れば、然程の事ではないが、注目すべき点は。
「う、うそ!」
ブロンド髪の転校生が、男だと言う事だ。
少しして、転校生の自己紹介が始まった。
「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不慣れなことも多いかと思いますが、みなさんよろしくお願いします」
鮮やかな金髪、人懐っこそうな顔、礼儀正しく頭を下げる華奢な姿、金髪の転校生の「男子」は、にこやかに笑って言った。
織斑と俺以外に、男性操縦者が居るのなら、天災さんから連絡が、来るはずだが、何の連絡が無かった、此れらを踏まえて俺の視認での目測を加えると、
「はい。こちらに僕と同じ境遇の方がいると聞いて本国から入国を……」
「きゃ」
やばい、此れは!
「きゃああああああああああああああああああーーーー!!」
鼓膜を貫く爆音、あまりの音量に鼓膜が
「ぐあぁ、耳が……!」
声で脳が揺れたのは人生初だ、このクラスの女子はいつもいつも激しすぎる……!
「男子! 三人目の男子!」
「しかもうちのクラス!」
「美形! 守ってあげたくなる系の!」
「地球にうまれてよかった~~!」
過剰な喜びを発散させるクラスメイトたち、大げさすぎるような気がする。
「あー、騒ぐな。静かにしろ」
我らが織斑先生の一言により、一瞬で静かになるクラスメイトたち。この切り替えの早さはもはや名物と呼んでいいのではなかろうか。
「み、皆さんお静かに。自己紹介はまだ終わってませんよ」
山田先生も皆を宥めた。仰るとおりである。
一旦、思考を止めて、もう一人に視線を向ける。
その少女は輝かしい銀髪を流し、ただただ立っていた。目には眼帯が添えられている、放つ雰囲気は、明らかに普通の高校生の冷たさではなかった、恐らく軍人だろう、クラスメイトたちはこちらの生徒を不気味な存在なように感じているかもしれない。
まぁ、デュノアの方が、俺からすれば不気味な存在だが。
「…………」
銀髪の少女は何も言わなかった。
「……ラウラ、挨拶をしろ」
「はい、教官」
織斑先生が指示すると、ラウラという銀髪の少女は、間髪置かずに返事をした。
「ここではそう呼ぶな。もう私は教官ではないし、ここではお前も一般生徒だ。私のことは織斑先生と呼べ」
「了解しました」
確か織斑先生はドイツ軍で指導を行っていたことがあったはずだ。この少女はそのときに指導されたのだろうと推測する。
「……ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
その挨拶には、笑顔も会釈も何もなかった。此れはある意味厄介かもしれない。
「あ、あの、以上、ですか?」
「……以上だ」
山田先生が気を利かせて聞いたが、ボーデヴィッヒは何も言わなかった。
「貴様が――!」
ラウラ・ボーデヴィッヒは織斑の姿を確認すると、つかつかと目の前まで歩いていく、突然、ボーデヴィッヒは織斑に平手打ちを見舞った。パシンと乾いた音がクラス内に響く。
良いぞ、もっとやれ!
「な、何しやがるっ!?」
織斑が立ち上がった。
「私は認めない。貴様があの人の弟であることなど、認めるものか」
そう言って、ボーデヴィッヒは元の場所に戻った、俺の知り合いのドイツ人は、アホだが此奴は、マジのバカだ。
「……ゴホン!」
ざわついくクラスメイトをわざとらしい咳払いで黙らせると、織斑先生は俺たちに指示した。
「ではHRを終わる。各人はすぐに着替えて第二グラウンドに集合。今日は二組と合同でIS模擬戦闘を行う。それと、織斑、天凪、デュノアの面倒を見てやれ。同じ男子だろう」
はぁ、あの人、俺に向けてる顔が笑ってる、絶対俺が気付いているのを、知ってていっていやがる。
あの人、何で“女子”のデュノアの世話を俺に頼む!織斑に、押し付けるぞ!俺は!
此れは、又もや波乱が起こりそうだ。