入学式の時に起きた、テロ事件の後俺が通う予定だった中学は、ほぼ男子校とかしていた。
被害の少なかった男子は残り、遠方から来て無事だった女子が幾人か残り最終的に、男子が三分の二を占める形となった。
あの事件で、俺たちの学年は男女仲が良かった。
俺にも、親友と呼べる奴が、何人か出来たし事件後からの俺の特訓にも、快く付き合ってくれる奴もいた。
そんなこんなで、中学一年の日々は、最初の事件を除けば他の中学と変わらず、楽しむ事が出来た。
そして、2年になりクラスが変わったが、親友達とは同じクラスになれた。
俺の姉が、世界的アーティストの心優と知った時は、かなり驚いていたが、今では姉さんとも仲が良い。
四月、五月、六月、七月と何事もなく進んでいき、夏休みに入る前日。
「なぁ、夕紀お前夏休み如何すんの?」
終業式が終わり、割と自由な時間に一年の最初からの付き合いの
「やりたい事があるけど、多分すぐに終わると思うから、割と暇だな」
俺の返事に、俺が常日頃何をしているか知っている紫苑は、諦めた様な顔をしたが、普通の表情に戻して質問をしてきた。
「何すんだよ‥‥‥まぁ其れは置いといて、何時ものメンバー誘ってバーベキューしようと思ってんだよ」
「面白そうだな、用事は夏休み入ったらすぐにやるから、中盤くらいに計画してくれたら、行くよ」
「了解、了解じゃあ、日時決めたら連絡すらからな」
「分かった」
ある程度決めた後自分の教室に去って行く、紫苑の後を追いながら俺も自分の教室に戻っていく。
残りに授業を受け、昼食を済まして通知表を返された後、家に帰る途中に紫苑を含めた、何時もの四人組で、ファーストフード店に寄り道をする。
「夕紀、頼むから事件だけは、起こすなよ?」
「舐めてもらっちゃ困る、俺が一度でも事件を起こした事があったかい?」
「あははは、其れより心優さんは今何処に居るの?」
向かい側に座っていた、2年から交流を持ったクラスのリーダー
「今日中には、こっちに帰ってくるってさ、夏休み中は家に大体居るって言ってたな」
「ん?心優さんって、事務所入ってたっけ?」
「入ってるって言ってた、何処かは詳しく教えてくれんかったけど、って今何時だ?」
「えっと、5時だね」
一歩の言葉に慌てて、頼んでいたコーヒーゼリーを食い尽くして、鞄を持って急いで家へと帰る。
「ごちそうさま!悪い、俺の分出しといて、後で十倍にして返すから!」
「お、おう気をつけてな」
慌てる俺に、驚く日高達を置き去りにして、猛ダッシュで家へと帰宅する。
「おかえり、遅かったね夕紀?」
「た、ただいま、もう帰ってたんだな姉さん」
ドアを開けたところに、部屋に着替えた姉さんが笑顔のまま仁王立ちをしていた。
「其れで?学校が、終わってから何処に行ってたの?」
「紫苑達と、FF(※架空のファーストフード店の名前)に寄り道してました」
「はぁ、5時頃には帰ってくるから、荷ほどき手伝ってって言ったのに、今まで鞍月君達とFFに寄り道してたのね」
「すいませんでした」
有無を言わさない、笑顔の威圧に屈した俺の記憶は、頭を下げた所で途切れた。
「此れは、一種のケジメのつもりだ何も言わずに、上で見守ってくれよな文」
大きなスポーツバッグを持った俺は、文の母さんからもらった文の写真に、手を合わせながら此れからやる事の理由を言う。
「やる意味は、無いかもしれないけど、こうしないと納得しない俺が居るからさ、じゃあ行ってくる」
手を離して、目的地に向かおうとドアに行こうとした時、リビングの電気が付いているのが、分かった。
「どっか行くの?」
「ちょっと、運動しに」
「そう、気をつけてね」
姉さんは、それ以上何も言わなかった。
俺が、住んでいた街は海に近かった為少し走れば、すぐ海が見える所だ。
俺が、一年の頃から学んだ武術は、剣術に始まり拳術、合気道、古武術、少林寺拳法などなど、その所為で身体能力が人間を辞めてしまい、姉さんに怒られたのは、言うまでも無い。
「行きます、か」
スポーツバッグから、着替えを取り出して着替え終わった後、重りを外し陸上のクラウチングスタートの体制をとり、思い切り海上を駆け抜ける。
海上を駆け抜ける方法は、すでに分かっているが其れを実現する事は、生身の人間では不可能であったが、俺は普通ではなくなったから、実現する事が出来た。
数十分走り続けると、海上には不釣り合いの建物を見つけた。
「見つけた‥‥!、ハアァァ!!」
がアァァン!!!
建物の外装を思い切り、拳で殴りつける、轟音を上げた建物に大きな風穴を開ける。
その穴から、中に入るとランプ赤く光り警告音が、鳴り響いていた。
「作戦開始だな」
一般を逸脱した逸般者は、天災の根城に侵入する。